有価証券報告書-第101期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
当社は、2026年5月29日に「中期経営計画(2026~2028年度)」を策定・開示しており、以下の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、当該「中期経営計画(2026~2028年度)」に基づき記載しております。したがって、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在ではなく、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが入手し得る情報に基づいて判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、理念体系にある経営理念、ビジョン、行動指針に基づき、新しい価値創造へのこだわりと挑戦を続けるとともに、お客様の期待に応える商品やサービスの提供をはじめとして、ステークホルダーとの約束を実現することを事業運営における基本方針としております。当社グループは、経営理念、ビジョン、行動指針の実践を通じて、「社会課題の解決に貢献する新たな価値を共創によって生み出し、グローバルトップのソリューションパートナーへ」のスローガンの下で、ソリューションパートナーへの変革をNext Stageへと進めてまいります。

(2)経営環境
当社グループの各報告セグメントの経営環境についての認識は、次のとおりであります。
(リテールソリューション事業)
当社の顧客である流通小売業においては、消費者の行動変化によるネットショッピングや決済手段の多様化への対応、生産性向上のためのDX対応、人手不足に対する省人化対応、店舗内メディアを活用した販売促進利用等の様々なニーズが顕在化しております。加えて、廃棄ロス・販売機会ロスの削減や、環境負荷の低減といった社会課題への対応も求められております。
さらに、近年はAI活用の進展により、従来は人手に依存していた業務の代替・高度化が可能となり、AI活用による成果創出が競争力の重要な要素となっております。また、このような環境変化を背景に、顧客ニーズは一層高度化するとともに、競争環境においては価値の源泉がハードウェア中心からソリューション・サービスへとシフトしております。
当事業においては、国内外に幅広く顧客基盤及び販売網を有し事業を展開しておりますが、競合他社との競争激化が続く厳しい事業環境にあります。
(ワークプレイスソリューション事業)
オフィス向けプリンティング市場は、新型コロナウイルス感染拡大による印刷量の急激な減少から回復傾向にあるものの、それ以前から続くペーパーレス化の進展は継続しており、世界市場全体では今後も緩やかな減少傾向が続くと見込まれます。
また、働き方改革に伴うリモートワークの拡大に加え、オフィスや現場におけるさまざまな業務のデジタル化ニーズが顕在化しており、当社の競合各社は、DX需要を成長分野と位置付けて、AIやITを使ったソリューションの開発・提供に力を入れております。
当事業においては、国内外に幅広く販売網を有しておりますが、需要の鈍化や競合他社との競争激化が続くなど厳しい事業環境にあります。
(3)中長期的な経営戦略と目標
上記の経営環境下において、当社グループは、「共創による新たな価値の創出」を成長モデルの中核に据え、パートナーとの連携を通じて社会課題の解決に貢献するとともに、企業価値の最大化を図ってまいります。具体的には、グローバルに展開する顧客基盤及び販売・保守網等のタッチポイントを起点に、オープンな連携基盤の下で多様なサービスを組み合わせることにより、新たなサービスや付加価値の創出を推進し、社会課題解決に貢献してまいります。
2026年5月29日に策定した「中期経営計画(2026~2028年度)」においては、基礎収益力の向上と事業転換を並行して進め、高収益・成長モデルの確立に向けた基盤整備に取り組んでまいります。具体的には、AIの活用やIT基盤の強化を通じて経営の高度化を図るとともに、地域別収益性の改善や間接業務の効率化、アセットライト化等によるコスト構造の強化を進めてまいります。また、これらの取り組みにより創出されるキャッシュを成長領域へ再投資し、リカーリングビジネスの拡大に取り組んでまいります。
