有価証券報告書-第78期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、全社員が共有する理念・行動体系である「Futaba Way」の下、Futaba哲学の「本質之直視」により、事業戦略策定から業務執行全般・モノづくりの現場に至るまで、常に本質を探究し、「なくてはならない器材・サービスを創出し、世界の発展に貢献する」ことを企業理念としています。
この理念を実現するため、「モノづくりを基軸としたソリューション」による事業領域の拡大、「製販一体」による顧客ニーズをダイレクトに商品企画や製造に反映させるとともに収益性を意識した営業展開を行い、「選択と集中」により成長市場に向けた差別化と効率化を進めています。加えて、Futabaテクノロジーを進化・融合させた「新製品開発力」により育てた芽を成長事業へ促進し、企業価値の継続的向上を図っています。
また、コンプライアンスの徹底による公正で透明性の高い経営を実践するとともに、当社グループの製品やサービスの提供により社会的な課題解決と責任を果たし、真に社会に有用な企業となることを目指して効率的な健全経営に取り組んでいます。
(2)経営環境
当社グループを取り巻く環境は、当連結会計年度において国内外の経済環境は新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、経済活動の萎縮やサプライチェーンの変化など大きな影響を受けました。
今後の状況については、米国は追加経済対策の効果で感染拡大前の水準まで回復すると見込まれ、欧州は新規感染者数の再増加に伴う経済活動制限などの影響により回復ペースは緩やかなものにとどまる見通しです。中国については回復の持続が見込まれ、その他アセアン諸国の回復はまだら模様と予想されます。日本経済においても追加経済対策やワクチン接種の諸政策による回復が見込まれており、総じて世界経済は各国の経済政策により回復が見込まれますが、新型コロナウイルス感染症ワクチンの普及遅れなどの懸念や米中関係の動向や地政学的な緊張があり、依然として先行きに不透明感があります。
当社グループの関連市場は、自動車関連については半導体等の供給不足による生産調整の問題はありますが、世界の自動車生産台数の回復を見込み、さらにコネクテッドや電動化等の技術革新と環境問題による大変革が進むと予想され、電子デバイス関連事業のディスプレイやタッチセンサー、システムソリューション製品、生産器材事業の金型用器材や成形・生産合理化関連機器の需要が見込まれます。
民生・産業機器用分野においてはまだら模様であり、国内製造業の設備投資意欲は低いものの、半導体需要に伴う設備投資増加から電子デバイス関連事業のシステムソリューション製品および生産器材事業の金型用器材や成形・生産合理化関連機器の伸びが見込まれます。
また、インフラの老朽化による検査・監視ニーズや感染症対策を含めた省人化・無人化ニーズから、IoT機器やサーボ関連機器およびUAV関連機器への需要を見込んでおります。今後も変化を続ける市場ニーズをタイムリーにとらえ、成長分野を見極めてまいります。
(3)中期経営計画と目標とする経営指標
当社グループは次々変化する経営環境に対処するため、3カ年の中期経営計画を策定しております。
① 2020年4月から2023年3月までの中期経営計画(Futaba Innovation Plan 2023)について
構造改革による収益改善とともに積極的な投資により、前中期経営計画の期間に取り組んできた新製品や新規事業の「萌芽ステージ」として、継続的な成長を確実なものにすべく取り組んでいます。
その基本方針は次のとおりであります。
「体質の改革」:事業ポートフォリオの再構築、組織再編、コスト構造改革により実現
「深化と拡張」:固有技術を進化させ、利便性の高い製品を供給し、合理化ソリューションを提供することで、新たな領域へと事業を拡張
「投資と挑戦」:積極的な投資を行い、新たな価値を持続的に創出するための挑戦を促進
