有価証券報告書-第115期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
① 概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出が弱含み、製造業を中心に弱さが一段と増した状態が続いた中、感染症の拡大が経済活動へ大きく影響したことにより、当第4四半期連結会計期間において大幅に下押しされ、厳しい状況となりました。
世界経済は、米国では景気の回復が続き、欧州では弱い回復となりましたが、アジアでは緩やかに減速、中国では減速しました。しかしいずれの地域においても、感染症の影響により、当第4四半期連結会計期間において経済活動が抑制され、景気は下押しされました。
以上のような事業環境のもと、当社グループの売上高は、自動車の世界的な生産台数の減少、感染症による減産や生産活動の一時停止、並びに主に中国元の為替の影響により、減収となりました。また営業利益は、売上高の減少に加え、過去の品質問題に関わる費用について、当初の見込みを上回る額を計上したことにより、減益となりました。
その結果、当連結会計年度における、売上高は3,916億2千2百万円(前期比9.8%減)、営業利益は248億3千3百万円(前期比54.0%減)、経常利益は300億3千4百万円(前期比50.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は185億5千万円(前期比53.9%減)となりました。
経営上の目標の達成状況を判断するための指標は、次のとおりであります。
(注) 2020年3月16日開催の当社取締役会決議に基づき、2020年4月1日から2020年4月24日までに実施した合計19億9千9百万円の自己株式取得は、2020年3月期の連結総還元性向に含めて算定しております。
2020年に「スタンレーグループ第3長期経営目標」を策定し、その中で、3ヶ年毎に経営計画の指針を示しております。
2020年4月~2023年3月の「第Ⅶ期中期3ヶ年経営計画」では、世界の優良企業を目指し、ROE15%を目標に設定しております。
当社グループのROEは、2008年3月期15.3%以後、米国に端を発した世界経済の急激な減速の影響を受け、2009年3月期は6.5%となり、継続的に企業価値を向上する取り組みを行ったものの、過去の品質問題に関わる費用について、当初の見込みを上回る額を計上したことにより、2020年3月期は5.1%となりました。引き続きROEを意識し、スタンレーグループのあらゆるビジネス・プロセスの機能が、「ものづくり」に対して価値を提供し、目標達成に向けグループ全体の総合力を最大限に発揮してまいります。
また、当社は、安定した配当の維持及び適正な利益還元を基本としており、連結配当性向20%以上、自己株の取得を含めた総還元性向は、連結で35%以上を目標としています。利益還元策として、毎年、自己株式の取得及び消却を実施しており、その結果、2020年3月期の連結配当性向は39.4%、連結総還元性向は66.4%となりました。今後も継続的な安定した配当の維持、適正な利益還元を実施していきます。
② 売上高及び営業利益について
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
第2四半期連結会計期間から、自動車機器事業に含まれていたアクセサリー&パーツ製品について、事業区分を見直し、コンポーネンツ事業へ変更いたしました。以下の前期比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
自動車生産台数は、日本と米州は微減、欧州、アジア、中国では減少となり、世界全体として減少となりました。二輪車生産台数は、米州、欧州、中国で増加となったものの、日本、アジアで減少となり、世界全体として横ばいとなりました。
このような市場環境のもと、当社グループの自動車機器事業の売上高は、日本、中国における一部車種の新車効果一巡や量産開始時期変更などの影響による自動車用ランプの減少、主に中国元の為替の影響、並びに感染症の拡大によって武漢をはじめとする中国生産拠点の稼働が著しく低下した影響を受け、減収となりました。また営業利益は、売上高の減少に加え、過去の品質問題に関わる費用について、当初の見込みを上回る額を計上したことにより、減益となりました。
その結果、当連結会計年度における自動車機器事業の売上高は3,094億7千万円(前期比11.0%減)、営業利益は50億7千9百万円(前期比83.7%減)となりました。
コンポーネンツ事業(主な製品:LED、液晶等)が関連する、LED照明市場は増加となったものの、情報通信市場は横ばい、車載市場、AV市場、及び遊技市場は減少となりました。
このような市場環境のもと、当社グループのコンポーネンツ事業は、世界の自動車生産台数が減少した影響で、車載インテリア用LED、液晶、及び自動車電球が減少したことにより、減収減益となりました。
その結果、当連結会計年度におけるコンポーネンツ事業の売上高は448億8千5百万円(前期比8.2%減)、営業利益は65億6千万円(前期比18.1%減)となりました。
電子応用製品事業(主な製品:LED照明、液晶用バックライト、ストロボ、操作パネル、社内向け電子基板等)が関連する、LED照明市場は増加となったものの、OA市場は微減、車載インテリア市場、及びカメラ市場は減少となりました。