さらに、経営体制については、2026年6月29日付で会長執行役員 CEO・社長執行役員 COO体制に変更することで、経営スピードの向上を図り、中長期的な企業価値の向上に資する経営基盤の確立を進めてまいります。
これらの取り組みを通じて、高収益・成長モデルへの転換を進め、2030年度に営業利益率10%を目指してまいります。
各報告セグメントにおける具体的施策は、以下のとおりであります。
(リテールソリューション事業)
流通業界においては、省人化・効率化に資するDXの需要が一層高まっております。加えて、小売店舗及び業務プロセスのデジタル化やデータ活用の進展に伴い、データに基づく経営の高度化や、流通バリューチェーン全体を横断した最適化の重要性が高まるものと認識しております。
このような市場環境の下、リテールDX市場は中長期的な拡大が見込まれており、当社はこれまでに構築してきた顧客基盤及び高いシェアを有するPOSシステムによるタッチポイントを活用し、競争優位性の確立を図ってまいります。
具体的には、小売店舗における機器のIoT接続やデジタル化を起点とした基盤整備を進めるとともに、AIの活用を前提としたデータ駆動型経営の実現を支援し、さらに物流・販売・顧客接点を含む流通バリューチェーン全体におけるデジタル統合を推進してまいります。
また、POSシステムを単なるトランザクションデバイスからリアルタイムに学習し続ける「インテリジェンスエンジン」へと進化させることで、顧客価値の向上に寄与するソリューションの提供を拡大してまいります。
これらの取り組みを通じて、当社はリテール領域におけるDXの進展に対応し、持続的な成長と収益性の向上を実現してまいります。
・グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」の拡大
グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」の拡大を成長戦略の中核に据え、国内外リテールソリューション事業における収益モデルの高度化及び事業領域の拡張を推進します。長年に亘り培った顧客基盤及びパートナーシップを基盤に、「ELERA」プラットフォームへの投資を起点としてソリューション及びパートナー連携を拡大するとともに、導入領域の拡張及び収益源の多層化を推進しております。また、「ELERA」を中核としてハードウェア、ソフトウェア、導入・運用サービスを一体で提供することで、顧客への提供価値を高め、グローバルでの競争優位性の強化を図っております。これによりハードウェア中心のビジネスからリカーリング型収益モデルへの転換を加速し、付加価値の高いソリューション提供及び収益性の向上を図ります。
・パートナー連携によるバリューチェーン高度化と共創モデルの推進
当社グループは、パートナーとの連携を強化することにより、商品企画・開発から調達、製造、販売、保守に至るバリューチェーン全体の高度化を推進し、提供価値の拡大と収益性の向上を図ります。具体的には、IT・通信・デバイス等の領域におけるパートナーとの協業を通じて、顧客ニーズへの対応力、商品競争力及び顧客課題解決力の強化に取り組むとともに、AIも活用したサービスの高度化・多角化を進展させます。
(ワークプレイスソリューション事業)
ワークプレイスソリューション事業においては、プリント機器及び関連サービスの足元の需要が安定的に推移する中、オフィスのDXに関するニーズの拡大が継続しております。このような市場環境の下、当社は、コア事業である複合機を中心としたアフターサービス収益の確保により安定的な収益基盤を維持するとともに、オフィスソリューションを軸とした成長戦略を推進してまいります。
・ハードウェア開発・製造の改革
複合機ハードウェア開発・製造の改革を重要施策と位置付け、エトリア㈱のブランドオーナー各社の技術を融合した新エンジン搭載機を市場投入します。これにより、製品ラインアップの最適化及び商品競争力の強化を図るとともに、環境性能・省エネルギー性能の向上やサプライチェーンレジリエンスの強化を進め、エトリア㈱設立によるシナジーの発現を目指してまいります。
・ソリューション販売の強化
ソリューション販売の強化を図り、オフィスソリューションのポートフォリオ拡充及び自社IPの強化を推進してまいります。顧客接点を基盤としたサービス提供により、データ活用やワークフロー改革等の高付加価値ソリューションの展開を進めるとともに、AI技術の活用によるソリューションの高度化にも取り組んでまいります。これらの取り組みにより、顧客課題解決力の向上を図るとともに、導入実績の拡大及び顧客からの評価を背景とした成長の加速を目指してまいります。
