訂正有価証券報告書-第150期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
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注記事項-金融商品、連結財務諸表(IFRS)
注26.金融商品及び関連する開示
(1)資本管理
当社は、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の資産、負債及び資本を維持することに加えて、事業活動における資本効率の最適化を図ることを重要な方針として資本を管理している。
当社は資本管理において、親会社株主持分比率を重要な指標として用いており、継続的にモニタリングしている。2018年3月31日及び2019年3月31日現在における親会社株主持分比率は、それぞれ32.4%及び33.9%である。
なお、会社法等の一般的な規制を除き、当社が適用を受ける資本規制はない。
(2)財務上のリスク
当社は、国際的に事業活動を行っており、その過程において、常に市場リスク(主に為替リスク及び金利リスク)、信用リスク、流動性リスク等の様々なリスクに晒されている。当社ではこれらの財務上のリスクを回避もしくは低減するためにリスク管理を行っている。
① 為替リスク
当社及び子会社は、外国為替相場の変動リスクに晒されている金融資産及び金融負債を保有しており、外国為替相場の変動リスクをヘッジするために、先物為替予約契約あるいは通貨スワップ契約を利用している。
売上及び仕入に係る為替変動リスクについては、毎月通貨毎に将来キャッシュ・フローを決済期日毎に測定し、この一定割合に対して主に先物為替予約契約を締結することにより、外貨建債権債務及び外貨建予定取引から発生する将来キャッシュ・フローを固定化している。先物為替予約の期間は、概ね1年以内である。なお、当社及び子会社は、事業特性、収支構造、契約内容等を確認し、必要に応じて個別案件に適応した為替リスク管理方針を作成し、案件毎のリスク管理体制を整備した上でヘッジ取引を行っている。
また、外貨建の長期債務から生じる将来キャッシュ・フローを固定化するために負債元本の償還期限と同じ期限の通貨スワップ契約を締結している。先物為替予約契約及び通貨スワップ契約とヘッジ対象とのヘッジ関係は高度に有効であり、ヘッジ対象外貨建資産・負債の為替相場の変動の影響を相殺している。
2018年3月31日及び2019年3月31日現在において当社及び子会社が保有する外貨建金融商品につき、その他全ての変数を一定とすることを前提に、当社の機能通貨である日本円が1%円安となった場合の前連結会計年度及び当連結会計年度の連結損益計算書上の継続事業税引前当期利益への影響額は、下記のとおりである。
② 金利リスク
当社及び一部の子会社は、主に長期債務に関連する金利変動リスクに晒されており、この変動の影響を最小化するため、主に金利スワップ契約を締結してキャッシュ・フローの変動リスクを管理している。金利スワップ契約は主に受取変動・支払固定の契約であり、長期債務の変動金利支払分を受取り、固定金利を支払うことによって、変動金利の長期債務を固定金利の長期債務としている。
また、一部の金融子会社は、主に固定金利で資金調達を行い、変動金利での貸付等を行っているため金利変動リスクに晒されており、この変動の影響を最小化するため、主に金利スワップ契約を締結して公正価値の変動を管理している。
金利スワップ契約とヘッジ対象とのヘッジ関係は高度に有効であり、金利変動リスクから生じるキャッシュ・フロー及び公正価値の変動の影響を相殺している。
2018年3月31日及び2019年3月31日現在において当社及び子会社が保有する金融商品(償却原価で測定する金融資産及び金融負債、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債、並びにデリバティブ資産及び負債)につき、その他全ての変数を一定とすることを前提に、金利が1%上昇した場合の前連結会計年度及び当連結会計年度の連結損益計算書上の継続事業税引前当期利益に与える影響額は、下記のとおりである。
③ 信用リスク
当社及び子会社の営業活動から生じる売上債権及び契約資産並びにその他の債権は顧客の信用リスクに晒されている。また、余剰資金の運用のために保有している債券等及び政策的な目的のために保有している株式等は、発行体の信用リスクに晒されている。さらに市場リスクを軽減する目的で行うデリバティブ取引については、取引相手先である金融機関の信用リスクに晒されている。
顧客の信用リスクに対しては、取引対象商品及び取引先の財務状態や信用格付等により定期的に信用調査を行い、信用リスクに応じた取引限度額を設定している。余剰資金については、安全性の高い債券等での資金運用に限定し、デリバティブ取引先については、格付の高い金融機関に限定して取引を行っている。
当社及び子会社は、世界各地で多業種にわたり事業を行っており、特定の地域や取引先に対する信用リスクの集中は発生していない。
2018年3月31日現在において期日が経過しているが減損していない売上債権及びその他の債権の年齢分析は、下記のとおりである。なお、当社は、期日到来前で減損していない売上債権及びその他の債権は全額回収可能と考えている。
前連結会計年度の貸倒引当金の増減内容は、下記のとおりである。
「その他」には、主に連結範囲の異動、為替換算影響等が含まれている。
2018年3月31日現在における減損が生じていると個別に判定された売上債権及びその他の債権残高は71,321百万円であり、これに対して設定した貸倒引当金は18,951百万円である。
当連結会計年度の売上債権及び契約資産並びにその他の債権に係る貸倒引当金の増減内容と、貸倒引当金に対応する売上債権及び契約資産並びにその他の債権の総額での帳簿価額の増減内容は、下記のとおりである。なお、その他の債権には、主にリース債権並びに短期貸付金、未収入金、償却原価で測定する負債性証券及び長期貸付金等の償却原価で測定される金融資産が含まれる。
(a)信用減損が生じた金融資産に関する貸倒引当金については、個別的評価により貸倒引当金を測定するため、集合的評価から振替えている。
(b)金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していないと判断された場合、直接償却として認識を中止している。
(c)主に連結範囲の異動、為替換算影響等が含まれている。
保有する担保を考慮に入れない場合の当社及び子会社の金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている貸倒引当金控除後の帳簿価額である。また、貸出コミットメントの信用リスクに係る最大エクスポージャーは、注30.コミットメント及び偶発事象に記載している貸出コミットメントの総額であり、債務保証契約の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、注30.コミットメント及び偶発事象に記載している債務保証残高である。
④ 流動性リスク
当社及び子会社の買入債務、長期債務等の金融負債は流動性リスクに晒されている。当該リスクに関し、当社及び子会社は運転資金の効率的な管理による資本効率の最適化、当社及び金融子会社による資金の集中管理等により資金管理の維持に努めている。また需要に応じ、資本市場における債券発行、株式発行及びコミットメントラインを含む金融機関からの借入による資金調達が可能である。当連結会計年度末日における当社のコミットメントライン契約に係る借入未実行残高は、注30.コミットメント及び偶発事象に記載している。
デリバティブ負債を除く金融負債の期日別残高は、下記のとおりである。なお、買入債務の簿価と契約上の