このような市場環境のもと、当社グループの電子応用製品事業は、車載向けの操作パネルやストロボ製品の減少、中国元の為替の影響、並びに中国を中心とした感染症の影響により、減収減益となりました。
その結果、当連結会計年度における電子応用製品事業の売上高は968億1千2百万円(前期比4.0%減)、営業利益は120億9千8百万円(前期比3.3%減)となりました。
③ 営業外収益(費用)
営業外収益(費用)は、前連結会計年度の70億8千7百万円の収益(純額)から、52億円の収益(純額)となりました。主に、為替差損の増加等によるものです。
④ 特別利益(損失)
特別利益(損失)は、前連結会計年度の12億9千8百万円の損失(純額)から、14億9百万円の損失(純額)となりました。主に、固定資産除却損の増加等によるものです。
⑤ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の597億1千6百万円から52.1%減少し、286億2千4百万円となりました。
⑥ 法人税等
税金等調整前当期純利益に対する法人税等の負担率は、前連結会計年度の22.9%から5.3ポイント減少し、17.6%となりました。
⑦ 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、主としてVietnam Stanley Electric Co., Ltd.、武漢斯坦雷電気有限公司、Asian Stanley International Co., Ltd.、及びPT. Indonesia Stanley Electricの非支配株主に帰属する利益からなり、前連結会計年度の57億6千2百万円に対し、当連結会計年度は50億3千5百万円となりました。
⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の402億6千5百万円に対し、185億5千万円となりました。なお、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の245.76円に対し、114.19円となりました。
⑨ 生産、受注及び販売の実績
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
イ 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格により、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ 受注実績
当社グループは、主に自動車・エレクトロニクスメーカーに対し部品を中心に納入するメーカーであります。
当業界の受注方法は、メーカーの生産計画について3か月程度前に生産見込数量の連絡を受けた後、納品までの間に確定情報を得る形態が一般的となっております。これらの期間等は得意先ごとに異なり、かつ、納品にいたるまで納入数量・時期・品目が変更されることがあります。
当社グループは、数多くの得意先に対し、極めて多種類の製品を納入しており、それぞれの受注形態に対応して、過去の実績・予測・生産能力等を勘案のうえ生産を行っているので、受注高・受注残高の記載を省略しております。
ハ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は4,943億6千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ151億9千8百万円減少しております。要因は、固定資産が83億7百万円増加したものの、流動資産が235億5百万円減少したことによるものです。固定資産の増加は、有形固定資産及び無形固定資産が増加したこと等によるものです。流動資産の減少は、受取手形及び売掛金が減少したこと及び現金及び預金が減少したこと等によるものです。
負債は963億7千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ42億3千万円減少しております。主な要因は、製品保証引当金が増加したものの、支払手形及び買掛金が減少したこと及び短期借入金が減少したこと等によるものです。
純資産は3,979億8千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ109億6千8百万円減少しております。主な要因は、株主資本が56億8千8百万円増加したものの、その他の包括利益累計額が166億6百万円減少したこと等によるものです。株主資本の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等によるものです。また、その他の包括利益累計額の減少は、為替換算調整勘定及びその他有価証券評価差額金が減少したこと等によるものです。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
当社グループでは、事業、機能、地域の3つの軸のグループマトリクス経営を、ものづくりの進化、人づくり、キャッシュの創出により、さらに確固たるものにしていきます。
当連結会計年度末におけるセグメント資産は、自動車機器事業は1,993億5千万円(前期比4.9%減)、コンポーネンツ事業は437億6千5百万円(前期比2.1%減)、電子応用製品事業は532億4千8百万円(前期比1.4%減)となりました。