当社グループは、「中期経営計画(2026~2028年度)」において、当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高、営業利益、営業利益率(ROS)、親会社株主に帰属する当期純利益、営業活動によるキャッシュ・フロー、フリー・キャッシュ・フロー、投下資本利益率(ROIC)を掲げており、最終年度である2028年度に、売上高は5,800億円、営業利益は380億円、営業利益率(ROS)は6.6%、親会社株主に帰属する当期純利益は210億円、営業活動によるキャッシュ・フローはプラス390億円、フリー・キャッシュ・フローはプラス190億円、投下資本利益率(ROIC)は16%を達成することを目標として定めております。なお、当該目標値は、当社が有価証券報告書提出日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記の経営方針及び経営戦略を実行するに当たっては、各事業におけるバランスある利益の実現と長期的収益体制の構築が必要であり、その実現のために当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、次の重要施策の実行を加速することであると認識しております。
・事業構造転換とリカーリング収益の拡大による収益モデル高度化
パートナー戦略の強化及びリカーリング型ビジネスへの転換を加速し、売切型モデルからストック型収益へのシフトを推進してまいります。これにより、収益の安定性及び予見可能性を高めるとともに、顧客との継続的な関係を通じた付加価値提供により、中長期的な収益拡大を実現してまいります。
・基盤事業の収益力強化による安定収益基盤の確立
地域別の収益性改善、間接業務の効率化及び事業のアセットライト化を推進することにより、コスト構造の強化を進め、外部環境の変化に対応可能な安定的な収益基盤の構築に取り組んでまいります。
(5)次期の見通し
今後の世界経済は、緊迫化する国際情勢を背景に景気の不透明感が一段と高まるとともに、物価動向や各国の政策動向など不確実要因も多く、先行きを見通せない厳しい状況が続くものと予想されます。
このような状況下で、当社グループは、「社会課題の解決に貢献する新たな価値を共創によって生み出し、グローバルトップのソリューションパートナーへ」の基本方針の下で、ソリューションカンパニーへの変革をNext Stageへと進めてまいります。
その一環として、コスト構造の最適化を通じた損益分岐点の引き下げを図り、急激な環境変化への対応力を高めることを目的に、経営体質の改善に継続的に取り組んでまいります。あわせて、持続的な成長の実現に向け、各種施策の着実な実行にグループ一丸となって取り組んでまいります。
また、当社が有するグローバルな顧客基盤や営業・保守体制といったフィジカルアセットを活用し、パートナーとの共創によるエコシステムの構築を通じて、付加価値の高いソリューション提案を推進することで、社会課題の解決に貢献するとともに、企業価値向上を目指してまいります。
2026年度(第102期)における各報告セグメントの主要施策は、次のとおりであります。
(リテールソリューション事業)
主力事業であるPOSシステムの顧客である流通小売業においては、消費者の購買行動の多様化への対応、生産性向上のためのDX対応、人手不足に対する省人化・自動化対応に加え、店舗内メディアを活用した販売促進、廃棄ロス・販売機会ロスの削減、環境負荷の低減など、多様な社会課題を同時に解決するソリューションへのニーズが一層高まっております。
このような事業環境の中、国内リテールソリューション事業は、大型案件の導入が本格化することなどから、POSシステムの需要は引き続き堅調に推移する見通しです。一方、海外リテールソリューション事業については、2025年度に米国関税措置の影響等から慎重であった顧客の投資意欲に一部持ち直しの動きがみられるものの、半導体及び石油価格の高騰によるコスト増加リスクや、価格改定に伴う需要環境の不透明感が残っております。世界経済の不確実性を踏まえ、顧客の投資動向については引き続き注視してまいります。
当社は、グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」を活用したソリューション・サービスの展開を通じて、店舗運用、販売促進、データ利活用を包括したソリューションの提供を強化してまいります。これにより、顧客との継続的な関係性を深化させるとともに、収益性の向上を図ってまいります。
