四半期報告書-第105期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)
3.重要な会計方針の要約
I.重要な会計方針
(1) 連結の基礎
i)子会社
子会社とは当社により支配されている企業をいいます。支配とは、企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。
子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの間、ソニーの要約四半期連結財務諸表に含まれています。
連結会社間の取引高及び債権債務は、要約四半期連結財務諸表の作成にあたり全て消去しています。
子会社が適用する会計方針がソニーの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表を調整しています。
支配が継続する子会社に対するソニーの持分変動は、資本取引として会計処理しており、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、ソニーの所有者に帰属する持分として資本に直接認識しています。支配を喪失した場合には、残存する持分を支配を喪失した時点の公正価値で測定したうえで、支配の喪失から生じた利得及び損失を純損益で認識しています。
ⅱ)関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、ソニーがその財務及び営業方針に対して重要な影響力を有しているものの支配もしくは共同支配をしていない企業をいいます。
共同支配企業とは、ソニーを含む複数の当事者が共同支配の取決めにもとづき、それぞれの当事者が投資先の純資産に対する権利を有している場合の当該投資先をいいます。共同支配は、契約上合意された支配の共有であり、関連性のある活動に関する意思決定に、支配を共有している当事者全員の一致した合意を必要とする場合にのみ存在します。
関連会社及び共同支配企業への投資は、重要な影響力又は共同支配を獲得した日から喪失する日まで持分法を用いて会計処理しています。持分法では、関連会社及び共同支配企業に対する投資は、重要な影響力又は共同支配を獲得した日から喪失する日までの投資先の純損益及びその他の包括利益の変動に対するソニーの持分額を取得価額に加減算して計上されます。これらの投資に関する純損益は税引後の金額で計上され、未実現内部利益を控除した金額が営業利益(損失)に含まれています。
持分法で会計処理されている投資は、減損の客観的な証拠が存在する場合に、投資全体の帳簿価額を単一の資産として減損テストを行っています。
関連会社又は共同支配企業が適用する会計方針がソニーの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社又は共同支配企業の財務諸表を調整しています。
関連会社又は共同支配企業に該当しなくなり、持分法の適用を中止した場合には、持分法の適用を中止したことから生じた利得又は損失を純損益として認識しています。
ⅲ)共同支配事業
共同支配事業とは、ソニーを含む複数の当事者が共同支配の取決めにもとづき、それぞれの当事者が投資先の資産に対する権利及び負債に対する義務を有するものをいいます。
ソニーは、共同支配事業に関する資産、負債、収益及び費用のうち、ソニーの持分相当額を認識しています。
ⅳ)ストラクチャード・エンティティ
ストラクチャード・エンティティとは、議決権又は類似の権利が支配の有無の判定において決定的な要因とならないように設計された事業体をいいます。
ソニーは、ストラクチャード・エンティティへの関与から生じる変動リターンに対するリスク又は権利を有している場合で、当該投資先に対するパワーを通じてこれらの変動リターンに影響を与えることができる場合、支配を有していると判断し連結しています。
(2) 企業結合
被取得企業における識別可能資産及び負債は、限定的な例外を除き、取得日の公正価値で測定しています。
企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額及びソニーが従来保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にはその超過額がのれんとして認識され、下回る場合には純利益として認識されます。移転された対価は、移転した資産、引き受けた負債及び発行した資本持分の公正価値の合計で算定されています。非支配持分は、個々の企業結合取引ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定しています。
また、取得関連費用は、発生した期間において費用として認識しています。
(3) 外貨換算
i)外貨建て取引
外貨建て取引は、取引日における直物為替相場又はそれに近似するレートにより換算しています。決算日における外貨建て貨幣性資産及び負債は、決算日の為替レートで機能通貨に換算しています。通常、当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しています。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されるデリバティブに関する換算差額は、その他の包括利益として認識しています。
ⅱ)在外営業活動体の換算
海外子会社や関連会社等の在外営業活動体の資産及び負債は、決算日の為替レートで、収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートでそれぞれ換算しています。当該換算により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しています。
在外営業活動体を処分する場合、当該在外営業活動体に関連する換算差額の累計額は、処分時に純損益に振り替えています。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、表示された金額で容易に換金され、かつ価値変動リスクが僅少なもので、取得日から3ヵ月以内に満期の到来する流動性の高い全ての投資を含んでいます。
(5) 金融商品
ソニーは、金融商品の契約の当事者になった時点で、金融商品を金融資産又は金融負債として認識しています。
金融資産及び金融負債は公正価値で当初測定されます。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び純損益を通じて公正価値で測定する金融負債を除き、金融資産及び金融負債の取得又は発行に直接起因する取引コストは、当初認識時に金融資産の公正価値に加算又は金融負債の公正価値から減算されます。
i)非デリバティブ金融資産
a.分類及び測定方法
ソニーの保有する非デリバティブ金融資産は、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産のいずれかに分類されます。
償却原価で測定する金融資産
ソニーは、契約上のキャッシュ・フローを回収することを事業上の目的として保有され、かつ当該金融資産の契約条件により所定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる金融資産を、償却原価で測定する金融資産に分類しています。当該金融資産は、当初認識後は実効金利法による償却原価により測定しています。また、償却原価で測定する金融資産の認識を中止した場合、資産の帳簿価額と受け取った対価又は受取可能な対価との差額は純損益に認識しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
負債性金融商品のうち、契約上のキャッシュ・フローを回収することと売却の両方を事業上の目的として保有され、かつ金融資産の契約条件により所定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる金融資産を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。当該金融資産は当初認識後の公正価値の変動を、減損利得、減損損失及び為替差損益を除き、その他の包括利益として認識しています。また、当該金融資産から生じる実効金利法による金利収益は純損益に認識しています。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品の認識の中止が行われる場合、過去にその他の包括利益で認識した累計額を純損益として振り替えています。
生命保険ビジネスにおいては、資産負債の総合管理(以下「ALM」)の観点から当該金融資産を保有しています。生命保険ビジネスにおいて金融資産を保有する目的は、主に保険契約債務と生命保険ビジネスにおける契約者勘定で構成される保険契約負債の金利感応度(デュレーション)と可能な限り一致させることにより、期限到来時の保険金等の支払原資を十分に確保することです。
ソニーは、当該金融資産を、デュレーションと流動性ニーズを効率的に管理するという全体的な目的にもとづき、1つのポートフォリオとして管理しています。ポートフォリオには、より長期間にわたって保有される可能性のある金融資産が含まれていますが、ポートフォリオに含まれる全ての金融資産は、上記の全体的な目的を考慮して、キャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される1つのビジネスモデル内で保有されていると判断しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
売買目的以外で保有する資本性金融商品に対する投資については、当初認識時に、公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能の選択を行う場合があります。
当該金融資産は公正価値で測定し、その事後的な変動はその他の包括利益に計上されます。なお、当該金融資産から生じる配当金については純損益で認識しており、認識を中止した場合は、その他の包括利益で認識した累計額を利益剰余金に振り替えています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
償却原価で測定されるもの及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定するもの以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。当該資産には、売買目的で保有する金融資産が含まれています。
生命保険ビジネスにおいては、変額保険及び変額年金に対する投資は主に株式、債券、投資ファンドで構成されており、純損益を通じて公正価値で測定しております。
また、会計上のミスマッチを解消又は大幅に削減するために、通常純損益を通じて公正価値で測定しない金融資産に対し、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定する取消不能な選択をする場合があります。
ソニーは、銀行ビジネスに含まれる子会社が保有する一部の固定金利付負債性証券の測定方法として上記の取消不能な選択を行っています。ソニーは、当該負債性証券に関する金利の不利な変動にともなう公正価値変動リスクをヘッジするためにデリバティブを利用しています。よって、当該負債性証券から生じる利得及び損失を純損益に計上することにより、負債性証券及びヘッジ手段として使用されているデリバティブの公正価値変動から認識される会計上のミスマッチを軽減しています。
b.認識の中止
ソニーは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は、金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産に係るリスクと経済価値のほとんど全てを移転した場合に、当該金融資産の認識を中止しています。
c.減損
ソニーは、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品について、予想信用損失を見積もり、損失評価引当金の計上を行っています。各決算日において、ある金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。一方で、各決算日において、ある金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を12ヵ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。信用リスクの著しい増大の有無については、当該金融商品の予想存続期間にわたる債務不履行発生リスクの変動を用いて判断し、過去の損失率及びマクロ経済状況が顧客の支払能力に与える影響を考慮し、その他合理的に利用可能な将来予測情報等を反映する方法で予想信用損失を見積もっています。
ソニーは金融資産に対して、貨幣の時間価値を反映し、過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測について報告日時点で合理的で裏付け可能な入手できる情報を加味した、偏向のない確率加重を考慮した予想信用損失を測定しています。
ただし、営業債権、その他の債権及び契約資産(映画分野におけるその他の非流動債権を含む)については、期日経過状況や取引相手の属性等に応じた集合的ベース又は個別の取引相手ごとに、信用リスクの増減にかかわらず、損失評価引当金を全期間の予想信用損失と等しい金額で測定しています。
