訂正有価証券報告書-第32期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、以下の経営理念のもと、経営を遂行しております。
① 個人の尊重
当社は、社員一人一人の権利を尊重し、個人が意義のある文化的な人生と、生き甲斐を追求できる企業でありたい。一人一人の向上心を信じ、自立的な活動を援助し、仕事を通して能力が最大限に発揮できる環境を作り、能力や業績に報う企業とする。
② 存在意義のある企業
当社は、存在意義のある、優れた企業として認められることを望む。独創性を発揮し、個性と特徴をもち、経営の基盤を、絶えることのない研究開発活動と品質優先に置く経営を貫く。全ての組織が全力を尽くすことに生き甲斐を感ずる企業とする。
③ 共存共栄
当社は、社員、顧客、株主、材料部品の購入先、協力会社、取引先などの多くの人々に支えられている。当社は、これら関係者の全てに満足してもらえるように魅力ある製品、サービス、報酬、環境、取引関係を作り上げるよう最善の努力を払う。
④ 社会への貢献
当社は、社会の良き一員として企業活動を通じ、広く社会や産業界に貢献して行く。我々が提供する製品やサービスが、直接的間接的に広く社会の向上に役立ち、属する地域社会の環境や質の向上に役立つ企業を目指す。
(2)当社グループの事業と製品
当社グループは、トータル・モーション・コントロールを提供する技術・技能集団として、技術者・技能者という人的資源を中核に、トータル・モーション・コントロールを構成するコア技術を高度に応用することによって、お客様が求める“動き”の実現に貢献できる製品を提供しております。
当社グループでは、ハーモニックドライブ®、アキュドライブ®、ハーモニックプラネタリ®といった高精度減速機に、モーター、センサーなどを組み合わせたアクチュエーター、さらにはその性能を引き出すドライバー、コントローラー、その他システム要素を組み合わせ、他社製品とは差別化された高付加価値製品を提供しております。
(3)当社グループの強みや特長
① 波動歯車装置に係る技術・技能の蓄積
当社グループは、波動歯車装置との運命的な出会いを契機に、創業以来50年にわたって無限に広がるこの減速装置の可能性を追求してきました。これまでに蓄積した開発技術、生産技術、加工・組立の技能、生産システムは、当社グループのかけがえのない財産であり、最大の強みと考えております。
② 小型・軽量・高精度を提供する製品群
当社グループが製造・販売するメカトロニクス製品と減速装置は、高度なモーション・コントロールや各種装置のコンパクト化・軽量化を求めるお客様にご採用いただいております。なかでも、小型、軽量、高精度を特長とするハーモニックドライブ®は、自動車、デジタル機器、半導体ウェハー、フラットパネルディスプレイなどの製造工程で使われる産業用ロボットの関節部に組み込まれ、世界市場で高いシェアを獲得しています。さらに、工作機械、計測試験装置、人工衛星、石油掘削装置、先進医療機器などの幅広い用途において、他の機構では実現の難しい差別化された付加価値を提供しています。
③「トータル・モーション・コントロール」の提供を可能とするコア技術
当社グループは、減速機のほか、モーター、センサー、ドライバー、コントローラー、その他システム要素に関する研究開発とものづくりを通じて、これらの技術・技能を蓄積してきました。このようにして培ったコア技術に係る有形・無形の技術と技能は、お客様が求める高度なモーション・コントロールを提供するために不可欠なものであり、当社グループの競争力の源泉と考えております。
④営業・製造・開発が一体となった事業運営
当社グループは、お客様のニーズをものづくりや製品開発に生かすため、営業部門、製造部門、技術・開発部門が密接な関係をもった事業運営を行っています。例えば、長野県の安曇野市にこれらの主要部門を集中させ、引合いから技術検討、試作、受注、製造、出荷までの業務プロセスを効率的に進める体制を構築しています。お客様のニーズや技術者の発想を素早くものづくりに反映し、新たなモーション・コントロールをタイムリーに提供できる体制も当社グループの強みのひとつと考えております。
⑤国際的な事業展開
当社グループは、日本、米国、ドイツ、韓国、中国、台湾に事業拠点を展開し、各地域の特性に合わせた事業戦略を推進するとともに、各拠点が相互に連携しながら世界的に広がるお客様に対し最適な製品・サービスの提供を進めております。
(4)中長期的な当社グループの経営戦略