具体的には「体質の改革」は、まず「事業ポートフォリオの再構築」が必要であり、モノづくり企業として培ったハードを核として、そこにソフト・サービスを組み合わせて、競争優位性のある製品を創出し事業領域を拡大するとともに、技術・製品の用途拡大による次期主力事業の創出も並行して行います。
これらの活動を推進するために撤退を含めた事業の取捨選択を行い、成長市場に向けた次期主力事業へと経営資源を集中させると同時に、生産性の改善や材料費比率低減などによる変動費比率の低減を進めるとともに、拠点統廃合などによる固定費削減で「コスト構造改革」も実行します。さらにお客様に寄り添い、対応力を強化するため製造と営業を一体化するとともに、業態の違いに応じた素早い対応を可能にするために、BtoC事業を独立させました。さらに開発した製品の事業化を加速させるために、プロジェクトを活用して組織横断的に進めるなど「組織再編」を進めています。また、社員に対しても意欲・能力のある人材を積極的に登用するよう人事制度を改革し、組織の活性化を図っています。
次に「深化と拡張」については、後述の「(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」において事業別に記載した施策のとおりであります。
なお、「投資と挑戦」は、事業ポートフォリオを再構築し、新たな挑戦を進め長期的な企業価値を向上させる新規事業に向けた戦略投資、また、利益の中核となる事業の収益性改善や生産能力強化に向けた成長投資も行っていきます。
さらに発展ステージへ向けて当社の能力を強化し、組み替えていくためにも、M&Aは適宜行っていく予定であります。
② 中期経営計画(Futaba Innovation Plan 2023)の初年度の進捗状況
当社グループは、昨年8月に公表した中期経営計画「Futaba Innovation Plan 2023」(2020年度~2022年度)により事業活動を展開し、体質改善に取り組んでまいりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響等により、前年度比で減収、赤字縮小となりました。一方、計画初年度(2020年度)目標の連結売上高460億円、連結営業損失41億円に対しては、連結売上高488億2千6百万円、連結営業損失35億1千7百万円という結果となりました。
「体質の改革」として、ハードを核にソフト・サービスへ製品開発を加速化し、市場開拓と事業領域を拡大するために、経営資源の選択と集中や製販一体で知恵を出し合える組織やBtoC事業の分離を行い、さらにやる気のある人を登用し易くする人事制度に変更しました。また、生産性の改善や拠点の統廃合、デジタル技術による業務効率改善による間接費の削減に取り組みました。
「深化と拡張」は、固有技術の進化やお客様の利便性の高い製品、役に立つ合理化ソリューションの新製品を公表し、収益性の改善や産業を下支えしなくてはならない事業として持続的成長につながる取り組みを行いました。
「投資と挑戦」については、急激に変化する経営環境に対応すべく投資判断をフレキシブルに対応できる体制としました。
③ 目標とする経営指標
当社グループは事業の収益性改善を重要課題と認識し、「Futaba Innovation Plan 2023」の最終年度(2023年3月期)には「連結売上高640億円、連結営業利益23億円(連結営業利益率4%)」を目標として取り組んでいます。
また、利益還元を経営上の最重要課題の一つと認識し、継続的かつ安定的に実施することを基本方針とし、本中期経営計画の期間中は連結配当性向30%を目安とし、安定配当としての下限を1株につき年間28円とします。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
事業別には、電子デバイス関連事業のタッチセンサーは、独自構造・工法および部品により差別化を図ることが重要課題と捉え、車内空間デザインの自由度を高めたいという市場要求を受けて、フリーデザインや3D形状タッチセンサーなど付加価値製品の量産技術の確立および安全性ニーズから衝撃を受けても飛散しにくい独自の合わせガラスを採用したカバーガラス製品の市場開拓、タッチセンサーを基軸とした顧客製品のアッセンブリーなど事業領域の拡大を図ってまいります。