当連結会計年度は、自動車機器事業における新機種生産による設備投資、及び、主に自動車用ランプを製造する愛知県の岡崎製作所について、自動車ランプのLED化や大型化、並びにシステム化・電子化に対応可能な生産拠点とするための再構築を行っておりましたが、2019年12月に完了いたしました。なお、調整額のうち全社資産は、余資運用資金(現金及び預金等)、長期投資資金(投資有価証券等)により減少しております。
当社グループでは、「生産革新活動」で培ってきたノウハウを建物の設計段階から取り入れ、投資効率を最大限に追求した工場として展開し、生産効率を最大限に高めております。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ209億4千9百万円減少し、1,051億7千6百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の減少310億9千1百万円、たな卸資産の増減額の減少57億7百万円等による資金減があったものの、製品保証引当金の増減額の増加164億3千9百万円、売上債権の増減額の増加102億9千6百万円、仕入債務の増減額の増加76億1千8百万円、訴訟関連損失の支払額の減少22億1千4百万円等による資金増により、前連結会計年度に比べ21億9百万円増加し、632億1千1百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出の増加97億6千4百万円、有形固定資産の取得による支出の増加48億2千7百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の増加40億7千9百万円等による資金減により、前連結会計年度に比べ198億円減少し、△583億9千4百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入の増加100億円等による資金増があったものの、社債の償還による支出の増加100億円、短期借入金の純増減額の減少65億9千6百万円等による資金減により、前連結会計年度に比べ95億5千7百万円減少し、△217億2千6百万円となりました。
主な契約債務は、下記のとおりであります。
社債は2019年4月19日に発行した期間5年の第5回無担保社債であり、2019年4月23日償還の社債償還資金に充当いたしました。
また、当社は資金調達の効率化及び安定性の確保を目的とし、2020年3月31日現在、金融機関5社とシンジケーション方式による総額150億円のコミットメントライン契約を締結しており、資金の流動性を確保しております。
当連結会計年度末の自己資本比率は72.5%となりました。また、営業活動によるキャッシュ・フロー632億1千1百万円に対して、投資活動によるキャッシュ・フローは△583億9千4百万円であり、フリーキャッシュ・フローはプラスとなっております。
翌連結会計年度の設備投資は、当連結会計年度に引き続き、LED製品などを製造する連結子会社である㈱スタンレー鶴岡製作所において、隣接地に新工場の建設を行っており、操業開始は2021年5月を予定しております。また、神奈川県の秦野製作所の隣接地に、世界最長級(全長220m)の屋内試験施設である、ライトトンネル棟を建設いたします。現時点では、自己資金及び助成金で支払う計画としております。
当社グループの資金は、中長期的な展望に立った新製品・新事業の開発及び経営体制の効率化等企業価値を高めるための投資に活用し、企業体質と企業競争力のさらなる強化に取り組んでおります。また、当社は安定した配当の維持及び適正な利益還元を基本としており、連結配当性向20%以上、自己株の取得を含めた総還元性向は、連結で35%以上を目標としております。
当社グループは、グローバルにおけるグループ経営の実現に向けて、機動的かつ効率的な資金循環ができる体制の充実を図っております。日本、米州、欧州、中国、アジア・大洋州の5極において、主として統括会社を活用し、為替リスクの低減及び域内の資金循環を実施しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、会計上の見積りを行う上での感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(追加情報)に記載しております。
① 製品保証引当金の算定
製品保証引当金は、販売した製品に欠陥が生じた場合、現在入手可能な情報はもとより、過去の修理又は交換実績、並びに、予測発生台数及び台あたり費用等を含む将来の見込みに基づいて、発生する修理又は交換費用を見積り、発生原因の責任割合に応じて個別に計上しております。
当社グループは、製品保証引当金が適切かどうかを常に確認しております。従って、発生が見込まれる製品保証に関連する費用について、必要な金額を引当計上していると考えております。実際の発生は、それらの見積りと異なることがあり、引当金の計上金額が大きく修正される可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックスプランニングに基づく一時差異等加減前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済状況の変動等により見直しが必要になった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