(ワークプレイスソリューション事業)
主力事業であるオフィス向けプリンティング市場は、ペーパーレス化の進展を背景に、世界市場全体では今後も緩やかな減少傾向が続くと見込まれます。一方で、リモートワークやハイブリッドワークの定着を背景に、オフィスや現場における業務プロセス全体のデジタル化、業務効率化、セキュリティ強化といった新たなニーズが顕在化しております。
このような事業環境の中、ワークプレイスソリューション事業においては、米国関税対策として実施した価格改定の効果が顕在化しつつあるものの、半導体及び石油価格の高騰によるコスト増加のリスクや、それに対する価格改定に伴う需要環境の不透明感を踏まえ、需要動向を慎重に見極めながら事業運営を進めてまいります。
当社は、㈱リコー及び沖電気工業㈱との合弁会社であるエトリア㈱との連携を通じて、製品競争力の強化と開発・供給体制の最適化を進めるとともに、ソリューション事業への構造転換を加速させてまいります。これにより、収益性の向上と事業基盤の強化を図ってまいります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、理念体系にある経営理念、ビジョン、行動指針に基づき、新しい価値創造へのこだわりと挑戦を続けるとともに、お客様の期待に応える商品やサービスの提供をはじめとして、ステークホルダーとの約束を実現することを事業運営における基本方針としております。当社グループは、経営理念、ビジョン、行動指針の実践を通じて、「社会課題の解決に貢献する新たな価値を共創によって生み出し、グローバルトップのソリューションパートナーへ」のスローガンの下で、ソリューションパートナーへの変革をNext Stageへと進めてまいります。

(2)経営環境
当社グループの各報告セグメントの経営環境についての認識は、次のとおりであります。
(リテールソリューション事業)
当社の顧客である流通小売業においては、消費者の行動変化によるネットショッピングや決済手段の多様化への対応、生産性向上のためのDX対応、人手不足に対する省人化対応、店舗内メディアを活用した販売促進利用等の様々なニーズが顕在化しております。加えて、廃棄ロス・販売機会ロスの削減や、環境負荷の低減といった社会課題への対応も求められております。
さらに、近年はAI活用の進展により、従来は人手に依存していた業務の代替・高度化が可能となり、AI活用による成果創出が競争力の重要な要素となっております。また、このような環境変化を背景に、顧客ニーズは一層高度化するとともに、競争環境においては価値の源泉がハードウェア中心からソリューション・サービスへとシフトしております。
当事業においては、国内外に幅広く顧客基盤及び販売網を有し事業を展開しておりますが、競合他社との競争激化が続く厳しい事業環境にあります。
(ワークプレイスソリューション事業)
オフィス向けプリンティング市場は、新型コロナウイルス感染拡大による印刷量の急激な減少から回復傾向にあるものの、それ以前から続くペーパーレス化の進展は継続しており、世界市場全体では今後も緩やかな減少傾向が続くと見込まれます。
また、働き方改革に伴うリモートワークの拡大に加え、オフィスや現場におけるさまざまな業務のデジタル化ニーズが顕在化しており、当社の競合各社は、DX需要を成長分野と位置付けて、AIやITを使ったソリューションの開発・提供に力を入れております。
当事業においては、国内外に幅広く販売網を有しておりますが、需要の鈍化や競合他社との競争激化が続くなど厳しい事業環境にあります。
(3)中長期的な経営戦略と目標
上記の経営環境下において、当社グループは、「共創による新たな価値の創出」を成長モデルの中核に据え、パートナーとの連携を通じて社会課題の解決に貢献するとともに、企業価値の最大化を図ってまいります。具体的には、グローバルに展開する顧客基盤及び販売・保守網等のタッチポイントを起点に、オープンな連携基盤の下で多様なサービスを組み合わせることにより、新たなサービスや付加価値の創出を推進し、社会課題解決に貢献してまいります。