また、有機ELディスプレイについては、用途別に表示用途と非表示用途の2つのカテゴリに大別され、用途の拡大を図ることが重要課題となります。とくに非表示用途は、有機ELを光源として用いる非常にコンパクトで高精細化、高速化という技術的な差別化製品により事務機器分野へ市場展開し有機EL製品の可能性を広げてまいります。表示用途は、より薄く、より軽いディスプレイという市場要求に応えるべく、低コスト構造のフィルム有機ELディスプレイを開発し、普及の拡大を図ります。また、高い視認性が求められる車載用途のディスプレイは、車載品質を確保しつつ高輝度化を進めてまいります。
続いて、システムソリューションは、コア技術の可能性をアライアンスにより拡張し、新事業領域へ展開することが重要課題で、無線製品やメカトロ製品を取り巻く市場は、IoTの普及、ロボットによる省人化、ドローンの産業利用といった要求が継続しています。この市場要求に応えるため、各種センサーを活用したモジュールによるシステム構築とサービス事業への拡充を行い、UAV、サーボは防災/救命、点検/測量などで利便性向上を目指した用途別プラットフォーム化による拡販、成長分野のエネルギー、医療関連市場への液晶モジュールの拡販や省力化ニーズ対応として「Roboservo」およびインフラの点検作業を効率化する構造物系IoTモニタリングシステムの開発および市場開拓を図ってまいります。
ホビー用ラジコン機器については、BtoCとして継続的な新商品の投入およびSNSを活用した情報の発信・収集による市場の活性化とシェア拡大を目指します。また、新たな取り組みとしてUAV/ドローンの航続距離延長を目的としたエンジン、スターター、発電機が一体となったシステム「レンジエクステンダー」を産業用途へ拡販してまいります。
生産器材事業は、高品質なハード製品を核に、ソフト・サービス分野へ進出していくことが重要課題となり、金属製品製造業の市場要求は、歩留まりや稼働率の向上、合理化といったニーズが一層高まっており、機械学習を応用したWeb受託加工サービスや遠隔監視システムのサービス化を進めてまいります。また、当社の有する無線通信技術との融合により、工作機械の稼働状況を遠隔監視する「工作機械IoTモニタリングシステム」や金型内計測IoTクラウドシステム「MMS Cloud」によるワンパッケージ化したシステムとして工程改善にかかるエンジニア不足という製造業が抱える問題の解決に貢献してまいります。
もちろん、ハードとしての製品の追求も継続し、製品や設備・装置の軽量化に寄与し、高精度加工を可能とするCFRP製切削加工用厚板プレート「フェルカーボ」の拡販や価格や納期など需要に沿った体制構築による拡販、海外は精度の高い差別化製品で市場開拓をしてまいります。
全事業においては、新型コロナウイルス感染症への対応として情報収集および感染拡大に伴う影響を最小限に止めるための対応を迅速に行っております。社員およびお客様をはじめとするステークホルダーの皆様の安全確保を最優先に考えており、テレワークやWeb営業/会議の導入、マスクの着用や衛生関連品の設置利用を徹底するなど、感染症防止のための対策を講じております。なお、新型コロナウイルス感染症の収束見通しが不透明なことから、今後とも感染拡大に伴う経済活動への影響を注視することにより、リスクや不測の事態を想定し、経営環境の変化に臨機応変に対応できる体制の構築を図るとともに、生活様式の変化に対応すべく迅速かつ的確な研究/製品開発と生産体制の構築も図っていきます。
これらの経営環境変化に迅速かつ有効に対応するためには社員が生き生きと活躍し、成長できるようにすることが必要であり、個々人が自ら考え変革し、提案力と行動力で会社組織を動かすことで、世界に誇れる成果を成し遂げられる人財育成の仕組みの充実を図るとともに、多様な人材がやり甲斐を持って働き続けることができる環境を作ってまいります。
今後も株主の皆様の負託にこたえることを経営上の最重要課題と認識し、継続的かつ安定的な利益還元を実施するとともに、コンプライアンスの浸透、リスク管理の強化に努めてまいります。