③ 退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の確定給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割引くことにより算定しております。数理計算上の過程には、割引率、年金資産の期待収益率などの計算基礎が含まれております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済状況の変動等により見直しが必要になった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績
① 概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出が弱含み、製造業を中心に弱さが一段と増した状態が続いた中、感染症の拡大が経済活動へ大きく影響したことにより、当第4四半期連結会計期間において大幅に下押しされ、厳しい状況となりました。
世界経済は、米国では景気の回復が続き、欧州では弱い回復となりましたが、アジアでは緩やかに減速、中国では減速しました。しかしいずれの地域においても、感染症の影響により、当第4四半期連結会計期間において経済活動が抑制され、景気は下押しされました。
以上のような事業環境のもと、当社グループの売上高は、自動車の世界的な生産台数の減少、感染症による減産や生産活動の一時停止、並びに主に中国元の為替の影響により、減収となりました。また営業利益は、売上高の減少に加え、過去の品質問題に関わる費用について、当初の見込みを上回る額を計上したことにより、減益となりました。
その結果、当連結会計年度における、売上高は3,916億2千2百万円(前期比9.8%減)、営業利益は248億3千3百万円(前期比54.0%減)、経常利益は300億3千4百万円(前期比50.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は185億5千万円(前期比53.9%減)となりました。
経営上の目標の達成状況を判断するための指標は、次のとおりであります。
| 目標 | 前連結会計年度 (2019年3月期) | 当連結会計年度 (2020年3月期) | |
| ROE(自己資本当期純利益率)(%) | 15.0 | 11.3 | 5.1 |
| 連結配当性向 (%) | 20.0 | 20.3 | 39.4 |
| 連結総還元性向 (%) | 35.0 | 32.8 | 66.4 |
(注) 2020年3月16日開催の当社取締役会決議に基づき、2020年4月1日から2020年4月24日までに実施した合計19億9千9百万円の自己株式取得は、2020年3月期の連結総還元性向に含めて算定しております。
2020年に「スタンレーグループ第3長期経営目標」を策定し、その中で、3ヶ年毎に経営計画の指針を示しております。
2020年4月~2023年3月の「第Ⅶ期中期3ヶ年経営計画」では、世界の優良企業を目指し、ROE15%を目標に設定しております。
当社グループのROEは、2008年3月期15.3%以後、米国に端を発した世界経済の急激な減速の影響を受け、2009年3月期は6.5%となり、継続的に企業価値を向上する取り組みを行ったものの、過去の品質問題に関わる費用について、当初の見込みを上回る額を計上したことにより、2020年3月期は5.1%となりました。引き続きROEを意識し、スタンレーグループのあらゆるビジネス・プロセスの機能が、「ものづくり」に対して価値を提供し、目標達成に向けグループ全体の総合力を最大限に発揮してまいります。
また、当社は、安定した配当の維持及び適正な利益還元を基本としており、連結配当性向20%以上、自己株の取得を含めた総還元性向は、連結で35%以上を目標としています。利益還元策として、毎年、自己株式の取得及び消却を実施しており、その結果、2020年3月期の連結配当性向は39.4%、連結総還元性向は66.4%となりました。今後も継続的な安定した配当の維持、適正な利益還元を実施していきます。
② 売上高及び営業利益について
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
第2四半期連結会計期間から、自動車機器事業に含まれていたアクセサリー&パーツ製品について、事業区分を見直し、コンポーネンツ事業へ変更いたしました。以下の前期比較については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。
自動車生産台数は、日本と米州は微減、欧州、アジア、中国では減少となり、世界全体として減少となりました。二輪車生産台数は、米州、欧州、中国で増加となったものの、日本、アジアで減少となり、世界全体として横ばいとなりました。
このような市場環境のもと、当社グループの自動車機器事業の売上高は、日本、中国における一部車種の新車効果一巡や量産開始時期変更などの影響による自動車用ランプの減少、主に中国元の為替の影響、並びに感染症の拡大によって武漢をはじめとする中国生産拠点の稼働が著しく低下した影響を受け、減収となりました。また営業利益は、売上高の減少に加え、過去の品質問題に関わる費用について、当初の見込みを上回る額を計上したことにより、減益となりました。
