有価証券報告書-第140期(2022/04/01-2023/03/31)

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2023/06/23 14:36
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145項目
(1)【コーポレートガバナンスの概要】
①コーポレートガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは、全てのステークホルダーの皆様を重視した経営を行い、皆さまにご満足いただき、社会に貢献していくことをコーポレートガバナンスの基本といたしております。この基本に忠実に取り組むため、当社グループは、コーポレートガバナンスの強化並びに経営環境の変化に柔軟かつ迅速に対応できる経営機構の充実を図ることを目的とし、経営構造改革を継続して推進してまいります。
②コーポレートガバナンス体制
a.コーポレートガバナンス体制の概要及び当該体制を採用する理由
2023年6月23日開催の第140期定時株主総会の決議を経て、監査役会設置会社から委員の過半数が社外取締役で構成される監査等委員会設置会社へ移行いたしました。取締役会のモニタリング機能を強化し、透明性の高い経営を実践するとともに、コーポレートガバナンスの一層の充実と企業価値の向上を目指します。
また、当社では経営の意思決定の迅速化・効率化を図り、機動的な業務執行を可能とするため、執行役員制を導入し、グループ経営におけるガバナンス強化を目的としてグループ経営会議を設置しております。執行役員は役員会を構成し、中期・短期経営計画に基づく業務執行の審議・状況報告を行うとともに、権限委譲を受けて業務を遂行しております。さらに、代表取締役の諮問機関として、経営に関する高い専門知識を持った外部の有識者で構成する「アドバイザリーボード」を設置しております。
ⅰ.取締役会
取締役会につきましては、月に1回定例で開催するほか必要に応じ臨時開催も可能としております。
取締役11名のうち、約半分となる5名が社外取締役であり、かつ東京証券取引所の定める独立役員であります。会社重要事項の決定は、取締役会で定めた付議基準に従い、「稟議」「取締役会決議」という2つの決裁手続きに基づいて決定しております。
ⅱ.監査等委員会
監査等委員会につきましては、月に1回定例で開催するほか必要に応じ臨時開催も可能としております。
監査等委員である取締役4名のうち3名が社外取締役であり、かつ東京証券取引所の定める独立役員となっております。
ⅲ.指名・報酬諮問委員会
役員の指名・報酬に係る議論の充実と決定プロセスの客観性・透明性を高めるため、取締役会の諮問機関として、過半数の独立社外取締役から構成される「指名・報酬諮問委員会」を設置しております。
b.取締役会、指名・報酬諮問委員会の活動状況(当事業年度における監査等委員会設置会社移行前の活動状況)
取締役会は、法令・定款により決議を要する事項、中期・短期経営計画立案を含む事業運営に関する重要事項の審議、その他、取締役会規程及びその付議基準に定められた事項を決議いたします。また、グループ経営会議においては、当社グループ各社の中期・短期経営計画等の業務執行に関する審議と報告を行っております。
指名・報酬諮問委員会の活動状況としては、役員体制や報酬について答申いたしました。
地位及び氏名取締役会
(年13回開催)
指名・報酬諮問委員会
(年2回開催)
代表取締役社長 塚本 英彦13/13回2/2回
取締役 藤原 健13/13回
取締役 大島 秀夫13/13回
取締役 久保 昌宏13/13回
取締役 坂井 正善13/13回
取締役 平野 和浩(注)10/10回
社外取締役 松元 安子13/13回2/2回
社外取締役 井上 由里子13/13回2/2回
社外取締役 村田 誉之12/13回2/2回

(注) 平野和浩氏は、2022年6月24日就任以降の出席について記載しております。
c.内部統制の実効性確保のための取り組み(当事業年度における監査等委員会設置会社移行前の活動状況)
ⅰ.内部監査の組織、人員および手続
内部監査は、社長直轄の内部統制監査室が実施しており、3名の体制で構成されております。内部監査は、年度内部監査計画にもとづき、各部署の業務執行状況について、「妥当性、効率性、順法性等」、内部統制に関わる監査をしております。内部監査の結果についてはデュアルレポーティングを実施しており、代表取締役社長に報告するとともに、常勤監査役にも報告しています。また、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の整備と運用状況を把握、評価し、代表取締役社長および取締役会に報告しております。
ⅱ.内部監査、監査役監査および会計監査の相互連携ならびにこれからの監査と内部統制部門との関係
監査役は、太陽有限責任監査法人から、下表のとおり、定期的に報告を受けるとともに、リスクアプ
ローチ視点での質疑応答、意見交換を行い、連携を図っております。
連携内容時期備考
監査計画・監査報酬案(当事業年度)についての会計監査人による説明7月
各四半期レビュー結果についての会計監査人による説明8月、11月、2月当事業年度の監査状況、KAM草案についての意見交換