キャッシュ・フローは一致しており、支払期日は全て1年以内であるため下表に含めていない。
短期借入金の加重平均利率は2.7%であり、長期借入金の加重平均利率は0.8%、返済期限は2019年から2031年までである。
社債の銘柄別明細は、下記のとおりである。
主なデリバティブの流動性分析は、下記のとおりである。なお、他の契約と純額決済するデリバティブについても総額で表示している。
(3)金融商品の公正価値
① 公正価値の測定方法
金融資産及び金融負債の公正価値は、以下のとおり決定している。
現金及び現金同等物、売上債権、短期貸付金、未収入金、短期借入金、未払金、買入債務
満期までの期間が短いため、公正価値は帳簿価額とほぼ同額である。
有価証券及びその他の金融資産
リース債権の公正価値は、一定の期間毎に区分した債権毎に、債権額を満期までの期間及び信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値に基づいて算定している。
市場性のある有価証券の公正価値は、市場価格を用いて見積っている。市場性のない有価証券の公正価値は、類似の有価証券の市場価格及び同一又は類似の有価証券に対する投げ売りでない市場価格、観察可能な金利及び利回り曲線、クレジット・スプレッド又はデフォルト率を含むその他関連情報によって見積っている。重要な指標が観察不能である場合、金融機関により提供された価格情報を用いて評価している。提供された価格情報は、独自の評価モデルを用いたインカム・アプローチあるいは類似金融商品の価格との比較といったマーケット・アプローチにより検証している。
長期貸付金の公正価値は、同様の貸付形態での追加貸付に係る利率を使用した将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて見積っている。
デリバティブ資産の公正価値は、投げ売りでない市場価格、活発でない市場での価格、観察可能な金利及び利回り曲線や外国為替及び商品の先物及びスポット価格を用いたモデルに基づき測定している。また、重要な指標が観察不能である場合、主にインカム・アプローチあるいはマーケット・アプローチを使用し、金融機関が提供する関連情報等を検証している。
長期債務
長期債務の公正価値は、当該負債の市場価格、又は同様の契約条項での市場金利を使用した将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて見積っている。
その他の金融負債
デリバティブ負債の公正価値は、投げ売りでない市場価格、活発でない市場での価格、観察可能な金利及び利回り曲線や外国為替及び商品の先物及びスポット価格を用いたモデルに基づき測定している。また、重要な指標が観察不能である場合、主にインカム・アプローチあるいはマーケット・アプローチを使用し、金融機関が提供する関連情報等を検証している。
② 償却原価で測定する金融商品
2018年3月31日及び2019年3月31日現在において、償却原価で測定する金融資産及び金融負債の帳簿価額及び公正価値は下記のとおりである。なお、償却原価で測定する金融資産及び金融負債の見積公正価値は、下記③に示されるレベル2に分類している。
(a) 長期債務は、連結財政状態計算書上の償還期長期債務及び長期債務に含まれる。
③ 公正価値で測定する金融商品
経常的に公正価値で測定する金融商品は、当該商品の測定に際し使用した指標により以下の3つのレベル(公正価値ヒエラルキー)に分類している。
レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)市場価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能な指標を用いて測定した公正価値
レベル3:重要な観察可能でない指標を用いて測定した公正価値
なお、公正価値の測定に複数の指標を使用している場合には、その公正価値測定の全体において重要な最も低いレベルの指標に基づいてレベルを決定している。
レベル間の振替は各四半期の期首時点で発生したものとして認識している。
2018年3月31日及び2019年3月31日現在において、経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の公正価値は下記のとおりである。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル3に分類される経常的に公正価値で測定する金融商品の増減は下記のとおりである。
(a)当期利益に認識した利得及び損失は、FVTPL金融資産に関するものであり、連結損益計算書上の金融収益及び金融費用に含まれる。
(b)その他の包括利益に認識した利得は、FVTOCI金融資産に関するものであり、連結包括利益計算書上のその他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動額に含まれる。
(c)レベル3からの振替は、主として投資先が取引所に上場されたことに起因するものである。
(d)各期末に保有する金融商品に係る未実現の利得及び損失は、FVTPL金融資産に関するものであり、連結損益計算書上の金融収益及び金融費用に含まれる。
当社の連結子会社において、非支配持分の所有者に付与している子会社株式の売建プットオプションは、上表に含んでいない。当該プットオプションは、経常的に公正価値で測定するレベル3の金融負債に分類しており、公正価値の変動は資本剰余金に認識している。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における当該プットオプションの公正価値は、それぞれ、17,098百万円及び17,678百万円であり、連結財政状態計算書上のその他の金融負債に含まれる。
公正価値の測定は、当社の評価方針及び手続きに従って、財務部門により行われており、金融商品の個々の性質、特徴並びにリスクを最も適切に反映できる評価モデルを決定している。また、財務部門は公正価値の変動に影響を与え得る重要な指標の推移を継続的に検証している。検証の結果、金融商品の公正価値の毀損が著しい際は、部門管理者のレビューと承認を行っている。
公正価値で測定する金融商品のうち、取引関係の維持、強化を目的として保有する資本性証券については、FVTOCI金融資産として分類している。主な資本性証券の株式銘柄及び公正価値は下記のとおりである。
FVTOCI金融資産に分類される有価証券に係る受取配当金は、注22.金融収益及び費用に記載している。
FVTOCI金融資産に分類される有価証券に係る評価損益の累計額は、連結会計年度中に認識の中止を行ったものに係る部分を利益剰余金に振り替えている。前連結会計年度及び当連結会計年度における税引後の振替額は純額でそれぞれ、17,891百万円(利益)及び34,608百万円(利益)である。
これらは主として、取引関係の見直しにより売却したもの、連結範囲の異動によるものである。
前連結会計年度及び当連結会計年度において認識を中止したFVTOCI金融資産に分類している有価証券の公正価値及び累計利得・損失は下記のとおりである。
(4)デリバティブとヘッジ活動
① 公正価値ヘッジ
既に認識している資産又は負債とそれに対する公正価値ヘッジに指定したデリバティブの公正価値の変動は、発生した連結会計年度の純損益に計上している。公正価値ヘッジとして指定したデリバティブには、営業活動に関連する先物為替予約契約と、資金調達活動に関連する通貨スワップ契約及び金利スワップ契約等がある。
② キャッシュ・フロー・ヘッジ
為替変動リスク