その結果、当連結会計年度における自動車機器事業の売上高は3,094億7千万円(前期比11.0%減)、営業利益は50億7千9百万円(前期比83.7%減)となりました。
コンポーネンツ事業(主な製品:LED、液晶等)が関連する、LED照明市場は増加となったものの、情報通信市場は横ばい、車載市場、AV市場、及び遊技市場は減少となりました。
このような市場環境のもと、当社グループのコンポーネンツ事業は、世界の自動車生産台数が減少した影響で、車載インテリア用LED、液晶、及び自動車電球が減少したことにより、減収減益となりました。
その結果、当連結会計年度におけるコンポーネンツ事業の売上高は448億8千5百万円(前期比8.2%減)、営業利益は65億6千万円(前期比18.1%減)となりました。
電子応用製品事業(主な製品:LED照明、液晶用バックライト、ストロボ、操作パネル、社内向け電子基板等)が関連する、LED照明市場は増加となったものの、OA市場は微減、車載インテリア市場、及びカメラ市場は減少となりました。
このような市場環境のもと、当社グループの電子応用製品事業は、車載向けの操作パネルやストロボ製品の減少、中国元の為替の影響、並びに中国を中心とした感染症の影響により、減収減益となりました。
その結果、当連結会計年度における電子応用製品事業の売上高は968億1千2百万円(前期比4.0%減)、営業利益は120億9千8百万円(前期比3.3%減)となりました。
③ 営業外収益(費用)
営業外収益(費用)は、前連結会計年度の70億8千7百万円の収益(純額)から、52億円の収益(純額)となりました。主に、為替差損の増加等によるものです。
④ 特別利益(損失)
特別利益(損失)は、前連結会計年度の12億9千8百万円の損失(純額)から、14億9百万円の損失(純額)となりました。主に、固定資産除却損の増加等によるものです。
⑤ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度の597億1千6百万円から52.1%減少し、286億2千4百万円となりました。
⑥ 法人税等
税金等調整前当期純利益に対する法人税等の負担率は、前連結会計年度の22.9%から5.3ポイント減少し、17.6%となりました。
⑦ 非支配株主に帰属する当期純利益
非支配株主に帰属する当期純利益は、主としてVietnam Stanley Electric Co., Ltd.、武漢斯坦雷電気有限公司、Asian Stanley International Co., Ltd.、及びPT. Indonesia Stanley Electricの非支配株主に帰属する利益からなり、前連結会計年度の57億6千2百万円に対し、当連結会計年度は50億3千5百万円となりました。
⑧ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度の402億6千5百万円に対し、185億5千万円となりました。なお、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度の245.76円に対し、114.19円となりました。
⑨ 生産、受注及び販売の実績
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
イ 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 自動車機器事業 | 309,275 | △10.3 |
| コンポーネンツ事業 | 24,186 | △12.2 |
| 電子応用製品事業 | 54,535 | 2.2 |
| その他 | 353 | 1.2 |
| 合計 | 388,350 | △8.8 |
(注) 1 金額は販売価格により、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
ロ 受注実績
当社グループは、主に自動車・エレクトロニクスメーカーに対し部品を中心に納入するメーカーであります。
当業界の受注方法は、メーカーの生産計画について3か月程度前に生産見込数量の連絡を受けた後、納品までの間に確定情報を得る形態が一般的となっております。これらの期間等は得意先ごとに異なり、かつ、納品にいたるまで納入数量・時期・品目が変更されることがあります。
当社グループは、数多くの得意先に対し、極めて多種類の製品を納入しており、それぞれの受注形態に対応して、過去の実績・予測・生産能力等を勘案のうえ生産を行っているので、受注高・受注残高の記載を省略しております。
ハ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
| 自動車機器事業 | 308,877 | △11.1 |
| コンポーネンツ事業 | 27,937 | △9.3 |
| 電子応用製品事業 | 54,592 | △1.3 |
| その他 | 215 | △56.1 |
