有価証券報告書-第162期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループの目指す姿
当社グループは、企業理念である「より豊かな未来をひらく」のもと、「人」と「技術」を企業価値創造の中核に据え、社会と共に発展してまいりました。2030年のビジョンとして「サステナビリティ・パートナー」を掲げ、そこからバックキャストする形で6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しており、当社グループの強みを最大限に活かせる4つの注力領域における事業活動を通じて課題解決に取り組んでおります。注力領域のうち「リニューアブルエナジー」及び「サステナブルインフラ」の領域では、お客様や社会課題に対して、ソリューションを通じた価値を提供します。また、「グリーンモビリティ」及び「スマートインダストリー」の領域では、製品技術及び生産技術をコアコンピタンスと位置づけ、これらを活かした価値を提供します。
図:価値創造を実現するための戦略について

(2) 中期経営計画2027の進捗
●業績の進捗と評価
「中期経営計画2027」(以下、「中計2027」)の初年度にあたる2025年度は、売上高が前期比8.3%増の3,261億94百万円、営業利益が前期比26.1%増の271億22百万円、ROEは15.1%となりました。いずれも当初計画を上回るとともに、売上高及び営業利益は過去最高を達成する結果となりました。受注高については、インド高速鉄道1号線を受注し、過去最高を記録した2024年度に次ぐ額となりました。
これらの背景には、電力インフラ事業を中心とした旺盛な需要環境に加え、これまで取り組んできた価格適正化やコスト削減の取組み等の成果や当初想定していたリスク要因の影響を最小限にすることで、社会インフラ事業の業績改善に繋がったことが挙げられます。さらに、保守・メンテナンス等のストック型ビジネスの収益拡大により、外部環境の変動に左右されにくく、利益率と資本効率(ROIC)が同時に向上する収益構造が確立されつつあります。
一方で、築き上げてきた収益基盤を維持し、更なる成長を実現していくためには、解決すべき課題も明確になっております。
第一の課題は、成長戦略の核となる「生産性向上の加速」であります。労働需給の逼迫に伴う人手不足は当社グループにおいても顕著であり、将来にわたって限られたリソースで旺盛な需要に確実に応えていくためには、抜本的な生産性向上が不可欠であります。DX推進による業務プロセス効率化は既に取り組んでおりますが、更に加速させ、生産能力の向上を図ります。
第二の課題は、「持続的な成長と従業員エンゲージメント向上の両立」であります。現場の一人ひとりの努力が当社グループの成長を支えており、急速な事業拡大により業務負担が増す場面でも、従業員がやりがいと誇りを持って働くことができる環境の整備は重要な経営課題であります。業績の成果を従業員に適切に還元することに加え、多様な働き方を尊重し、キャリア形成の支援や企業風土の改革といった「人的資本の強化」に注力することで、持続的な成長の実現を目指します。
市場環境の変化に加え、当社グループの各種取組みの成果及び工程面での改善が相乗的に寄与した結果、営業利益は計画を上回るペースで進捗しております。この傾向は、次連結会計年度においても継続するものと見込んでおります。一方で、外部環境については、引き続き不確実性を伴う状況であると認識しており、今後の事業環境の動向を注視していく必要があると考えております。
当社グループの中期経営計画は、成長投資、技術開発、人財戦略等を前提に、中長期的な視点で策定したものであり、現時点では各戦略目標の達成に向けた道半ばの段階にあると認識しております。今回の利益目標の早期達成をもって中期経営計画の終着点と捉えるのではなく、引き続き成長投資及び事業基盤の強化を着実に進めるとともに、次なる成長ステージに向けた戦略の検討を進めてまいります。
単年度の業績予想については、前事業年度実績を基礎としつつ、最新の事業環境及び足元の進捗状況を適切に見極めながら反映させる方針であります。
●事業環境認識