(1)経営方針
当社グループは、全社員が共有する理念・行動体系である「Futaba Way」の下、Futaba哲学の「本質之直視」により、事業戦略策定から業務執行全般・モノづくりの現場に至るまで、常に本質を探究し、「なくてはならない器材・サービスを創出し、世界の発展に貢献する」ことを企業理念としています。
この理念を実現するため、「モノづくりを基軸としたソリューション」による事業領域の拡大、「製販一体」による顧客ニーズをダイレクトに商品企画や製造に反映させるとともに収益性を意識した営業展開を行い、「選択と集中」により成長市場に向けた差別化と効率化を進めています。加えて、Futabaテクノロジーを進化・融合させた「新製品開発力」により育てた芽を成長事業へ促進し、企業価値の継続的向上を図っています。
また、コンプライアンスの徹底による公正で透明性の高い経営を実践するとともに、当社グループの製品やサービスの提供により社会的な課題解決と責任を果たし、真に社会に有用な企業となることを目指して効率的な健全経営に取り組んでいます。
(2)経営環境
当社グループを取り巻く環境は、当連結会計年度において国内外の経済環境は新型コロナウイルス感染症の収束が見通せない中、経済活動の萎縮やサプライチェーンの変化など大きな影響を受けました。
今後の状況については、米国は追加経済対策の効果で感染拡大前の水準まで回復すると見込まれ、欧州は新規感染者数の再増加に伴う経済活動制限などの影響により回復ペースは緩やかなものにとどまる見通しです。中国については回復の持続が見込まれ、その他アセアン諸国の回復はまだら模様と予想されます。日本経済においても追加経済対策やワクチン接種の諸政策による回復が見込まれており、総じて世界経済は各国の経済政策により回復が見込まれますが、新型コロナウイルス感染症ワクチンの普及遅れなどの懸念や米中関係の動向や地政学的な緊張があり、依然として先行きに不透明感があります。
当社グループの関連市場は、自動車関連については半導体等の供給不足による生産調整の問題はありますが、世界の自動車生産台数の回復を見込み、さらにコネクテッドや電動化等の技術革新と環境問題による大変革が進むと予想され、電子デバイス関連事業のディスプレイやタッチセンサー、システムソリューション製品、生産器材事業の金型用器材や成形・生産合理化関連機器の需要が見込まれます。
民生・産業機器用分野においてはまだら模様であり、国内製造業の設備投資意欲は低いものの、半導体需要に伴う設備投資増加から電子デバイス関連事業のシステムソリューション製品および生産器材事業の金型用器材や成形・生産合理化関連機器の伸びが見込まれます。
また、インフラの老朽化による検査・監視ニーズや感染症対策を含めた省人化・無人化ニーズから、IoT機器やサーボ関連機器およびUAV関連機器への需要を見込んでおります。今後も変化を続ける市場ニーズをタイムリーにとらえ、成長分野を見極めてまいります。
(3)中期経営計画と目標とする経営指標
当社グループは次々変化する経営環境に対処するため、3カ年の中期経営計画を策定しております。
① 2020年4月から2023年3月までの中期経営計画(Futaba Innovation Plan 2023)について
構造改革による収益改善とともに積極的な投資により、前中期経営計画の期間に取り組んできた新製品や新規事業の「萌芽ステージ」として、継続的な成長を確実なものにすべく取り組んでいます。
その基本方針は次のとおりであります。
「体質の改革」:事業ポートフォリオの再構築、組織再編、コスト構造改革により実現
「深化と拡張」:固有技術を進化させ、利便性の高い製品を供給し、合理化ソリューションを提供することで、新たな領域へと事業を拡張
「投資と挑戦」:積極的な投資を行い、新たな価値を持続的に創出するための挑戦を促進
具体的には「体質の改革」は、まず「事業ポートフォリオの再構築」が必要であり、モノづくり企業として培ったハードを核として、そこにソフト・サービスを組み合わせて、競争優位性のある製品を創出し事業領域を拡大するとともに、技術・製品の用途拡大による次期主力事業の創出も並行して行います。