ソニーは金融資産の将来見積キャッシュ・フローに不利な影響を与える一つ又は複数の事象が発生している場合に金融資産が信用減損したと判断しています。ソニーの金融資産が信用減損していると判断する基準には、利息や元本の支払いにおいて債務不履行又は90日超の期日経過事象が生じていることを含みます。
ソニーは金融資産の全部又は一部の回収が合理的に見込まれなくなった時点で、その資産の総額での帳簿価額を直接償却しています。
金融分野における負債性証券及び貸出金
金融分野における負債性証券及び貸出金に係る予想信用損失は、バーゼルⅢ規制の枠組みや主要な信用格付機関が公表する外部情報を活用して、デフォルト率(以下「PD」)、デフォルト時損失率(LGD)及びデフォルト時貸出残高(EAD)を乗じて算出されています。また、PDの算定には将来の経済予測が含まれています。
信用リスクの著しい増大の評価は、当初認識と報告日時点におけるデフォルト率を比較することによって実施されています。ソニーは、資産種別、信用格付け、担保の回収能力、期日経過状況や金融商品のその他の関連する特性等の過度なコストや労力をともなわずに入手できる合理的で裏付け可能な情報を用いて、集合的ベース又は個々の発行体ごとに予想信用損失を認識し測定しています。
また、ソニーは報告日時点で主要な信用格付機関によって投資適格とみなされる一部の負債性証券について、低い信用リスクの例外を適用しています。そのような金融商品について、ソニーは信用リスクが当初認識時点より著しく増大していないと推定しています。
貸出金の契約条件が変更される場合、総額の帳簿価額が当初の実効金利で再測定され、変更による利益又は損失は純損益として認識されています。
ⅱ)非デリバティブ金融負債
ソニーは、非デリバティブ金融負債を実効金利法による償却原価で事後測定するもの又は純損益を通じて公正価値で測定するものに分類しています。
ソニーは、金融負債が消滅した場合、すなわち、契約上の義務が免責、取消又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しています。
ⅲ)デリバティブ及びヘッジ会計
全てのデリバティブは公正価値により要約四半期連結財政状態計算書上、資産又は負債として計上されています。デリバティブの公正価値の変動は、対象となるデリバティブがヘッジとして適格であるか否か、また適格であるならば公正価値変動もしくはキャッシュ・フロー変動のいずれをヘッジするために利用されているかにもとづき、直ちに純損益もしくはその他の包括利益に計上されています。
ソニーが保有しているデリバティブの会計処理は、下記のとおりです。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
予定取引、又は認識された資産もしくは負債に関連するキャッシュ・フロー変動リスクに対するヘッジとして指定され、かつ有効なデリバティブの公正価値変動は当初、その他の包括利益に計上され、ヘッジ対象取引が純損益に影響を与える時に純損益に振り替えられています。公正価値変動のうち、ヘッジの効果が有効でない部分は直ちに純損益に計上されています。
ヘッジとして指定されていないデリバティブ
ヘッジとして指定されていないデリバティブの公正価値変動は直ちに純損益に計上されています。
ヘッジの有効性の評価
ヘッジ会計を適用する場合には、ソニーは様々なヘッジ活動を行う際のリスク管理目的及び方針を文書化するとともに、ヘッジとして指定される全てのデリバティブとヘッジ対象との間のヘッジ関係を文書化しています。ソニーはキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されるデリバティブを要約四半期連結財政状態計算書の特定の資産及び負債、又は特定の予定取引と紐付けています。ソニーはまた、ヘッジの開始時及び継続期間中において、ヘッジとして指定されたデリバティブがヘッジ対象の公正価値変動もしくはキャッシュ・フロー変動を相殺するのに経済的関係があるかどうかの評価を行っています。なお、ソニーが契約するヘッジ取引については、信用リスクの影響が経済的関係から生じる価値変動の大部分を占めることはありません。さらに、ヘッジ関係の比率と、ソニーが実際にヘッジするヘッジ対象の数量とソニーがヘッジ対象の当該数量をヘッジするために実際に使用するヘッジ手段の数量の比率は同じとなるようにデザインされています。
なお、デリバティブがヘッジ対象と経済的関係がないと認められた場合には、ヘッジ会計は中止されます。
ⅳ)金融資産と金融負債の相殺
ソニーは、認識している金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有している場合であって、かつ、純額で決済する意図又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合にのみ、金融資産と金融負債とを相殺し、その純額を要約四半期連結財政状態計算書上で表示しています。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうち、いずれか低い金額により測定しています。棚卸資産の取得原価は、加重平均法によって計算しています。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積販売価格から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額です。
(7) 有形固定資産及び減価償却
有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体・除去及び原状回復費用が含まれています。減価償却は、耐用年数(建物及び構築物については2年から50年、機械装置及びその他の有形固定資産については2年から10年の期間)にもとづき、定額法で行っています。耐用年数及び残存価額は、各年度末、又は必要に応じて適時に見直しを行っています。
(8) リース
契約開始時点において、ソニーは当該契約がリースを含んでいるかどうかを決定しています。対価の支払いと引き換えに、識別された資産の使用を一定期間支配する権利を契約が提供している場合には、その契約にはリースが含まれているものとしています。リースから認識した資産及び負債は、要約四半期連結財政状態計算書上、使用権資産、1年以内に返済期限の到来する長期借入債務及び長期借入債務に含まれています。
使用権資産は、リース期間にわたって原資産を使用する権利を表しており、リース負債はリース契約より発生するリース料の支払に係る債務を表しています。使用権資産とリース負債は、リース開始日においてリース期間にわたるリース料の現在価値にもとづいて認識されます。また使用権資産は、リース開始日以前に発生したリース料と当初直接コストを含んでおり、リース・インセンティブを除いています。リース料の現在価値を計算するにあたって、大部分のリースについてリースの計算利子率は入手可能ではないため、ソニーは通常、借手の追加借入利子率を使用しています。ソニーは、リース開始日におけるそれぞれの国や地域の経済状況及びリース期間を考慮した上で、担保付借入の見積利子率をもとに借手の追加借入利子率を決定しています。リースを延長又は終了させる契約上のオプションの行使が合理的に確実な場合、リース期間は当該オプションを含みます。リースの原資産の所有権が、リース期間が終了する以前に借手へと移転する場合、もしくは借手の購入オプションの行使が合理的に確実である場合、ソニーは使用権資産を開始日から原資産の耐用年数の終了時まで減価償却しています。それ以外の場合には、ソニーは使用権資産を開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方の期間で減価償却しています。ソニーは、リース構成要素と非リース構成要素を単一のリース構成要素として会計処理しています。リース期間が1年以内のリースについて、ソニーは短期リースの認識に関する免除規定を適用しており、使用権資産及びリース負債を認識せず費用を定額で認識しています。
(9) 無形資産(コンテンツ資産を含む)及び償却
無形資産は原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しています。個別に取得した無形資産は取得原価で当初測定しています。
償却対象となる無形資産は、主に特許権、ノウハウ、ライセンス契約、顧客関係、商標、ソフトウェア、テレビ放送委託契約、繰延映画製作費、テレビ放映権、ミュージック・カタログ、アーティスト・コントラクト、音楽配信権からなっています。特許権、ノウハウ、ライセンス契約、商標及びソフトウェアは、主に3年から10年の期間で定額法により償却しています。顧客関係、テレビ放送委託契約、ミュージック・カタログ、アーティスト・コントラクト及び音楽配信権は、主に10年から44年の期間で定額法により償却しています。繰延映画製作費は、作品ごとの予想総収益に対する各年度の収益割合に応じて償却しています。ソニーは、この予想総収益にもとづく償却方法は関連資産に関わる活動で生み出される経済的便益の消費割合の予想を反映しており、収益と無形資産の経済的便益の消費との相関が高いと考えています。テレビ放映権は、主に使用見込みにもとづき又は耐用年数にわたって定額法にもとづき償却しています。
無形資産の償却費は、要約四半期連結損益計算書の売上原価、販売費及び一般管理費に計上されています。耐用年数が確定できない無形資産及び未だ利用可能でない無形資産は償却していません。ソニーに正味のキャッシュ・インフローをもたらすと見込まれる期間について予測可能な限度がない無形資産を、耐用年数が確定できない無形資産とみなしています。
繰延映画製作費、テレビ放映権、ミュージック・カタログ、アーティスト・コントラクト、音楽配信権及びその他コンテンツ資産は合わせて要約四半期連結財政状態計算書のコンテンツ資産として表示されています。繰延映画製作費は、映画作品及びテレビ番組の両方に係る直接製作費、間接製作費及び取得費用を含んでいます。テレビ放映権は、ソニーの世界的なチャネル及びデジタルネットワークで放映される買付作品を含み、ライセンス期間が開始されテレビ放映ができる状態にある場合にこれらの放映権が認識されます。ミュージック・カタログは、原盤権もしくは音楽著作権に対する独占的権利です。原盤権もしくは音楽著作権には、様々な市場において利用及び販売することができる楽曲及び歌詞を含んでいます。アーティスト・コントラクトは、音楽アーティストもしくは作曲家がソニーに対し音楽作品に係る独占的権利を提供する契約です。音楽配信権は、第三者が所有する音楽コンテンツを配信する権利です。
(10) 非金融資産の減損
ソニーは、棚卸資産、契約コスト及び繰延税金資産を除く非金融資産について、個々の資産又は資金生成単位に係る減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能性の検討を行っています。これに加え、各資金生成単位に配分されているのれん、耐用年数が確定できない無形資産及び未だ利用可能でない無形資産の帳簿価額については、年に1回第4四半期に減損テストを実施しています。
資金生成単位は、他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローからおおむね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の識別可能な資産グループです。のれんは、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれている資金生成単位又は資金生成単位グループのそれぞれに配分されています。のれんの資金生成単位又は資金生成単位グループは、事業セグメントの範囲内となっています。
資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方の金額としています。使用価値は、将来見積キャッシュ・フローの現在価値として算定しています。割引計算には、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクについての現在の市場評価を反映した税引前の割引率が用いられています。この手法は、将来見積キャッシュ・フロー(その支払・受取時期を含む)、将来見積キャッシュ・フローに固有のリスクを反映した割引率、永続成長率、利益倍率、類似企業の決定、類似企業に対してプレミアムあるいはディスカウントが適用されるべきかどうかの決定等多くの重要な見積り・仮定を使用します。それぞれの資金生成単位における将来見積キャッシュ・フロー(その支払・受取時期を含む)に使用される仮定は、主に3ヵ年中期計画にもとづいており、過去の経験、市場及び産業データ、現在及び見込まれる経済状況等を考慮しています。永続成長率は主に3ヵ年予測期間後のターミナル・バリューを決定するために使用されています。
回収可能価額が資金生成単位又は資金生成単位グループの帳簿価額を下回る場合、帳簿価額が回収可能価額を超過する金額を減損損失として認識します。識別された減損損失はまず当該単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額し、それから当該資金生成単位内の各資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しています。コンテンツ資産を除く減損損失は要約四半期連結損益計算書のその他の営業損(益)(純額)に、コンテンツ資産の減損損失は売上原価に含まれています。
