有価証券報告書-第184期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/22 16:06
【資料】
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【項目】
128項目
(3)【監査の状況】
① 監査役監査の状況
当社は、会社法に基づき、監査役および監査役会を設置しています。当社の監査役は5名であり、そのうち3名は社外監査役です。
当社は、中立的・客観的視点から監査を実施するために社外監査役を選任しています。選任にあたっては、各氏が人格、見識に優れ、高い倫理観を有していること、「NEC Way」に共感し、その実現に向けて強い意思を持って行動できることおよび監査に必要な経験や深い見識を有していることに留意しています。なお、社外監査役は、各監査役につき独立性を確保することとしています。
また、当社は、財務および会計に関する相当程度の知見、法律の実務家としての経験など監査に必要な知識や経験を有する人材を監査役に選任し、監査役の監査機能の強化をはかっています。なお、財務および会計に関する相当程度の知見を有する監査役は次のとおりです。
新田正実氏 長年にわたる公認会計士としての豊富な監査経験
当社は、6名の専任スタフからなる監査役室を設置し、監査役による監査を補助しています。監査役室スタフの人事考課、異動、懲戒等については、監査役の承認を要するものとし、取締役からの独立性を確保しています。
監査役会は、原則として月1回定時に開催するほか、必要に応じて臨時に開催し、監査の方針、基準、年間監査計画等を決定し、各監査役の監査状況等の報告を受けています。また、取締役、執行役員および使用人ならびに会計監査人から報告を聴取し、内部統制システムの整備・運用状況、財務報告の信頼性確保、経営判断および意思決定の適法性・透明性・合理性の確保等の観点から、取締役の職務執行を監査しています。
当連結会計年度においては、監査役会を15回開催しており、個々の監査役の出席状況は、次のとおりです。
役職名氏名出席状況(出席率)
監査役(常勤)川島 勇全15回中15回(100%)
監査役(常勤)大嶽充弘全11回中11回(100%)
監査役(社外)石井妙子全15回中15回(100%)
監査役(社外)中田順夫全15回中15回(100%)
監査役(社外)新田正実全15回中15回(100%)

(注)1 上記監査役のうち、財務および会計に関する相当程度の知見を有する監査役は、川島
勇氏および新田正実氏です。
2 川島 勇および石井妙子の両氏は第184期定時株主総会終結の時をもって退任しました。
3 大嶽充弘氏の監査役会出席状況は、就任(2021年6月)以降に開催された監査役会を対象
としています。
監査役は、取締役会その他の重要な会議に出席するほか、取締役、執行役員、事業部門・スタフ部門長等から担当分野または担当部門の概況ならびに事業面および内部統制面での課題とその対策等について報告を聴取しています。また、国内・海外の子会社を往査し、子会社の社長等から事業の状況や内部統制システムの整備・運用状況等について報告を受けるとともに、国内子会社の監査役や海外子会社の会計監査人とも意見交換を行っています。これらの報告聴取等における監査役の気づき事項や提言事項は、被監査部門と共有し適宜フォローアップを行うほか、当社の取締役会および執行役員社長をはじめとする経営幹部に定期的に伝達し、意見交換を行っています。また、会社が対処すべき課題や会社を取り巻くリスク等について、執行役員社長や社外取締役との間で定期的に意見交換を行っています。さらに、効率的かつ実効的な監査を実施するため、会計監査人、内部監査部門および子会社監査役との連携強化に努めています。なお、金融商品取引法に基づく独立監査人の監査報告書に記載されている「監査上の主要な検討事項」についても、当連結会計年度を通じて会計監査人と意見交換を重ねるとともに、その監査の実施状況について報告を受け、また記載内容について協議を行っています。
上記の取り組みに加え、常勤監査役は、常勤者としての特性を踏まえ、重要な決裁書類等の閲覧を含め社内の情報収集に努め、適時に社外監査役と共有するとともに、NECグループの各関係部門や会計監査人と連携のうえ、監査環境の整備に努めています。
また、2022年1月、内部者通報制度を強化するため、当社の役員が関係する不正行為等を監査役に対して直接通報できる窓口として、当社の役員から独立した監査役ホットラインを設置し、運用を開始しました。
② 内部監査の状況
当社は、内部監査部門として、経営監査部を設置しています。経営監査部は、NECグループにおける適法かつ適正・効率的な業務執行の確保のための監査を実施し、問題点の指摘と改善に向けた提言を行っています。NECグループの内部監査に従事する専門知識を有するスタフは約90名です。な
お、当社は内部監査部門を有する子会社については、当該部門と連携しています。
内部監査、監査役監査および会計監査の相互連携ならびにこれらの監査と内部統制部門との関係
は次のとおりです。
監査役は、経営監査部から定期的に(必要があるときには随時)内部監査の結果の報告を受け、意見交換を行うほか、企業倫理・法令違反等の問題に関する「コンプライアンス・ホットライン」の運用状況(当社子会社における内部者通報制度の運用状況を含む。)の報告を受けるなど、経営監査部との相互連携をはかっています。また、監査役は、会計監査人から監査計画や監査の実施状況など会計監査および金融商品取引法に基づく内部統制監査に関する報告を受けるとともに、意見交換を行うなど、会計監査人とも相互連携をはかっています。経営監査部は、会計監査人に対して、定期的に監査結果を報告し、意見交換を行うことで、会計監査人との相互連携をはかっています。また、経営監査部は、内部統制部門であるコンプライアンス推進部に対して、定期的に(必要があるときには随時)監査結果を報告し、意見交換を行うほか、企業倫理・法令違反等の問題に関する「コンプライアンス・ホットライン」の運用状況を報告するなど、相互連携をはかっています。コンプライアンス推進部は、監査役および会計監査人に対して、定期的に内部統制システムの整備・運用状況を報告し、意見交換を行うことで相互連携をはかっています。さらに、当社では、経営監査部、監査役および会計監査人との間で、定期的な協議の機会を設けています。
③ 会計監査の状況
(イ)監査法人の名称
有限責任 あずさ監査法人
(ロ)継続監査期間
14年
(ハ)業務を執行した公認会計士
小山秀明、小川勤および長谷川義晃の3氏
(ニ)監査業務に係る補助者の構成
当社の会計監査業務に係る補助者は、公認会計士50名、公認会計士試験合格者等18名、その他の者30名から構成されています。
(ホ)監査法人の選定方針と理由
当社は、企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第9号の4に規定する監査公認会計士等と会計監査人を同一の者としています。
監査役会は、会計監査人の選任または再任および解任または不再任に関する基本方針を制定しており、その概要は次のとおりです。
(ⅰ)選任または再任に関する方針
監査役会は、法令および会計監査人の独立性、適格性等に関する基準等の規定に基づき、会計監査人の選任に関する株主総会議案の内容を決定します。また、監査役会は、法令および上記基準等の規定に基づき、また会計監査人からの職務遂行体制、職務遂行状況、外部機関による評価の結果等に関する報告聴取、CFO(チーフフィナンシャルオフィサー)からの会計監査人の活動実態に関する報告聴取等を踏まえて、会計監査人の再任の適否につき審議のうえ決定します。
(ⅱ)解任または不再任に関する方針
監査役会は、会計監査人が会社法第340条第1項各号のいずれかに該当すると認められる場合、監査役全員の同意に基づき会計監査人を解任します。この場合、監査役会が選定した監査役は、解任後最初に招集される株主総会において、解任した旨およびその理由を報告します。また、監査役会は、会計監査人にその職務を適切に遂行することが困難であると認められる事態が生じ変更が相当と認められる場合、または、会計監査人の監査の適正性もしくは効率性の向上等のために変更が相当と認められる場合、株主総会に提出する会計監査人の解任または不再任に関する議案の内容を決定します。
(へ)監査役および監査役会による監査法人の評価
監査役会は、会計監査人を適切に評価するための基準として、①会計監査人の独立性・適格性、②職務遂行体制の構築・運営の妥当性、③職務遂行状況、④非行、職業義務違反等による戒告その他の処分の状況および訴訟案件の有無と状況、⑤外部機関による評価の結果、⑥監査報酬水準や合意形成プロセスの妥当性ならびに⑦同一監査法人に対する委嘱期間の7項目に関する評価基準を策定しています。
監査役会は、有限責任 あずさ監査法人から監査計画、職務遂行体制、職務遂行状況、外部機関による評価の結果等に関する報告を受けています。また、当連結会計年度については、上記評価基準に基づき各評価項目について同監査法人から説明を受けるとともに、同監査法人の評価について経理部門から報告を受けています。
これらの報告聴取等を通して、独立性、専門性、職務遂行の適切性等について総合的に判断した結果、2021年3月開催の監査役会において、同監査法人を当連結会計年度の会計監査人として再任する旨を決定しました。
④監査報酬の内容等
(イ)監査公認会計士等に対する報酬
区分前連結会計年度当連結会計年度
監査証明業務に基づく報酬(百万円)非監査業務に基づく
報酬(百万円)
監査証明業務に基づく報酬(百万円)非監査業務に基づく
報酬(百万円)
当社6723056935
連結子会社60055814
1,272351,15039