| 合計 | 391,622 | △9.8 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前連結会計年度 (2019年3月期) | 当連結会計年度 (2020年3月期) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| マツダ株式会社 | 51,413 | 11.8 | 38,213 | 9.8 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当連結会計年度末における総資産は4,943億6千5百万円となり、前連結会計年度末に比べ151億9千8百万円減少しております。要因は、固定資産が83億7百万円増加したものの、流動資産が235億5百万円減少したことによるものです。固定資産の増加は、有形固定資産及び無形固定資産が増加したこと等によるものです。流動資産の減少は、受取手形及び売掛金が減少したこと及び現金及び預金が減少したこと等によるものです。
負債は963億7千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ42億3千万円減少しております。主な要因は、製品保証引当金が増加したものの、支払手形及び買掛金が減少したこと及び短期借入金が減少したこと等によるものです。
純資産は3,979億8千9百万円となり、前連結会計年度末に比べ109億6千8百万円減少しております。主な要因は、株主資本が56億8千8百万円増加したものの、その他の包括利益累計額が166億6百万円減少したこと等によるものです。株主資本の増加は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等によるものです。また、その他の包括利益累計額の減少は、為替換算調整勘定及びその他有価証券評価差額金が減少したこと等によるものです。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
| (単位:百万円) | ||||||
| 自動車 機器事業 | コンポーネ ンツ事業 | 電子応用 製品事業 | その他 | 調整額 | 連結財務諸表 計上額 | |
| 当連結会計年度 (2020年3月期) | 199,350 | 43,765 | 53,248 | 1,579 | 196,422 | 494,365 |
| 前連結会計年度 (2019年3月期) | 209,602 | 44,725 | 54,031 | 1,536 | 199,668 | 509,564 |
| 増減率(%) | △4.9 | △2.1 | △1.4 | 2.7 | △1.6 | △3.0 |
当社グループでは、事業、機能、地域の3つの軸のグループマトリクス経営を、ものづくりの進化、人づくり、キャッシュの創出により、さらに確固たるものにしていきます。
当連結会計年度末におけるセグメント資産は、自動車機器事業は1,993億5千万円(前期比4.9%減)、コンポーネンツ事業は437億6千5百万円(前期比2.1%減)、電子応用製品事業は532億4千8百万円(前期比1.4%減)となりました。
当連結会計年度は、自動車機器事業における新機種生産による設備投資、及び、主に自動車用ランプを製造する愛知県の岡崎製作所について、自動車ランプのLED化や大型化、並びにシステム化・電子化に対応可能な生産拠点とするための再構築を行っておりましたが、2019年12月に完了いたしました。なお、調整額のうち全社資産は、余資運用資金(現金及び預金等)、長期投資資金(投資有価証券等)により減少しております。
当社グループでは、「生産革新活動」で培ってきたノウハウを建物の設計段階から取り入れ、投資効率を最大限に追求した工場として展開し、生産効率を最大限に高めております。
(3) キャッシュ・フロー
| 前連結会計年度 (2019年3月期) (百万円) | 当連結会計年度 (2020年3月期) (百万円) | 増 減 (百万円) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 61,102 | 63,211 | 2,109 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △38,593 | △58,394 | △19,800 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △12,169 | △21,726 | △9,557 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 336 | △4,039 | △4,376 |
| 現金及び現金同等物の増減額 | 10,676 | △20,949 | △31,625 |
| 現金及び現金同等物の期首残高 | 115,449 | 126,125 | 10,676 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 126,125 | 105,176 | △20,949 