また、過去に減損損失を認識したのれん以外の資産について、減損損失が既に存在しないか、あるいは減少している可能性を示す兆候があるかどうかの検討を行っています。そのような兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額を見積もり、回収可能価額が帳簿価額を上回るときは、減損損失を戻入れています。減損損失の戻入れによって増加した帳簿価額は、過去の期間において当該資産について認識した減損損失がなかったとした場合の減価償却又は償却額控除後の帳簿価額を超えることはありません。
(11) 保険関連科目
保険契約に関しては、IFRS第4号「保険契約」(以下「IFRS第4号」)を初度適用した2020年4月1日時点より同基準の規定に準拠し、従前より適用していた米国において一般に公正妥当と認められた会計基準による用語、様式及び作成方法(以下「米国会計基準」)にもとづき会計処理を行っています。
i)繰延保険契約費
新規保険契約の獲得もしくは保険契約の更新に直接関連し、かつそれに応じて変動する費用のうち、回収できると認められるものについては繰り延べています。繰り延べの対象となる新規契約費用は、保険契約募集手数料(費用)、診査及び調査費用等から構成されます。繰延保険契約費については、資産計上した金額が見積粗利益又は保険料から保険給付金及び事業費を控除した額の現在価値を超えていないことを検証するために、少なくとも年1回、回収テストが行われます。伝統的保険商品に関する繰延費用は、保険契約債務の計算と共通の基礎数値を用いて関連する保険契約の保険料払込期間にわたり償却されます。非伝統的保険商品に関する繰延費用は、見積期間にわたり関連する保険契約の見積粗利益の現在価値にもとづく一定の比率により償却されます。見積粗利益の現在価値算定における重要な仮定として資産運用利回り、死亡率、解約率及び割引率などを使用しています。
ⅱ)保険契約債務
保険契約債務は、保険契約者に対する将来の予測支払額の現在価値として計上されています。これらの債務は将来の資産運用利回り、罹患率、死亡率及び解約率等の要因についての予測にもとづき平準純保険料式の評価方法により算定されます。これらの見積り・予測は定期的に検証されています。また、保険契約債務には一部の非伝統的な生命保険及び年金保険契約における最低保証給付に対する債務を含んでいます。
ⅲ)生命保険ビジネスにおける契約者勘定
生命保険ビジネスにおける契約者勘定に関する負債は、会計期間末日での契約者の給付に生じた契約の価値を表しています。負債は一般的に、累積的な積立額に付与利息を加え、契約者の引出額と残高に対して課せられるその他の手数料を差し引いたものです。生命保険ビジネスにおける契約者勘定には最低保証が付帯する変額年金保険契約及び変額保険契約に関する債務を含んでいます。
ⅳ)公正価値で測定される保険関連科目
ソニーは、一部の保険契約債務及び生命保険ビジネスにおける契約者勘定を公正価値で測定しています。これは、変額年金保険契約のうち最低保証が付帯する契約の最低保証リスクの変動にともなう保険契約債務及び契約者勘定の公正価値の変動と、保険契約者のために運用する裏付投資資産及びデリバティブ取引の公正価値の変動を減殺することを目的としています。なお、公正価値の変動のうち信用リスクの変動から生じる公正価値の変動部分は、一部の子会社の信用格付けに応じた信用スプレッドにもとづいて算定され、税効果控除後の金額でその他の包括利益に認識されています。また、その他包括利益に認識された金額は、保険契約負債の認識が中止された際に純損益に振り替えています。
ⅴ)生命保険ビジネスにおけるシャドウ・アカウンティング
保険契約負債に対応してその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産を保有する場合に、保険契約負債と金融資産の会計上のミスマッチを解消することを目的に、当該金融資産をあたかも報告期間の末日時点で売却して評価損益を実現したものとして保険関連科目を評価するシャドウ・アカウンティングを適用しております。
四半期ごとに生命保険契約におけるシャドウの負債十分性テストを実施しています。シャドウの負債十分性テストにおいては、主に、要約四半期財政状態計算書の保険契約債務から繰延保険契約費を差し引いた金額が評価時点での最善の見積りにもとづいて計算された将来キャッシュ・フローにもとづく評価額と比較して十分な水準であるかを確認しています。評価時点での最善の見積りにもとづいて計算された将来キャッシュ・フローにもとづく評価額に不足する金額があれば、その他の包括利益を通じて繰延保険契約費を不足する範囲まで減額します。繰延保険契約費をゼロまで減額しても不足が残る場合は、その他の包括利益を通じて保険契約債務を残りの不足分増額します。
シャドウ・アカウンティングは、ある資産に関して認識されている未実現利得又は損失について、実現利得又は損失と同様の方法で、保険関連科目の測定に影響を与える会計処理であり、資産に関する未実現利得又は損失がその他の包括利益で認識される場合、その結果として生じる保険関連科目の帳簿価額の変動も、その他の包括利益で認識されるという特徴があります。
(12) 引当金
過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、その債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しています。
主な引当金は、映画分野における未払分配金債務、及び製品保証引当金です。
i)映画分野における未払分配金債務
映画及びテレビコンテンツの製作及び配給に関与する当事者は、契約上の定めに従い映画及びテレビ番組の業績に応じた条件付支払及び団体協約の条項にもとづく条件付支払を報酬として受け取る場合があります。これらの当事者を総称して参加者(Participants)と呼び、これらの支払を総称して分配金と呼んでいます。分配金は、俳優又は作家等のクリエーター、出資者、あるいは配給権を許諾した企業に支払われる場合があります。
未払分配金債務は予想総収益に対する各年度の収益割合に応じて計上されます。未払分配金債務は条件付支払が確定し、支払われた時点で使用されます。未払分配金債務のうち非流動部分の多くは将来10年以内に支払われると予想されます。
ソニーは、他の製作会社と共同で映画を製作・配給する契約を締結しており、これらの契約において、各参加者は特定の地域ごとあるいは特定の流通方法ごとに映画を配給しています。他の参加者に帰属する映画製作及び配給に関する損益は、分配金の金額に含まれます。
ⅱ)製品保証引当金
ソニーは、通常、引渡した製品の品質及びサービスの提供を一定の期間にわたり関連する支出に備えるために製品保証引当金を計上しています。製品保証引当金は、売上高、見積故障率及び修理単位あたりのアフターサービス費の見積額にもとづいて計算されています。製品保証引当金の計算に用いられた見積り・予測は定期的に見直されています。
(13) 従業員給付
i)退職後給付
ソニーは、確定給付制度及び確定拠出制度を採用しています。
確定給付制度
確定給付制度については、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額を確定給付負債又は資産の純額として要約四半期連結財政状態計算書に計上しています。
確定給付制度債務の現在価値は、将来の見積給付額を割り引いて算定され、勤務費用は予測単位積増方式を用いて算定されます。制度資産の公正価値が確定給付制度債務の現在価値を超過している場合、資産計上額は、利用可能な制度からの返還及び将来掛金の減額の現在価値を上限としています。割引率は、確定給付制度債務とおおむね同じ支払期日を有し、かつ、給付の支払見込みと同じ通貨建ての優良社債の報告期間の決算日における市場利回りにもとづいて決定しています。確定給付負債又は資産の純額に係る利息純額は、確定給付負債又は資産の純額に割引率を乗じて算定しています。
制度改訂又は縮小により生じた確定給付制度債務の現在価値の変動として算定される過去勤務費用は、純損益として認識しています。
確定給付負債又は資産の純額の再測定にともなう調整額は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
確定拠出制度
ソニーは、確定拠出制度に支払う掛金を、従業員が関連する勤務を提供した時に費用として認識しています。
ⅱ)短期従業員給付
給与、賞与及び年次有給休暇などの短期従業員給付については、勤務と交換に支払うと見込まれる金額を、従業員が勤務を提供した時に費用として認識しています。
(14) 株式にもとづく報酬
i)ストック・オプション制度
ソニーは、ストック・オプションを付与日における公正価値で見積もり、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ・オプション・プライシング・モデルを用いて算定しています。
ⅱ)譲渡制限付株式報酬制度
ソニーは、譲渡制限付株式報酬を付与日における公正価値で見積もり、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。
(15) 公正価値による測定
ソニーは、測定日に市場参加者間で行われる通常の取引において、資産の譲渡の対価として受け取ると想定される金額又は負債を移転する際に支払うと想定される金額である出口価格にもとづき公正価値を測定しています。
ソニーは、市場における観察可能性の程度にもとづき、評価に使用するインプットの階層を決定しています。観察可能なインプットは、独立した情報源から入手した市場データを反映したものですが、観察可能でないインプットは、市場参加者が資産あるいは負債を評価する際に通常使用するであろう情報を用いてソニーが独自に推定しているものです。過度なコストや労力をかけない範囲で観察可能な市場データが利用可能である場合には、観察可能な市場データが利用されています。全ての公正価値は下記3段階のレベルのいずれかで報告されますが、報告されるレベルは公正価値の測定に重大な影響を及ぼすインプットのレベルのうち最も低いレベルにもとづき決定されます。
公正価値の3段階のレベルは以下のとおりです。
レベル1
重大なインプットが活発な市場における同一の資産・負債の未調整の取引価格
レベル2
重大なインプットがレベル1以外の観察可能なデータ
例えば、活発な市場における類似商品の取引価格、活発でない市場における同一又は類似商品の取引価格、全ての重大なインプットが活発な市場で観察可能な場合のモデル計算による評価が含まれています。
レベル3
1つあるいは複数の重大なインプットが観察可能でない
ソニーは、活発な市場における取引価格が調整を加えることなく利用可能である場合には、それを利用して公正価値の測定を行い、その項目をレベル1に分類しています。取引価格が利用できない場合には、金利、為替レート、オプションのボラティリティ等、直近の市場もしくは独立した情報源から入手した市場パラメータを使用し、ソニー内部で組成した評価技法にもとづいて公正価値を測定しています。ソニー内部で組成したモデルを使用して評価した項目は、評価に使用した重大なインプットのうち、最も低いレベルに合わせてレベルの分類が行われます。一部の金融資産・負債については、ソニー内部で組成した価格との比較検証を含む評価手続にもとづいて、証券業者から得た指標価格や投資顧問会社から入手した定量的なインプット等の第三者の価格を使用し、公正価値を測定しています。また、ソニーは公正価値を測定する際に、取引相手及びソニーの信用力を考慮しています。ソニーは、ネッティング契約の締結や、与信限度の設定を通じ信用リスクの残高及び取引相手の信用力を積極的にモニターすることに加え、取引相手を各国の大手銀行や主要な金融機関に限定することにより、第三者に対する信用リスクを軽減する努力をしています。
レベル間の移動は、移動が生じた各四半期連結会計期間の期首に生じたとみなしています。
(16) 収益認識
ソニーは顧客との契約において約束した財又はサービスを顧客へ移転する履行義務を充足した時に、当該財又はサービスとの交換に権利を得ると見込んでいる対価を反映する金額で収益を認識します。これは、以下の5つのステップを用いて適用されます。
ステップ1.顧客との契約を識別する。
ステップ2.契約における履行義務を識別する。
ステップ3.取引価格を算定する。
ステップ4.取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5.ソニーが履行義務を充足した時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
ソニーはいくつかの分野において多様な知的財産を保有しており、その知的財産のライセンスによる収益を認識します。ソニーは知的財産を使用する権利及び知的財産にアクセスする権利の供与を行っています。ソニーの知的財産を使用する権利を顧客に供与する場合、ソニーは顧客が支配を獲得し、そのライセンスからの便益を享受する権利を得た時点で履行義務を充足します。ソニーの知的財産にアクセスする権利を顧客に供与する場合、ソニーはライセンス期間にわたって履行義務を充足します。
ソニーは契約獲得の増分コスト及び契約を履行するためのコストを回収すると見込んでいる場合には、当該コストを資産として認識します。契約獲得の増分コストは、当該契約を獲得しなければ発生しなかったものです。契約を履行するためのコストは、契約又は予想される契約に直接関連しており、ソニーが履行義務を充足するために使用する資源を創出もしくは増価するものです。ソニーは実務上の便法を適用しており、資産として認識するはずの契約獲得の増分コストの償却期間が1年以内である場合には、発生時に費用として認識します。
エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(以下「EP&S」)及びイメージング&センシング・ソリューション(以下「I&SS」)分野においては、顧客との契約における履行義務とは、主には、様々なエレクトロニクス製品・部品を顧客に引き渡すことです。一般的に、当該履行義務から生じる収益は、約束された製品・部品を顧客に引き渡した時点で認識します。ただし、顧客との契約上、顧客による検収についての定めが存在する場合、顧客が検収を完了した時点又は検収猶予期間が終了し検収がなされたとみなされた時点で収益を認識します。また、インターネット関連サービスを利用者に提供する契約においては、加入契約期間にわたって収益を認識します。なお、予想される返品及びセールス・インセンティブが控除された後の純額で収益は認識されます。
ゲーム&ネットワークサービス(以下「G&NS」)分野においては、ハードウェア、周辺機器及びソフトウェアディスクからの収益は、小売事業者又は販売業者へ支配を移転することによって履行義務を充足した時に、予想される返品、セールス・インセンティブ及び広告協賛金が控除された後の純額で認識されます。開発・販売事業者へのプラットフォームライセンスからの収益は、ソフトウェアディスクが引き渡された時に認識されます。また、ソニーの知的財産を使用する権利を与えるデジタルゲームコンテンツからの収益は、オンラインプラットフォームを通じたデジタルコンテンツがライセンシーによって使用可能になった時に、予想されるセールス・インセンティブ及びクレジットカード会社への支払いが控除された後の純額で認識されます。将来にコンテンツを利用可能にする履行義務などの複数の履行義務に関連するデジタルゲームコンテンツからの収益は、市場において観察可能な独立販売価格もしくはソニーの最善の見積りである独立販売価格にもとづき各履行義務に配分されます。サブスクリプション方式による収益は、その加入契約期間に応じて認識されます。
音楽分野においては、ソニーの知的財産を使用する権利を顧客に与える知的財産のライセンス、もしくはソニーの知的財産にアクセスする権利を与える知的財産のライセンスを行っています。これらの収益は、顧客が知的財産を使用する権利もしくはアクセスする権利を保有し、そのライセンスの使用又はアクセスのための支配を獲得した時に認識されます。デジタルコンテンツからの収益は、デジタルストリーミングサービス契約からの収益が含まれており、デジタルストリーミングサービスは契約期間にわたって更新され続けるコンテンツライブラリにおける知的財産への継続的なアクセス権として通常は別個の履行義務として認識されます。これは、(1)別のコンテンツに置き換える必要も、ロイヤルティに関するミニマムギャランティへの影響もなく、特定のコンテンツの削除ができるビジネス上の慣行や契約上の権利、及び(2)ライセンス対象に特定のコンテンツリストを含まない契約であることにもとづいています。これらの契約からの収益は、契約期間にわたって定額法で認識される固定収入もしくは回収されることのないロイヤルティに関するミニマムギャランティがある場合を除いて、売上高及び使用量ベースのロイヤルティ収入にもとづき認識されます。CDなどの製品売上からの収益は、物品が移転し販売業者が販売可能となった時点で、予想される返品及びセールス・インセンティブが控除された後の純額で認識されます。
映画分野においては、劇場映画収益は、劇場での上映に合わせて認識されます。映画作品及びテレビ番組の放映に係るライセンス契約による収益はライセンシーによって作品が放映可能となった時点で認識されます。複数の作品、地域、放映可能期間などの要素を持つ複数の履行義務に関わる映画作品及びテレビ番組の放映に係るライセンス契約による収益は、市場環境や価格設定における内部規定などにもとづくソニーの最善の見積りによって各履行義務に配分されます。配給される各映画やテレビ番組は一般に別個の履行義務と識別されます。映画製作及びテレビ番組制作における現行契約の特定の更新又は延長に関連するライセンス収益は、ライセンシーがその更改や延長されたコンテンツを使用し便益を享受する時に、認識されます。ソニーの知的財産にアクセスする権利に対するミニマムギャランティに関連するライセンス収益は、ライセンス期間にわたって一定の比率で認識されます。ホームエンタテインメント用のDVD及びブルーレイディスクに係る収益は、物品が移転し販売業者が販売可能となった時点で、予想される返品及びセールス・インセンティブが控除された後の純額で認識されます。デジタルダウンロード及びビデオ・オン・デマンドからの収益は、作品がデジタル配信プラットフォームで閲覧可能となった時点で収益を認識します。テレビ広告収入は、広告が放映された時点で認識され、この収益に関わる履行義務は広告掲載の提供であり、インプレッション保証型広告を含む場合があります。もし保証した広告表示回数に達しなかった場合は、その広告表示回数を満たすための追加の広告掲載が行われるまで認識されません。テレビチャネル及びデジタルネットワークに支払われた有料放送料金は、サービスが提供された時点で収益が認識されます。この収益に関わる履行義務は知的財産を使用する権利を与えることであり、契約期間にわたって番組が提供されるにつれて充足されます。
金融分野においては、生命保険子会社が引受ける伝統的保険契約は、ほとんどが長期契約に分類され、主に終身保険、定期保険及び傷害・医療保険契約から構成されています。これらの契約から稼得する保険料収入は、保険契約者からの払込の期日が到来した時点で、収益として認識しています。利率変動型終身保険、個人年金保険及び生命保険リスクのないその他の保険契約等非伝統的保険契約から受入れた保険料は、生命保険ビジネスにおける契約者勘定に計上しています。これら保険契約から稼得する収益は、保険契約期間にわたり認識される契約管理手数料からなり、金融ビジネス収入に含まれています。損害保険子会社が引受ける保険契約は、短期契約に分類され、主に自動車保険契約から構成されています。これらの契約から稼得する保険料収入は、保険契約の期間にわたり保障金額の比率に応じて認識しています。
収益は、通常、顧客から徴収し政府機関へ納付される税金が控除された後の純額で認識されます。
(17) 売上原価
売上原価に分類される費用は製品の製作と生産に関連するもので、材料費、外注加工費、有形固定資産の減価償却費、無形資産(コンテンツ資産を含む)の償却費、人件費及び研究開発費などが含まれます。
(18) 研究開発費
研究開発費には、研究及び製品の開発に係る人件費、またその他の直接経費及び間接経費などが含まれます。開発費用は、開発を完成させる技術上の実行可能性があり、ソニーが開発を完成させ、その成果を使用又は販売する意図ならびにそのための資源及び能力を有し、開発に関する支出が信頼性をもって測定可能であり、成果が将来の経済的便益を得られる可能性が高い場合のみ、資産化しています。資産計上した開発費用は、上記の要件を最初に満たした時点から開発が完了した時点までの期間に発生した費用の合計として測定しています。研究活動に関する支出及びその他の上記資産化の要件を満たしていない開発費用は、発生時に費用として認識し、要約四半期連結損益計算書上で売上原価に含まれています。
(19) 販売費及び一般管理費
販売費に分類される費用は製品の販売促進と販売に係る費用で、広告宣伝費、販売促進費、運賃、製品保証費用などが含まれます。一般管理費には役員報酬、人件費、有形固定資産の減価償却費、販売、マーケティング及び管理部門のオフィス賃借料、営業債権に対する損失評価引当金繰入額ならびに無形資産の償却費などが含まれます。
(20) 金融ビジネス費用
金融ビジネス費用は、責任準備金の繰入額、繰延保険契約費の償却の他、銀行ビジネスにおける支払利息、金融分野の子会社の人件費、有形固定資産の減価償却費及び支払賃借料等の営業費用を含んでいます。
(21) 広告宣伝費
広告宣伝費は発生時に費用を認識しています。
(22) 物流費用
製品の運賃、荷役料、保管料及びソニーグループ内の運搬費用等の大部分は販売費及び一般管理費に含まれています。例外として、映画分野では、映画の製作又はテレビ番組の制作、及びこれらの配給に必要な構成要素として、上記の費用は売上原価に計上されています。原材料や仕掛品の運賃、仕入受取費用、検査費用及び保管料等のソニーの物流ネットワークに関わるその他の全ての費用は売上原価に含まれています。顧客が物品の支配を獲得した後に実行される発送活動は、約束された物品の移転とは別個の履行義務とみなされます。また、顧客が負担する物流費用は売上高に含まれています。
(23) 法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成されています。当期税金と繰延税金は、企業結合から生じる場合、又は同じ期間又は異なった期間に純損益の外で(その他の包括利益に又は資本に直接に)認識される取引又は事象から生じる場合を除き、純損益で認識しています。期中の法人所得税は、事業年度全体についての予想加重平均税率の最善の見積りにもとづいて認識しています。
当期税金は、当年度の課税所得にもとづいて計上しています。これらの税額は、報告期間の末日において制定又は実質的に制定されている税率にもとづいて算定しています。
繰延税金資産及び負債は、税務上の金額と要約四半期連結財政状態計算書の資産・負債の帳簿価額との間の一時差異に対して認識しています。また、繰延税金負債は、子会社及び持分法適用会社の将来配当することを予定している未分配利益に係る負債を含んでいます。
繰延税金資産及び負債は、報告期間の末日までに制定又は実質的に制定されている税率及び税法にもとづいて、繰延税金資産が実現する期又は繰延税金負債が決済される期に適用されると予想される税率で算定されます。企業結合以外の取引で、かつ取引時に会計上又は税務上のいずれの純損益にも影響を及ぼさない取引における資産又は負債の当初認識に係る一時差異については、繰延税金資産及び負債を認識していません。
繰延税金資産は、将来それらを利用できる課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識しています。したがって、繰延税金資産計上の要否は、繰延税金資産の回収可能性に関連する入手可能な証拠にもとづいて、定期的に評価されます。この評価に関するマネジメントの判断は、それぞれの税務管轄ごとの当期及び累積損失の性質、頻度及び重要性、不確実な税務ポジションを考慮した将来の収益性予測、税務上の簿価を超える資産評価額、繰越欠損金の法定繰越可能期間、過去における繰越欠損金の法定繰越可能期間内の使用実績、繰越欠損金及び繰越税額控除の期限切れを防ぐために実行される慎重かつ実行可能な税務戦略などを考慮します。
ソニーは、税務申告において採用した、あるいは採用する予定の不確実な税務ポジションに起因する資産・負債を計上しています。ソニーの納税額は、様々な税務当局による継続的な調査によって、更正処分などの影響を受ける可能性があります。加えて、いくつかの重要な移転価格税制の案件に関する事前確認申出を受けて、それぞれの国の税務当局同士が現在交渉しています。不確実な税務ポジションから起こり得る結果に対するソニーの見積りは、判断を必要とし、また高度な見積りが要求されます。ソニーは、税務調査の対象となる全ての年度の税務ポジションについて、決算日における事実、状況、及び入手可能な証拠にもとづき評価し、税務ベネフィットを計上しています。
(24) 1株当たり当社株主に帰属する四半期純利益(損失)(以下「EPS」)
基本的EPSは各算定期間の普通株式の加重平均発行済株式数にもとづいて計算されます。希薄化後EPSは、新株発行をもたらす権利の行使や約定の履行あるいは新株への転換によって起こる希薄化の影響を考慮して計算されます。当社株主に帰属する四半期純損失の場合は全ての潜在株式をこの計算から除いています。
Ⅱ.未適用の新たな基準書及び解釈指針
要約四半期連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針の新設又は改訂は以下のとおりであり、2021年9月30日現在においてこれらを適用していません。
IFRS第17号「保険契約」
2017年5月、IASBは、IFRS第17号「保険契約」(以下「IFRS第17号」)を公表し、2020年6月、IFRS第17号の修正を公表しました。IFRS第17号は、IFRS第4号を置き換え、IFRS第17号の範囲に含まれる保険契約の認識、測定、表示、及び開示に関する原則を示しています。IFRS第17号は一般モデルを提供し、これに直接連動有配当性を有する保険契約特有のアプローチ(変動手数料アプローチ)と、主に短期の保険契約に対する簡素化されたアプローチ(保険料配分アプローチ)が加えられています。IFRS第17号の主な特徴は、以下のとおりです。
a. 明示的な非金融リスクに対するリスク調整を含む将来キャッシュ・フローの現在価値の測定及び各報告期間における再測定
b. 保険契約の未稼得利益を表す契約上のサービス・マージンの、カバー期間にわたる損益への認識
c. 期間中に提供された保険サービスの概念にもとづく、保険収益と保険サービス費用の包括利益計算書での表示
d. 保険契約から認識された金額、及びこれらの契約から生じるリスクの性質と程度に関する情報を提供するための広範な開示