当社の監査証明業務に基づく報酬には、金融商品取引法に基づく監査の報酬と会社法に基づく監査の報酬が含まれています。当社と会計監査人との間の監査契約においては、これらの報酬を区分しておらず、また実質的にも区分できないため、監査役会は会社法第399条第1項に基づき会計監査人の報酬等に同意する際にも、これらを区分することなく同意しています。
前連結会計年度における当社の監査証明業務に基づく報酬には、上記のほか、米国証券取引委員会に提出した当社普通株式の登録届出書等にかかる米国公開企業会計監視委員会の監査基準に基づく当社の監査の報酬が含まれています。
当社および連結子会社における非監査業務の内容は、「業務委託に係る統制リスクの評価」に係る業務、各種アドバイザリー業務等です。
(ロ)監査公認会計士等と同一のネットワーク(KPMG)に属する組織に対する報酬(上記(イ)を除く)
区分前連結会計年度当連結会計年度
監査証明業務に基づく報酬(百万円)非監査業務に基づく
報酬(百万円)
監査証明業務に基づく報酬(百万円)非監査業務に基づく
報酬(百万円)
当社-74-133
連結子会社553333655321
553407655454

当社および連結子会社における非監査業務の内容は、税務をはじめとする各種アドバイザリー業務等です。
(ハ)その他の重要な監査証明業務に基づく報酬の内容
上記(イ)および(ロ)に記載するもののほか、前連結会計年度および当連結会計年度において、当社および連結子会社の監査証明業務に基づく報酬として重要なものはありません。
(ニ)監査報酬の決定方針
該当事項はありませんが、監査対象の規模、特性、監査日数等を勘案したうえで定めています。
(ホ)監査役会が会計監査人の報酬等に同意した理由
監査役会は、CFO(チーフフィナンシャルオフィサー)、社内関係部門および会計監査人から必要な情報を入手し報告を受けて、監査計画の内容および報酬見積り算出根拠等の妥当性に関し、前連結会計年度の監査実績も含めて評価・検討を行った結果、当連結会計年度における会計監査人の報酬等の額について、会社法第399条第1項の同意を行いました。