有価証券報告書-第78期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/21 14:15
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当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。これらの将来に関する記載事項につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載した内容等を含む様々な要因により、実際の結果と異なる場合があります。
(1) 経営成績
当期における世界経済は、米国では雇用情勢の改善などを背景に堅調に推移しましたが、米中間の貿易摩擦の影響を受け、中国では個人消費の減速など景気の鈍化が鮮明となっております。欧州においても、政治不安を抱えており、世界経済の先行きに対する不透明感は継続しております。
当社グループが対象とする車載市場では、中国の新車販売台数が2018年7月より前期を割り込む水準が続き、欧州においても2018年9月に導入された新しい燃費試験導入の影響を受け、新車販売が失速いたしました。また、スマートフォンの出荷台数は2年連続で前期を下回りました。
車載向けではADAS(先進運転支援システム)機器に使用される車載用カメラやレーダ向けの販売が増えたものの、中国や欧州における自動車の需要減の影響を受け、売上高は前期に対し横ばいで推移いたしました。また、移動体通信向けでは、スマートフォンの2018年モデル向けの販売が伸び悩むとともに、TCXO(温度補償水晶発振器)から低価格化が進む温度センサ内蔵水晶振動子への需要のシフトが進んだことにより、売上高は前期比で減少いたしました。
当社グループは構造改革の一環として、生産性向上とコスト競争力の引き上げを目的に国内工場の量産ラインの一部を海外工場に移転するとともに、間接部門のスリム化を進め、固定費の圧縮に努めました。その結果、営業利益に関しましては、約4億円の黒字を計上いたしました。但し、これには、連結子会社である蘇州日本電波工業有限公司の工場移転決議に伴って計上いたしました土地使用権及び建物の売却益約18億円が含まれております。また、生産体制の見直し及び再構築に伴い遊休化した設備の減損損失約4億円を計上しております。
以上の結果、当期の連結受注高は42,161百万円(前期比3.0%減)となり、連結売上高は42,498百万円(前期比3.3%減)となりました。また、営業利益は406百万円(前期は営業損失9,618百万円)、税引前当期損失は56百万円(前期は税引前当期損失9,640百万円)、当期損失は251百万円(前期は当期損失10,202百万円)となりました。なお、在外営業活動体の換算差額が164百万円減少する等、税引後その他の包括損失が209百万円となったことから、当期包括損失合計は460百万円(前期は当期包括損失合計9,732百万円)となりました。
この結果に伴い、売上高営業利益率は1.0%、親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は△1.7%となりました。
事業の品目別の業績を示すと、次のとおりであります。
① 水晶振動子
移動体通信向けで温度センサ内蔵水晶振動子及び超小型サイズの水晶振動子の販売が増えました。車載市場向けにおいては、ADAS機器に使用される車載用ミリ波レーダ向けで水晶振動子の販売は増えましたが、その他の車載用途において高単価製品の販売が減少した影響で金額ベースでの売上高は減少しました。その結果、売上高は25,362百万円(前期比1.3%減)となりました。
② 水晶機器
車載市場において、ADAS機器に使用される車載用カメラ向け等で水晶発振器の販売が増えました。しかしながら移動体通信市場において、TCXOから温度センサ内蔵水晶振動子への需要のシフトが進んだことで水晶発振器の販売が減少しました。また、SAW(弾性表面波)デバイスの販売が減少しました。その結果、売上高は12,650百万円(前期比8.9%減)となりました。
③ その他
一眼レフカメラ向けに光学製品の販売が増加しました。その結果、売上高は4,484百万円(前期比2.6%増)となりました。
主要な販売先別の業績を示すと、次のとおりであります。
① 日本
一眼レフカメラ向けに光学製品の販売が増加しました。また、周波数シンセサイザの特殊機器への販売は増加した一方、地上衛星局向けの販売が減少しました。車載向けの販売は微増にとどまりました。その結果、売上高は8,782百万円(前期比0.2%減)となりました。
② アジア
移動体通信向けでは、TCXOから温度センサ内蔵水晶振動子への需要のシフトが進んだことで、水晶振動子の販売は増加しましたが、水晶発振器の販売は減少しました。また、車載向け水晶振動子の販売が減少しました。その結果、売上高は中国14,443百万円(前期比4.4%減)、韓国1,317百万円(前期比3.1%減)、その他3,447百万円(前期比2.0%減)となりました。
③ 欧州
車載向け水晶発振器の販売が増加しましたが、産業機器向け水晶発振器の売上高は減少しました。その結果、売上高はドイツ4,616百万円(前期比2.1%減)、フランス919百万円(前期比6.8%減)、その他3,700百万円(前期比1.3%増)となりました。
④ 北米
移動体通信向けSAWデバイスの販売が減少しました。その結果、アメリカ3,728百万円(前期比14.1%減)、その他68百万円(前期比42.6%減)となりました。
生産、受注及び販売の実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
① 生産実績
品目別の名称生産高(百万円)前期比(%)
水晶振動子26,073△7.3
水晶機器10,993△10.5
その他4,341△1.1
合計41,408△7.5

(注) 1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
品目別の名称受注高(百万円)前期比(%)
水晶振動子25,1470.5
水晶機器12,447△12.0
その他4,5656.8
合計42,161△3.0

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
品目別の名称販売高(百万円)前期比(%)
水晶振動子25,362△1.3
水晶機器12,650△8.9
その他4,4842.6
合計42,498△3.3