将来の外貨建取引の有効なキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定した先物為替予約契約の公正価値の変動のうち有効なヘッジと判断される部分は、その他の包括利益に計上している。ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で、その他の包括利益累計額に認識した金額を純損益に組み替えている。なお、ヘッジ対象に指定された予定取引により、非金融資産もしくは非金融負債が認識される場合、その他の包括利益として認識したデリバティブの公正価値の変動は、当該資産又は負債が認識された時点で、当該資産又は負債の取得原価その他の帳簿価額に直接含めている。
金利変動リスク
長期性負債に関連したキャッシュ・フローの変動に対し指定した金利スワップ契約の公正価値の変動のうち有効なヘッジと判断される部分は、その他の包括利益に計上している。その他の包括利益累計額は、その後、負債の利息が純損益に影響を与える期間にわたって支払利息に組み替えている。
2018年3月31日現在、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが発生すると予想される期間及びそれらが純損益に影響を与えると予想される期間は2018年4月から2025年3月までである。
2018年3月31日現在においてヘッジ手段に指定された主なデリバティブの公正価値は下記のとおりである。
上記以外にヘッジ会計を適用していないデリバティブ資産及びデリバティブ負債の公正価値は、それぞれ9,507百万円及び13,245百万円である。
2018年3月31日現在において主なデリバティブの契約金額及び想定元本は下記のとおりである。
公正価値ヘッジのヘッジ手段に係る前連結会計年度の連結損益計算書への計上金額は、下記「ヘッジ手段に指定したデリバティブのヘッジ有効部分とヘッジ対象項目」のとおりである。
ヘッジ手段に指定したデリバティブのヘッジ有効部分とヘッジ対象項目
キャッシュ・フロー・ヘッジに係る前連結会計年度の連結損益計算書及び連結包括利益計算書への計上金額は、下記「その他の包括利益に認識した損益-ヘッジ手段に指定したデリバティブのヘッジ有効部分」、「その他の包括利益から純損益へ調整した損益-ヘッジ手段に指定したデリバティブのヘッジ有効部分」及び「キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段に指定したデリバティブの損益-ヘッジ非有効部分」のとおりである。
その他の包括利益に認識した損益
ヘッジ手段に指定したデリバティブのヘッジ有効部分
その他の包括利益から純損益へ調整した損益
ヘッジ手段に指定したデリバティブのヘッジ有効部分
キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段に指定したデリバティブの損益
ヘッジ非有効部分
当社は、ヘッジ会計を適用する際は、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があることを確認するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しており、ヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動と、ヘッジ手段の公正価値又はキャッシュ・フローの変動とが相殺し合うかどうかの定性的な評価を通じてヘッジの有効性を評価している。また、ヘッジ対象とヘッジ手段の経済的関係及びリスク管理方針に基づき適切なヘッジ比率を設定している。なお、当連結会計年度において、純損益に認識したヘッジ非有効部分は重要ではない。
2019年3月31日現在におけるヘッジ手段の想定元本及び帳簿価額は下記のとおりである。なお、ヘッジ手段の帳簿価額は、連結財政状態計算書において「有価証券及びその他の金融資産」及び「その他の金融負債」又は「その他の非流動負債」に含まれている。
2019年3月31日現在において公正価値ヘッジを適用しているヘッジ対象の帳簿価額は下記のとおりである。
当連結会計年度において公正価値ヘッジを適用しているヘッジ手段及びヘッジ対象の公正価値の変動並びにヘッジ対象の帳簿価額に含められたヘッジ対象に係る公正価値ヘッジ調整の累計額は重要ではない。
当連結会計年度においてその他の包括利益累計額に計上されたキャッシュ・フロー・ヘッジを適用しているヘッジ手段の公正価値の増減内容は下記のとおりである。
(a)なお、純損益への振替額は、連結損益計算書において、為替リスクについては主に「売上収益」「金融費用」に、金利リスクについては「売上原価」「支払利息」に含まれている。
(5)金融資産の証券化
当社及び一部の子会社は、資金調達の多様化を図り、安定的に資金を調達することを目的として、金融資産の証券化を実施しており、売上債権、リース債権等の金融資産を第三者である金融機関又は当該金融機関によって組成された事業体に譲渡している。当社はこれらの証券化目的で組成された事業体に対する支配を有していないと判断し、連結していない。
これらの非連結の証券化目的で組成された事業体は、第三者である金融機関が事業の一環として運営しており、コマーシャル・ペーパーや借入といった手段で資金調達を行っている。当該事業体の投資家は、原則として、債務者の不履行に際して、当該事業体の保有する資産に対してのみ遡求でき、当社及び一部の子会社の他の資産に対しては遡求できない。当該事業体は当社及び子会社以外の顧客からも多額の資産を買い取るため、当該事業体の総資産に占める当社及び一部の子会社が譲渡した金融資産の割合は小さく、当該事業体が抱えるリスクへのエクスポージャーの評価に対する当社及び子会社の関連性は低い。証券化を実施している当社及び一部の子会社による当該事業体に対する関与の内容は、主に債権の回収代行であり、契約外の支援の提供及び潜在的な支援の合意は行っていない。
当社及び一部の子会社による金融資産の証券化で、金融資産全体の認識が中止された譲渡に関して重要な継続的関与はない。また、当社及び一部の子会社による証券化のうち、劣後の権益の保有等を通じ、金融資産に関連する信用リスクと経済価値の実質的に全てを保持している金融資産の譲渡については、金融資産全体の認識を中止していないが、その残高は重要ではない。
(1)資本管理
当社は、現在及び将来の事業活動のために適切な水準の資産、負債及び資本を維持することに加えて、事業活動における資本効率の最適化を図ることを重要な方針として資本を管理している。
当社は資本管理において、親会社株主持分比率を重要な指標として用いており、継続的にモニタリングしている。2018年3月31日及び2019年3月31日現在における親会社株主持分比率は、それぞれ32.4%及び33.9%である。
なお、会社法等の一般的な規制を除き、当社が適用を受ける資本規制はない。
(2)財務上のリスク
当社は、国際的に事業活動を行っており、その過程において、常に市場リスク(主に為替リスク及び金利リスク)、信用リスク、流動性リスク等の様々なリスクに晒されている。当社ではこれらの財務上のリスクを回避もしくは低減するためにリスク管理を行っている。
① 為替リスク
当社及び子会社は、外国為替相場の変動リスクに晒されている金融資産及び金融負債を保有しており、外国為替相場の変動リスクをヘッジするために、先物為替予約契約あるいは通貨スワップ契約を利用している。
売上及び仕入に係る為替変動リスクについては、毎月通貨毎に将来キャッシュ・フローを決済期日毎に測定し、この一定割合に対して主に先物為替予約契約を締結することにより、外貨建債権債務及び外貨建予定取引から発生する将来キャッシュ・フローを固定化している。先物為替予約の期間は、概ね1年以内である。なお、当社及び子会社は、事業特性、収支構造、契約内容等を確認し、必要に応じて個別案件に適応した為替リスク管理方針を作成し、案件毎のリスク管理体制を整備した上でヘッジ取引を行っている。