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ209億4千9百万円減少し、1,051億7千6百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益の減少310億9千1百万円、たな卸資産の増減額の減少57億7百万円等による資金減があったものの、製品保証引当金の増減額の増加164億3千9百万円、売上債権の増減額の増加102億9千6百万円、仕入債務の増減額の増加76億1千8百万円、訴訟関連損失の支払額の減少22億1千4百万円等による資金増により、前連結会計年度に比べ21億9百万円増加し、632億1千1百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入による支出の増加97億6千4百万円、有形固定資産の取得による支出の増加48億2千7百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出の増加40億7千9百万円等による資金減により、前連結会計年度に比べ198億円減少し、△583億9千4百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入の増加100億円等による資金増があったものの、社債の償還による支出の増加100億円、短期借入金の純増減額の減少65億9千6百万円等による資金減により、前連結会計年度に比べ95億5千7百万円減少し、△217億2千6百万円となりました。
主な契約債務は、下記のとおりであります。
| 主な契約債務 | 合計 (百万円) | 1年内 (百万円) | 1年超 (百万円) |
| 借入金 | 108 | - | 108 |
| 社債 | 10,000 | - | 10,000 |
社債は2019年4月19日に発行した期間5年の第5回無担保社債であり、2019年4月23日償還の社債償還資金に充当いたしました。
また、当社は資金調達の効率化及び安定性の確保を目的とし、2020年3月31日現在、金融機関5社とシンジケーション方式による総額150億円のコミットメントライン契約を締結しており、資金の流動性を確保しております。
当連結会計年度末の自己資本比率は72.5%となりました。また、営業活動によるキャッシュ・フロー632億1千1百万円に対して、投資活動によるキャッシュ・フローは△583億9千4百万円であり、フリーキャッシュ・フローはプラスとなっております。
翌連結会計年度の設備投資は、当連結会計年度に引き続き、LED製品などを製造する連結子会社である㈱スタンレー鶴岡製作所において、隣接地に新工場の建設を行っており、操業開始は2021年5月を予定しております。また、神奈川県の秦野製作所の隣接地に、世界最長級(全長220m)の屋内試験施設である、ライトトンネル棟を建設いたします。現時点では、自己資金及び助成金で支払う計画としております。
当社グループの資金は、中長期的な展望に立った新製品・新事業の開発及び経営体制の効率化等企業価値を高めるための投資に活用し、企業体質と企業競争力のさらなる強化に取り組んでおります。また、当社は安定した配当の維持及び適正な利益還元を基本としており、連結配当性向20%以上、自己株の取得を含めた総還元性向は、連結で35%以上を目標としております。
当社グループは、グローバルにおけるグループ経営の実現に向けて、機動的かつ効率的な資金循環ができる体制の充実を図っております。日本、米州、欧州、中国、アジア・大洋州の5極において、主として統括会社を活用し、為替リスクの低減及び域内の資金循環を実施しております。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
なお、会計上の見積りを行う上での感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項」の(追加情報)に記載しております。
① 製品保証引当金の算定
製品保証引当金は、販売した製品に欠陥が生じた場合、現在入手可能な情報はもとより、過去の修理又は交換実績、並びに、予測発生台数及び台あたり費用等を含む将来の見込みに基づいて、発生する修理又は交換費用を見積り、発生原因の責任割合に応じて個別に計上しております。
当社グループは、製品保証引当金が適切かどうかを常に確認しております。従って、発生が見込まれる製品保証に関連する費用について、必要な金額を引当計上していると考えております。実際の発生は、それらの見積りと異なることがあり、引当金の計上金額が大きく修正される可能性があります。
② 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックスプランニングに基づく一時差異等加減前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するにあたっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済状況の変動等により見直しが必要になった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
③ 退職給付債務の算定
当社グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の確定給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割引くことにより算定しております。数理計算上の過程には、割引率、年金資産の期待収益率などの計算基礎が含まれております。当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済状況の変動等により見直しが必要になった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る負債及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。