有価証券報告書-第104期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/19 11:44
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<戦略>当社グループは、働き方改革とダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(以下、「DEI」といいます。)の推進を両輪とする、多様な社員が健康で活き活きと能力を発揮するための総合的な取組みを「健幸経営」と定義し、社員が働きやすい環境を整備しています。また、人材育成の専門機関であるアズビル・アカデミー※10を中心に各事業と連携した人材育成を進めるなど、長期目標・中期経営計画達成に向けて、azbilグループらしい事業モデルを通じた事業伸長のための人材投資を進めることで、人的資本を強化しております。
※10 アズビル・アカデミー:「学習する企業体」への変革を目指し2012年に設立された人材育成の専門機関の呼称
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《azbilグループらしい事業モデル強化への人的資本投資》
当社グループは、長年にわたって構築した幅広い顧客基盤(工場、商業ビル、ライフライン)との強い関係に基づく「基盤事業」及び、半導体等の技術革新やカーボンニュートラルのような社会課題対応を新たな事業機会と捉えた「成長事業」で事業を拡大してまいります。成長事業では、地域の拡大(海外市場)、競争優位性の拡大(商品力強化)に注力します。成長事業で顧客基盤を拡大し、基盤事業で持続性、収益性を向上する、成長事業⇒基盤事業⇒成長事業というサイクルを回すことにより、「進化」と「共創」を通じて持続的な事業の拡大を目指します。
これらazbilグループらしい事業モデルを推進・強化するために、新卒120人以上の採用に加え、必要なリソースとしての人材要件を整理し、年間50名以上のキャリア採用を実現するために、リファラル採用やアルムナイ採用等の採用手段も含めて活動することで即戦力の強化を図るほか、事業戦略に資する人材を育成していくなど、人的資本投資を進めています。
最先端の新商品・サービスを展開する「成長事業」としては、BA事業における再エネ活用等のGXソリューション等、AA事業のFA半導体製造装置市場等向けMEMSセンサ等、LA事業ではスマートメータリングサービス等があります。それぞれ新たな課題解決のため国内外に通じた先端技術開発が必要であり、タレントマネジメントシステムを活用した技術者の育成と最適配置、専門人材の採用、大学や研究機関との共同研究・開発、及び共同研究先への派遣等による育成強化を図るほか、カーボンニュートラルを実現するエンジニアの育成に向けて、エンジニアリング力と再生可能エネルギーに関する知見を一層高めるため、提携企業との人材の相互交流を通じた育成を進めています。
長年にわたって蓄積した「基盤事業」では、DX活用等により、持続的に収益性向上が可能であり、ネットワークを活用した高付加価値サービスを提供していくにあたってDXによるエンジニアリング・サービス力の強化、グローバル人材の強化を行っています。資格取得奨励制度を通じて公的に技能・知識の認定を受けたエンジニア、社内認定制度をクリアした技術プロフェッショナルやマイスターがエンジニアリング力強化をリードするとともに、これまで蓄積したスキル・ノウハウを、DXによる仕組みも活用して技術継承しています。また、事業戦略と連動した人材育成を進めるため、各事業部門と連携し、リスキリングに注力しております。生産からエンジニアリング、サービスメンテナンス、これらを支えるスタッフ部門など幅広い領域において、LMS(Learning Management System)を活用したDX教育など各職種のアップスキリングとともに役割変化に対応するリスキリングを推進していきます。当社グループらしい事業モデルの強化に向けて、1)人事制度改革と人材確保 2)キャリア自律の人材育成 3)社員のエンゲージメント向上の3つの柱で人的資本を強化していきます。
1)人事制度改革と人材確保
人事制度においては、2018年度に「永続的な人材の育成」「人材の能力発揮の最大化」「社員の生活の充実と人材の確保」をコンセプトとして人事制度改定を行い運用してきましたが、その後の会社を取り巻く環境変化や個人のニーズの変化を捉え、2025年4月に人事賃金制度の更なる改定をしました。様々な環境変化の中で当社グループの「変革」「進化・共創」とその先の「成長」に向けて、人材の確保と定着を図るとともに、全社員が自律的に、働きがいをもって活躍し能力発揮を最大化することを目指した改定としたものです。具体的には「報酬水準の引き上げ」「特定の職種に特化した手当の新設」を行うほか、定年退職年齢を現行の「60歳」から「62歳」へ引き上げました。
