有価証券報告書-第141期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/21 15:56
【資料】
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【項目】
151項目
b.戦略
当社グループの価値創造の源泉は、人材にあります。グループ理念の「私たちの大切にすべきこと」のひとつに「ヒトづくり」を掲げて、「自らの成長に向けてチャレンジする人材の育成」に注力しております。
2024年3月期は、「次世代人事制度改革に向けた多様な働き方」「リスキリングによるDX人材の育成及び若手から中堅社員を対象とした次世代リーダー層の育成」「社員の健康増進を組織の活性化に繋げ、生産性を高めることで企業価値向上を目指す健康経営」の3点を重点課題として取り組みました。
i.次世代人事制度改革に向けた多様な働き方への取り組み
(ア)ダイバーシティ&インクルージョンへの取り組み
一般事業主行動計画にて、女性管理職比率、技術職の女性人数、育児休職制度利用率についてKPIを定め、女性活躍推進活動に取り組んでおります。工学系を中心とした技術者のウエイトが高く、相対的に女性社員の割合が少ない状況ですが、女性が活躍しやすい環境整備を通じて定着率の向上とキャリアアップを支援しています。
外国人材の採用については、グローバル化を牽引する国内の大学や日系企業への就職率が比較的高い海外の大学に向けて、積極的な採用活動を行っています。また、多様な人材が活躍する組織運営を目指して、管理職を対象とした研修で、ダイバーシティを活かすマネジメント方法やハラスメント防止に焦点をあてたプログラムも実施しています。
人材の多様化の取り組みとしては、「文系・理系の枠を設定しない採用」や「文系職種の人材の技術部門配属」を実施しています。今後は、OBのコネクションを活用した優秀な人材の採用や、退職者を対象としたカムバック採用の導入、日本人社員向けの異文化理解促進研修の導入も検討していきます。
(イ)時間や場所にとらわれない働き方を進めるための取り組み
社会環境の変化や社員のライフイベントなどに応じて、働く時間や場所など多様な選択ができるよう、フレックス勤務・時差出勤・リモートワークを導入しています。また、2023年10月には地域限定社員制度を新設し、個々の事情に応じて働き方を選択できる環境づくりを進めました。こうした多様な働き方の促進と組織の成長を両立させるため、個人ひいては組織全体の生産性の維持・向上を重要な課題としてとらえ、業務のデジタル化、WEB会議などを推進し、新しい業務環境の構築に取り組んでいます。また、デジタル化に伴うサイバーセキュリティ対策としてシステム上の常時監視・制御、教育研修、事故発生を想定した訓練を実施しています。
(ウ)育児支援への取り組み
柔軟な働き方の推進による仕事と育児の両立支援及び男性社員の育児参加の促進に取り組んでいます。2022年7月には、以下の通り関連制度の改定を行いました。
・時間外労働・休日労働制限の請求可能者、看護休暇の取得可能者の対象範囲を拡大
・育児フレックスタイム勤務・産前フレックスタイム勤務の取得可能者の対象範囲を拡大
・育児・介護・産前・通院フレックスタイム制勤務者をコアタイム適用外へ変更
また、仕事と育児の両立を目指す社員の支援を目的として、社内の先輩パパ・ママの意見を参考に作成した「仕事と育児の両立支援ガイドブック」を、子が生まれた社員に対し配布しています。妊娠から育児休業取得・職場復帰までの流れや家事分担・保育園選びのコツ、おすすめの育児本などを紹介しています。
ⅱ.企業価値を高める人材育成・リスキリングの取り組み
(ア)企業文化定着のための取り組み
「安全と信頼」の理念のもと、社会から必要とされる企業グループであり続けるためには、一人ひとりの正しい行動に裏打ちされたステークホルダーとの深い信頼関係を築き上げることが不可欠です。この信頼関係の基盤となるものとして、「日本信号グループ理念」において、当社グループのすべての役員・社員がとるべき行動規範である「私たちの行動規範」を策定しました。
法令やルールを尊重する行動を浸透させるとともに、問題を早期に発見して是正・改善する自浄作用を持つ組織づくりを推進しています。活動の一環として、全社員を対象とした「教訓事例教育」を定期的に開催し、当社社員として必要な「安全と信頼」に関する基礎知識を身に着けるとともに、当社が扱う製品が世の中へ与える影響を自ら考え、業務に活かす機会を設けております。
また、全社員で経営戦略を推進するため、会社の方針に基づいた部門目標を定め、半期ごとの部門ミーティングで共有しています。部門目標の達成に向けて、社員一人ひとりが達成すべき目標及び職能資格コース別に求められる行動基準を基に、強化すべき行動を設定し、管理職と連携しながら、その実現に努めています。その他、目覚ましい功績をあげた社員や模範となる社員に対して表彰を実施しているほか、社内の各種コンテストの成績優秀者に対し、海外研修の機会を提供しています。
(イ)全社員のデジタルリテラシー向上への取り組み
