有価証券報告書-第97期(2023/04/01-2024/03/31)

【提出】
2024/06/27 16:55
【資料】
PDFをみる
【項目】
138項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
2023年の世界情勢は、長引くロシア・ウクライナ間の紛争など地政学問題への注目度が高まる1年となりました。経済面では、総じて大きな波乱はなく、地政学リスクは高まるも、原油価格やサプライチェーンへの影響が限定的だったこともあり、世界経済成長率は3.2%と国際通貨基金(IMF)の「世界経済見通し」通りで推移しました。しかし、世界各国では物価高騰を受け、各国中央銀行は利上げを継続、世界的インフレ率は減速するも、住宅価格が下落するなど景気の減速感が強まる1年でもありました。
一方、日本経済を振り返ると、新型コロナウイルスの感染症法上の5類移行、企業の価格設定行動の変化を映じた企業収益改善等、日本経済のショックからの正常化やデフレ脱却につながる重要な変化が見られた1年となり、日経平均株価もバブル期以来の最高値を更新、各国金融政策の違いによる金利差を受け円安が進行しました。
また、インバウンド需要と自動車輸出の回復が外需を牽引するも、インフレによる個人消費低迷、不正問題発覚による自動車関連の落込みなどがありましたが、総じて良好な企業収益環境を受け設備投資は底堅く推移しました。
次に、当社の主要マーケットにおける概況をご報告します。
電力会社を中心とした電力業界では、GX推進法とGX脱炭素電源法が成立し、20兆円規模のGX経済移行債が脱炭素投資に活用される一方、カーボンプライシング導入により炭素排出が多い事業者に経済的負担が課せられ、原子力発電所の60年超運転も認められたことから、今後も脱炭素に向けた投資促進が期待されます。
情報通信業界では、未使用プラチナバンド帯が移動体4社全てに割当され、政策的な通信料金値下げも一服したことから、事業者は非通信分野との相互連携を強化した新プラン打出しによるARPU引上げに繋げる動きが見込まれます。また、通信市場成熟化を受け、金融等の事業多角化を進め、今後も非通信事業拡充によるシステム構築を狙う動きが活発化することが見込まれます。
鉄道業界では、各社とも引続き安全・安定輸送運行を最優先として、安全な交通システム構築や老朽化対応への設備投資の継続が見込まれます。一方、利用者行動様式変化に対応した新たな非鉄道事業に各社が引き続き注力、その売上比率も高まり、人口減少による収益機会減少が見込まれる中、鉄道需要の高まりが見込まれるアジアをはじめ海外事業展開も見込まれます。
次に、当連結会計年度の当社グループ業績についてご報告します。
当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は16,709,095千円、前連結会計年度比5.9%、933,676千円の増加となりました。経常利益では1,266,676千円、前連結会計年度比107.3%、655,665千円の増加と、増収増益となりました。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比677,540千円増加の877,567千円となりました。
各事業の概要は以下のとおりであります。
※通信保安事業
通信保安事業におきましては、売上高は16,248,511千円(前連結会計年度比879,018千円増)となりました。セグメント利益につきましては、原価低減、経費削減に努め、1,917,021千円(セグメント利益率11.8%、前連結会計年度比31.9%増)となりました。
※気象事業
気象事業におきましては、売上高460,584千円(前連結会計年度比54,657千円増)となりました。セグメント利益につきましては、原価低減、設備削減に努め、172,122千円(セグメント利益率37.4%、前連結会計年度比28.5%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が1,269,583千円、減価償却費が402,700千円となりましたが、一方で、売上債権の増加が853,500千円、仕入債務の減少が326,124千円、法人税等の支払額が239,723千円となったことなどにより、129,750千円の支出(前連結会計年度は104,981千円の支出)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却による収入が186,941千円、投資不動産の賃貸に伴う収入が58,646千円となりましたが、一方で有形固定資産の取得による支出が233,015千円、無形固定資産の取得による支出が43,577千円、投資有価証券の取得による支出が133,689千円となったことなどにより、56,222千円の支出(前連結会計年度は108,852千円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入が1,550,000千円となりましたが、一方で、短期借入金の減少が28,000千円、長期借入金の返済による支出が1,413,829千円、社債の償還による支出が215,200千円、配当金の支払が59,954千円となったことなどにより、194,639千円の支出(前連結会計年度は59,690千円の収入)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末の残高は4,000,888千円となり、前連結会計年度末に比べて285,350千円減少いたしました。
③資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの資金運営は、事業活動にかかる運転資金については営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主な財源としておりますが、債権回収までに必要な資金については銀行借入及び社債の発行により資金調達を行っております。
なお、当連結会計年度末の有利子負債残高は、前連結会計年度に比べて103,775千円減少して4,925,779千円となりました。資金調達コストの低減に努める一方、設備資金等の長期的な資金については、市場金利動向あるいは既存借入金の償還時期等を総合的に勘案し、長期借入金及び社債によって流動性を維持しております。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 令和5年4月1日
至 令和6年3月31日)
前年同期比(%)
通信保安(千円)7,875,340102.5
気象(千円)164,339104.1
合計(千円)8,039,679102.6

