訂正有価証券報告書-第91期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/07/09 9:58
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【項目】
107項目

対処すべき課題

当社グループの属する情報通信機器業界は、産業の空洞化に伴う国内工業生産の減少などにより、投資は縮小傾向にあるものの、東日本大震災等の経験を経て、通信インフラの耐災害性強化、エネルギー制約の克服やCО2削減にも繋がるエネルギー効率化へ向けた貢献が期待されております。また、高度な通信インフラの普及とそのネットワーク接続端末の多様化・高機能化が進み、これらの利活用面での発展による安全・安心・便利な社会を支えるための新規通信需要創出の流れは、今後、ますます進展し、更に通信機器分野の枠を超えた新しいビジネスモデルも出現してくるものと予想されます。
当社グループといたしましては、こうした環境変化に対応して、安定的な収益基盤の再構築を図るとともに、成長分野に向け、引続き以下の具体的施策の展開を推進してまいります。
(1) 経営戦略
当社グループは、大井電気㈱及びオオイテクノ㈱が主に情報通信機器製造販売事業を、日本フィールド・エンジニアリング㈱及び日本テクニカル・サービス㈱が主にネットワーク工事保守事業を営んでおります。各社の自立経営を基本としつつ、グループ間でのシナジーを発揮することで、グループ全体での事業規模・利益拡大を図ってまいります。
各セグメントの経営戦略は以下のとおりです。
(情報通信機器製造販売)
情報通信機器業界は、事業環境の変化が激しく、特に成長分野においては競争が激化する傾向にありますが、将来を見据えた研究開発・人材育成を着実に推進すると共に、コスト競争力の強化に取り組むことで、中長期的な事業規模の拡大・利益成長を目指してまいります。
社会インフラ(電力、鉄道、官公庁、通信キャリアなど)向けの情報通信機器については、基盤事業におけるシェアの拡大を図るとともに、スマートグリッド・スマートメーター関連事業など昨今のエネルギーインフラの多様化・効率化ニーズに対応した事業やIoT、防災、エネルギーマネジメントシステム関連事業など社会的なニーズの高い新規事業に積極的に取り組んでまいります。
(ネットワーク工事保守)
ネットワーク工事保守業界においては、スマートグリッド関連や防災関連など事業機会自体は拡大の方向にありますが、一方で価格競争は近年益々激化する傾向にあり、価格対応力の強化が大きな課題となっております。
こうした厳しい環境下でありますが、長年培ってきた、保守・工事におけるノウハウ・技術力を生かし、また価格対応力を強化することで、着実に事業規模の拡大・利益成長を目指して取り組んでまいります。
(2) 経営体質の強化
当社グループは、電力会社・官公庁等の事業の関係から下半期に売上計上が集中し、また、顧客の調達方針の変化等が業績に与える影響も大きいことから、生産性向上活動の推進や事業性を吟味した設備投資など、収益規模変動に柔軟に対応できる経営体質を確保してまいります。
(3) 企業価値向上に向けた取組み
コア技術や将来方向を見据えた人的資源の配置と人材育成に努めるとともに、環境等の社会的責任課題に対して、全体最適の観点から企業価値向上に取り組んでまいります。
(コンプライアンス)
当社は、平成27年5月に電力会社が発注する電力保安通信用機器についての受注に関する独占禁止法違反の疑いで公正取引委員会の立入調査を受けました。当社はこの事実を厳粛に受け止め、当局の調査には全面的に協力するとともに、法令順守の一層の徹底に努めてまいります。