(注) 1 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2 総販売実績に対する販売実績の割合が100分の10以上の相手先が存在しないため、主な相手先別の販売実績の記載を省略しております。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における資産、負債及び資本の、前連結会計年度末に対する主な増減は以下のとおりであります。
前連結会計年度末に比べ、総資産は現金及び現金同等物の増加1,379百万円、棚卸資産の増加660百万円、有形固定資産の減少2,514百万円等により31百万円減少し60,784百万円、負債は借入金等の増加2,165百万円、営業債務その他の未払勘定の減少1,264百万円等により350百万円増加し46,059百万円、親会社の所有者に帰属する持分は、当期包括損失合計460百万円等により、382百万円減少し14,725百万円となりました。これにより、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末から0.6ポイント低下し24.2%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、マイナス要因として、長期借入金の返済による支出10,603百万円、有形固定資産の取得による支出3,404百万円があったものの、プラス要因として、長期借入れによる収入13,500百万円、減価償却費及び償却額3,469百万円があったこと等により、前連結会計年度に比較し1,379百万円増加の8,231百万円となりました。
フリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが1,615百万円のプラスとなり、投資活動によるキャッシュ・フローが2,286百万円のマイナスとなったことにより、671百万円のマイナス(前期比7,575百万円のプラス)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、マイナス要因として、土地使用権売却益1,035百万円があったものの、プラス要因として、減価償却費及び償却額3,469百万円があったこと等により、1,615百万円のプラス(前期比2,530百万円のプラス)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、プラス要因として、土地使用権の売却による収入1,214百万円があったものの、マイナス要因として、有形固定資産の取得による支出3,404百万円があったこと等により、2,286百万円のマイナス(前期比5,044百万円のプラス)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出10,603百万円、長期借入れによる収入13,500百万円等により、2,067百万円のプラス(前期比395百万円のプラス)となりました。
当社グループの運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金及び銀行借入による調達で賄っております。銀行借入につきましては、運転資金を期限が1年以内の短期借入金にて調達し、生産設備等の長期資金を長期借入金で調達しております。当連結会計年度末現在、短期借入金の残高は6,508百万円で、長期借入金の残高は25,510百万円であります。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー指標のトレンドは次のとおりであります。
2015年3月期2016年3月期2017年3月期2018年3月期2019年3月期
親会社所有者帰属持分比率38.4%37.8%36.7%24.8%24.2%
時価ベースの
親会社所有者帰属持分比率
28.8%22.0%23.3%21.5%12.8%
キャッシュ・フロー対
有利子負債比率
21.35.27.219.9
インタレスト・
カバレッジ・レシオ
7.532.626.07.7

[算式]親会社所有者帰属持分比率:親会社所有者帰属持分/総資産
時価ベースの親会社所有者帰属持分比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1. IFRSに基づく連結ベースの財務数値により計算しております。
2. 株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3. キャッシュ・フローは営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4. 有利子負債は連結財政状態計算書に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
5. 2018年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、営業活動によるキャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。
(4) 次期の見通し
次期の見通しにつきましては、移動体通信向けは、引き続きスマートフォン向け需要が停滞し、売上高は当期比減少する見通しです。一方、車載用途向けでは、第1四半期までは販売の低迷が継続するものの、下期にかけて売上高は回復して来る見通しです。また、年度後半からは、次世代高速通信規格「5G」の基地局向けに高精度OCXO(恒温槽付水晶発振器)の販売が増加する見込みであり、産業機器向けの売上高は上期を底に上昇する見通しです。さらに、特殊機器向け周波数シンセサイザや医療用の超音波機器の販売増加を計画しております。これにより、次期は当期並みの売上高を見込んでおります。
また、次期も当期に続き、生産体制の再構築を進めますが、対象をグループの生産工場全体に拡大し、グループ全体で生産性の改善と間接部門のスリム化を実施し、固定費の圧縮を進めてまいります。さらに移動体通信向けでは製品の販売価格を見直すとともに、年度後半には5G基地局向け製品を中心に収益性の高い製品の販売を増やし、グループ全体の収益性を改善いたします。
(5) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と、日本基準により作成した連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異
前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)
① 営業利益
日本基準では営業利益に含まれない営業外損益及び特別損益項目(金融損益項目を除く)の影響額7,372百万円(利益減)の他、過年度における減価償却方法(主に残存価額)の違い等による減価償却費の差異114百万円(利益減)、確定給付制度負債に係る数理計算上の差異の認識方法の違いによる退職給付費用の差異166百万円(利益増)等により、日本基準に比べ7,262百万円減少しております。
② 税引前当期利益
上記段階利益の差異による影響額7,372百万円の解消(利益増)の他、政府補助金の会計処理の違い等による支払利息の増加44百万円(利益減)、補助金収入の増加60百万円(利益増)及びのれんの減損損失計上697百万円(利益減)等により、日本基準に比べ537百万円減少しております。
③ 当期利益
上記差異に加え、未実現利益の消去に係る税効果の差異、繰延税金資産及び負債の認識・測定の差異等により、日本基準に比べ461百万円減少しております。
当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)
① 営業利益
日本基準では営業利益に含まれない営業外損益及び特別損益項目(金融損益項目を除く)の影響額1,545百万円(利益増)の他、過年度における減価償却方法(主に残存価額)の違い等による減価償却費の差異117百万円(利益減)、確定給付制度負債に係る数理計算上の差異の認識方法の違いによる退職給付費用の差異92百万円(利益増)等により、日本基準に比べ1,588百万円増加しております。
② 税引前当期利益
上記段階利益の差異による影響額1,545百万円の解消(利益減)の他、政府補助金の会計処理の違い等による補助金収入の増加52百万円(利益増)並びに公正価値の算定方法の違い等によるその他の金融資産評価損の計上89百万円(利益減)等により、日本基準に比べ33百万円減少しております。
③ 当期利益
上記差異に加え、未実現利益の消去に係る税効果の差異、繰延税金資産及び負債の認識・測定の差異等により、日本基準に比べ108百万円増加しております。

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