監査状況に関する情報共有・意見交換随時
監査結果についての会計監査人による報告5月、6月会社法および金融商品取引法に対応

監査役は内部監査部門である内部統制監査室との次の事項について、都度リスクアプローチ視点での情報交換を行い、連携を図っております。
項目時期内容
監査役および内部統制監査室の当事業年度監査計画を共有7月
内部監査状況・結果についての監査役との情報共有・意見交換随時
内部統制監査室が実施した内部統制の評価・結果に関する監査役への報告4月、5月、12月評価範囲決定(5月)、中間報告(12月)
結果報告(4月)


d.内部統制システムの整備の状況
ⅰ.取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(ア)取締役会は、法令または定款に定める事項のほか、取締役会規程に定める業務執行の基本事項について会社の意思を決定するとともに、取締役並びに執行役員の職務の執行を監督する。
(イ)当社は複数の社外取締役を継続して置くことにより、取締役の職務執行に対する監督機能の維持・強化を図る。
(ウ)中期・短期経営計画に基づく業務執行の審議・状況報告を行うための機関として「役員会」を設置し、適正かつ効率的な意思決定が可能な体制を構築する。
(エ)各監査等委員は、内部監査部門及び会計監査人と連携した監査体制の下、取締役会において必要に応じて意見を述べるほか、監査等委員ではない社外取締役とともに会社の意思決定に対する牽制機能を果たす。
(オ)常勤監査等委員は、定期的に管理部門及び事業部門責任者と連絡会を開催し、具体的業務執行状況を監査する。
(カ)法令等の遵守は「信用の礎」であることを認識し、社内の全役員・従業員に対して「日本信号グループ理念」を基礎とした厳格な倫理教育を行う。
(キ)法令等遵守の主要な留意点をまとめた「コンプライアンスマニュアル」を作成し、全従業員に配布するとともに、定期的な教育・研修等を通じて知識の定着と意識の醸成を図る。
ⅱ.取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(ア)取締役の職務執行に係る記録を適正かつ確実に保存するため、滅失等のリスクを極力低減させた保管体制をとる。
(イ)取締役会議事録など取締役の職務の執行に係る重要書類については、使用履歴管理を行い、取扱者を限定することなどによってセキュリティを高めるほか、本店以外の事業所に副本を備置し、情報の保存に努める。
ⅲ.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(ア)当社グループが経営資源の毀損を最小化し、継続的な成長を維持するために、リスクを正しく認識し、分析・評価し、適切に管理することを目的に、リスク管理規程を制定する。
(イ)当社グループのリスク管理を統括する取締役会直轄組織として、代表取締役を委員長とするリスク管理委員会を設置する。
(ウ)リスク管理委員会はグループ会社及び社内全部門に対し、定期的にリスク認識と分析・評価の実施を指示するとともに、中期・長期的に顕在化が予見される重大リスクに対しては、主査を中心とする小委員会を組成し、計画的に対策を実行する。また、必要に応じて予算措置を講じる。
ⅳ.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(ア)「経営の意思決定機能」と「業務執行機能」を分離することが、経営の意思決定の迅速化・効率化を図り、機動的な業務執行を可能にするとの判断から、執行役員制を導入する。執行役員は、役員会を構成し、自らの業務執行の報告、他の執行役員業務の進捗状況確認並びに適正性チェックを行う。役付執行役員は、取締役会にも出席し、必要に応じて意見を述べ、あるいは業務執行上重要な事項の報告を行う。
(イ)代表取締役は、自らの諮問機関として、経営に関する高い専門知識を持った社外の人材で構成する「アドバイザリーボード」を設置し、客観的な視点で事業活動の分析やリスク管理に関する助言を求める。
(ウ)各種権限規程や稟議手続等を整備し、各部門・使用人各自の役割と責任を明確にする。
ただし、全社的なテーマについては、積極的に委員会、プロジェクトチーム活動を展開し、部門を越えた横断的な検討を行い、経営が要求する課題に取り組む。
(エ)取締役の職務の執行が迅速かつ効率的に行われるよう管理部門の企画機能を強化する。
ⅴ.当社並びに子会社からなる企業集団における業務の適正を確保するための体制
(ア)企業価値向上を図り、国際・地域社会に貢献していくため、グループ共通の理念として「日本信号グループ理念」を制定する。
(イ)当社は企業集団としての業務の適正性を確保しシナジーを発揮していくために、当社が主体となって当社グループの方向性を決定し、グループ全体の適正性をチェックする。
(ウ)担当部門が窓口となり、日常的に各子会社の経営状況・業務執行内容の報告を受けるとともに、役員を派遣して正しく経営が行われていることをチェックする。
(エ)四半期に1回の頻度で子会社代表取締役を招集してグループ経営会議を開催し、当社グループ全体での経営、業績、リスク管理体制について報告を受け、必要な指導を行う。