中東情勢の緊迫化や中国による重要鉱物の輸出規制に伴うサプライチェーンリスクの顕在化等の地政学的リスク、急激な為替変動等は、引き続き当社グループの経営に影響を与え得る大きな不確実性要因であると認識しております。
このような事業環境のもと、電力インフラ事業においては、AI・データセンターの拡大、電動化の進展、再生可能エネルギー導入の加速を背景に、世界的な電力需要の増加が一層進展しております。これに伴い、設備更新や保守・サービスの需要は、当初の想定を上回る水準で推移することが見込まれており、当社グループにとって中長期的な成長機会であると考えております。
また、EVの出荷台数増加や真空コンデンサ(VC)市況の回復を見込む中で、これまで低迷していた一部の事業についても、段階的な改善が進むものと想定しております。
これらの事業環境及び足元の進捗状況を踏まえつつ、外部環境の不確実性を十分に考慮したうえで、次連結会計年度の業績計画として、受注高3,750億円、売上高3,550億円、営業利益290億円を設定しております。なお、本計画は1米ドル=150円の為替レートを前提としております。
●中期経営計画2027の成長戦略と進捗状況
中計2027では、「製品」「事業」「技術」を成長戦略の柱に据えております。また、これらを支える経営基盤として、「グリーン戦略の深化」、「人的資本の強化」、「社内DXの加速」を着実に進展させることで、持続的な企業価値の向上を目指しております。
成長戦略1:製品(短期)
成長戦略2:事業(中期)
成長戦略3:技術(長期)
成長を支える経営基盤
脱炭素化を加速する「グリーン戦略の深化」、人財の採用・育成・活躍の質を高める「人的資本の強化」、基幹システム刷新を中心とした「社内DXの加速」を中心に、将来の成長に向けた経営基盤を強化しております。
● 資本コストや株価を意識した経営
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現に向け、資本コストや株価を意識した経営を重要な経営課題として位置付けております。一般的に、企業価値を示す指標であるPBR(株価純資産倍率)は「PBR=ROE(自己資本利益率)×PER(株価収益率)」により算出されることから、収益力・資本効率の向上によるROE改善と、将来成長に対する市場期待の向上によるPER改善の両面から企業価値向上に取り組んでおります。
中計2027で推進する「製品」「事業」「技術」の各成長戦略により、当社グループが長年にわたって培ってきた技術力と顧客基盤を活かし、収益基盤の強化と投資効率の向上を図るとともに、クラウド基盤「MEIDEN CONNECT」を活用したソリューション型ビジネスの拡大等を通じて、成長期待の向上を目指します。ROEを株主価値向上の主要指標、ROICを事業採算・投資効率管理の主要指標として運用し、ROE10%、ROIC8%を前提にするとともに、拡大する電力需要や脱炭素化の進展を着実に取り込むことで、目標水準を上回る成果の実現を目指します。
また、資本効率性の更なる向上に向けて、保有意義や合理性が認められなくなった遊休不動産や政策保有株式の順次売却を進めております。当連結会計年度は東京都品川区大崎二丁目における土地及び建物の譲渡を実施しました。
創出したキャッシュについては事業成長に向けた再投資を重視しつつ、キャッシュ・アロケーションの最適化を通じて、「成長による中長期的な株主価値の向上」と「安定的かつ継続的な配当の実施」を両立させながら長期的な株主価値向上に取り組んでおります。中計2027期間中は成長への投資を優先する方針としており、株主還元については、親会社株主に帰属する当期純利益の30%としております。
(1)当社グループの目指す姿
当社グループは、企業理念である「より豊かな未来をひらく」のもと、「人」と「技術」を企業価値創造の中核に据え、社会と共に発展してまいりました。2030年のビジョンとして「サステナビリティ・パートナー」を掲げ、そこからバックキャストする形で6つのマテリアリティ(重要課題)を特定しており、当社グループの強みを最大限に活かせる4つの注力領域における事業活動を通じて課題解決に取り組んでおります。注力領域のうち「リニューアブルエナジー」及び「サステナブルインフラ」の領域では、お客様や社会課題に対して、ソリューションを通じた価値を提供します。また、「グリーンモビリティ」及び「スマートインダストリー」の領域では、製品技術及び生産技術をコアコンピタンスと位置づけ、これらを活かした価値を提供します。
