有価証券報告書-第96期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/26 13:34
【資料】
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【項目】
131項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
azbilグループは、「人を中心としたオートメーションで、人々の安心、快適、達成感を実現するとともに、地球環境に貢献する」というグループ理念を掲げ、この理念の実践を通して、azbilグループならではのユニークな企業集団として存続・発展することを目指しています。このため、長年培った計測と制御を中核とした技術とリソースを活かし、安全・安心で高品質・高付加価値の製品・サービスを組み込んだソリューションをお届けすることでお客様の課題解決に貢献します。
私たちは、上記のグループ理念のもと、中長期的な視点に立って、ビルディングオートメーション(BA)、アドバンスオートメーション(AA)、ライフオートメーション(LA)の3つの事業分野でグループ一体となった経営を展開し、企業価値の向上・最大化に取り組むことで株主の皆様・お客様・従業員・取引先・地域社会の皆様等、全てのステークホルダーのご期待に応えるとともに、持続可能な社会の実現に向け先進的な役割を果たしてまいります。
(2)経営戦略等
当社は、「人を中心としたオートメーション」すなわち、人を中心に据え、人と技術が協創するオートメーション世界の実現に注力し、お客様の安全・安心や企業価値の向上、地球環境問題の改善等に貢献する世界トップクラスの企業集団になることを長期目標と設定、段階的に中期経営計画を立案し、この目標達成に向けた取組みを行ってまいりました。
これまでは、オートメーションに焦点をあてつつ単一市場への過度な集中を避け、異なる市場構造を持つBA/AA/LAの3つの事業分野から成る複合的な事業ポートフォリオの構築を進め、顧客開拓やシナジー等による事業領域の拡大に取り組んでまいりました。これらの事業領域には、既存の製品・サービスの提供では持続的な成長の実現が厳しくなってきている成熟領域もあれば、IoTやAIといった新たな技術革新に伴い、急激に変化している領域もあります。基盤を確たるものとし、企業としての存続を確かなものとする取組みを継続するとともに、更なる成長を実現するため、国内外の事業機会の変化を的確に捉え、事業創造の視点から「商品と顧客現場の連携」によるソリューション提案力の向上に取り組み、グローバルでの顧客や社会の長期パートナーとして、azbilグループならではの価値の提供を実現してまいります。
中期経営計画(2017年度~2019年度)においては、事業構造改革並びに体質強化に取り組むとともに、以下の3つの基本方針を堅持し、その効果を最大化してまいります。
1) 技術・製品を基盤にソリューション展開で「顧客・社会の長期パートナー」へ
2) 地域の拡大と質的な転換で「グローバル展開」
3) 体質強化を継続的に実施できる「学習する企業体」を目指す
さらに、長期的視点から、事業変化に対応し、持続的な成長を実現できるように、IoTやAIの活用へ向けた投資も進めてまいります。
以上の取組みにより、世界水準の総合オートメーションメーカとして、企業と社会の持続可能な発展を目指し、グループ経営資源の最適かつ効率的な活用により、社会・環境・経済へ積極的に貢献するCSR経営を実行してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
azbilグループは、株主重視の方針に基づき、株主価値増大に向けて連結ROE(自己資本利益率)の向上を基本的な目標としており、収益性と資本効率の向上を通して2021年度をゴールとした長期目標として、営業利益300億円以上、売上高3,000億円規模、ROE10%以上を目指しております。
また中期経営計画の最終年度である2019年度は、グループ全体でのシナジーにより、グローバルで技術・製品・サービスを基盤とした事業を活性化・伸長させることで、営業利益250億円、売上高2,700億円を目指してまいります。
(4)経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
azbilグループは、事業の中長期的な発展を確実なものとし、企業価値の持続的な向上を図ることで、株主の皆様をはじめとするステークホルダーの皆様のご期待にお応えしていきたいと考えております。このため、azbilグループとして「人を中心としたオートメーション」の理念に基づく長期目標を設定し、この目標達成に向け、3つの事業軸(BA事業、AA事業、LA事業)において技術・製品を基盤に、ソリューション展開で「顧客・社会の長期パートナー」となること、地域の拡大と質的な転換で「グローバル展開」を進めること、さらにその具現化に向け「学習する企業体」へと組織的な変革を進めることの3つを基本方針として掲げ、事業拡大へとつなげることのできる事業体質への変革を進めてまいりました。しかしながら、会社を取り巻く内外の状況や急速な環境変化を考えると、更なる継続的な成長のためには、これまでの延長線上の事業運営では十分とは言えないため、国内外とも事業単位での構造・体質改革、先進的なグループ開発・生産体制の構築や技術革新(IoT、ビッグデータ、AI、ロボット等)に対応した技術・製品開発等の取組みを一層、加速して推進いたします。さらに、コーポレート・ガバナンス強化に継続して取り組むとともに今後も経営資源を有効かつ戦略的に配分し、これらの取組みの加速・定着を図ることで、持続的な成長を目指します。