IFRS第17号は、2023年4月1日からソニーに適用されます。IFRS第17号の適用がソニーの業績及び財政状態に与える影響は評価中です。
IAS第1号「財務諸表の表示」の改訂
2020年1月、IASBは流動又は非流動負債の分類に関する基準(IAS第1号の改訂)を公表しました。この改訂は負債を流動又は非流動への分類する際の要件の1つである、負債の決済を延期する企業の権利を明確化するものです。この改訂は2023年4月1日からソニーに適用されます。この改訂の適用がソニーの業績及び財政状態に与える影響は評価中です。
I.重要な会計方針
(1) 連結の基礎
i)子会社
子会社とは当社により支配されている企業をいいます。支配とは、企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合をいいます。
子会社の財務諸表は、支配獲得日から支配喪失日までの間、ソニーの要約四半期連結財務諸表に含まれています。
連結会社間の取引高及び債権債務は、要約四半期連結財務諸表の作成にあたり全て消去しています。
子会社が適用する会計方針がソニーの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表を調整しています。
支配が継続する子会社に対するソニーの持分変動は、資本取引として会計処理しており、非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、ソニーの所有者に帰属する持分として資本に直接認識しています。支配を喪失した場合には、残存する持分を支配を喪失した時点の公正価値で測定したうえで、支配の喪失から生じた利得及び損失を純損益で認識しています。
ⅱ)関連会社及び共同支配企業
関連会社とは、ソニーがその財務及び営業方針に対して重要な影響力を有しているものの支配もしくは共同支配をしていない企業をいいます。
共同支配企業とは、ソニーを含む複数の当事者が共同支配の取決めにもとづき、それぞれの当事者が投資先の純資産に対する権利を有している場合の当該投資先をいいます。共同支配は、契約上合意された支配の共有であり、関連性のある活動に関する意思決定に、支配を共有している当事者全員の一致した合意を必要とする場合にのみ存在します。
関連会社及び共同支配企業への投資は、重要な影響力又は共同支配を獲得した日から喪失する日まで持分法を用いて会計処理しています。持分法では、関連会社及び共同支配企業に対する投資は、重要な影響力又は共同支配を獲得した日から喪失する日までの投資先の純損益及びその他の包括利益の変動に対するソニーの持分額を取得価額に加減算して計上されます。これらの投資に関する純損益は税引後の金額で計上され、未実現内部利益を控除した金額が営業利益(損失)に含まれています。
持分法で会計処理されている投資は、減損の客観的な証拠が存在する場合に、投資全体の帳簿価額を単一の資産として減損テストを行っています。
関連会社又は共同支配企業が適用する会計方針がソニーの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該関連会社又は共同支配企業の財務諸表を調整しています。
関連会社又は共同支配企業に該当しなくなり、持分法の適用を中止した場合には、持分法の適用を中止したことから生じた利得又は損失を純損益として認識しています。
ⅲ)共同支配事業
共同支配事業とは、ソニーを含む複数の当事者が共同支配の取決めにもとづき、それぞれの当事者が投資先の資産に対する権利及び負債に対する義務を有するものをいいます。
ソニーは、共同支配事業に関する資産、負債、収益及び費用のうち、ソニーの持分相当額を認識しています。
ⅳ)ストラクチャード・エンティティ
ストラクチャード・エンティティとは、議決権又は類似の権利が支配の有無の判定において決定的な要因とならないように設計された事業体をいいます。
ソニーは、ストラクチャード・エンティティへの関与から生じる変動リターンに対するリスク又は権利を有している場合で、当該投資先に対するパワーを通じてこれらの変動リターンに影響を与えることができる場合、支配を有していると判断し連結しています。
(2) 企業結合
被取得企業における識別可能資産及び負債は、限定的な例外を除き、取得日の公正価値で測定しています。
企業結合で移転された対価、被取得企業の非支配持分の金額及びソニーが従来保有していた被取得企業の資本持分の公正価値の合計が、取得日における識別可能資産及び負債の正味価額を上回る場合にはその超過額がのれんとして認識され、下回る場合には純利益として認識されます。移転された対価は、移転した資産、引き受けた負債及び発行した資本持分の公正価値の合計で算定されています。非支配持分は、個々の企業結合取引ごとに、公正価値又は被取得企業の識別可能な純資産に対する非支配持分の比例的持分として測定しています。
また、取得関連費用は、発生した期間において費用として認識しています。
(3) 外貨換算
i)外貨建て取引
外貨建て取引は、取引日における直物為替相場又はそれに近似するレートにより換算しています。決算日における外貨建て貨幣性資産及び負債は、決算日の為替レートで機能通貨に換算しています。通常、当該換算及び決済により生じる換算差額は純損益として認識しています。ただし、キャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されるデリバティブに関する換算差額は、その他の包括利益として認識しています。
ⅱ)在外営業活動体の換算
海外子会社や関連会社等の在外営業活動体の資産及び負債は、決算日の為替レートで、収益及び費用は、為替レートが著しく変動している場合を除き、期中の平均レートでそれぞれ換算しています。当該換算により生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しています。
在外営業活動体を処分する場合、当該在外営業活動体に関連する換算差額の累計額は、処分時に純損益に振り替えています。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、表示された金額で容易に換金され、かつ価値変動リスクが僅少なもので、取得日から3ヵ月以内に満期の到来する流動性の高い全ての投資を含んでいます。
(5) 金融商品
ソニーは、金融商品の契約の当事者になった時点で、金融商品を金融資産又は金融負債として認識しています。
金融資産及び金融負債は公正価値で当初測定されます。純損益を通じて公正価値で測定する金融資産及び純損益を通じて公正価値で測定する金融負債を除き、金融資産及び金融負債の取得又は発行に直接起因する取引コストは、当初認識時に金融資産の公正価値に加算又は金融負債の公正価値から減算されます。
i)非デリバティブ金融資産
a.分類及び測定方法
ソニーの保有する非デリバティブ金融資産は、償却原価で測定する金融資産、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産のいずれかに分類されます。
償却原価で測定する金融資産
ソニーは、契約上のキャッシュ・フローを回収することを事業上の目的として保有され、かつ当該金融資産の契約条件により所定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる金融資産を、償却原価で測定する金融資産に分類しています。当該金融資産は、当初認識後は実効金利法による償却原価により測定しています。また、償却原価で測定する金融資産の認識を中止した場合、資産の帳簿価額と受け取った対価又は受取可能な対価との差額は純損益に認識しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
負債性金融商品のうち、契約上のキャッシュ・フローを回収することと売却の両方を事業上の目的として保有され、かつ金融資産の契約条件により所定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払いのみによるキャッシュ・フローを生じさせる金融資産を、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。当該金融資産は当初認識後の公正価値の変動を、減損利得、減損損失及び為替差損益を除き、その他の包括利益として認識しています。また、当該金融資産から生じる実効金利法による金利収益は純損益に認識しています。その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品の認識の中止が行われる場合、過去にその他の包括利益で認識した累計額を純損益として振り替えています。
生命保険ビジネスにおいては、資産負債の総合管理(以下「ALM」)の観点から当該金融資産を保有しています。生命保険ビジネスにおいて金融資産を保有する目的は、主に保険契約債務と生命保険ビジネスにおける契約者勘定で構成される保険契約負債の金利感応度(デュレーション)と可能な限り一致させることにより、期限到来時の保険金等の支払原資を十分に確保することです。
ソニーは、当該金融資産を、デュレーションと流動性ニーズを効率的に管理するという全体的な目的にもとづき、1つのポートフォリオとして管理しています。ポートフォリオには、より長期間にわたって保有される可能性のある金融資産が含まれていますが、ポートフォリオに含まれる全ての金融資産は、上記の全体的な目的を考慮して、キャッシュ・フローの回収と売却の両方によって目的が達成される1つのビジネスモデル内で保有されていると判断しております。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
売買目的以外で保有する資本性金融商品に対する投資については、当初認識時に、公正価値の事後の変動をその他の包括利益に表示するという取消不能の選択を行う場合があります。
当該金融資産は公正価値で測定し、その事後的な変動はその他の包括利益に計上されます。なお、当該金融資産から生じる配当金については純損益で認識しており、認識を中止した場合は、その他の包括利益で認識した累計額を利益剰余金に振り替えています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産
償却原価で測定されるもの及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定するもの以外の金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に分類しています。当該資産には、売買目的で保有する金融資産が含まれています。
生命保険ビジネスにおいては、変額保険及び変額年金に対する投資は主に株式、債券、投資ファンドで構成されており、純損益を通じて公正価値で測定しております。
また、会計上のミスマッチを解消又は大幅に削減するために、通常純損益を通じて公正価値で測定しない金融資産に対し、当初認識時に、純損益を通じて公正価値で測定する金融資産として指定する取消不能な選択をする場合があります。
ソニーは、銀行ビジネスに含まれる子会社が保有する一部の固定金利付負債性証券の測定方法として上記の取消不能な選択を行っています。ソニーは、当該負債性証券に関する金利の不利な変動にともなう公正価値変動リスクをヘッジするためにデリバティブを利用しています。よって、当該負債性証券から生じる利得及び損失を純損益に計上することにより、負債性証券及びヘッジ手段として使用されているデリバティブの公正価値変動から認識される会計上のミスマッチを軽減しています。
b.認識の中止
ソニーは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅した場合、又は、金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を譲渡し、当該金融資産に係るリスクと経済価値のほとんど全てを移転した場合に、当該金融資産の認識を中止しています。
c.減損
ソニーは、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品について、予想信用損失を見積もり、損失評価引当金の計上を行っています。各決算日において、ある金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しています。一方で、各決算日において、ある金融商品に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、当該金融商品に係る損失評価引当金を12ヵ月の予想信用損失に等しい金額で測定しています。信用リスクの著しい増大の有無については、当該金融商品の予想存続期間にわたる債務不履行発生リスクの変動を用いて判断し、過去の損失率及びマクロ経済状況が顧客の支払能力に与える影響を考慮し、その他合理的に利用可能な将来予測情報等を反映する方法で予想信用損失を見積もっています。
ソニーは金融資産に対して、貨幣の時間価値を反映し、過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測について報告日時点で合理的で裏付け可能な入手できる情報を加味した、偏向のない確率加重を考慮した予想信用損失を測定しています。
ただし、営業債権、その他の債権及び契約資産(映画分野におけるその他の非流動債権を含む)については、期日経過状況や取引相手の属性等に応じた集合的ベース又は個別の取引相手ごとに、信用リスクの増減にかかわらず、損失評価引当金を全期間の予想信用損失と等しい金額で測定しています。