また、外貨建の長期債務から生じる将来キャッシュ・フローを固定化するために負債元本の償還期限と同じ期限の通貨スワップ契約を締結している。先物為替予約契約及び通貨スワップ契約とヘッジ対象とのヘッジ関係は高度に有効であり、ヘッジ対象外貨建資産・負債の為替相場の変動の影響を相殺している。
2018年3月31日及び2019年3月31日現在において当社及び子会社が保有する外貨建金融商品につき、その他全ての変数を一定とすることを前提に、当社の機能通貨である日本円が1%円安となった場合の前連結会計年度及び当連結会計年度の連結損益計算書上の継続事業税引前当期利益への影響額は、下記のとおりである。
| (単位:百万円) | |||
| 継続事業税引前当期利益への影響 | 通貨 | 2018年3月31日 | 2019年3月31日 |
| 米ドル | 696 | 307 | |
| ユーロ | 139 | 172 | |
| ポンド | 340 | 52 |
② 金利リスク
当社及び一部の子会社は、主に長期債務に関連する金利変動リスクに晒されており、この変動の影響を最小化するため、主に金利スワップ契約を締結してキャッシュ・フローの変動リスクを管理している。金利スワップ契約は主に受取変動・支払固定の契約であり、長期債務の変動金利支払分を受取り、固定金利を支払うことによって、変動金利の長期債務を固定金利の長期債務としている。
また、一部の金融子会社は、主に固定金利で資金調達を行い、変動金利での貸付等を行っているため金利変動リスクに晒されており、この変動の影響を最小化するため、主に金利スワップ契約を締結して公正価値の変動を管理している。
金利スワップ契約とヘッジ対象とのヘッジ関係は高度に有効であり、金利変動リスクから生じるキャッシュ・フロー及び公正価値の変動の影響を相殺している。
2018年3月31日及び2019年3月31日現在において当社及び子会社が保有する金融商品(償却原価で測定する金融資産及び金融負債、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び金融負債、並びにデリバティブ資産及び負債)につき、その他全ての変数を一定とすることを前提に、金利が1%上昇した場合の前連結会計年度及び当連結会計年度の連結損益計算書上の継続事業税引前当期利益に与える影響額は、下記のとおりである。
| (単位:百万円) | |||
| 2018年3月31日 | 2019年3月31日 | ||
| 継続事業税引前当期利益への影響 | △684 | △584 | |
③ 信用リスク
当社及び子会社の営業活動から生じる売上債権及び契約資産並びにその他の債権は顧客の信用リスクに晒されている。また、余剰資金の運用のために保有している債券等及び政策的な目的のために保有している株式等は、発行体の信用リスクに晒されている。さらに市場リスクを軽減する目的で行うデリバティブ取引については、取引相手先である金融機関の信用リスクに晒されている。
顧客の信用リスクに対しては、取引対象商品及び取引先の財務状態や信用格付等により定期的に信用調査を行い、信用リスクに応じた取引限度額を設定している。余剰資金については、安全性の高い債券等での資金運用に限定し、デリバティブ取引先については、格付の高い金融機関に限定して取引を行っている。
当社及び子会社は、世界各地で多業種にわたり事業を行っており、特定の地域や取引先に対する信用リスクの集中は発生していない。
2018年3月31日現在において期日が経過しているが減損していない売上債権及びその他の債権の年齢分析は、下記のとおりである。なお、当社は、期日到来前で減損していない売上債権及びその他の債権は全額回収可能と考えている。
| (単位:百万円) | ||||||||
| 2018年3月31日 | ||||||||
| 期日経過後30日以内 | 39,386 | |||||||
| 期日経過後31日以上90日以内 | 31,165 | |||||||
| 期日経過後91日以上1年以内 | 23,214 | |||||||
| 期日経過後1年超 | 10,847 | |||||||
| 合計 | 104,612 | |||||||
前連結会計年度の貸倒引当金の増減内容は、下記のとおりである。
| (単位:百万円) | ||||||||
| 売上債権 | その他の債権 | 合計 | ||||||
| 2017年3月31日 | 29,223 | 3,466 | 32,689 | |||||
| 期中増減額(繰入・戻入) | △873 | △178 | △1,051 | |||||
| 期中減少額(目的使用) | △1,489 | △357 | △1,846 | |||||
| その他 | 779 | 107 | 886 | |||||
| 2018年3月31日 | 27,640 | 3,038 | 30,678 | |||||
「その他」には、主に連結範囲の異動、為替換算影響等が含まれている。
2018年3月31日現在における減損が生じていると個別に判定された売上債権及びその他の債権残高は71,321百万円であり、これに対して設定した貸倒引当金は18,951百万円である。
当連結会計年度の売上債権及び契約資産並びにその他の債権に係る貸倒引当金の増減内容と、貸倒引当金に対応する売上債権及び契約資産並びにその他の債権の総額での帳簿価額の増減内容は、下記のとおりである。なお、その他の債権には、主にリース債権並びに短期貸付金、未収入金、償却原価で測定する負債性証券及び長期貸付金等の償却原価で測定される金融資産が含まれる。
| (単位:百万円) | ||||||
| 売上債権及び契約資産 | 貸倒引当金 | 総額での帳簿価額 | ||||
| 集合的評価 | 個別的評価 | 合計 | 集合的評価 | 個別的評価 | 合計 | |
| 2018年3月31日 (会計方針の変更前) | 11,271 | 16,369 | 27,640 | 2,518,227 | 63,066 | 2,581,293 |
| 会計方針の変更による 累積的影響額 | 14 | - | 14 | - | - | - |
| 2018年4月1日 (会計方針の変更後) | 11,285 | 16,369 | 27,654 | 2,518,227 | 63,066 | 2,581,293 |
| 期中増減(純額) | 4,694 | △1,263 | 3,431 | △121,272 | 42,951 | △78,321 |
| 信用減損(a) | △765 | 765 | - | △2,266 | 2,266 | - |
| 直接償却(b) | △511 | △1,530 | △2,041 | △853 | △1,531 | △2,384 |
| その他(c) | 3,917 | △439 | 3,478 | △2,197 | △1,584 | △3,781 |
| 2019年3月31日 | 18,620 | 13,902 | 32,522 | 2,391,639 | 105,168 | 2,496,807 |
| (単位:百万円) | ||||||
| その他の債権 | 貸倒引当金 | 総額での帳簿価額 | ||||
| 集合的評価 | 個別的評価 | 合計 | 集合的評価 | 個別的評価 | 合計 | |
| 2018年3月31日 (会計方針の変更前) | 456 | 2,582 | 3,038 | 519,135 | 8,255 | 527,390 |
| 会計方針の変更による 累積的影響額 | - | - | - | - | - | - |
| 2018年4月1日 (会計方針の変更後) | 456 | 2,582 | 3,038 | 519,135 | 8,255 | 527,390 |
| 期中増減(純額) | △63 | 202 | 139 | △15,987 | 8,232 | △7,755 |