図:価値創造を実現するための戦略について

(2) 中期経営計画2027の進捗
●業績の進捗と評価
「中期経営計画2027」(以下、「中計2027」)の初年度にあたる2025年度は、売上高が前期比8.3%増の3,261億94百万円、営業利益が前期比26.1%増の271億22百万円、ROEは15.1%となりました。いずれも当初計画を上回るとともに、売上高及び営業利益は過去最高を達成する結果となりました。受注高については、インド高速鉄道1号線を受注し、過去最高を記録した2024年度に次ぐ額となりました。
これらの背景には、電力インフラ事業を中心とした旺盛な需要環境に加え、これまで取り組んできた価格適正化やコスト削減の取組み等の成果や当初想定していたリスク要因の影響を最小限にすることで、社会インフラ事業の業績改善に繋がったことが挙げられます。さらに、保守・メンテナンス等のストック型ビジネスの収益拡大により、外部環境の変動に左右されにくく、利益率と資本効率(ROIC)が同時に向上する収益構造が確立されつつあります。
一方で、築き上げてきた収益基盤を維持し、更なる成長を実現していくためには、解決すべき課題も明確になっております。
第一の課題は、成長戦略の核となる「生産性向上の加速」であります。労働需給の逼迫に伴う人手不足は当社グループにおいても顕著であり、将来にわたって限られたリソースで旺盛な需要に確実に応えていくためには、抜本的な生産性向上が不可欠であります。DX推進による業務プロセス効率化は既に取り組んでおりますが、更に加速させ、生産能力の向上を図ります。
第二の課題は、「持続的な成長と従業員エンゲージメント向上の両立」であります。現場の一人ひとりの努力が当社グループの成長を支えており、急速な事業拡大により業務負担が増す場面でも、従業員がやりがいと誇りを持って働くことができる環境の整備は重要な経営課題であります。業績の成果を従業員に適切に還元することに加え、多様な働き方を尊重し、キャリア形成の支援や企業風土の改革といった「人的資本の強化」に注力することで、持続的な成長の実現を目指します。
市場環境の変化に加え、当社グループの各種取組みの成果及び工程面での改善が相乗的に寄与した結果、営業利益は計画を上回るペースで進捗しております。この傾向は、次連結会計年度においても継続するものと見込んでおります。一方で、外部環境については、引き続き不確実性を伴う状況であると認識しており、今後の事業環境の動向を注視していく必要があると考えております。
当社グループの中期経営計画は、成長投資、技術開発、人財戦略等を前提に、中長期的な視点で策定したものであり、現時点では各戦略目標の達成に向けた道半ばの段階にあると認識しております。今回の利益目標の早期達成をもって中期経営計画の終着点と捉えるのではなく、引き続き成長投資及び事業基盤の強化を着実に進めるとともに、次なる成長ステージに向けた戦略の検討を進めてまいります。
単年度の業績予想については、前事業年度実績を基礎としつつ、最新の事業環境及び足元の進捗状況を適切に見極めながら反映させる方針であります。
●事業環境認識
中東情勢の緊迫化や中国による重要鉱物の輸出規制に伴うサプライチェーンリスクの顕在化等の地政学的リスク、急激な為替変動等は、引き続き当社グループの経営に影響を与え得る大きな不確実性要因であると認識しております。
このような事業環境のもと、電力インフラ事業においては、AI・データセンターの拡大、電動化の進展、再生可能エネルギー導入の加速を背景に、世界的な電力需要の増加が一層進展しております。これに伴い、設備更新や保守・サービスの需要は、当初の想定を上回る水準で推移することが見込まれており、当社グループにとって中長期的な成長機会であると考えております。
また、EVの出荷台数増加や真空コンデンサ(VC)市況の回復を見込む中で、これまで低迷していた一部の事業についても、段階的な改善が進むものと想定しております。
これらの事業環境及び足元の進捗状況を踏まえつつ、外部環境の不確実性を十分に考慮したうえで、次連結会計年度の業績計画として、受注高3,750億円、売上高3,550億円、営業利益290億円を設定しております。なお、本計画は1米ドル=150円の為替レートを前提としております。