ソニーは金融資産の将来見積キャッシュ・フローに不利な影響を与える一つ又は複数の事象が発生している場合に金融資産が信用減損したと判断しています。ソニーの金融資産が信用減損していると判断する基準には、利息や元本の支払いにおいて債務不履行又は90日超の期日経過事象が生じていることを含みます。
ソニーは金融資産の全部又は一部の回収が合理的に見込まれなくなった時点で、その資産の総額での帳簿価額を直接償却しています。
金融分野における負債性証券及び貸出金
金融分野における負債性証券及び貸出金に係る予想信用損失は、バーゼルⅢ規制の枠組みや主要な信用格付機関が公表する外部情報を活用して、デフォルト率(以下「PD」)、デフォルト時損失率(LGD)及びデフォルト時貸出残高(EAD)を乗じて算出されています。また、PDの算定には将来の経済予測が含まれています。
信用リスクの著しい増大の評価は、当初認識と報告日時点におけるデフォルト率を比較することによって実施されています。ソニーは、資産種別、信用格付け、担保の回収能力、期日経過状況や金融商品のその他の関連する特性等の過度なコストや労力をともなわずに入手できる合理的で裏付け可能な情報を用いて、集合的ベース又は個々の発行体ごとに予想信用損失を認識し測定しています。
また、ソニーは報告日時点で主要な信用格付機関によって投資適格とみなされる一部の負債性証券について、低い信用リスクの例外を適用しています。そのような金融商品について、ソニーは信用リスクが当初認識時点より著しく増大していないと推定しています。
貸出金の契約条件が変更される場合、総額の帳簿価額が当初の実効金利で再測定され、変更による利益又は損失は純損益として認識されています。
ⅱ)非デリバティブ金融負債
ソニーは、非デリバティブ金融負債を実効金利法による償却原価で事後測定するもの又は純損益を通じて公正価値で測定するものに分類しています。
ソニーは、金融負債が消滅した場合、すなわち、契約上の義務が免責、取消又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しています。
ⅲ)デリバティブ及びヘッジ会計
全てのデリバティブは公正価値により要約四半期連結財政状態計算書上、資産又は負債として計上されています。デリバティブの公正価値の変動は、対象となるデリバティブがヘッジとして適格であるか否か、また適格であるならば公正価値変動もしくはキャッシュ・フロー変動のいずれをヘッジするために利用されているかにもとづき、直ちに純損益もしくはその他の包括利益に計上されています。
ソニーが保有しているデリバティブの会計処理は、下記のとおりです。
キャッシュ・フロー・ヘッジ
予定取引、又は認識された資産もしくは負債に関連するキャッシュ・フロー変動リスクに対するヘッジとして指定され、かつ有効なデリバティブの公正価値変動は当初、その他の包括利益に計上され、ヘッジ対象取引が純損益に影響を与える時に純損益に振り替えられています。公正価値変動のうち、ヘッジの効果が有効でない部分は直ちに純損益に計上されています。
ヘッジとして指定されていないデリバティブ
ヘッジとして指定されていないデリバティブの公正価値変動は直ちに純損益に計上されています。
ヘッジの有効性の評価
ヘッジ会計を適用する場合には、ソニーは様々なヘッジ活動を行う際のリスク管理目的及び方針を文書化するとともに、ヘッジとして指定される全てのデリバティブとヘッジ対象との間のヘッジ関係を文書化しています。ソニーはキャッシュ・フロー・ヘッジとして指定されるデリバティブを要約四半期連結財政状態計算書の特定の資産及び負債、又は特定の予定取引と紐付けています。ソニーはまた、ヘッジの開始時及び継続期間中において、ヘッジとして指定されたデリバティブがヘッジ対象の公正価値変動もしくはキャッシュ・フロー変動を相殺するのに経済的関係があるかどうかの評価を行っています。なお、ソニーが契約するヘッジ取引については、信用リスクの影響が経済的関係から生じる価値変動の大部分を占めることはありません。さらに、ヘッジ関係の比率と、ソニーが実際にヘッジするヘッジ対象の数量とソニーがヘッジ対象の当該数量をヘッジするために実際に使用するヘッジ手段の数量の比率は同じとなるようにデザインされています。
なお、デリバティブがヘッジ対象と経済的関係がないと認められた場合には、ヘッジ会計は中止されます。
ⅳ)金融資産と金融負債の相殺
ソニーは、認識している金額を相殺する法的に強制可能な権利を現在有している場合であって、かつ、純額で決済する意図又は資産の実現と負債の決済を同時に実行する意図を有している場合にのみ、金融資産と金融負債とを相殺し、その純額を要約四半期連結財政状態計算書上で表示しています。
(6) 棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のうち、いずれか低い金額により測定しています。棚卸資産の取得原価は、加重平均法によって計算しています。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積販売価格から、完成までに要する見積原価及び販売に要する見積費用を控除した額です。
(7) 有形固定資産及び減価償却
有形固定資産の測定においては原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しています。取得原価には、資産の取得に直接付随する費用、解体・除去及び原状回復費用が含まれています。減価償却は、耐用年数(建物及び構築物については2年から50年、機械装置及びその他の有形固定資産については2年から10年の期間)にもとづき、定額法で行っています。耐用年数及び残存価額は、各年度末、又は必要に応じて適時に見直しを行っています。
(8) リース
契約開始時点において、ソニーは当該契約がリースを含んでいるかどうかを決定しています。対価の支払いと引き換えに、識別された資産の使用を一定期間支配する権利を契約が提供している場合には、その契約にはリースが含まれているものとしています。リースから認識した資産及び負債は、要約四半期連結財政状態計算書上、使用権資産、1年以内に返済期限の到来する長期借入債務及び長期借入債務に含まれています。
使用権資産は、リース期間にわたって原資産を使用する権利を表しており、リース負債はリース契約より発生するリース料の支払に係る債務を表しています。使用権資産とリース負債は、リース開始日においてリース期間にわたるリース料の現在価値にもとづいて認識されます。また使用権資産は、リース開始日以前に発生したリース料と当初直接コストを含んでおり、リース・インセンティブを除いています。リース料の現在価値を計算するにあたって、大部分のリースについてリースの計算利子率は入手可能ではないため、ソニーは通常、借手の追加借入利子率を使用しています。ソニーは、リース開始日におけるそれぞれの国や地域の経済状況及びリース期間を考慮した上で、担保付借入の見積利子率をもとに借手の追加借入利子率を決定しています。リースを延長又は終了させる契約上のオプションの行使が合理的に確実な場合、リース期間は当該オプションを含みます。リースの原資産の所有権が、リース期間が終了する以前に借手へと移転する場合、もしくは借手の購入オプションの行使が合理的に確実である場合、ソニーは使用権資産を開始日から原資産の耐用年数の終了時まで減価償却しています。それ以外の場合には、ソニーは使用権資産を開始日から使用権資産の耐用年数の終了時又はリース期間の終了時のいずれか早い方の期間で減価償却しています。ソニーは、リース構成要素と非リース構成要素を単一のリース構成要素として会計処理しています。リース期間が1年以内のリースについて、ソニーは短期リースの認識に関する免除規定を適用しており、使用権資産及びリース負債を認識せず費用を定額で認識しています。
(9) 無形資産(コンテンツ資産を含む)及び償却
無形資産は原価モデルを採用し、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した金額で測定しています。個別に取得した無形資産は取得原価で当初測定しています。
償却対象となる無形資産は、主に特許権、ノウハウ、ライセンス契約、顧客関係、商標、ソフトウェア、テレビ放送委託契約、繰延映画製作費、テレビ放映権、ミュージック・カタログ、アーティスト・コントラクト、音楽配信権からなっています。特許権、ノウハウ、ライセンス契約、商標及びソフトウェアは、主に3年から10年の期間で定額法により償却しています。顧客関係、テレビ放送委託契約、ミュージック・カタログ、アーティスト・コントラクト及び音楽配信権は、主に10年から44年の期間で定額法により償却しています。繰延映画製作費は、作品ごとの予想総収益に対する各年度の収益割合に応じて償却しています。ソニーは、この予想総収益にもとづく償却方法は関連資産に関わる活動で生み出される経済的便益の消費割合の予想を反映しており、収益と無形資産の経済的便益の消費との相関が高いと考えています。テレビ放映権は、主に使用見込みにもとづき又は耐用年数にわたって定額法にもとづき償却しています。
無形資産の償却費は、要約四半期連結損益計算書の売上原価、販売費及び一般管理費に計上されています。耐用年数が確定できない無形資産及び未だ利用可能でない無形資産は償却していません。ソニーに正味のキャッシュ・インフローをもたらすと見込まれる期間について予測可能な限度がない無形資産を、耐用年数が確定できない無形資産とみなしています。
繰延映画製作費、テレビ放映権、ミュージック・カタログ、アーティスト・コントラクト、音楽配信権及びその他コンテンツ資産は合わせて要約四半期連結財政状態計算書のコンテンツ資産として表示されています。繰延映画製作費は、映画作品及びテレビ番組の両方に係る直接製作費、間接製作費及び取得費用を含んでいます。テレビ放映権は、ソニーの世界的なチャネル及びデジタルネットワークで放映される買付作品を含み、ライセンス期間が開始されテレビ放映ができる状態にある場合にこれらの放映権が認識されます。ミュージック・カタログは、原盤権もしくは音楽著作権に対する独占的権利です。原盤権もしくは音楽著作権には、様々な市場において利用及び販売することができる楽曲及び歌詞を含んでいます。アーティスト・コントラクトは、音楽アーティストもしくは作曲家がソニーに対し音楽作品に係る独占的権利を提供する契約です。音楽配信権は、第三者が所有する音楽コンテンツを配信する権利です。
(10) 非金融資産の減損
ソニーは、棚卸資産、契約コスト及び繰延税金資産を除く非金融資産について、個々の資産又は資金生成単位に係る減損の兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能性の検討を行っています。これに加え、各資金生成単位に配分されているのれん、耐用年数が確定できない無形資産及び未だ利用可能でない無形資産の帳簿価額については、年に1回第4四半期に減損テストを実施しています。
資金生成単位は、他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローからおおむね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の識別可能な資産グループです。のれんは、企業結合のシナジーから便益を得ると見込まれている資金生成単位又は資金生成単位グループのそれぞれに配分されています。のれんの資金生成単位又は資金生成単位グループは、事業セグメントの範囲内となっています。
資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のいずれか高い方の金額としています。使用価値は、将来見積キャッシュ・フローの現在価値として算定しています。割引計算には、貨幣の時間価値及び当該資産に固有のリスクについての現在の市場評価を反映した税引前の割引率が用いられています。この手法は、将来見積キャッシュ・フロー(その支払・受取時期を含む)、将来見積キャッシュ・フローに固有のリスクを反映した割引率、永続成長率、利益倍率、類似企業の決定、類似企業に対してプレミアムあるいはディスカウントが適用されるべきかどうかの決定等多くの重要な見積り・仮定を使用します。それぞれの資金生成単位における将来見積キャッシュ・フロー(その支払・受取時期を含む)に使用される仮定は、主に3ヵ年中期計画にもとづいており、過去の経験、市場及び産業データ、現在及び見込まれる経済状況等を考慮しています。永続成長率は主に3ヵ年予測期間後のターミナル・バリューを決定するために使用されています。
回収可能価額が資金生成単位又は資金生成単位グループの帳簿価額を下回る場合、帳簿価額が回収可能価額を超過する金額を減損損失として認識します。識別された減損損失はまず当該単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額し、それから当該資金生成単位内の各資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しています。コンテンツ資産を除く減損損失は要約四半期連結損益計算書のその他の営業損(益)(純額)に、コンテンツ資産の減損損失は売上原価に含まれています。
また、過去に減損損失を認識したのれん以外の資産について、減損損失が既に存在しないか、あるいは減少している可能性を示す兆候があるかどうかの検討を行っています。そのような兆候が存在する場合には、当該資産の回収可能価額を見積もり、回収可能価額が帳簿価額を上回るときは、減損損失を戻入れています。減損損失の戻入れによって増加した帳簿価額は、過去の期間において当該資産について認識した減損損失がなかったとした場合の減価償却又は償却額控除後の帳簿価額を超えることはありません。