| 信用減損(a) | - | - | - | - | - | - |
| 直接償却(b) | △6 | △727 | △733 | △299 | △727 | △1,026 |
| その他(c) | △2 | △170 | △172 | 1,137 | △347 | 790 |
| 2019年3月31日 | 385 | 1,887 | 2,272 | 503,986 | 15,413 | 519,399 |
(a)信用減損が生じた金融資産に関する貸倒引当金については、個別的評価により貸倒引当金を測定するため、集合的評価から振替えている。
(b)金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していないと判断された場合、直接償却として認識を中止している。
(c)主に連結範囲の異動、為替換算影響等が含まれている。
保有する担保を考慮に入れない場合の当社及び子会社の金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に表示されている貸倒引当金控除後の帳簿価額である。また、貸出コミットメントの信用リスクに係る最大エクスポージャーは、注30.コミットメント及び偶発事象に記載している貸出コミットメントの総額であり、債務保証契約の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、注30.コミットメント及び偶発事象に記載している債務保証残高である。
④ 流動性リスク
当社及び子会社の買入債務、長期債務等の金融負債は流動性リスクに晒されている。当該リスクに関し、当社及び子会社は運転資金の効率的な管理による資本効率の最適化、当社及び金融子会社による資金の集中管理等により資金管理の維持に努めている。また需要に応じ、資本市場における債券発行、株式発行及びコミットメントラインを含む金融機関からの借入による資金調達が可能である。当連結会計年度末日における当社のコミットメントライン契約に係る借入未実行残高は、注30.コミットメント及び偶発事象に記載している。
デリバティブ負債を除く金融負債の期日別残高は、下記のとおりである。なお、買入債務の簿価と契約上の
キャッシュ・フローは一致しており、支払期日は全て1年以内であるため下表に含めていない。
| 2018年3月31日 | (単位:百万円) | ||||
| 帳簿価額 | 契約上のキャッ シュ・フロー | 1年以内 | 1年超5年以内 | 5年超 | |
| 短期借入金 | 121,439 | 122,436 | 122,436 | - | - |
| 長期債務 | |||||
| リース債務 | 49,478 | 55,059 | 16,988 | 33,817 | 4,254 |
| 社債 | 149,837 | 156,168 | 20,979 | 62,951 | 72,238 |
| 長期借入金 | 729,540 | 746,161 | 95,227 | 436,967 | 213,967 |
| 2019年3月31日 | (単位:百万円) | ||||
| 帳簿価額 | 契約上のキャッ シュ・フロー | 1年以内 | 1年超5年以内 | 5年超 | |
| 短期借入金 | 111,031 | 112,072 | 112,072 | - | - |
| 長期債務 | |||||
| リース債務 | 49,199 | 53,704 | 19,290 | 30,873 | 3,541 |
| 社債 | 170,498 | 176,594 | 31,664 | 78,071 | 66,859 |
| 長期借入金 | 674,043 | 685,412 | 144,386 | 346,677 | 194,349 |
短期借入金の加重平均利率は2.7%であり、長期借入金の加重平均利率は0.8%、返済期限は2019年から2031年までである。
社債の銘柄別明細は、下記のとおりである。
| (単位:百万円) | |||||||
| 発行 会社 | 銘柄 | 発行年 | 2018年 3月31日 | 2019年 3月31日 | 担保 | 利率(%) | 償還期限 |
| 当社 | 国内公募第15回普通社債 | 2013年 | 10,000 | - | 無担保 | 0.3 | 2018年 |
| 当社 | 国内公募第16回普通社債 | 2013年 | 30,000 | 30,000 | 無担保 | 0.8 | 2023年 |
| 当社 | 国内公募第17回普通社債 | 2013年 | 20,000 | 20,000 | 無担保 | 1.4 | 2028年 |
| 子会社 | 普通社債 | 2012年 | 89,837 | 120,498 | 無担保 | 0.1 | 2019年 |
| ~ | ~ | ~ | |||||
| 2018年 | 1.2 | 2028年 | |||||
| 合計 | 149,837 | 170,498 | |||||
主なデリバティブの流動性分析は、下記のとおりである。なお、他の契約と純額決済するデリバティブについても総額で表示している。
| 2018年3月31日 | (単位:百万円) | ||||
| 1年以内 | 1年超5年以内 | 5年超 | 合計 | ||
| 為替予約 | 収入 | 11,891 | 9,421 | - | 21,312 |
| 支出 | 19,868 | 7,489 | - | 27,357 | |
| 通貨スワップ | 収入 | 164 | 30 | 4,648 | 4,842 |
| 支出 | 98 | 5,234 | 746 | 6,078 | |
| 金利スワップ | 収入 | 13 | 1,403 | - | 1,416 |
| 支出 | 86 | 2,091 | 1 | 2,178 | |
| オプション | 収入 | 75 | 7,760 | - | 7,835 |
| 支出 | 10 | - | - | 10 | |
| 2019年3月31日 | (単位:百万円) | ||||
| 1年以内 | 1年超5年以内 | 5年超 | 合計 | ||
| 為替予約 | 収入 | 14,928 | 1,606 | 1 | 16,535 |
| 支出 | 13,824 | 3,200 | - | 17,024 | |
| 通貨スワップ | 収入 | 57 | 432 | 7,448 | 7,937 |
| 支出 | 36 | 3,185 | 699 | 3,920 | |
| 金利スワップ | 収入 | 272 | 468 | - | 740 |
| 支出 | 149 | 1,899 | 7 | 2,055 | |
| オプション | 収入 | 387 | 6,707 | - | 7,094 |
| 支出 | 29 | - | - | 29 | |
(3)金融商品の公正価値
① 公正価値の測定方法
金融資産及び金融負債の公正価値は、以下のとおり決定している。
現金及び現金同等物、売上債権、短期貸付金、未収入金、短期借入金、未払金、買入債務
満期までの期間が短いため、公正価値は帳簿価額とほぼ同額である。
有価証券及びその他の金融資産
リース債権の公正価値は、一定の期間毎に区分した債権毎に、債権額を満期までの期間及び信用リスクを加味した利率により割り引いた現在価値に基づいて算定している。
市場性のある有価証券の公正価値は、市場価格を用いて見積っている。市場性のない有価証券の公正価値は、類似の有価証券の市場価格及び同一又は類似の有価証券に対する投げ売りでない市場価格、観察可能な金利及び利回り曲線、クレジット・スプレッド又はデフォルト率を含むその他関連情報によって見積っている。重要な指標が観察不能である場合、金融機関により提供された価格情報を用いて評価している。提供された価格情報は、独自の評価モデルを用いたインカム・アプローチあるいは類似金融商品の価格との比較といったマーケット・アプローチにより検証している。