(オ)ダイバーシティの進展や働き方の多様化を意識し、通報者が不利な取扱いを受けないことを確保した内部通報窓口(コンプライアンスホットライン)を社内外に設置し、利用者が選択して利用できるようにする。
(カ)内部通報の社外窓口には、経営から独立した外部の弁護士を配置し、子会社も利用可能にすることで、グループ全体における法令違反等の早期発見に努め、健全な職場環境を維持する。
ⅵ.監査等委員がその補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項、その使用人の取締役(監査等委員である取締役を除く。)からの独立性に関する事項 監査等委員の職務を補助すべき使用人の任命・異動については、その主旨を十分配慮し、監査等委員会の意見も踏まえてこれを行う。
ⅶ.取締役及び使用人が監査等委員会に報告をするための体制その他の監査等委員会への報告に関する体制
(ア)取締役及び使用人は、監査等委員会の職務遂行に協力し、取締役会ほかの重要な会議への出席や資料の提供などを通じ業務の報告をするほか、適宜意見交換を行う。
(イ)取締役は、監査等委員会に報告を行った者が、当該報告を理由として不利な取扱いを受けないことを確保する。
ⅷ.監査等委員会の職務執行について生ずる費用等の処理に係る方針
監査等委員会の職務執行について生ずる費用等の処理については、担当部門が監査等委員の請求内容を確認のうえ速やかにこれを行う。
ⅸ.その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(ア)監査等委員は法令に基づく会議体及び役員会、リスク管理委員会、グループ経営会議等の重要な会議体に出席し、必要に応じて意見を述べることができる。
(イ)監査等委員は使用人の業務品質改善に係る発表会など、業務革新や企業価値を高める意識を醸成する会議にも出席し、監査の実効性を高める。
<反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及び整備状況>当社グループは、社会的正義の実践の観点から反社会的勢力とは直接・間接を問わず一切関係を持ちません。反社会的勢力から不当な要求を受けた場合には、適宜、警察等の関連行政機関及び弁護士等の法律専門家とも連携し、断固として不当な要求を排除いたします。
なお、当社は、日本信号グループ理念の行動規範に反社会的勢力を排除する旨を明記しており、日常の企業活動を行う上で全ての役員・従業員が実践しております。また、所轄の警察署や近隣企業との連携を強化するとともに、セミナー等に定期的に参加することで情報収集に努めております。
なお、金融商品取引法への対応については、財務報告の信頼性を確保するための全社的統制、業務プロセス統制、IT統制、決算・財務統制等の整備・運用状況を評価し、適法性を確認するとともに業務の有効性・効率性等の向上に努めております。
e.リスク管理体制の整備の状況
当社では、コンプライアンスリスクも含めた全社に多大な影響を与えると想定されるリスク管理活動を一元的に推進する管理体制を構築すべく、代表取締役を委員長とするリスク管理委員会を設置しております。リスク管理委員会では、迅速かつ的確な対策の遂行に資することを目的として、「基本目的」と「行動指針」から成る、以下のリスク管理基本方針を定め、当社グループが様々なリスクから企業価値を守り、持続的成長を維持するための活動に取り組んでおります。
<基本目的>リスク管理の目的は、コンプライアンスも含めあらゆるリスクによる人的・物的その他の経営資源の損失の予防・低減及び再発を防止するとともに、緊急事態においては、組織の機能を維持し、迅速な復旧を可能とすることにある。
<行動指針>①人命の安全を最優先に行動する。
②不断のリスク管理活動を通して、会社の社会的評価を高める。
③経営資源に被害が生じた場合は、適切かつ迅速な復旧を図る。
④リスク顕在化の際には、責任ある行動をとる。
⑤リスクに関連する社会的要請をリスク管理活動に反映する。
当期のリスク管理活動につきましては、代表取締役を委員長とするリスク管理委員会を、規程に基づき定期的に開催しました。リスク管理委員会では、全社的な視点で議論を行っており、当期は2回開催しています。また議論の内容は、取締役会に報告しています。
金融商品取引法上の内部統制対応としては、内部統制監査室を中心に、購買、販売、会計等経営活動全般、並びにグループ会社に対し適正かつ透明性の高い内部統制システムの適切な運用を浸透させる活動に取り組みました。なお、体制の整備・運用にあたっては、会計監査人との情報の共有化など連携を強化するとともに、適宜、適切な助言を受けております。
f.責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定により、同法第423条第1項の行為に関する取締役(業務執行取締役等である者を除く。)の責任を法令の定める額を限度額として負担する契約を締結することができる旨、定めております。これに伴い、当社と社外取締役井上由里子氏、村田誉之氏、玉川雅之氏、徳永崇氏並びに鈴木雅子氏との間において、損害賠償責任を限定する契約を締結しております。なお、当該責任免除が認められるのは、当該社外取締役が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がないときに限られております。