(11) 保険関連科目
保険契約に関しては、IFRS第4号「保険契約」(以下「IFRS第4号」)を初度適用した2020年4月1日時点より同基準の規定に準拠し、従前より適用していた米国において一般に公正妥当と認められた会計基準による用語、様式及び作成方法(以下「米国会計基準」)にもとづき会計処理を行っています。
i)繰延保険契約費
新規保険契約の獲得もしくは保険契約の更新に直接関連し、かつそれに応じて変動する費用のうち、回収できると認められるものについては繰り延べています。繰り延べの対象となる新規契約費用は、保険契約募集手数料(費用)、診査及び調査費用等から構成されます。繰延保険契約費については、資産計上した金額が見積粗利益又は保険料から保険給付金及び事業費を控除した額の現在価値を超えていないことを検証するために、少なくとも年1回、回収テストが行われます。伝統的保険商品に関する繰延費用は、保険契約債務の計算と共通の基礎数値を用いて関連する保険契約の保険料払込期間にわたり償却されます。非伝統的保険商品に関する繰延費用は、見積期間にわたり関連する保険契約の見積粗利益の現在価値にもとづく一定の比率により償却されます。見積粗利益の現在価値算定における重要な仮定として資産運用利回り、死亡率、解約率及び割引率などを使用しています。
ⅱ)保険契約債務
保険契約債務は、保険契約者に対する将来の予測支払額の現在価値として計上されています。これらの債務は将来の資産運用利回り、罹患率、死亡率及び解約率等の要因についての予測にもとづき平準純保険料式の評価方法により算定されます。これらの見積り・予測は定期的に検証されています。また、保険契約債務には一部の非伝統的な生命保険及び年金保険契約における最低保証給付に対する債務を含んでいます。
ⅲ)生命保険ビジネスにおける契約者勘定
生命保険ビジネスにおける契約者勘定に関する負債は、会計期間末日での契約者の給付に生じた契約の価値を表しています。負債は一般的に、累積的な積立額に付与利息を加え、契約者の引出額と残高に対して課せられるその他の手数料を差し引いたものです。生命保険ビジネスにおける契約者勘定には最低保証が付帯する変額年金保険契約及び変額保険契約に関する債務を含んでいます。
ⅳ)公正価値で測定される保険関連科目
ソニーは、一部の保険契約債務及び生命保険ビジネスにおける契約者勘定を公正価値で測定しています。これは、変額年金保険契約のうち最低保証が付帯する契約の最低保証リスクの変動にともなう保険契約債務及び契約者勘定の公正価値の変動と、保険契約者のために運用する裏付投資資産及びデリバティブ取引の公正価値の変動を減殺することを目的としています。なお、公正価値の変動のうち信用リスクの変動から生じる公正価値の変動部分は、一部の子会社の信用格付けに応じた信用スプレッドにもとづいて算定され、税効果控除後の金額でその他の包括利益に認識されています。また、その他包括利益に認識された金額は、保険契約負債の認識が中止された際に純損益に振り替えています。
ⅴ)生命保険ビジネスにおけるシャドウ・アカウンティング
保険契約負債に対応してその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産を保有する場合に、保険契約負債と金融資産の会計上のミスマッチを解消することを目的に、当該金融資産をあたかも報告期間の末日時点で売却して評価損益を実現したものとして保険関連科目を評価するシャドウ・アカウンティングを適用しております。
四半期ごとに生命保険契約におけるシャドウの負債十分性テストを実施しています。シャドウの負債十分性テストにおいては、主に、要約四半期財政状態計算書の保険契約債務から繰延保険契約費を差し引いた金額が評価時点での最善の見積りにもとづいて計算された将来キャッシュ・フローにもとづく評価額と比較して十分な水準であるかを確認しています。評価時点での最善の見積りにもとづいて計算された将来キャッシュ・フローにもとづく評価額に不足する金額があれば、その他の包括利益を通じて繰延保険契約費を不足する範囲まで減額します。繰延保険契約費をゼロまで減額しても不足が残る場合は、その他の包括利益を通じて保険契約債務を残りの不足分増額します。
シャドウ・アカウンティングは、ある資産に関して認識されている未実現利得又は損失について、実現利得又は損失と同様の方法で、保険関連科目の測定に影響を与える会計処理であり、資産に関する未実現利得又は損失がその他の包括利益で認識される場合、その結果として生じる保険関連科目の帳簿価額の変動も、その他の包括利益で認識されるという特徴があります。
(12) 引当金
過去の事象の結果として、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、その債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しています。
主な引当金は、映画分野における未払分配金債務、及び製品保証引当金です。
i)映画分野における未払分配金債務
映画及びテレビコンテンツの製作及び配給に関与する当事者は、契約上の定めに従い映画及びテレビ番組の業績に応じた条件付支払及び団体協約の条項にもとづく条件付支払を報酬として受け取る場合があります。これらの当事者を総称して参加者(Participants)と呼び、これらの支払を総称して分配金と呼んでいます。分配金は、俳優又は作家等のクリエーター、出資者、あるいは配給権を許諾した企業に支払われる場合があります。
未払分配金債務は予想総収益に対する各年度の収益割合に応じて計上されます。未払分配金債務は条件付支払が確定し、支払われた時点で使用されます。未払分配金債務のうち非流動部分の多くは将来10年以内に支払われると予想されます。
ソニーは、他の製作会社と共同で映画を製作・配給する契約を締結しており、これらの契約において、各参加者は特定の地域ごとあるいは特定の流通方法ごとに映画を配給しています。他の参加者に帰属する映画製作及び配給に関する損益は、分配金の金額に含まれます。
ⅱ)製品保証引当金
ソニーは、通常、引渡した製品の品質及びサービスの提供を一定の期間にわたり関連する支出に備えるために製品保証引当金を計上しています。製品保証引当金は、売上高、見積故障率及び修理単位あたりのアフターサービス費の見積額にもとづいて計算されています。製品保証引当金の計算に用いられた見積り・予測は定期的に見直されています。
(13) 従業員給付
i)退職後給付
ソニーは、確定給付制度及び確定拠出制度を採用しています。
確定給付制度
確定給付制度については、確定給付制度債務の現在価値から制度資産の公正価値を控除した金額を確定給付負債又は資産の純額として要約四半期連結財政状態計算書に計上しています。
確定給付制度債務の現在価値は、将来の見積給付額を割り引いて算定され、勤務費用は予測単位積増方式を用いて算定されます。制度資産の公正価値が確定給付制度債務の現在価値を超過している場合、資産計上額は、利用可能な制度からの返還及び将来掛金の減額の現在価値を上限としています。割引率は、確定給付制度債務とおおむね同じ支払期日を有し、かつ、給付の支払見込みと同じ通貨建ての優良社債の報告期間の決算日における市場利回りにもとづいて決定しています。確定給付負債又は資産の純額に係る利息純額は、確定給付負債又は資産の純額に割引率を乗じて算定しています。
制度改訂又は縮小により生じた確定給付制度債務の現在価値の変動として算定される過去勤務費用は、純損益として認識しています。
確定給付負債又は資産の純額の再測定にともなう調整額は、発生時にその他の包括利益として認識し、直ちに利益剰余金に振り替えています。
確定拠出制度
ソニーは、確定拠出制度に支払う掛金を、従業員が関連する勤務を提供した時に費用として認識しています。
ⅱ)短期従業員給付
給与、賞与及び年次有給休暇などの短期従業員給付については、勤務と交換に支払うと見込まれる金額を、従業員が勤務を提供した時に費用として認識しています。
(14) 株式にもとづく報酬
i)ストック・オプション制度
ソニーは、ストック・オプションを付与日における公正価値で見積もり、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ・オプション・プライシング・モデルを用いて算定しています。
ⅱ)譲渡制限付株式報酬制度
ソニーは、譲渡制限付株式報酬を付与日における公正価値で見積もり、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり費用として認識し、同額を資本の増加として認識しています。
(15) 公正価値による測定
ソニーは、測定日に市場参加者間で行われる通常の取引において、資産の譲渡の対価として受け取ると想定される金額又は負債を移転する際に支払うと想定される金額である出口価格にもとづき公正価値を測定しています。
ソニーは、市場における観察可能性の程度にもとづき、評価に使用するインプットの階層を決定しています。観察可能なインプットは、独立した情報源から入手した市場データを反映したものですが、観察可能でないインプットは、市場参加者が資産あるいは負債を評価する際に通常使用するであろう情報を用いてソニーが独自に推定しているものです。過度なコストや労力をかけない範囲で観察可能な市場データが利用可能である場合には、観察可能な市場データが利用されています。全ての公正価値は下記3段階のレベルのいずれかで報告されますが、報告されるレベルは公正価値の測定に重大な影響を及ぼすインプットのレベルのうち最も低いレベルにもとづき決定されます。
公正価値の3段階のレベルは以下のとおりです。
レベル1
重大なインプットが活発な市場における同一の資産・負債の未調整の取引価格
レベル2
重大なインプットがレベル1以外の観察可能なデータ
例えば、活発な市場における類似商品の取引価格、活発でない市場における同一又は類似商品の取引価格、全ての重大なインプットが活発な市場で観察可能な場合のモデル計算による評価が含まれています。
レベル3
1つあるいは複数の重大なインプットが観察可能でない
ソニーは、活発な市場における取引価格が調整を加えることなく利用可能である場合には、それを利用して公正価値の測定を行い、その項目をレベル1に分類しています。取引価格が利用できない場合には、金利、為替レート、オプションのボラティリティ等、直近の市場もしくは独立した情報源から入手した市場パラメータを使用し、ソニー内部で組成した評価技法にもとづいて公正価値を測定しています。ソニー内部で組成したモデルを使用して評価した項目は、評価に使用した重大なインプットのうち、最も低いレベルに合わせてレベルの分類が行われます。一部の金融資産・負債については、ソニー内部で組成した価格との比較検証を含む評価手続にもとづいて、証券業者から得た指標価格や投資顧問会社から入手した定量的なインプット等の第三者の価格を使用し、公正価値を測定しています。また、ソニーは公正価値を測定する際に、取引相手及びソニーの信用力を考慮しています。ソニーは、ネッティング契約の締結や、与信限度の設定を通じ信用リスクの残高及び取引相手の信用力を積極的にモニターすることに加え、取引相手を各国の大手銀行や主要な金融機関に限定することにより、第三者に対する信用リスクを軽減する努力をしています。
レベル間の移動は、移動が生じた各四半期連結会計期間の期首に生じたとみなしています。
(16) 収益認識
ソニーは顧客との契約において約束した財又はサービスを顧客へ移転する履行義務を充足した時に、当該財又はサービスとの交換に権利を得ると見込んでいる対価を反映する金額で収益を認識します。これは、以下の5つのステップを用いて適用されます。
ステップ1.顧客との契約を識別する。
ステップ2.契約における履行義務を識別する。
ステップ3.取引価格を算定する。
ステップ4.取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5.ソニーが履行義務を充足した時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
ソニーはいくつかの分野において多様な知的財産を保有しており、その知的財産のライセンスによる収益を認識します。ソニーは知的財産を使用する権利及び知的財産にアクセスする権利の供与を行っています。ソニーの知的財産を使用する権利を顧客に供与する場合、ソニーは顧客が支配を獲得し、そのライセンスからの便益を享受する権利を得た時点で履行義務を充足します。ソニーの知的財産にアクセスする権利を顧客に供与する場合、ソニーはライセンス期間にわたって履行義務を充足します。
ソニーは契約獲得の増分コスト及び契約を履行するためのコストを回収すると見込んでいる場合には、当該コストを資産として認識します。契約獲得の増分コストは、当該契約を獲得しなければ発生しなかったものです。契約を履行するためのコストは、契約又は予想される契約に直接関連しており、ソニーが履行義務を充足するために使用する資源を創出もしくは増価するものです。ソニーは実務上の便法を適用しており、資産として認識するはずの契約獲得の増分コストの償却期間が1年以内である場合には、発生時に費用として認識します。