長期貸付金の公正価値は、同様の貸付形態での追加貸付に係る利率を使用した将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて見積っている。
デリバティブ資産の公正価値は、投げ売りでない市場価格、活発でない市場での価格、観察可能な金利及び利回り曲線や外国為替及び商品の先物及びスポット価格を用いたモデルに基づき測定している。また、重要な指標が観察不能である場合、主にインカム・アプローチあるいはマーケット・アプローチを使用し、金融機関が提供する関連情報等を検証している。
長期債務
長期債務の公正価値は、当該負債の市場価格、又は同様の契約条項での市場金利を使用した将来キャッシュ・フローの現在価値を用いて見積っている。
その他の金融負債
デリバティブ負債の公正価値は、投げ売りでない市場価格、活発でない市場での価格、観察可能な金利及び利回り曲線や外国為替及び商品の先物及びスポット価格を用いたモデルに基づき測定している。また、重要な指標が観察不能である場合、主にインカム・アプローチあるいはマーケット・アプローチを使用し、金融機関が提供する関連情報等を検証している。
② 償却原価で測定する金融商品
2018年3月31日及び2019年3月31日現在において、償却原価で測定する金融資産及び金融負債の帳簿価額及び公正価値は下記のとおりである。なお、償却原価で測定する金融資産及び金融負債の見積公正価値は、下記③に示されるレベル2に分類している。
| (単位:百万円) | ||||
| 2018年3月31日 | 2019年3月31日 | |||
| 区分 | 帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 |
| 資産 | ||||
| 有価証券及びその他の金融資産 | ||||
| リース債権 | 92,198 | 93,165 | 95,073 | 96,377 |
| 負債性証券 | 120,915 | 120,920 | 72,418 | 72,422 |
| 長期貸付金 | 95,373 | 96,859 | 105,061 | 106,390 |
| 負債 | ||||
| 長期債務(a) | ||||
| リース債務 | 49,478 | 49,723 | 49,199 | 49,595 |
| 社債 | 149,837 | 153,614 | 170,498 | 174,747 |
| 長期借入金 | 729,540 | 734,912 | 674,043 | 678,481 |
(a) 長期債務は、連結財政状態計算書上の償還期長期債務及び長期債務に含まれる。
③ 公正価値で測定する金融商品
経常的に公正価値で測定する金融商品は、当該商品の測定に際し使用した指標により以下の3つのレベル(公正価値ヒエラルキー)に分類している。
レベル1:同一の資産又は負債の活発な市場における(無調整の)市場価格により測定した公正価値
レベル2:レベル1以外の直接又は間接的に観察可能な指標を用いて測定した公正価値
レベル3:重要な観察可能でない指標を用いて測定した公正価値
なお、公正価値の測定に複数の指標を使用している場合には、その公正価値測定の全体において重要な最も低いレベルの指標に基づいてレベルを決定している。
レベル間の振替は各四半期の期首時点で発生したものとして認識している。
2018年3月31日及び2019年3月31日現在において、経常的に公正価値で測定する金融資産及び金融負債の公正価値は下記のとおりである。
| 2018年3月31日 | (単位:百万円) | |||
| 区分 | レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 |
| FVTPL金融資産 | ||||
| 有価証券及びその他の金融資産 | ||||
| 資本性証券 | - | - | 1,114 | 1,114 |
| 負債性証券 | 10,749 | 6,535 | 9,590 | 26,874 |
| デリバティブ資産 | - | 27,669 | 7,760 | 35,429 |
| FVTOCI金融資産 | ||||
| 有価証券及びその他の金融資産 | ||||
| 資本性証券 | 298,307 | 669 | 113,620 | 412,596 |
| 合計 | 309,056 | 34,873 | 132,084 | 476,013 |
| FVTPL金融負債 | ||||
| その他の金融負債 | ||||
| デリバティブ負債 | - | 35,791 | - | 35,791 |
| 合計 | - | 35,791 | - | 35,791 |
| 2019年3月31日 | (単位:百万円) | |||
| 区分 | レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 |
| FVTPL金融資産 | ||||
| 有価証券及びその他の金融資産 | ||||
| 資本性証券 | - | - | 2,743 | 2,743 |
| 負債性証券 | 10,127 | 4,895 | 9,344 | 24,366 |
| デリバティブ資産 | - | 25,269 | 7,059 | 32,328 |
| FVTOCI金融資産 | ||||
| 有価証券及びその他の金融資産 | ||||
| 資本性証券 | 183,585 | - | 102,334 | 285,919 |
| 合計 | 193,712 | 30,164 | 121,480 | 345,356 |
| FVTPL金融負債 | ||||
| その他の金融負債 | ||||
| デリバティブ負債 | - | 23,078 | - | 23,078 |
| 合計 | - | 23,078 | - | 23,078 |
前連結会計年度及び当連結会計年度において、レベル3に分類される経常的に公正価値で測定する金融商品の増減は下記のとおりである。
| 2018年3月31日 | (単位:百万円) | |||
| レベル3金融資産 | 資本性証券 | 負債性証券 | デリバティブ資産 | 合計 |
| 期首残高 | 110,470 | 8,991 | 6,061 | 125,522 |
| 当期利益に認識した利得及び 損失(a) | 66 | △62 | △7 | △3 |
| その他の包括利益に認識した 利得(b) | 5,329 | - | - | 5,329 |
| 購入及び取得 | 3,876 | 1,350 | 1,706 | 6,932 |
| 売却及び償還 | △5,349 | △652 | - | △6,001 |
| 連結範囲の異動による影響 | 254 | △190 | - | 64 |
| その他 | 88 | 153 | - | 241 |
| 期末残高 | 114,734 | 9,590 | 7,760 | 132,084 |
| 期末に保有する金融商品に係る 未実現の利得及び損失(d) | 66 | 5 | △7 | 64 |
| 2019年3月31日 | (単位:百万円) | |||
| レベル3金融資産 | 資本性証券 | 負債性証券 | デリバティブ資産 | 合計 |
| 期首残高 | 114,734 | 9,590 | 7,760 | 132,084 |
| 当期利益に認識した利得及び 損失(a) | △58 | 55 | △1,053 | △1,056 |
| その他の包括利益に認識した 利得(b) | 6,241 | - | - | 6,241 |
| 購入及び取得 | 5,301 | 3,040 | - | 8,341 |
| 売却及び償還 | △14,961 | △3,251 | - | △18,212 |