当社グループは、さらなる成長と経営体質の強化を図るため、下記の長期ビジョンと中期経営計画(2018年度~2020年度)を掲げております。
■当社グループの事業領域と使命
「トータル・モーション・コントロール」の提供
■長期ビジョン
(ありたい姿)
価値ある製品とサービスの提供によって、モーション・コントロール業界において唯一無二の存在であり続ける
(目指すポジション)
・独創的な技術で信頼されるアクチュエーターメーカー
・精密減速機分野のリーディングカンパニー
■中期経営計画(2018年度~2020年度)
~会社創立50周年~
急拡大する成長機会を着実にとらえ、一段上のステージへ
(基本方針と戦略)
① グローバル生産能力の大幅な引き上げ
日本、米国、ドイツ、韓国に展開する各生産拠点の生産能力の引き上げ
② グループ各社の能力を引き上げ、総合力を強化
グループ各社の経営基盤を強化し、企業価値向上を実現
③ QCDS能力引き上げによるお客様満足度の向上
(メカトロニクス製品)
・独創的な製品とサービスによって新市場、新用途を開拓
・サービス・サポート体制の強化
・新製品開発とコア技術の向上
(精密遊星減速機)
・地域毎の特性にもとづく販売戦略の展開
・開発・生産技術の強化
(波動歯車装置)
・製品リードタイムの短縮
・高付加価値製品と課題解決力により差別化された価値を提供
④ 成長を支える経営基盤を強化
・健全な成長に見合った人材の獲得と育成の推進
・ITを活用した経営プラットフォームの充実
・環境、社会、ガバナンスを考慮した経営の推進
⑤ 将来に向けた成長の布石
創造的破壊にも挑戦し、変化に対応できる組織風土を醸成
(5)経営環境と対処すべき課題
2020年度における当社グループの事業環境は、お客様における当社製品の在庫消費に伴い、徐々にではありますが受注に回復の動きが認められるようになってまいりました。しかしながら、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響により、世界経済および当社グループを取り巻く経営環境は不透明感が高まっており、予断を許さない状況が続くものと見込んでおります。
このような環境のもと当社グループは、「安全」と「安心」をキーワードに、お客様、仕入先各社様、社員およびその家族の感染防止を最優先し、各生産拠点の操業維持とサプライチェーンとの連携強化に最注力してまいります。その上で、「お客様の期待値を上回る満足の提供」を実現していくため、製品およびサービス品質の向上、生産改革によるコスト低減・リードタイム短縮、課題解決力の向上とさらなる迅速化に取り組み、競争力をさらに拡大してまいります。
当社グループは、中期経営計画(2018年度〜2020年度)を策定し、当社創立50周年にあたる2020年度への飛躍を目指しております。しかしながら、足下の事業環境は厳しく推移するものと見込まれることから、掲げた財務目標の達成は困難な状況にありますが、当社が手掛けるメカトロニクス製品、精密減速装置の市場は、新興諸国における製造業の自動化、省力化投資に加え、先進国でも人手不足への対応や生産性向上の観点から産業用ロボット、協働型ロボットの需要増加が見込まれることから、中長期にわたり高い成長機会があるとの見通しに変化はありません。
従いまして、短期的な事業環境の変化にも柔軟に対応する一方で、長期ビジョン、中期経営計画に掲げた方針にもとづく戦略にも取り組み、攻めと守りのバランスを勘案した経営戦略を遂行し、中長期的な企業価値向上を図ってまいります。
(6)新型コロナウイルスへの対応と影響について
当社グループは、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、2020年2月3日に当社内に対策本部を設置し、社員、お客様、お取引先など、ステークホルダー各位の安全と安心を最優先に感染防止に努めております。現在に至るまで、新型コロナウイルス感染等による健康被害、工場の操業、サプライチェーンへの影響は発生しておりません。引き続き、感染防止策の徹底に傾注してまいります。
また今後、新型コロナウイルスの感染拡大が世界経済に大きな打撃を与えた場合、個人消費や製造業の設備投資意欲が低迷することにより産業用ロボット、半導体製造装置、乗用車などの需要が減少し、これら装置の部品サプライヤーである当社グループの業績に大きな影響を及ぼす可能性がありますので、今後の動向には細心の注意を払いながら事業運営を進めてまいります。