有価証券報告書-第91期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/26 11:37
【資料】
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【項目】
107項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成27年6月26日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成しております。連結財務諸表の作成に当たっては、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に関して、必要な見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断には不確実性が伴うことから、実際の結果は見積り及び判断と異なる場合があります。
① 繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当金を計上しております。評価性引当金の必要性を判断するに当たっては、将来の課税所得等の慎重な見積りを行い検討しますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来実現できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、計上金額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合、繰延税金資産への調整により当該判断を行った期間に利益を増加させることになります。
② 退職給付引当金
当社グループでは確定給付企業年金制度、確定拠出年金制度及び退職一時金制度を採用しており、退職給付費用及び退職給付債務は数理計算に使用される前提条件に基づいて算出しております。その前提条件には、割引率、退職率、死亡率、昇給率及び年金資産の期待運用収益率等の重要な見積りが含まれております。
実際の結果が前提条件と異なる場合や前提条件が変更された場合、その影響は数理計算上の差異として把握され、将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
③ 工事損失引当金
当社グループは、受注工事に係る将来の損失に備えるため、手持ち受注工事のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることができる工事について、損失見積額を工事損失引当金として計上しておりますが、当初予想しえなかった見積りを超える追加原価等により損失が発生した場合、追加の引当が必要となる可能性があります。
(2) 財政状態及び流動性の分析
① 財政状態の分析
(資 産)
当連結会計年度末における資産の残高は、前連結会計年度末に比べ12億41百万円増加し205億13百万円となりました。
これは流動資産の増加12億11百万円によるもので、主に次年度売上対応分の仕掛品等が増加したことによります。
(負 債)
当連結会計年度末における負債の残高は、前連結会計年度末に比べ18億73百万円増加し111億88百万円となりました。
これは主に、売上の増加に伴う支払手形及び買掛金が9億31百万円増加し、工事損失引当金が3億48百万円の増加及び未払法人税等が3億19百万円増加したことによります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ6億31百万円減少し93億24百万円となりました。
これは主に、当期純利益による増加が1億28百万円あったものの、退職給付会計制度の改正により期首において利益剰余金が6億27百万円減少したことによります。
② キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末の42億10百万円から2億79百万円増加し44億89百万円となりました。これは営業活動によるキャッシュ・フローでは、たな卸資産等の増加による資金の減少があったものの、仕入債務等の増加により14億9百万円の資金が増加し、投資活動によるキャッシュ・フローでは、主に固定資産の取得で10億25百万円支出し、財務活動によるキャッシュ・フローでは、配当金の支払い等により1億5百万円支出したことによるものです。
(3) 経営成績の分析
当連結会計年度における売上高は、CATV及び公共工事等のネットワーク保守工事が大きく減少したもののリモート計測装置の売上が大幅に増加したため、前期より9.9%増の252億92百万円となりました。
当連結会計年度における営業損益は、売上高の増加に伴い、前連結会計年度より1億82百万円増加し4億65百万円の営業利益となりました。
当連結会計年度における経常損益は、前連結会計年度より2億3百万円増加し5億12百万円の経常利益となりました。
当連結会計年度における当期純損益は、子会社において減損損失2億9百万円を計上したため、前連結会計年度より1億54百万円減少し、1億28百万円の当期純利益となりました。
(4) 経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループは電力会社、官公庁及び大手メーカー等の顧客へ、製品あるいは工事等のサービスを長年に亘って提供してまいりました。工事関連の事業につきましても、電力会社及びその関連会社へのサービス提供が主であり、規模としては底堅く当社グループの業績を下支えしてまいりました。当社グループの主要顧客である電力会社の設備投資計画は、東日本大震災の経験を得て、通信インフラの耐災害性強化、エネルギー制約の克服やCO2削減にも繋がるエネルギー効率化へ向けた新規投資、また、ユビキタス、安心・安全社会に向けての情報ネットワークの高度化など、顧客のニーズに貢献できるものと考えております。従来以上にこれら顧客との関係を強化し、顧客ニーズの的確な把握と提案活動を進めることにより、安定的な収益力の維持・拡大を図ってまいります。