| 連結範囲の異動による影響 | △5,405 | △78 | - | △5,483 |
| レベル3からの振替(c) | △378 | - | - | △378 |
| その他 | △397 | △12 | 352 | △57 |
| 期末残高 | 105,077 | 9,344 | 7,059 | 121,480 |
| 期末に保有する金融商品に係る 未実現の利得及び損失(d) | △58 | 59 | △1,053 | △1,052 |
(a)当期利益に認識した利得及び損失は、FVTPL金融資産に関するものであり、連結損益計算書上の金融収益及び金融費用に含まれる。
(b)その他の包括利益に認識した利得は、FVTOCI金融資産に関するものであり、連結包括利益計算書上のその他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の純変動額に含まれる。
(c)レベル3からの振替は、主として投資先が取引所に上場されたことに起因するものである。
(d)各期末に保有する金融商品に係る未実現の利得及び損失は、FVTPL金融資産に関するものであり、連結損益計算書上の金融収益及び金融費用に含まれる。
当社の連結子会社において、非支配持分の所有者に付与している子会社株式の売建プットオプションは、上表に含んでいない。当該プットオプションは、経常的に公正価値で測定するレベル3の金融負債に分類しており、公正価値の変動は資本剰余金に認識している。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における当該プットオプションの公正価値は、それぞれ、17,098百万円及び17,678百万円であり、連結財政状態計算書上のその他の金融負債に含まれる。
公正価値の測定は、当社の評価方針及び手続きに従って、財務部門により行われており、金融商品の個々の性質、特徴並びにリスクを最も適切に反映できる評価モデルを決定している。また、財務部門は公正価値の変動に影響を与え得る重要な指標の推移を継続的に検証している。検証の結果、金融商品の公正価値の毀損が著しい際は、部門管理者のレビューと承認を行っている。
公正価値で測定する金融商品のうち、取引関係の維持、強化を目的として保有する資本性証券については、FVTOCI金融資産として分類している。主な資本性証券の株式銘柄及び公正価値は下記のとおりである。
| 2018年3月31日 | (単位:百万円) |
| 銘柄 | 金額 |
| ルネサスエレクトロニクス | 99,007 |
| Western Digital | 61,267 |
| JECC | 20,139 |
| 東海旅客鉄道 | 18,117 |
| 永大機電工業 | 9,823 |
| 世界貿易センタービルディング | 9,214 |
| 東日本旅客鉄道 | 8,011 |
| 本田技研工業 | 7,468 |
| 信越化学工業 | 7,265 |
| 新日鉄興和不動産 | 7,214 |
| 2019年3月31日 | (単位:百万円) |
| 銘柄 | 金額 |
| Western Digital | 33,338 |
| ルネサスエレクトロニクス | 31,739 |
| 東海旅客鉄道 | 23,139 |
| JECC | 20,942 |
| 永大機電工業 | 10,978 |
| 東日本旅客鉄道 | 8,676 |
| 新日鉄興和不動産 | 7,909 |
| 信越化学工業 | 6,126 |
| 本田技研工業 | 5,990 |
| 日本土地建物 | 4,945 |
FVTOCI金融資産に分類される有価証券に係る受取配当金は、注22.金融収益及び費用に記載している。
FVTOCI金融資産に分類される有価証券に係る評価損益の累計額は、連結会計年度中に認識の中止を行ったものに係る部分を利益剰余金に振り替えている。前連結会計年度及び当連結会計年度における税引後の振替額は純額でそれぞれ、17,891百万円(利益)及び34,608百万円(利益)である。
これらは主として、取引関係の見直しにより売却したもの、連結範囲の異動によるものである。
前連結会計年度及び当連結会計年度において認識を中止したFVTOCI金融資産に分類している有価証券の公正価値及び累計利得・損失は下記のとおりである。
| (単位:百万円) | ||
| 2018年3月31日 | 2019年3月31日 | |
| 認識中止時点の公正価値 | 60,044 | 69,821 |
| 認識中止時点の累計利得・損失 | 23,449 | 46,677 |
(4)デリバティブとヘッジ活動
① 公正価値ヘッジ
既に認識している資産又は負債とそれに対する公正価値ヘッジに指定したデリバティブの公正価値の変動は、発生した連結会計年度の純損益に計上している。公正価値ヘッジとして指定したデリバティブには、営業活動に関連する先物為替予約契約と、資金調達活動に関連する通貨スワップ契約及び金利スワップ契約等がある。
② キャッシュ・フロー・ヘッジ
為替変動リスク
将来の外貨建取引の有効なキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定した先物為替予約契約の公正価値の変動のうち有効なヘッジと判断される部分は、その他の包括利益に計上している。ヘッジ対象である取引が純損益に影響を与える時点で、その他の包括利益累計額に認識した金額を純損益に組み替えている。なお、ヘッジ対象に指定された予定取引により、非金融資産もしくは非金融負債が認識される場合、その他の包括利益として認識したデリバティブの公正価値の変動は、当該資産又は負債が認識された時点で、当該資産又は負債の取得原価その他の帳簿価額に直接含めている。
金利変動リスク
長期性負債に関連したキャッシュ・フローの変動に対し指定した金利スワップ契約の公正価値の変動のうち有効なヘッジと判断される部分は、その他の包括利益に計上している。その他の包括利益累計額は、その後、負債の利息が純損益に影響を与える期間にわたって支払利息に組み替えている。
2018年3月31日現在、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが発生すると予想される期間及びそれらが純損益に影響を与えると予想される期間は2018年4月から2025年3月までである。
2018年3月31日現在においてヘッジ手段に指定された主なデリバティブの公正価値は下記のとおりである。
| (単位:百万円) | ||
| 2018年3月31日 | ||
| 資産 | 負債 | |
| 公正価値ヘッジ | ||
| 為替予約契約 | 3,610 | 1,175 |
| 通貨スワップ契約 | 4,119 | 4,671 |
| 金利スワップ契約 | 798 | 42 |
| 合計 | 8,527 | 5,888 |
| キャッシュ・フロー・ヘッジ | ||
| 為替予約契約 | 16,046 | 13,755 |
| 通貨スワップ契約 | 718 | 602 |
| 金利スワップ契約 | 618 | 2,136 |
| 合計 | 17,382 | 16,493 |
上記以外にヘッジ会計を適用していないデリバティブ資産及びデリバティブ負債の公正価値は、それぞれ9,507百万円及び13,245百万円である。
2018年3月31日現在において主なデリバティブの契約金額及び想定元本は下記のとおりである。
| (単位:百万円) | ||
| 2018年3月31日 | ||
| 先物為替予約契約 | ||
| 外貨売 | 716,035 | |
| 外貨買 | 188,085 | |
| 通貨スワップ契約 | ||
| 外貨売 | 17,786 | |
| 外貨買 | 108,760 | |
| 金利スワップ契約 | 274,490 | |