これらの活動を推進するために撤退を含めた事業の取捨選択を行い、成長市場に向けた次期主力事業へと経営資源を集中させると同時に、生産性の改善や材料費比率低減などによる変動費比率の低減を進めるとともに、拠点統廃合などによる固定費削減で「コスト構造改革」も実行します。さらにお客様に寄り添い、対応力を強化するため製造と営業を一体化するとともに、業態の違いに応じた素早い対応を可能にするために、BtoC事業を独立させました。さらに開発した製品の事業化を加速させるために、プロジェクトを活用して組織横断的に進めるなど「組織再編」を進めています。また、社員に対しても意欲・能力のある人材を積極的に登用するよう人事制度を改革し、組織の活性化を図っています。
次に「深化と拡張」については、後述の「(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」において事業別に記載した施策のとおりであります。
なお、「投資と挑戦」は、事業ポートフォリオを再構築し、新たな挑戦を進め長期的な企業価値を向上させる新規事業に向けた戦略投資、また、利益の中核となる事業の収益性改善や生産能力強化に向けた成長投資も行っていきます。
さらに発展ステージへ向けて当社の能力を強化し、組み替えていくためにも、M&Aは適宜行っていく予定であります。
② 中期経営計画(Futaba Innovation Plan 2023)の初年度の進捗状況
当社グループは、昨年8月に公表した中期経営計画「Futaba Innovation Plan 2023」(2020年度~2022年度)により事業活動を展開し、体質改善に取り組んでまいりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響等により、前年度比で減収、赤字縮小となりました。一方、計画初年度(2020年度)目標の連結売上高460億円、連結営業損失41億円に対しては、連結売上高488億2千6百万円、連結営業損失35億1千7百万円という結果となりました。
「体質の改革」として、ハードを核にソフト・サービスへ製品開発を加速化し、市場開拓と事業領域を拡大するために、経営資源の選択と集中や製販一体で知恵を出し合える組織やBtoC事業の分離を行い、さらにやる気のある人を登用し易くする人事制度に変更しました。また、生産性の改善や拠点の統廃合、デジタル技術による業務効率改善による間接費の削減に取り組みました。
「深化と拡張」は、固有技術の進化やお客様の利便性の高い製品、役に立つ合理化ソリューションの新製品を公表し、収益性の改善や産業を下支えしなくてはならない事業として持続的成長につながる取り組みを行いました。
「投資と挑戦」については、急激に変化する経営環境に対応すべく投資判断をフレキシブルに対応できる体制としました。
③ 目標とする経営指標
当社グループは事業の収益性改善を重要課題と認識し、「Futaba Innovation Plan 2023」の最終年度(2023年3月期)には「連結売上高640億円、連結営業利益23億円(連結営業利益率4%)」を目標として取り組んでいます。
また、利益還元を経営上の最重要課題の一つと認識し、継続的かつ安定的に実施することを基本方針とし、本中期経営計画の期間中は連結配当性向30%を目安とし、安定配当としての下限を1株につき年間28円とします。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
事業別には、電子デバイス関連事業のタッチセンサーは、独自構造・工法および部品により差別化を図ることが重要課題と捉え、車内空間デザインの自由度を高めたいという市場要求を受けて、フリーデザインや3D形状タッチセンサーなど付加価値製品の量産技術の確立および安全性ニーズから衝撃を受けても飛散しにくい独自の合わせガラスを採用したカバーガラス製品の市場開拓、タッチセンサーを基軸とした顧客製品のアッセンブリーなど事業領域の拡大を図ってまいります。