③取締役(監査等委員である取締役を除く。)の定数
当社の取締役は14名以内とする旨を定款に定めております。
④株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
⑤取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。
⑥剰余金の配当等の決定機関
当社は、法令に別段の定めがある場合を除き、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に掲げる事項については、株主総会の決議によらず、取締役会の決議によって定める旨、定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするためであります。
⑦企業統治に関するその他の事項
(当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)
a.基本方針の内容
当社は、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には株主の皆さまの自由な意思に基づき行われるべきものと考えております。また、当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、一概にこれを否定するものではありません。
しかしながら、わが国の資本市場においては近年、対象となる企業の経営陣との協議や合意等のプロセスを経ることなく、一方的に大量買付行為またはこれに類似する行為を強行する動きが見られ、こうした大量買付行為の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、対象会社の取締役会や株主が株式の大量買付の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないもの、対象会社が買収者の提示した条件よりも有利な条件をもたらすために買収者との協議・交渉を必要とするもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
これに対し当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、“私たちは、「安全と信頼」の優れたテクノロジーを通じて、より安心、快適な社会の実現に貢献します”という日本信号グループ理念や、後述する当社の企業価値ひいては株主共同の利益の源泉を十分に理解し、ステークホルダーであるお客様、株主の皆さま、協力企業の皆さま、地域社会の皆さま、従業員との信頼関係を維持し、こうしたステークホルダーの方々の期待に応えていきながら、中・長期的な視点に立って当社の企業価値ひいては株主共同の利益を維持・向上させるものでなければならないと考えております。
従って、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗手段を講じることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保することを基本方針としております。
b.基本方針の実現に資する特別な取り組み
ⅰ.当社グループの経営理念及び基本的な事業運営の考え方
当社は、1929年2月に営業を開始して以来、一貫して交通インフラの分野に携わり、“私たちは、「安全と信頼」の優れたテクノロジーを通じて、より安心、快適な社会の実現に貢献します”という日本信号グループ理念のもと、2023年2月に創業94周年を迎えました。
このように、公共性の高い事業分野において、永年に亘り社会に製品を提供し続けてきた企業として、当社は常に重い社会的責任と公共的使命を担っております。そのため、高い専門的技能と厳格な倫理教育を背景とした製品品質の管理、より安全・快適な交通インフラを支える新製品開発はもちろんのこと、人命に関わる製品を製造していることに十分留意した長期的な視点に立脚した事業運営が不可欠であると考えます。
一方、鉄道信号・道路交通信号システムの専門メーカーとして蓄積したコア技術、ノウハウを応用した新事業の創造に果敢に挑戦し、企業の持続的な成長に常に取り組まねばならないと考えております。特に、駅務自動化システムとパーキングシステムソリューションは現在の当社の業績を支える柱のひとつになるまでに成長した新事業の好例であります。また、最近では、微細加工技術により実現した共振ミラー「ECO SCAN」を使った「3D距離画像センサ」が、外乱光に強いという特性からホームドアや建機、自動運転など様々な分野で活用されており、新事業の発展に結びつきました。
当社の事業内容をまとめると以下のとおりです。
当社は、鉄道信号や道路交通信号など、人命に関わる公共性の高い事業を行っております。また、日本の質の高いインフラは世界からのニーズも高く、当社も重要な技術を数多く保有しております。
今後は、センシング技術で得られたデータをもとに、AIとデジタル処理による高度なソリューションを提供することで、快適な社会の交通インフラを実現してまいります。