2026年5月29日に策定した「中期経営計画(2026~2028年度)」においては、基礎収益力の向上と事業転換を並行して進め、高収益・成長モデルの確立に向けた基盤整備に取り組んでまいります。具体的には、AIの活用やIT基盤の強化を通じて経営の高度化を図るとともに、地域別収益性の改善や間接業務の効率化、アセットライト化等によるコスト構造の強化を進めてまいります。また、これらの取り組みにより創出されるキャッシュを成長領域へ再投資し、リカーリングビジネスの拡大に取り組んでまいります。
さらに、経営体制については、2026年6月29日付で会長執行役員 CEO・社長執行役員 COO体制に変更することで、経営スピードの向上を図り、中長期的な企業価値の向上に資する経営基盤の確立を進めてまいります。
これらの取り組みを通じて、高収益・成長モデルへの転換を進め、2030年度に営業利益率10%を目指してまいります。
各報告セグメントにおける具体的施策は、以下のとおりであります。
(リテールソリューション事業)
流通業界においては、省人化・効率化に資するDXの需要が一層高まっております。加えて、小売店舗及び業務プロセスのデジタル化やデータ活用の進展に伴い、データに基づく経営の高度化や、流通バリューチェーン全体を横断した最適化の重要性が高まるものと認識しております。
このような市場環境の下、リテールDX市場は中長期的な拡大が見込まれており、当社はこれまでに構築してきた顧客基盤及び高いシェアを有するPOSシステムによるタッチポイントを活用し、競争優位性の確立を図ってまいります。
具体的には、小売店舗における機器のIoT接続やデジタル化を起点とした基盤整備を進めるとともに、AIの活用を前提としたデータ駆動型経営の実現を支援し、さらに物流・販売・顧客接点を含む流通バリューチェーン全体におけるデジタル統合を推進してまいります。
また、POSシステムを単なるトランザクションデバイスからリアルタイムに学習し続ける「インテリジェンスエンジン」へと進化させることで、顧客価値の向上に寄与するソリューションの提供を拡大してまいります。
これらの取り組みを通じて、当社はリテール領域におけるDXの進展に対応し、持続的な成長と収益性の向上を実現してまいります。
・グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」の拡大
グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」の拡大を成長戦略の中核に据え、国内外リテールソリューション事業における収益モデルの高度化及び事業領域の拡張を推進します。長年に亘り培った顧客基盤及びパートナーシップを基盤に、「ELERA」プラットフォームへの投資を起点としてソリューション及びパートナー連携を拡大するとともに、導入領域の拡張及び収益源の多層化を推進しております。また、「ELERA」を中核としてハードウェア、ソフトウェア、導入・運用サービスを一体で提供することで、顧客への提供価値を高め、グローバルでの競争優位性の強化を図っております。これによりハードウェア中心のビジネスからリカーリング型収益モデルへの転換を加速し、付加価値の高いソリューション提供及び収益性の向上を図ります。
・パートナー連携によるバリューチェーン高度化と共創モデルの推進
当社グループは、パートナーとの連携を強化することにより、商品企画・開発から調達、製造、販売、保守に至るバリューチェーン全体の高度化を推進し、提供価値の拡大と収益性の向上を図ります。具体的には、IT・通信・デバイス等の領域におけるパートナーとの協業を通じて、顧客ニーズへの対応力、商品競争力及び顧客課題解決力の強化に取り組むとともに、AIも活用したサービスの高度化・多角化を進展させます。
(ワークプレイスソリューション事業)
ワークプレイスソリューション事業においては、プリント機器及び関連サービスの足元の需要が安定的に推移する中、オフィスのDXに関するニーズの拡大が継続しております。このような市場環境の下、当社は、コア事業である複合機を中心としたアフターサービス収益の確保により安定的な収益基盤を維持するとともに、オフィスソリューションを軸とした成長戦略を推進してまいります。
・ハードウェア開発・製造の改革
複合機ハードウェア開発・製造の改革を重要施策と位置付け、エトリア㈱のブランドオーナー各社の技術を融合した新エンジン搭載機を市場投入します。これにより、製品ラインアップの最適化及び商品競争力の強化を図るとともに、環境性能・省エネルギー性能の向上やサプライチェーンレジリエンスの強化を進め、エトリア㈱設立によるシナジーの発現を目指してまいります。
・ソリューション販売の強化