① 3事業とも国内では成熟産業に位置しますが、置かれている環境は事業毎に大きく異なります。BA事業は首都圏での再開発に伴い拡大する需要を着実に捉えるため、人的リソースの効率的・計画的な配分を進め、継続的な人員異動・教育や業務形態の変革を含む体制整備を行い、働き方改革を総合的に進めることで適正な労働時間でジョブ遂行が行える体制の更なる強化も進めております。また、オープン化をさらに加速し、既存のシステムとの結合性を高め、ジョブ効率を飛躍的に高める次世代ビルディングオートメーションシステム「savic-net G5」を導入いたしました。これにより、お客様の事業展開のステージに合わせて継続的な価値提供を行うとともに、先進のビル向けクラウドサービスを組み合わせることで、新たな設備管理、企業経営支援を提案してまいります。AA事業は、多岐にわたる市場から、今後の成長と付加価値提供が見込める領域を選択・集中することにより成長を図るとともに、顧客ニーズや市場環境に合わせた特長ある事業モデル創出による高収益体質への変革を継続いたします。半導体製造装置向けに販売を開始した、従来では困難であった30mL/min以下の微小液体流量計測を可能とする新製品熱式微小液体流量計「F7M」を用いた薬液添加の制御ソリューションはこうした取組みの一つです。LA事業では、水道・各種ガスメータのIoT対応を進めております。LPガス市場においては、様々な通信に柔軟に対応できる新型のLPガスメータ「K-SMα」を導入し、新技術「LPWA」※1を活用したIoTによる検針値の計測やビッグデータを活用した配送合理化等の実証事業を開始し、新たな事業領域の展開に向けた準備を進めております。このような事業環境の変化に合わせ、azbilグループ内のリソース配分の最適化を継続して実施し、事業プロセスや業務構造の改革を迅速に進めるための、学習する企業体のコンセプトに基づいた新たな人事制度・育成体系を導入し、成熟領域における確実な事業機会の創造と同時に、新製品や新技術の導入により新たな成長事業領域への更なる展開を目指します。
※1 LPWA:Low Power Wide Areaの略。従来よりも圧倒的に少ない電力で長距離通信が可能になる無線通信技術で、IoTでの活用が期待されています。
② 海外市場におきましては、事業成長と収益拡大を支える更なる事業基盤強化策の一つとして、各国や地域の市場環境に対応し、付加価値の高い特長ある新製品・ソリューションを継続的に強化し、グローバルでの事業拡大を目指します。特に、国をまたがる事業が拡大している東南アジア地域においては、事業支援及び事業管理の一元化を通じて、同地域における更なる事業成長を図ることを目的として、シンガポールに「東南アジア戦略企画推進室」を開設しました。今後、同地域での横断的な事業推進・戦略企画・経営管理機能を担ってまいります。海外における事業毎の展開につきましては、BA事業は、アジア市場でのシェア拡大に向け、昨年リリースした次世代ビルディングオートメーションシステム「savic-net G5」と日本の最新省エネ技術の導入により、商業ビル市場において大型プロジェクト等への提案を強化するとともに、ライフサイクル型事業の強化を図ります。AA事業は、国内と同様に強いオートメーション領域の開拓・深耕により成長を加速させます。具体的には、販売力の強化に加えて、競争力のある製品を軸としたソリューションを展開し、さらにIoTを活用したお客様の設備の診断などライフサイクルにわたるサービスを組み合わせることで、一層の成長に取り組んでまいります。また、LA事業は、ライフサイエンスエンジニアリング領域を担当する欧州のアズビルテルスター有限会社における事業構造改革を進め、プロジェクト管理体制の強化等により収益性の改善に取り組んでまいりました。今後、新たな成長戦略を策定しその早期実現を進めてまいります。以上に加えて、azbilグループの海外子会社における経営管理面におきましても、引き続き各社の堅確な体制構築とグループ・ガバナンスの強化を進めてまいります。
③ azbilグループの事業拡大に向けて、グループ生産体制を再編し、商品力強化に向けて開発リソースの集約・強化を進めてまいります。国内は神奈川県下にある生産機能を湘南工場に集約し、グローバルでの事業展開をリードするazbilグループのマザー工場として建設・再編を進めています。また、タイ工場や中国大連工場での生産能力をさらに拡大し、部材の海外調達の拡大と併せて、製品のコスト競争力をより高めるとともにグローバルでのお客様対応や物流の最適化を進めてまいります。研究開発においては、モノと情報の融合による産業構造変革への事業展開のため、技術革新(IoT、ビッグデータ、AI等)に対応した商品・サービスの研究開発投資を継続して行い、お客様の工場・ビル運営等においてより企業経営に近いビジネス・プロセスに関わる新たなオートメーション領域の事業開拓を推進いたします。また、独自の計測制御技術を活かした力覚※2と視覚機能を持つ次世代スマートロボットを開発し、従来のロボットでは困難であった、例えば豆腐のような柔らかな物体を掴む動作や瞬時停止などの安全機能を実現することにより、人とロボットが共存する人協調型という新たな分野での利用を探索してまいります。
※2 力覚:物に触れたとき、物から受ける抗力についての感覚
④ グループ経営の推進とガバナンス体制の充実を推進するとともに、リスク管理(品質・PL、防災・BCP、情報)、コンプライアンス(企業倫理・法令遵守)、人を重視した経営、地球環境への貢献及び社会貢献を重点取組み領域として、azbilグループをあげてCSR経営の推進に継続して取り組んでおります。特に経営の公正性、中立性及び透明性を高めるべく、コーポレートガバナンス・コードへの対応を進めながら、持続的な成長と中長期的な企業価値向上に資するよう、全てのステークホルダーの皆様との間で建設的な対話を進めるための体制整備を積極的に進めております。azbilグループは、これまでも社会の持続的発展に貢献する取組みを継続しており、2017年度は、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)が選定した3つのESG(環境・社会・ガバナンス)指数※3の構成銘柄にも選定されております。また、アズビルは、創業者の想いを進化させ「人を中心としたオートメーション」というグループ理念を制定しております。この理念にもとづく経営を推進することにより、国連が定めたSDGs(Sustainable Development Goals-持続可能な開発目標)に継続的に取り組んでまいります。
※3 3つのESG指数:FTSE Blossom Japan Index、MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数、MSCI日本株女性活躍指数(WIN)

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