[交通運輸インフラ事業]
「鉄道信号」では、CTC(列車集中制御装置)等の「運行管理装置」、ATC(自動列車制御装置)、ATS(自動列車停止装置)、ATO(自動列車運転装置)、SPARCS(無線式列車制御システム)等の「列車制御装置」、さらに転てつ機や信号灯器を制御する「連動装置」、「旅客案内表示システム」等の製品を中核として、高密度ダイヤでの安定・安全運行を誇る我が国の鉄道を支えております。また、アジアを中心としたインフラ輸出の一翼を担っております。
「スマートモビリティ」では、道路交通信号機を制御する「交通管制システム」、事故や渋滞、交通情報を表示する「道路交通情報提供システム」といった製品を中核として、交通事故の減少、交通渋滞の緩和に取り組んでおります。また、各種自動運転の実証実験に参加し、インフラメーカーとしての強みを活かしたソリューションの開発に取り組んでいます。
[ICTソリューション事業]
「AFC」では、自動改札機や自動券売機、自動精算機等の「駅務ネットワークシステム」により、駅務の自動化・高速化を実現すると共に、SuicaやPASMO等のICカードを媒介としたスムーズな移動の実現に貢献しております。また、航空関連市場、海外市場にも進出している一方、無線利用の個体識別技術を応用した各種ソリューションの提供やホームドアに代表される駅ホームの安全性向上に取り組んでおります。
「スマートシティ」では、セキュリティゲートなどのオフィスセキュリティや、イベント会場や空港で求められるハイセキュリティを支える各種ソリューションを展開しております。また、当社のセンサ技術を最大限に活かした清掃ロボットをはじめとする各種ロボットの開発及び販売をしており、作業の省力化・効率化を実現いたします。
ⅱ.当社の企業価値ひいては株主共同の利益の源泉について
当社は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の源泉は、1)安全・快適な交通運輸インフラを永年に亘り支えてきた「技術・品質力」、2)公共性の高い仕事に携わる者として強い誇りと使命感を持った「人材力」、3)鉄道信号・道路交通信号システムで培ったコア技術・ノウハウを応用した新製品の「開発力」にあると考えます。
当社の企業価値ひいては株主共同の利益の源泉を向上させる具体的な取り組みとしては、主に以下の施策を実行しております。
(ア)事業体制や生産体制、グループ体制の見直し、経営の意思決定のスピードアップ及び業務品質の向上に継
続的に取り組み、市場競争力の強化及び顧客満足度のより一層の向上を目指しております。
(イ)優秀な人材の採用に努めるものはもちろんのこと、人材育成の面から、モチベーションと技能の向上を目
的とした人事制度の構築・運用に取り組んでおります。
(ウ)技術開発体制と市場開発体制の2つの体制が相互に連携して研究開発を推進する体制をとることにより、
一層の研究開発の充実を目指しております。
ⅲ.経営計画に基づく具体的施策による企業価値・株主共同の利益の向上のための取り組み
当社は、2019年度より新たな長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」をスタートさせました。現在、デジタルディスラプション(デジタル技術による破壊的なイノベーション)により、既存産業が淘汰される大変革期が到来しております。長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」では、従来の延長線上にない新しいビジネスに転換し、インフラの進化を安全・快適のソリューションで支えることで国内外の社会的課題を解決し、世界中の人々から必要とされる企業グループになることを目指しております。
2022年度より始まった長期経営計画「Vision-2028 EVOLUTION 100」の第2期中期経営計画「Next Stage 24」では、当初想定した環境変化に加え、新型コロナウイルス感染症拡大による生活様式の変化や、顧客の構造改革、脱炭素などサステナビリティの推進を踏まえ、基本方針「インフラのNext Stageを支える」を掲げております。その目指すところは、コロナ禍の新たな社会・経済活動や生活様式に対し、デジタルの力を駆使したソリューションにより、持続可能で安心・安全な交通インフラを創り出す事にあります。
「コロナ禍後における顧客との価値共創」「国際事業の拡充と収益力向上」「ソフトウェアファースト時代の設計力・ものづくり力の強化」の3つの重点課題に取り組むと共に、「持続的な価値創造に向けたESG経営」を推進します。これらの取り組みを実現すべく、総額500億円規模の投資を計画し、顧客の構造改革や課題解決を推進する新商材の開発・社会実装の加速と設計・ものづくりのバリューチェーン改革など収益性向上を図ることで、中期経営計画「Next Stage 24」最終年度において、連結売上1,300億円、営業利益11%、ROE10%を目指します。