(注)金額は製造原価で表示しております。
b.受注実績
セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)
通信保安15,536,238106.12,140,988101.5
気象466,142114.638,382113.5
合計16,002,381106.32,179,370101.7

(注)1.金額は販売価格で表示しております。
2.当グループの生産は、受注生産と生産計画に基づく見込生産により構成されており、上表は受注生産に係るものを記載しております。
c.販売実績
セグメントの名称当連結会計年度
(自 令和5年4月1日
至 令和6年3月31日)
前年同期比(%)
通信保安(千円)16,248,511105.7
気象(千円)460,584113.5
合計(千円)16,709,095105.9

(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去の実績状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に下記の会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。
a.退職給付会計
退職給付債務は、年金数理計算に用いられる仮定により見積りに差が生じます。仮定となる割引率、将来の給付水準、退職率については、現時点で妥当と判断したデータその他の要因に基づき設定しております。実際の結果がこれらの仮定と異なる場合、また仮定を変更する必要が生じた場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務が変動する可能性があります。
b.繰延税金資産
当社グループの連結財務諸表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得計算上の資産及び負債の金額との間に生じる一時差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産を計上しております。将来の税金の回収可能予想額は、当社グループの将来の課税所得の見込額に基づき算出されておりますが、将来の課税見込額の変動により、繰延税金資産が変動する可能性があります。
c.のれん
当社グループは、のれんに関して効果の発現する期間を見積り、その期間で定額法により償却しておりますが、その資産性の評価について検討した結果、当初想定したキャッシュ・フローが見込めなくなった場合に、評価の切下げを行う可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績では、電力会社向けの売上は概ね好調に推移し、鉄道向け及び通信・移動体関係も堅調に推移しました。一方、官公庁向けの売上は原材料及び人件費上昇等により低調に推移しました。また、コスト低減では、グループ内での内製化促進や品質の維持・向上に成果をあげることができました。
これらの影響で当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ5.9%増収の16,709,095千円となりました。営業利益は当社グループの主要製品市場における価格競争激化等の中122.2%増益の1,220,605千円となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は特別利益37,730千円、特別損失34,822千円の計上等により677,540千円増の877,567千円となりました。
(売上高)
通信保安事業の売上高は、前連結会計年度に比べて、6.2%増収の16,329,827千円(うち、外部顧客への売上高16,248,511千円)となり、気象事業の売上高は前連結会計年度に比べて21.6%増収の551,126千円(うち、外部顧客への売上高460,584千円)となりました。
(売上原価、販売費及び一般管理費)
売上原価は、売上高の増加に伴い前連結会計年度から217,763千円増加し10,509,007千円となり、売上原価率は65.2%から2.3ポイント改善し62.9%となりました。
販売費及び一般管理費は、諸経費の削減活動を継続しましたが44,598千円増加し4,979,482千円となりました。
(営業外収益、営業外費用)
営業外収益は、前連結会計年度の187,771千円から4,444千円減少し183,327千円となっております。
営業外費用は、前連結会計年度の126,051千円から11,204千円増加し137,256千円となっております。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の200,027千円から677,540千円増加し877,567千円となっております。
③経営戦略の現状と見通し
当社グループは平成29年度に営業推進体制を大幅に見直し、以来「製品別営業推進体制」を敷いております。総合雷防護企業として原点回帰し防雷分野で知名度・実力ともに世界トップを目指し、全社員一丸となって努力をしてまいります。
なお、文中の将来に関する事項につきましては、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
キャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
④経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、収益力、有利子負債等グループの財政状況を認識し、現在の事業規模及び入手可能な情報に基づき経営資源の最も効率的な運用を行い、企業価値を最大限に高めるべく努めております。「第2事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」にも記載のとおり当社グループではめまぐるしく変化する事業環境に迅速に対応すべく、海外生産体制の強化、営業部門の強化、中国市場への進出、高付加価値製品の開発などを推進し、戦略事業については、選択と集中を更に加速していく所存であります。この結果、更に収益力の向上が図られるものと見込んでおり、その資金を開発、投資、有利子負債削減等にバランスよく配分することで安定した収益力の確保を目指します。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。