公正価値ヘッジのヘッジ手段に係る前連結会計年度の連結損益計算書への計上金額は、下記「ヘッジ手段に指定したデリバティブのヘッジ有効部分とヘッジ対象項目」のとおりである。
ヘッジ手段に指定したデリバティブのヘッジ有効部分とヘッジ対象項目
| ヘッジ手段 | (単位:百万円) | ヘッジ対象項目 | (単位:百万円) | |||
| デリバティブ | 連結損益計算書 計上科目 | 計上金額 | 連結財政状態計算書 計上科目 | 連結損益計算書 計上科目 | 計上金額 | |
| 先物為替予約契約 | 金融費用 | △13,136 | 売上債権、その他の 流動資産、短期借入金 | 金融費用 | 12,493 | |
| 通貨スワップ契約 | 金融費用 | △5,515 | 長期債務 | 金融費用 | 5,580 | |
| 合計 | △18,651 | 合計 | 18,073 | |||
キャッシュ・フロー・ヘッジに係る前連結会計年度の連結損益計算書及び連結包括利益計算書への計上金額は、下記「その他の包括利益に認識した損益-ヘッジ手段に指定したデリバティブのヘッジ有効部分」、「その他の包括利益から純損益へ調整した損益-ヘッジ手段に指定したデリバティブのヘッジ有効部分」及び「キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段に指定したデリバティブの損益-ヘッジ非有効部分」のとおりである。
その他の包括利益に認識した損益
ヘッジ手段に指定したデリバティブのヘッジ有効部分
| (単位:百万円) | ||
| デリバティブ | 計上金額 | |
| 先物為替予約契約 | △6,464 | |
| 通貨スワップ契約 | 837 | |
| 金利スワップ契約 | 2,184 | |
| 合計 | △3,443 | |
その他の包括利益から純損益へ調整した損益
ヘッジ手段に指定したデリバティブのヘッジ有効部分
| (単位:百万円) | |||
| デリバティブ | 連結損益計算書 計上科目 | 計上金額 | |
| 先物為替予約契約 | 売上原価、金融費用 | 9,429 | |
| 金利スワップ契約 | 売上原価、支払利息 | △1,075 | |
| 合計 | 8,354 | ||
キャッシュ・フロー・ヘッジのヘッジ手段に指定したデリバティブの損益
ヘッジ非有効部分
| (単位:百万円) | |||
| デリバティブ | 連結損益計算書 計上科目 | 計上金額 | |
| 先物為替予約契約 | 金融費用 | 4,085 | |
| 合計 | 4,085 | ||
当社は、ヘッジ会計を適用する際は、ヘッジ対象とヘッジ手段との間に経済的関係があることを確認するために、ヘッジ対象とヘッジ手段の重要な条件が一致しているか又は密接に合致しており、ヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動と、ヘッジ手段の公正価値又はキャッシュ・フローの変動とが相殺し合うかどうかの定性的な評価を通じてヘッジの有効性を評価している。また、ヘッジ対象とヘッジ手段の経済的関係及びリスク管理方針に基づき適切なヘッジ比率を設定している。なお、当連結会計年度において、純損益に認識したヘッジ非有効部分は重要ではない。
2019年3月31日現在におけるヘッジ手段の想定元本及び帳簿価額は下記のとおりである。なお、ヘッジ手段の帳簿価額は、連結財政状態計算書において「有価証券及びその他の金融資産」及び「その他の金融負債」又は「その他の非流動負債」に含まれている。
| (単位:百万円) | ||||
| ヘッジ手段 | 想定元本 | 帳簿価額 | ||
| 内、1年超 | 資産 | 負債 | ||
| 公正価値ヘッジ | ||||
| 為替リスク | 621,771 | 109,001 | 9,120 | 6,273 |
| 金利リスク | 55,672 | 26,138 | 382 | 120 |
| キャッシュ・フロー・ヘッジ | ||||
| 為替リスク | 328,148 | 64,960 | 13,049 | 5,489 |
| 金利リスク | 209,317 | 188,357 | 358 | 1,935 |
| 合計 | 1,214,908 | 388,456 | 22,909 | 13,817 |
2019年3月31日現在において公正価値ヘッジを適用しているヘッジ対象の帳簿価額は下記のとおりである。
| (単位:百万円) | |||
| 公正価値ヘッジの ヘッジ対象 | 連結財政状態計算書 表示科目 | 帳簿価額 | |
| 資産 | 負債 | ||
| 為替リスク | 売上債権及び契約資産、 有価証券及びその他の金融資産、買入債務、長期債務 | 468,967 | 152,804 |
| 金利リスク | 有価証券及びその他の金融資産 | 55,672 | - |
| 合計 | 524,639 | 152,804 | |
当連結会計年度において公正価値ヘッジを適用しているヘッジ手段及びヘッジ対象の公正価値の変動並びにヘッジ対象の帳簿価額に含められたヘッジ対象に係る公正価値ヘッジ調整の累計額は重要ではない。
当連結会計年度においてその他の包括利益累計額に計上されたキャッシュ・フロー・ヘッジを適用しているヘッジ手段の公正価値の増減内容は下記のとおりである。
| (単位:百万円) | |||||
| 期首残高 | その他の包括利益に認識したヘッジ手段の公正価値の変動 | ヘッジ対象資産及び負債の帳簿価額へ直接含めた金額 | 純損益への 振替額(a) | 期末残高 | |
| 価格リスク | △111 | △462 | 539 | △2 | △36 |
| 為替リスク | 2,943 | △8,976 | 1,252 | 577 | △4,204 |
| 金利リスク | △1,623 | △11 | - | 51 | △1,583 |
| 合計 | 1,209 | △9,449 | 1,791 | 626 | △5,823 |
(a)なお、純損益への振替額は、連結損益計算書において、為替リスクについては主に「売上収益」「金融費用」に、金利リスクについては「売上原価」「支払利息」に含まれている。
(5)金融資産の証券化
当社及び一部の子会社は、資金調達の多様化を図り、安定的に資金を調達することを目的として、金融資産の証券化を実施しており、売上債権、リース債権等の金融資産を第三者である金融機関又は当該金融機関によって組成された事業体に譲渡している。当社はこれらの証券化目的で組成された事業体に対する支配を有していないと判断し、連結していない。
これらの非連結の証券化目的で組成された事業体は、第三者である金融機関が事業の一環として運営しており、コマーシャル・ペーパーや借入といった手段で資金調達を行っている。当該事業体の投資家は、原則として、債務者の不履行に際して、当該事業体の保有する資産に対してのみ遡求でき、当社及び一部の子会社の他の資産に対しては遡求できない。当該事業体は当社及び子会社以外の顧客からも多額の資産を買い取るため、当該事業体の総資産に占める当社及び一部の子会社が譲渡した金融資産の割合は小さく、当該事業体が抱えるリスクへのエクスポージャーの評価に対する当社及び子会社の関連性は低い。証券化を実施している当社及び一部の子会社による当該事業体に対する関与の内容は、主に債権の回収代行であり、契約外の支援の提供及び潜在的な支援の合意は行っていない。
当社及び一部の子会社による金融資産の証券化で、金融資産全体の認識が中止された譲渡に関して重要な継続的関与はない。また、当社及び一部の子会社による証券化のうち、劣後の権益の保有等を通じ、金融資産に関連する信用リスクと経済価値の実質的に全てを保持している金融資産の譲渡については、金融資産全体の認識を中止していないが、その残高は重要ではない。