c.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、2022年6月24日開催の当社第139回定時株主総会において、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を維持し、向上させることを目的として、当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)(以下「本プラン」といいます。)の導入(更新)を決議いたしました。
本プランは、特定株主グループの議決権割合が20%以上となるまたは20%以上とすることを目的とする、当社が発行者である株券等の買付行為もしくはこれに類似する行為またはこれらの提案(当社取締役会が友好的と認めるものを除き、市場内外取引、公開買付け等の買付方法の如何を問いません。本プランにおいて「買付等」といい、当該買付等を行う者を「買付者」といいます。)を適用対象とし、買付者に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当該買付等についての情報収集・検討等を行う時間を確保したうえで、株主の皆さまに当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、買付者との交渉等を行っていくための手続を定めています。
なお、買付者には、本プランに係る手続を遵守いただき、本プランに係る手続の開始後、当社取締役会が本新株予約権の無償割当ての実施または不実施に関する決議を行うまでの間、買付等を進めてはならないものとしております。
買付者が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う等、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が毀損されるおそれがあると認められる場合には、当社は当該買付者及び買付者の特定株主グループ(以下「買付者等」といいます。)による権利行使は認められないこと(行使条件)及び当社が当該買付者等以外の者から当社株式と引き換えに新株予約権を取得する旨の取得条項が付された新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)をその時点の全ての株主に対して新株予約権無償割当ての方法により割り当てます。
本プランにおいては、原則として、本新株予約権の無償割当ての実施、不実施または取得等の判断について、取締役の恣意的判断を排するため、独立委員会規則に従い勧告される、当社経営陣から独立した企業経営等に関する専門的知識を有する者のみから構成される独立委員会の判断に従うとともに、株主の皆さまに適時に情報開示を行うことにより透明性を確保することとしています。独立委員会は、独立性の高い社外役員のみにより構成されています。
本プランの有効期間は、2025年3月末日に終了する事業年度に関する定時株主総会終結の時までであります。但し、有効期間の満了前であっても、当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、又は、当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プラン及び本プランに基づく委任はその時点で廃止・撤回されます。
なお、上記の内容は概要を記載したものであり、本プランの詳細については、以下の当社ウェブサイトに掲載しております2022年5月10日付当社プレスリリース「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)の更新に係る株主総会の付議について」をご参照ください。
(当社ウェブサイト https://www.signal.co.jp/ir/)
d.上記の各取り組みに対する当社取締役会の判断及び理由
前記b.の取り組みは、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるための具体的施策であって基本方針の実現に資するものです。従って、これらの取り組みは、前記a.の基本方針に沿い、株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものでもありません。
また、本プランは前記c.記載のとおり、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させる目的をもって導入されたものであり、前記a.の基本方針に沿うものです。さらに、本プランは経済産業省及び法務省の「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」(2005年5月27日公表)の定める三原則を完全に充足し、また、経済産業省企業価値研究会の報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」(2008年6月30日公表)の提言内容にも合致しており、その内容においても当社取締役会の判断の客観性・合理性が確保されるように設計されています。従って、当該取り組みは株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

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