当社は中期経営計画にて、「開発力強化とDXに適応した設計・生産体制の確立」を重要課題として定め、2022年度に全社員を対象にDXリテラシー教育を実施しました。2023年度は各部署における改善・改革テーマを見出し、そのDX化を推進する取り組みを行いました。また、採用においてもソフトウエアを中心に、AI・画像・通信等のDXに適した人材の獲得に注力しています。
(ウ)若年層教育の取り組み
若年層向けの研修として、2019年に従来の一般的なOJT制度を当社独自の「鉄熱(てつあつ)プログラム研修」に進化させました。
「鉄熱プログラム」とは、「鉄は熱いうちに打て」との諺にある通り、柔らか頭で吸収力が高い新入社員時代に様々な経験を積むことを目的とした教育プログラムです。新入社員を迎える組織は「課長」がリーダーとなり、「係長」「バディ(先輩社員)」が各々の立場での役割を持って新入社員の成長をサポートし、チーム一丸の活動を行います。その活動を通じて、新入社員を取り巻く全員が人材育成に関わり、新入社員に寄り添うことにより自らも成長していくことを目指しています。
このような考えに基づき、「鉄熱プログラム」は以下の3つを狙いとして実施されます。
・チームの指導、サポートにより新入社員が様々な経験を積むことで、成長曲線を高める。
・チーム全体で新入社員を支え、育てる仕組みの醸成を図る。
・新入社員をはじめとするチームのエンゲージメント向上を図る。
2023年度は、階層・部門間を超えた育成や関与の風土醸成を目的として、課長を中心とした「縦」の活動だけではなく、「横」の広がりも意識したプログラムを実施しました。
(エ)リーダーシップ開発
2022年度から2023年度にかけて、入社3年~5年目の社員及び次期管理職候補となる社員を中心に社長との懇談会を開催し、社長自らが経営トップの想いを伝え、社員の仕事に対する意欲向上や視野拡大、さらなるスキルアップを図る機会としました。また、次世代リーダー層育成を目指して、数年後の管理職候補者として各部署から選出された人材を集めて、幅広いものの見方・考え方、自らの想いの明確化、組織内もしくは顧客・取引先といったステークホルダーへの価値ある企画・提案をテーマとした研修を実施しました。
リーダー層の育成については、経営人材として必要な要件を明確にして、将来を担うリーダーを継続的に生み出す「次期経営人材育成研修」を構築し、経営人材の育成に取り組んでいます。また、当社の将来を担うリーダー層の人材をグループ会社の経営者に任命し、その後当社の経営陣に登用するなど、グループ間人事交流を積極的に実施し、グループ一体となって経営人材の育成に努めています。
(オ)リスキリング・学びなおしのための取り組み
社員の自己啓発の促進を目的に、通信教育講座の費用補助や会社が奨励する公的資格取得者への手当支給を行っています。2023年4月には、月額手当の支給対象者の拡大及び支給額の引き上げを実施し、自己啓発を積極的に行う社員に対する賃上げを行いました。業務上必要となる教育の促進を目的に、定期的に各部門へのヒアリングに基づく公的資格の手当対象範囲拡大を行っております。また管理職が部下との育成面接の中で自己啓発の実施状況を把握し、必要に応じてアドバイスをしています。
社外での学習機会としては、勤続10年以上で55歳に達した社員が今後の自分の在り方について考え自己研鑽の機会とする「マイビジョン休暇制度」や、国際大学への留学生制度があります。
ⅲ.健康経営・組織活性化への取り組み
<健康経営の推進>当社は2022年4月に「日本信号グループ健康宣言」を制定しました。健康診断及び保健指導の受診率・参加率の向上、定期的な運動の習慣化を目的とした、スポーツイベントや健康保険組合とのコラボレーションによる運動キャンペーン等を展開、ヘルスリテラシー向上を目的としたセミナーの開催に注力し、2023年から2年連続で「健康経営優良法人」(大企業法人部門)の認定を取得しました。主な活動は以下の通りです。
(ア)からだの健康
・健康診断受診後の各種フォローの実施(特定保健指導の参加率増加、医療従事者による保健指導
の充実)
・定期的な運動習慣の確保のため、スポーツイベントや運動キャンペーンを継続
(イ)こころの健康
ストレスチェック・メンタルヘルス講習等を実施するとともに、高ストレスと判定された社員をフォローし、メンタル不調者の早期発見・未然防止を実施
(ウ)みらいの健康
・喫煙対策の強化
・ヘルスリテラシー向上を目的とした各種セミナーの実施
・ヘルスケア休暇の利用促進
<社員エンゲージメントを高めるための取り組み>2021年より、社員エンゲージメントの向上を目的として「従業員意識調査」を毎年実施しております。調査結果は、経営陣や各部門長にフィードバックすると同時に、解決すべき問題の特定に活用し、働きがいのある職場づくりのための課題設定につなげております。
2023年は部門を横断したコミュニケーションの強化を課題とし、社員の自発的な社内ネットワーク構築の支援企画を実施するなど、社員のエンゲージメントを高める施策に取り組みました。

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