また、有機ELディスプレイについては、用途別に表示用途と非表示用途の2つのカテゴリに大別され、用途の拡大を図ることが重要課題となります。とくに非表示用途は、有機ELを光源として用いる非常にコンパクトで高精細化、高速化という技術的な差別化製品により事務機器分野へ市場展開し有機EL製品の可能性を広げてまいります。表示用途は、より薄く、より軽いディスプレイという市場要求に応えるべく、低コスト構造のフィルム有機ELディスプレイを開発し、普及の拡大を図ります。また、高い視認性が求められる車載用途のディスプレイは、車載品質を確保しつつ高輝度化を進めてまいります。
続いて、システムソリューションは、コア技術の可能性をアライアンスにより拡張し、新事業領域へ展開することが重要課題で、無線製品やメカトロ製品を取り巻く市場は、IoTの普及、ロボットによる省人化、ドローンの産業利用といった要求が継続しています。この市場要求に応えるため、各種センサーを活用したモジュールによるシステム構築とサービス事業への拡充を行い、UAV、サーボは防災/救命、点検/測量などで利便性向上を目指した用途別プラットフォーム化による拡販、成長分野のエネルギー、医療関連市場への液晶モジュールの拡販や省力化ニーズ対応として「Roboservo」およびインフラの点検作業を効率化する構造物系IoTモニタリングシステムの開発および市場開拓を図ってまいります。
ホビー用ラジコン機器については、BtoCとして継続的な新商品の投入およびSNSを活用した情報の発信・収集による市場の活性化とシェア拡大を目指します。また、新たな取り組みとしてUAV/ドローンの航続距離延長を目的としたエンジン、スターター、発電機が一体となったシステム「レンジエクステンダー」を産業用途へ拡販してまいります。
生産器材事業は、高品質なハード製品を核に、ソフト・サービス分野へ進出していくことが重要課題となり、金属製品製造業の市場要求は、歩留まりや稼働率の向上、合理化といったニーズが一層高まっており、機械学習を応用したWeb受託加工サービスや遠隔監視システムのサービス化を進めてまいります。また、当社の有する無線通信技術との融合により、工作機械の稼働状況を遠隔監視する「工作機械IoTモニタリングシステム」や金型内計測IoTクラウドシステム「MMS Cloud」によるワンパッケージ化したシステムとして工程改善にかかるエンジニア不足という製造業が抱える問題の解決に貢献してまいります。
もちろん、ハードとしての製品の追求も継続し、製品や設備・装置の軽量化に寄与し、高精度加工を可能とするCFRP製切削加工用厚板プレート「フェルカーボ」の拡販や価格や納期など需要に沿った体制構築による拡販、海外は精度の高い差別化製品で市場開拓をしてまいります。
全事業においては、新型コロナウイルス感染症への対応として情報収集および感染拡大に伴う影響を最小限に止めるための対応を迅速に行っております。社員およびお客様をはじめとするステークホルダーの皆様の安全確保を最優先に考えており、テレワークやWeb営業/会議の導入、マスクの着用や衛生関連品の設置利用を徹底するなど、感染症防止のための対策を講じております。なお、新型コロナウイルス感染症の収束見通しが不透明なことから、今後とも感染拡大に伴う経済活動への影響を注視することにより、リスクや不測の事態を想定し、経営環境の変化に臨機応変に対応できる体制の構築を図るとともに、生活様式の変化に対応すべく迅速かつ的確な研究/製品開発と生産体制の構築も図っていきます。
これらの経営環境変化に迅速かつ有効に対応するためには社員が生き生きと活躍し、成長できるようにすることが必要であり、個々人が自ら考え変革し、提案力と行動力で会社組織を動かすことで、世界に誇れる成果を成し遂げられる人財育成の仕組みの充実を図るとともに、多様な人材がやり甲斐を持って働き続けることができる環境を作ってまいります。
今後も株主の皆様の負託にこたえることを経営上の最重要課題と認識し、継続的かつ安定的な利益還元を実施するとともに、コンプライアンスの浸透、リスク管理の強化に努めてまいります。