| 2024年度 実績 | 2025年度 | 2026年度 予想 | 2027年度 目標 | ||
| 目標 | 実績 | ||||
| 受注高 | 3,835億円 | 3,400億円 | 3,582億円 | 3,750億円 | 3,800億円 |
| 売上高 | 3,011億円 | 3,350億円 | 3,261億円 | 3,550億円 | 3,700億円 |
| 営業利益 (営業利益率) | 215億円 (7.1%) | 200億円 (6.0%) | 271億円 (8.3%) | 290億円 (8.2%) | 250億円 (6.8%) |
| ROE | 13.9% | 10.0% | 15.1% | ― | 10.0% |
| ROIC | 8.2% | 8.0% | 9.4% | ― | 8.0% |
●中期経営計画2027の成長戦略と進捗状況
中計2027では、「製品」「事業」「技術」を成長戦略の柱に据えております。また、これらを支える経営基盤として、「グリーン戦略の深化」、「人的資本の強化」、「社内DXの加速」を着実に進展させることで、持続的な企業価値の向上を目指しております。
成長戦略1:製品(短期)
| 展開事項 | 目指すこと | 2025年度の主な進捗・成果 |
| 電力・電子分野等の 生産能力増設・増強 | [国内] ・変電・電子分野の生産能力 増強(設備投資130億円以上) | ・変圧器工場の新建屋増築の投資を決定(2028年度稼働予定)。 ・真空コンデンサ(VC)の生産設備を増強(2027年度 より段階的に稼働予定)。 |
| [海外] ・各拠点の生産能力増強・ 再構築(設備投資130億円以上) | ・変電機器工場(シンガポール)の移転及び拠点統合を決定(2028年度稼働予定)。 | |
| 特長技術を活かした 製品・システムの アップデート | ・環境対応製品の競争力強化 | ・123kVエコタンク型真空遮断器(VCB)の開発が完了し、北米において販売を開始。 ・系統用電池システム向けパワーコンディショナ(PCS)新機種の販売を開始。 |
| DXの加速による生産性 向上・リードタイム 削減 | ・生産能力25%向上 ・リードタイム50%削減 | ・生産システムのDX化の中で製品ごとの生産基準情報の整備を実施しており、量産製品ラインのうち代表機種の製造BOM(Bill of Material:工程部品表)の整備が完了。 製造BOMの活用により、代表機種製造ラインの作業におけるボトルネックを把握し改善することで、生産性向上を実現。 |
成長戦略2:事業(中期)
| 展開事項 | 目指すこと | 2025年度の主な進捗・成果 |
| 変電・電鉄、半導体 関連における海外新 市場の開拓 | [海外インフラ] ・環境対応製品等の特長製品の拡販や、信頼性・実績を活かした海外プロジェクト受注の獲得 | <変電事業>・欧州市場向けの真空インタラプタ(VI)・真空遮断器(VCB)の開発仕様を決定。現地マーケティング体制構築による拡販活動を本格化。 <鉄道事業>・インド高速鉄道1号線向け変電設備の出荷を開始。 |
| [半導体関連] ・技術・開発力の強化による北米新規顧客の獲得 | ・品質強化による北米顧客からの新規開発案件を獲得。 | |
| 市場環境変化に 合わせた 価値提供手段の 多角化 | [データ活用ビジネス] ・既設機器情報のクラウド集約を通じたO&M支援やオファリングビジネスによる価値提供 | <クラウド基盤「MEIDEN CONNECT」の活用>・架線検測システムのクラウド対応により省スペースと異常の即時検知を実現し、新たに2社より契約内定を獲得。 ・設備劣化診断等保安業務を効率化するスマート保安サービスで本契約を獲得。 |
| [事業領域の拡大] ・機器システム販売を超えたサービス事業による価値 提供 | <モビリティT&S事業>・EV分野にて包括的な試験サービスを提供するサービスプロバイダを目指し、新製品・開発品検証や共同実験・受託試験を実現する実験開発棟の構築・投資を決定(2028年度稼働予定)。 |
成長戦略3:技術(長期)
| 展開事項 | 目指すこと | 2025年度の主な進捗・成果 |
