訂正有価証券報告書-第94期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2022/06/29 14:25
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、IMF発表による2020年度GDP成長率は、2.3%のプラス成長となった中国を除いて、日本・米国・ユーロ圏・アセアン地域はマイナス成長、全世界ではマイナス3.3%となりました。中国はコロナ禍をいち早く脱し、経済活動が正常化、景気も順調に回復しており、米国もワクチン接種が順調に推移、大規模な経済対策による景気押上げ等により回復基調となっています。しかし、ユーロ圏は秋頃から新型コロナウイルス感染再拡大による行動制限強化により回復基調にブレーキがかかりました。総じて、期前半は新型コロナウイルス感染拡大に伴う経済活動の制限や停滞により大きく後退するも、期後半には経済活動の再開が徐々に進み、中国をはじめ各国で持ち直しの兆しが見られましたが、全世界で感染拡大が続き、期を通してコロナ禍の終息には至らず、厳しい経済状況が続きました。一方、日本経済は、鉱工業生産や外需は世界的な経済活動持直しを受けて回復、期中盤から製造業を中心に企業収益の悪化に歯止めが掛かりましたが、緊急事態宣言発令を受け対面型サービス消費等の落ち込みにより個人消費は力強さを欠きました。また、設備投資や住宅投資は低調な推移となり、製造業など多くの業種で企業活動が正常化してきた一方、観光・飲食・娯楽業は引き続き苦境に立たされており、日本における2020年GDP成長率はマイナス4.8%となりました。
当社グループもこのような状況を鑑み、早い段階から社内に新型コロナウイルス緊急対策本部を立上げ、社内外への感染被害防止と当社グループ各拠点に勤務する従業員の安全確保に注力してまいりました。今後、日本をはじめ各国政府による金融・財政面での支援策の継続実施やワクチン接種ペース加速による国内外経済正常化が期待されますが、コロナ禍終息時期が見えない状況下、引き続き不確実・不透明な厳しい外部環境が続くと見込まれます。
このような外部環境のもと、当社の主要マーケットにおいては、情報通信業界では、新生活様式に伴うコミュニケーションの非接触化が、社会全体のデジタル化を推進。企業によるICT投資・クラウド・IoT・セキュリティ分野の需要と本格化する第5世代移動通信システム(5G)のネットワーク構築に係る設備投資の堅調な拡大が期待できます。
鉄道業界は、コロナ禍による乗車率低下の影響はあるものの、時差出勤やワーケーションなど多様な通勤スタイルに合わせた新たなサービス提供に注力するとともに、各社とも引き続き安全・安定輸送運行を最優先として、安全な交通システム構築や老朽化対応への設備投資は継続して行われています。
また、国土強靭化対策にともなう官公庁投資は堅調に推移しており、特に当社グループの強味である気象領域は、防災気象を中心に積極的な投資が行われております。
電力会社を中心とした電力業界は、エネルギーシステム強靭化、パリ協定対応などの動きもあり、電力需要が緩やかに回復する中、洋上風力発電を柱とした再生可能エネルギー導入加速が見込まれ、新たな設備導入や安全対策への投資が期待されています。
このような状況下、創立90周年にあたる当連結会計年度、当社グループは業績のV字回復を目指し、営業本部を新たに立上げ、製品別営業推進体制を一層強化するとともに、事業領域拡大に向けて国内外グループ各社のシナジー効果極大化を図り、グループ売上高増加に努めてまいりました。収益面では、引き続き高付加価値製品売上強化を図るとともに製造原価低減や更なる業務効率化による経費削減にも注力、収益力強化に向け取り組んでまいりました。
また、より一層の業務効率化を推進すべくグループ新基幹システム構築スタートアップに着手、コロナ禍におけるテレワーク推進に向けた環境整備と社内制度化等にも積極的に取り組んでまいりました。
これらの施策を鋭意取り組んでまいりました結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は16,543,461千円、前連結会計年度比3.8%、601,126千円の増加となりました。市場全般の価格競争激化の影響を受けながらも、経常利益では947,932千円、前連結会計年度比29.8%、217,881千円の増加と、増収増益となりました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比27,070千円減少の521,207千円となりました。
各事業の概要は以下のとおりであります。
※通信保安事業
通信保安事業におきましては、官公庁向け売上げは堅調に推移し、電力会社や通信会社向けも好調に推移した結果、売上高は16,170,844千円(前連結会計年度比582,899千円増)となりました。営業利益につきましては原価低減、経費削減に努め1,446,763千円、(営業利益率9.0%、前連結会計年度比0.2%増)となりました。
※気象事業
気象事業におきましては、主力製品であるライトニングスコーププラス、ライトニングステーション等の販売に努め、売上高372,617千円(前連結会計年度比18,227千円増)となりました。営業利益につきましては、原価低減、設備削減に努め、110,169千円(営業利益率29.6%、前連結会計年度比9.9%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が855,060千円、減価償却費が293,677千円、仕入債務の増加が730,613千円となりましたが、一方で、売上債権の増加が1,018,944千円、法人税等の支払額が287,396千円となったことなどにより、1,015,122千円の収入(前連結会計年度は267,290千円の収入)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入が235,650千円、投資不動産の賃貸に伴う収入が56,219千円となりましたが、一方で無形固定資産の取得による支出が315,279千円、投資有価証券の取得による支出が112,591千円、投資不動産の賃貸に伴う支出が27,106千円となったことなどにより、42,056千円の支出(前連結会計年度は222,938千円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が300,000千円、社債の発行による収入が246,954千円、短期借入金の増加が170,000千円となりましたが、一方で、長期借入金の返済による支出が1,078,070千円、社債の償還による支出が570,200千円、配当金の支払が60,049千円となったことなどにより、1,034,319千円の支出(前連結会計年度は335,061千円の収入)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末の残高は3,708,639千円となり、前連結会計年度末に比べて53,127千円減少いたしました。
③資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの資金運営は、事業活動にかかる運転資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、債権回収までに必要な資金については銀行借入及び社債の発行により資金調達をおこなっております。
なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度に比べて928,270千円減少して4,581,466千円となりました。資金調達コストの低減に努める一方、設備資金等の長期的な資金については、市場金利動向あるいは既存借入金の償還時期等を総合的に勘案し、長期借入金及び社債によって流動性を維持しております。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 令和2年4月1日
至 令和3年3月31日)
前年同期比(%)
通信保安(千円)8,418,44299.1
気象(千円)164,75994.3
合計(千円)8,583,20199.0