基盤事業の強化に加え、成長事業に資する人材確保に向けては、キャリア採用枠を拡大し、リファラル採用やアルムナイ採用等の採用手段も含めて活動することで即戦力となる人材の補強を行っています。また、新卒採用においても、若手の柔軟な発想で組織に新しい風を吹き込むことを期待し、新たなソリューション創出に長けた人材を「イノベーション人材」と定義し、従来の採用基準にとらわれない独自の選考を実施しています。また、海外で活躍する人材の量的拡大に向けては、留学生の採用だけでなく海外キャリアフォーラムに参画して日本企業の就職を志望する海外大学生の採用等、グローバル人材の採用に力を入れています。
今後も社員の納得感を高める、職種や職務特性に応じた人事制度、より優秀な人材の確保に向けた成果に正しく報いる、フェアでメリハリある制度等を志向し優秀な人材の確保とその活躍を促してまいります。
・人的資本に関係する各数値は、「azbil ESGデータブック(https://www.azbil.com/jp/ir/library/esg/index.html)」に公開しております。
2)キャリア自律の人材育成
当社グループの持続可能な社会へ「直列」に繋がる事業活動を継続していくために、2008年に制定した「人材育成の基本理念」に沿って、「①仕事のプロとしてチームワークで協働」、「②一流を目指す強い意欲と挑戦」、「③高い志と倫理観、国際感覚」を求める人材像に掲げ、「学習する企業体」としての取組みを進めています。
《人材育成の基本理念》
1.azbilグループ成長の源泉は人材であり、人材の成長なくしてazbilグループの成長はありえない
2.そのため、社員力と組織力の最大化を目指して、
個人:自己の成長、能力開発に最大の責任を持つ
上司:職場における部下の能力開発に責任を持つ
会社:公平な機会提供を通じ個人と組織を支援する
2012年アズビル・アカデミー設立以降、全社共通研修や、新入社員から5年次までの年次別研修、管理職登用までの職位別・階層別研修といった一斉研修に加え、DEI、DX人材、グローバル人材の育成を目的とした選抜研修を通じて、マインドセット及びスキルの習得・向上を支援してきました。さらに、メンタープログラム、社内インターン、プロフェッショナル・マイスター制度等のキャリア開発支援や、学びのプラットフォームの拡充に取り組むことで、基盤事業の持続的な成長と収益性向上を支える人材の輩出を進めています。
2025年度は中期経営計画で掲げている「キャリア自律の人材育成」の視点でキャリアプランセミナーの対象年齢の拡大、年次別・階層別研修の挙手制による自主選択型研修の拡充、外部eラーニングのコンテンツ充実等を進めてまいりました。
DX人材育成では、2025年に実施したDXアセスメントの解説イベントやDXマインド醸成のためのイベントを「DXの日」と称して開催しました。それらを通じて、DX人材の育成の促進を継続しています。また、グローバル人材育成では、国内外グループ会社問わず、対面やオンラインでの学びの場の提供及びインフラの整備・拡大を進めています。近年、継続的に採用している外国籍社員向けに日本語学習を支援する制度も立ち上げました。
3)社員のエンゲージメント向上
当社グループでは、2019年の「azbilグループ健幸宣言」において、会社とそこで働く社員が協働し、快適で働きやすい職場環境づくり、心身の健康づくりに積極的に取り組むことを宣言しております。多様な人材が各々の社会的、身体的特徴、思想や価値観の違いを認め合い、活躍する機会を尊重し合いながら能力を最大限に発揮できる環境づくりを進めています。
《azbilグループ健幸宣言》
azbilグループは、社員ひとりひとりの健康が企業活動の重要な基盤であるととらえ、会社で働くすべての人々が安心・安全で、快適に、活き活きと、自分らしく健やかに働き、それぞれが持つ多様な能力を発揮し、公私ともに充実した人生を送ることが、生産性や業績の向上、イノベーション、社会への貢献につながると考えています。健幸な「働きの場と人」を創るために、会社とそこで働く社員が協働し、快適で働きやすい職場環境づくり、心身の健康づくりに積極的に取り組むことを宣言します。
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a. 健幸経営の推進
当社グループでは人材を「資本」として捉えており、「社員は重要な財産であり、新たな企業文化と企業価値の創造の源泉である」という普遍の考え方のもと、働き方改革とDEIの推進を両輪とした「健幸経営」を進めています。
これらの取組みが評価され、当社は経済産業省より「健康経営優良法人2026(ホワイト500)」に認定されました。2018年以降9年連続で「健康経営優良法人」に選定され、ホワイト500についても5年連続の認定となっています。詳細については、2026年3月26日付リリース(https://www.azbil.com/jp/news/260326.html)をご覧ください。
b. 働き方改革から働きの創造へ:働きやすい環境整備