| 指向型研究の加速 | 電気のチカラで自然と人が調和した「エレクトロピア」(電気×ユートピア)を実現するコア技術の獲得 ■重点領域 ・直流&高周波 ・パワーケミトロニクス (パワーエレクトロニクス ×電気化学) ・デジタルツインO&M | <直流&高周波>・半導体式変圧器(SST):高圧高周波トランスの絶縁技術と高効率化技術をはじめとするコア技術の評価を実施。 <パワーケミトロニクス>・CO2電解還元:CO2資源化技術の確立に向けた構成要素の製作と基礎実験を実施。 <デジタルツインO&M>・4Dデジタルツイン&センシング:巡視点検業務の遠隔化と自律化実現に向けた個別コア技術の評価を実施。 |
成長を支える経営基盤
脱炭素化を加速する「グリーン戦略の深化」、人財の採用・育成・活躍の質を高める「人的資本の強化」、基幹システム刷新を中心とした「社内DXの加速」を中心に、将来の成長に向けた経営基盤を強化しております。
| 展開事項 | 目指すこと | 2025年度の主な進捗・成果 | ||||||
| グリーン戦略の深化 | 2030年度(2019年度比)
2050年カーボンニュートラル達成 | ・名古屋・甲府地区における使用電力の調達につき、再生可能エネルギー100%を達成。 ・サプライヤ5社に対してScope3算定の支援を実施。 ・八竜風力発電所リプレース投資を決定(2029年度稼働予定)。 | ||||||
| 人的資本の強化 | 個を惹きつける組織と多様な人財が夢・志で重なり、共に成長する環境の実現 | ・業務や役割に応じた処遇の実現を図るとともに、多様な働き方を踏まえた新たな人事処遇制度の運用を開始。 ・エンゲージメント向上に向け、役員・上司と従業員との対話を促進するとともに、管理職層のコミュニケーションを強化。 | ||||||
| 社内DXの加速 | 経営・業務情報を有機的に繋ぎ、より効果的・効率的な経営を推進 | ・業務効率化を目指した業務基幹システム刷新を推進。業務仕様及びその仕様に基づく開発範囲の明確化が完了(2028年度稼働予定)。 ・DXの基盤となるデータ活用力を高めるため、基礎教育を実施。当社従業員約3,200名が受講。 ・生成AIの業務適用を目指した推進活動を展開。説明会、勉強会、体験学習、外部トレーニング等を計39回実施し、当社従業員延べ約2,300名が参加。 |
● 資本コストや株価を意識した経営
当社グループは、持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現に向け、資本コストや株価を意識した経営を重要な経営課題として位置付けております。一般的に、企業価値を示す指標であるPBR(株価純資産倍率)は「PBR=ROE(自己資本利益率)×PER(株価収益率)」により算出されることから、収益力・資本効率の向上によるROE改善と、将来成長に対する市場期待の向上によるPER改善の両面から企業価値向上に取り組んでおります。
中計2027で推進する「製品」「事業」「技術」の各成長戦略により、当社グループが長年にわたって培ってきた技術力と顧客基盤を活かし、収益基盤の強化と投資効率の向上を図るとともに、クラウド基盤「MEIDEN CONNECT」を活用したソリューション型ビジネスの拡大等を通じて、成長期待の向上を目指します。ROEを株主価値向上の主要指標、ROICを事業採算・投資効率管理の主要指標として運用し、ROE10%、ROIC8%を前提にするとともに、拡大する電力需要や脱炭素化の進展を着実に取り込むことで、目標水準を上回る成果の実現を目指します。
また、資本効率性の更なる向上に向けて、保有意義や合理性が認められなくなった遊休不動産や政策保有株式の順次売却を進めております。当連結会計年度は東京都品川区大崎二丁目における土地及び建物の譲渡を実施しました。
創出したキャッシュについては事業成長に向けた再投資を重視しつつ、キャッシュ・アロケーションの最適化を通じて、「成長による中長期的な株主価値の向上」と「安定的かつ継続的な配当の実施」を両立させながら長期的な株主価値向上に取り組んでおります。中計2027期間中は成長への投資を優先する方針としており、株主還元については、親会社株主に帰属する当期純利益の30%としております。