(注)1.金額は製造原価で表示しております。
2.金額は消費税等を除いて表示しております。
b.受注実績
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
通信保安16,389,715109.52,037,620112.0
気象375,841105.631,051105.1
合計16,765,557109.42,068,671111.9

(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.金額は消費税等を除いて表示しております。
3.当グループの生産は、受注生産と生産計画に基づく見込生産により構成されており、上表は受注生産に係るものを記載しております。
c.販売実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 令和2年4月1日
至 令和3年3月31日)
前年同期比(%)
通信保安(千円)16,170,844103.7
気象(千円)372,617105.1
合計(千円)16,543,461103.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去の実績状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に下記の会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。
なお、現時点で新型コロナウイルス感染症拡大など先行き不透明感が増しているものの、当社の事業計画の進捗状況等の情報に基づき検討し、同感染症による当社収益における通期への影響は限定的であると仮定して当連結会計年度(令和3年3月期)の会計上の見積りを行っております。
a.退職給付会計
退職給付債務は、年金数理計算に用いられる仮定により見積りに差が生じます。仮定となる割引率、将来の給付水準、退職率については、現時点で妥当と判断したデータその他の要因に基づき設定しております。実際の結果がこれらの仮定と異なる場合、また仮定を変更する必要が生じた場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務が変動する可能性があります。
b.繰延税金資産
当社グループの連結財務諸表に計上されている資産および負債の金額と課税所得計算上の資産および負債の金額との間に生じる一時差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産を計上しております。将来の税金の回収可能予想額は、当社グループの将来の課税所得の見込額に基づき算出されておりますが、将来の課税見込額の変動により、繰延税金資産が変動する可能性があります。
c.のれん
当社グループは、のれんに関して効果の発現する期間を見積り、その期間で定額法により償却しておりますが、その資産性の評価について検討した結果、当初想定したキャッシュ・フローが見込めなくなった場合に、評価の切り下げを行う可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績では、鉄道向けおよび官公庁向け売上は堅調に推移し、電力会社向けも一部回復したためおおむね順調に確保できました。一方、通信・移動体通信関係の売上は価格競争激化等により低調に推移しました。また、コスト低減では、グループ内での内製化促進や品質の維持・向上に成果をあげることができました。
これらの影響で当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ3.8%増収の16,543,461千円となりました。営業利益は当社グループの主要製品市場における価格競争激化等の中21.7%増益の898,708千円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益28,717千円、特別損失121,588千円の計上等により27,070千円減の521,207千円となりました。
(売上高)
通信保安事業の売上高は、前連結会計年度に比べて、3.7%増収の16,175,042千円(うち、外部顧客への売上高16,170,844千円)となり、気象事業の売上高は前連結会計年度に比べて4.0%増収の416,261千円(うち、外部顧客への売上高372,617千円)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高の増加に伴い前連結会計年度から412,618千円増加し11,042,703千円となり、売上原価率は66.7%から0.1ポイント悪化し66.8%となりました。
販売費及び一般管理費は、諸経費の削減活動を継続しましたが28,344千円増加し4,602,049千円となりました。
(営業外収益、営業外費用)
営業外収益は、前連結会計年度の133,852千円から15,696千円増加し149,549千円となっております。
営業外費用は、前連結会計年度の142,346千円から42,020千円減少し100,325千円となっております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の548,277千円から27,070千円減少し521,207千円となっております。
③経営戦略の現状と見通し
当社グループは平成29年度より営業推進体制を大幅に見直し、「製品別営業推進体制」でスタートしております。総合雷防護企業として原点回帰し防雷分野で知名度・実力ともに世界トップを目指し、全社員一丸となって努力をしてまいります。
なお、文中の将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
④経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、収益力、有利子負債等グループの財政状況を認識し、現在の事業規模及び入手可能な情報に基づき経営資源の最も効率的な運用を行い、企業価値を最大限に高めるべく努めております。「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載のとおり当社グループではめまぐるしく変化する事業環境に迅速に対応すべく、海外生産体制の強化、営業部門の強化、中国市場への進出、高付加価値製品の開発などを推進し、戦略事業については、選択と集中をさらに加速していく所存であります。この結果、さらに収益力の向上が図られるものと見込んでおり、その資金を開発、投資、有利子負債削減等にバランスよく配分することで安定した収益力の確保を目指します。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

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