エレクトロニクス・プロダクツ&ソリューション(以下「EP&S」)及びイメージング&センシング・ソリューション(以下「I&SS」)分野においては、顧客との契約における履行義務とは、主には、様々なエレクトロニクス製品・部品を顧客に引き渡すことです。一般的に、当該履行義務から生じる収益は、約束された製品・部品を顧客に引き渡した時点で認識します。ただし、顧客との契約上、顧客による検収についての定めが存在する場合、顧客が検収を完了した時点又は検収猶予期間が終了し検収がなされたとみなされた時点で収益を認識します。また、インターネット関連サービスを利用者に提供する契約においては、加入契約期間にわたって収益を認識します。なお、予想される返品及びセールス・インセンティブが控除された後の純額で収益は認識されます。
ゲーム&ネットワークサービス(以下「G&NS」)分野においては、ハードウェア、周辺機器及びソフトウェアディスクからの収益は、小売事業者又は販売業者へ支配を移転することによって履行義務を充足した時に、予想される返品、セールス・インセンティブ及び広告協賛金が控除された後の純額で認識されます。開発・販売事業者へのプラットフォームライセンスからの収益は、ソフトウェアディスクが引き渡された時に認識されます。また、ソニーの知的財産を使用する権利を与えるデジタルゲームコンテンツからの収益は、オンラインプラットフォームを通じたデジタルコンテンツがライセンシーによって使用可能になった時に、予想されるセールス・インセンティブ及びクレジットカード会社への支払いが控除された後の純額で認識されます。将来にコンテンツを利用可能にする履行義務などの複数の履行義務に関連するデジタルゲームコンテンツからの収益は、市場において観察可能な独立販売価格もしくはソニーの最善の見積りである独立販売価格にもとづき各履行義務に配分されます。サブスクリプション方式による収益は、その加入契約期間に応じて認識されます。
音楽分野においては、ソニーの知的財産を使用する権利を顧客に与える知的財産のライセンス、もしくはソニーの知的財産にアクセスする権利を与える知的財産のライセンスを行っています。これらの収益は、顧客が知的財産を使用する権利もしくはアクセスする権利を保有し、そのライセンスの使用又はアクセスのための支配を獲得した時に認識されます。デジタルコンテンツからの収益は、デジタルストリーミングサービス契約からの収益が含まれており、デジタルストリーミングサービスは契約期間にわたって更新され続けるコンテンツライブラリにおける知的財産への継続的なアクセス権として通常は別個の履行義務として認識されます。これは、(1)別のコンテンツに置き換える必要も、ロイヤルティに関するミニマムギャランティへの影響もなく、特定のコンテンツの削除ができるビジネス上の慣行や契約上の権利、及び(2)ライセンス対象に特定のコンテンツリストを含まない契約であることにもとづいています。これらの契約からの収益は、契約期間にわたって定額法で認識される固定収入もしくは回収されることのないロイヤルティに関するミニマムギャランティがある場合を除いて、売上高及び使用量ベースのロイヤルティ収入にもとづき認識されます。CDなどの製品売上からの収益は、物品が移転し販売業者が販売可能となった時点で、予想される返品及びセールス・インセンティブが控除された後の純額で認識されます。
映画分野においては、劇場映画収益は、劇場での上映に合わせて認識されます。映画作品及びテレビ番組の放映に係るライセンス契約による収益はライセンシーによって作品が放映可能となった時点で認識されます。複数の作品、地域、放映可能期間などの要素を持つ複数の履行義務に関わる映画作品及びテレビ番組の放映に係るライセンス契約による収益は、市場環境や価格設定における内部規定などにもとづくソニーの最善の見積りによって各履行義務に配分されます。配給される各映画やテレビ番組は一般に別個の履行義務と識別されます。映画製作及びテレビ番組制作における現行契約の特定の更新又は延長に関連するライセンス収益は、ライセンシーがその更改や延長されたコンテンツを使用し便益を享受する時に、認識されます。ソニーの知的財産にアクセスする権利に対するミニマムギャランティに関連するライセンス収益は、ライセンス期間にわたって一定の比率で認識されます。ホームエンタテインメント用のDVD及びブルーレイディスクに係る収益は、物品が移転し販売業者が販売可能となった時点で、予想される返品及びセールス・インセンティブが控除された後の純額で認識されます。デジタルダウンロード及びビデオ・オン・デマンドからの収益は、作品がデジタル配信プラットフォームで閲覧可能となった時点で収益を認識します。テレビ広告収入は、広告が放映された時点で認識され、この収益に関わる履行義務は広告掲載の提供であり、インプレッション保証型広告を含む場合があります。もし保証した広告表示回数に達しなかった場合は、その広告表示回数を満たすための追加の広告掲載が行われるまで認識されません。テレビチャネル及びデジタルネットワークに支払われた有料放送料金は、サービスが提供された時点で収益が認識されます。この収益に関わる履行義務は知的財産を使用する権利を与えることであり、契約期間にわたって番組が提供されるにつれて充足されます。
金融分野においては、生命保険子会社が引受ける伝統的保険契約は、ほとんどが長期契約に分類され、主に終身保険、定期保険及び傷害・医療保険契約から構成されています。これらの契約から稼得する保険料収入は、保険契約者からの払込の期日が到来した時点で、収益として認識しています。利率変動型終身保険、個人年金保険及び生命保険リスクのないその他の保険契約等非伝統的保険契約から受入れた保険料は、生命保険ビジネスにおける契約者勘定に計上しています。これら保険契約から稼得する収益は、保険契約期間にわたり認識される契約管理手数料からなり、金融ビジネス収入に含まれています。損害保険子会社が引受ける保険契約は、短期契約に分類され、主に自動車保険契約から構成されています。これらの契約から稼得する保険料収入は、保険契約の期間にわたり保障金額の比率に応じて認識しています。
収益は、通常、顧客から徴収し政府機関へ納付される税金が控除された後の純額で認識されます。
(17) 売上原価
売上原価に分類される費用は製品の製作と生産に関連するもので、材料費、外注加工費、有形固定資産の減価償却費、無形資産(コンテンツ資産を含む)の償却費、人件費及び研究開発費などが含まれます。
(18) 研究開発費
研究開発費には、研究及び製品の開発に係る人件費、またその他の直接経費及び間接経費などが含まれます。開発費用は、開発を完成させる技術上の実行可能性があり、ソニーが開発を完成させ、その成果を使用又は販売する意図ならびにそのための資源及び能力を有し、開発に関する支出が信頼性をもって測定可能であり、成果が将来の経済的便益を得られる可能性が高い場合のみ、資産化しています。資産計上した開発費用は、上記の要件を最初に満たした時点から開発が完了した時点までの期間に発生した費用の合計として測定しています。研究活動に関する支出及びその他の上記資産化の要件を満たしていない開発費用は、発生時に費用として認識し、要約四半期連結損益計算書上で売上原価に含まれています。
(19) 販売費及び一般管理費
販売費に分類される費用は製品の販売促進と販売に係る費用で、広告宣伝費、販売促進費、運賃、製品保証費用などが含まれます。一般管理費には役員報酬、人件費、有形固定資産の減価償却費、販売、マーケティング及び管理部門のオフィス賃借料、営業債権に対する損失評価引当金繰入額ならびに無形資産の償却費などが含まれます。
(20) 金融ビジネス費用
金融ビジネス費用は、責任準備金の繰入額、繰延保険契約費の償却の他、銀行ビジネスにおける支払利息、金融分野の子会社の人件費、有形固定資産の減価償却費及び支払賃借料等の営業費用を含んでいます。
(21) 広告宣伝費
広告宣伝費は発生時に費用を認識しています。
(22) 物流費用
製品の運賃、荷役料、保管料及びソニーグループ内の運搬費用等の大部分は販売費及び一般管理費に含まれています。例外として、映画分野では、映画の製作又はテレビ番組の制作、及びこれらの配給に必要な構成要素として、上記の費用は売上原価に計上されています。原材料や仕掛品の運賃、仕入受取費用、検査費用及び保管料等のソニーの物流ネットワークに関わるその他の全ての費用は売上原価に含まれています。顧客が物品の支配を獲得した後に実行される発送活動は、約束された物品の移転とは別個の履行義務とみなされます。また、顧客が負担する物流費用は売上高に含まれています。
(23) 法人所得税
法人所得税は、当期税金及び繰延税金から構成されています。当期税金と繰延税金は、企業結合から生じる場合、又は同じ期間又は異なった期間に純損益の外で(その他の包括利益に又は資本に直接に)認識される取引又は事象から生じる場合を除き、純損益で認識しています。期中の法人所得税は、事業年度全体についての予想加重平均税率の最善の見積りにもとづいて認識しています。
当期税金は、当年度の課税所得にもとづいて計上しています。これらの税額は、報告期間の末日において制定又は実質的に制定されている税率にもとづいて算定しています。
繰延税金資産及び負債は、税務上の金額と要約四半期連結財政状態計算書の資産・負債の帳簿価額との間の一時差異に対して認識しています。また、繰延税金負債は、子会社及び持分法適用会社の将来配当することを予定している未分配利益に係る負債を含んでいます。
繰延税金資産及び負債は、報告期間の末日までに制定又は実質的に制定されている税率及び税法にもとづいて、繰延税金資産が実現する期又は繰延税金負債が決済される期に適用されると予想される税率で算定されます。企業結合以外の取引で、かつ取引時に会計上又は税務上のいずれの純損益にも影響を及ぼさない取引における資産又は負債の当初認識に係る一時差異については、繰延税金資産及び負債を認識していません。
繰延税金資産は、将来それらを利用できる課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で認識しています。したがって、繰延税金資産計上の要否は、繰延税金資産の回収可能性に関連する入手可能な証拠にもとづいて、定期的に評価されます。この評価に関するマネジメントの判断は、それぞれの税務管轄ごとの当期及び累積損失の性質、頻度及び重要性、不確実な税務ポジションを考慮した将来の収益性予測、税務上の簿価を超える資産評価額、繰越欠損金の法定繰越可能期間、過去における繰越欠損金の法定繰越可能期間内の使用実績、繰越欠損金及び繰越税額控除の期限切れを防ぐために実行される慎重かつ実行可能な税務戦略などを考慮します。
ソニーは、税務申告において採用した、あるいは採用する予定の不確実な税務ポジションに起因する資産・負債を計上しています。ソニーの納税額は、様々な税務当局による継続的な調査によって、更正処分などの影響を受ける可能性があります。加えて、いくつかの重要な移転価格税制の案件に関する事前確認申出を受けて、それぞれの国の税務当局同士が現在交渉しています。不確実な税務ポジションから起こり得る結果に対するソニーの見積りは、判断を必要とし、また高度な見積りが要求されます。ソニーは、税務調査の対象となる全ての年度の税務ポジションについて、決算日における事実、状況、及び入手可能な証拠にもとづき評価し、税務ベネフィットを計上しています。
(24) 1株当たり当社株主に帰属する四半期純利益(損失)(以下「EPS」)
基本的EPSは各算定期間の普通株式の加重平均発行済株式数にもとづいて計算されます。希薄化後EPSは、新株発行をもたらす権利の行使や約定の履行あるいは新株への転換によって起こる希薄化の影響を考慮して計算されます。当社株主に帰属する四半期純損失の場合は全ての潜在株式をこの計算から除いています。
Ⅱ.未適用の新たな基準書及び解釈指針
要約四半期連結財務諸表の承認日までに公表されている主な基準書及び解釈指針の新設又は改訂は以下のとおりであり、2021年9月30日現在においてこれらを適用していません。
IFRS第17号「保険契約」
2017年5月、IASBは、IFRS第17号「保険契約」(以下「IFRS第17号」)を公表し、2020年6月、IFRS第17号の修正を公表しました。IFRS第17号は、IFRS第4号を置き換え、IFRS第17号の範囲に含まれる保険契約の認識、測定、表示、及び開示に関する原則を示しています。IFRS第17号は一般モデルを提供し、これに直接連動有配当性を有する保険契約特有のアプローチ(変動手数料アプローチ)と、主に短期の保険契約に対する簡素化されたアプローチ(保険料配分アプローチ)が加えられています。IFRS第17号の主な特徴は、以下のとおりです。
a. 明示的な非金融リスクに対するリスク調整を含む将来キャッシュ・フローの現在価値の測定及び各報告期間における再測定
b. 保険契約の未稼得利益を表す契約上のサービス・マージンの、カバー期間にわたる損益への認識
c. 期間中に提供された保険サービスの概念にもとづく、保険収益と保険サービス費用の包括利益計算書での表示
d. 保険契約から認識された金額、及びこれらの契約から生じるリスクの性質と程度に関する情報を提供するための広範な開示
IFRS第17号は、2023年4月1日からソニーに適用されます。IFRS第17号の適用がソニーの業績及び財政状態に与える影響は評価中です。
IAS第1号「財務諸表の表示」の改訂
2020年1月、IASBは流動又は非流動負債の分類に関する基準(IAS第1号の改訂)を公表しました。この改訂は負債を流動又は非流動への分類する際の要件の1つである、負債の決済を延期する企業の権利を明確化するものです。この改訂は2023年4月1日からソニーに適用されます。この改訂の適用がソニーの業績及び財政状態に与える影響は評価中です。