社員が活き活きと自分らしく働くことができる環境の実現には、快適で働きやすい職場環境が必要との考えのもと、新型コロナウイルス環境下における在宅勤務を起点として、これまでの「働き方改革」を「働きの創造」(働く環境の整備と学習する機会の提供)へと発展させ、各取組みを推進しています。ハイブリッド勤務(在宅並びに出社やリモート勤務を組み合わせて働くこと)の導入や、新しいオフィス環境を社員に提供しています。加えて、社員一人ひとりの繋がりを高める様々なコミュニケーション施策(社長他経営層が自ら国内外の当社グループ社員と対談を行う機会を設け、自由闊達な双方向でのコミュニケーションを行うとともに、その内容を社内ホームページ等で共有することで繋がりを高めているほか、社内コミュニケーションツールの充実やメンター制度、短期の他部署へのインターン制度等)の取組みを進めることで、組織の横断的な交流と学びを促しています。2025年には、大阪・関西万博のテーマウィークに協賛し、若手社員を主体としたプロジェクトの活動を実施しました。これにより、当社で働く価値を知り、オートメーション事業の未来の展望についての議論を深める機会となり、社員エンゲージメントの向上へと繋げました。
c. DEIの推進
DEIの推進にあたっては、多様な背景を持つ社員一人ひとりが互いの個性を尊重し、それぞれの能力を十分に発揮することが成長の原動力であると考えています。この考えのもと、2017年度に「アズビル・ダイバーシティ・ネットワーク(ADN)」を発足させ、DEIの取組みを積極的に推進してきました。
当初、ADNの活動対象者を女性社員としていたのを、2021年度からキャリア採用者や外国籍社員等、多様な人材へと拡大しています。ADNの活動を通じては、多様な社員の組み合わせから会社への様々な提言がなされており、これらを具現化する取組みを進めています。あわせて、執行役員常務以上がメンターとなり、部長クラスの女性を対象に1対1でキャリア相談を行うなど、次期幹部候補の育成にも注力しています。
2025年度からは、従来のダイバーシティ&インクルージョンの考え方に「Equity(公平)」を加えた「DEI」へと発展させ、これまで以上に働きやすい環境を整えることで、中核人材として活躍する多様な社員の輩出に繋げ、社員エンゲージメントの更なる向上を図っています。
0102010_018.jpgd. 社員のエンゲージメント向上に向けたインセンティブ施策
当社では、社員一人ひとりが“企業価値向上”を意識して日々の“働き”を創造し、企業理念を実践することにより、会社とともに自己成長、発展していくことを期待し、株式給付制度をエンゲージメント向上の重要施策として位置付けています。退職後の生活の一助とするとともに、在職中から企業価値向上への意識を高めることを目的として、社員には「株式給付制度(J-ESOP)※11」を適用しています。2025年4月からは、在職中から譲渡制限付株式(退職時に譲渡制限を解除)を付与する「株式給付制度(J-ESOP-RS)」へと改定しました。本制度により社員は在職中から当社の株主となり、議決権の行使及び配当金の受領が可能となっています。
あわせて、同じく会社と社員が一体となって業績向上に努めることで、社員の長期的な資産形成の一助となることを目的とした「社員持株会」及び社員持株会を通じて中長期的な企業価値向上時のメリット付与を行う「信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)※12」を導入しています。「信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)」には、2022年5月の導入時以降、社員持株会への加入が着実に増大している状況を踏まえ、株式の取得価額を約48億円から約65億円に引き上げ、2025年5月に制度拡張して再導入しました。これにより、社員持株会に加入する社員は、拠出金額に対する10%の奨励金に加え、株価上昇時に追加のインセンティブを継続的に享受できる仕組みとなっています。このように、社員が自社株を保有することで、会社のオーナーの1人という意識を高め、制度への理解と浸透を図ってきました。今後も、自社の成長や業績、さらには企業価値向上への関心が一層深まり、社員一人ひとりの主体的な行動に繋がることを期待しています。
株式給付制度及び信託型従業員持株インセンティブ・プランの各制度の内容については、「第4 提出会社の状況 1 株式の状況等 (8)役員・従業員株式所有制度の内容」に記載しております。
※11 J-ESOP:社員に対し個人の貢献度等を勘案して計算されるポイントを付与し、一定の条件により受給権の取得をしたときに当該付与ポイントに相当する当社株式を給付する制度。
※12 E-Ship:予め信託設定した期間(3年)にわたり持株会が取得すると見込まれる数の当社株式を信託が予め取得し、その後、信託から持株会に対して継続的に当社株式の売却が行われるとともに、信託終了時点で従持信託内に株式売却益相当額が累積した場合には、当該株式売却益相当額が残余財産として受益者適格要件を満たす者に分配される制度。
新たな社員株式給付制度(J-ESOP-RS)
会社価値共有によるWell-beingへ
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