ソリューション販売の強化を図り、オフィスソリューションのポートフォリオ拡充及び自社IPの強化を推進してまいります。顧客接点を基盤としたサービス提供により、データ活用やワークフロー改革等の高付加価値ソリューションの展開を進めるとともに、AI技術の活用によるソリューションの高度化にも取り組んでまいります。これらの取り組みにより、顧客課題解決力の向上を図るとともに、導入実績の拡大及び顧客からの評価を背景とした成長の加速を目指してまいります。
当社グループは、「中期経営計画(2026~2028年度)」において、当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、売上高、営業利益、営業利益率(ROS)、親会社株主に帰属する当期純利益、営業活動によるキャッシュ・フロー、フリー・キャッシュ・フロー、投下資本利益率(ROIC)を掲げており、最終年度である2028年度に、売上高は5,800億円、営業利益は380億円、営業利益率(ROS)は6.6%、親会社株主に帰属する当期純利益は210億円、営業活動によるキャッシュ・フローはプラス390億円、フリー・キャッシュ・フローはプラス190億円、投下資本利益率(ROIC)は16%を達成することを目標として定めております。なお、当該目標値は、当社が有価証券報告書提出日現在において入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
上記の経営方針及び経営戦略を実行するに当たっては、各事業におけるバランスある利益の実現と長期的収益体制の構築が必要であり、その実現のために当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、次の重要施策の実行を加速することであると認識しております。
・事業構造転換とリカーリング収益の拡大による収益モデル高度化
パートナー戦略の強化及びリカーリング型ビジネスへの転換を加速し、売切型モデルからストック型収益へのシフトを推進してまいります。これにより、収益の安定性及び予見可能性を高めるとともに、顧客との継続的な関係を通じた付加価値提供により、中長期的な収益拡大を実現してまいります。
・基盤事業の収益力強化による安定収益基盤の確立
地域別の収益性改善、間接業務の効率化及び事業のアセットライト化を推進することにより、コスト構造の強化を進め、外部環境の変化に対応可能な安定的な収益基盤の構築に取り組んでまいります。
(5)次期の見通し
今後の世界経済は、緊迫化する国際情勢を背景に景気の不透明感が一段と高まるとともに、物価動向や各国の政策動向など不確実要因も多く、先行きを見通せない厳しい状況が続くものと予想されます。
このような状況下で、当社グループは、「社会課題の解決に貢献する新たな価値を共創によって生み出し、グローバルトップのソリューションパートナーへ」の基本方針の下で、ソリューションカンパニーへの変革をNext Stageへと進めてまいります。
その一環として、コスト構造の最適化を通じた損益分岐点の引き下げを図り、急激な環境変化への対応力を高めることを目的に、経営体質の改善に継続的に取り組んでまいります。あわせて、持続的な成長の実現に向け、各種施策の着実な実行にグループ一丸となって取り組んでまいります。
また、当社が有するグローバルな顧客基盤や営業・保守体制といったフィジカルアセットを活用し、パートナーとの共創によるエコシステムの構築を通じて、付加価値の高いソリューション提案を推進することで、社会課題の解決に貢献するとともに、企業価値向上を目指してまいります。
2026年度(第102期)における各報告セグメントの主要施策は、次のとおりであります。
(リテールソリューション事業)
主力事業であるPOSシステムの顧客である流通小売業においては、消費者の購買行動の多様化への対応、生産性向上のためのDX対応、人手不足に対する省人化・自動化対応に加え、店舗内メディアを活用した販売促進、廃棄ロス・販売機会ロスの削減、環境負荷の低減など、多様な社会課題を同時に解決するソリューションへのニーズが一層高まっております。
このような事業環境の中、国内リテールソリューション事業は、大型案件の導入が本格化することなどから、POSシステムの需要は引き続き堅調に推移する見通しです。一方、海外リテールソリューション事業については、2025年度に米国関税措置の影響等から慎重であった顧客の投資意欲に一部持ち直しの動きがみられるものの、半導体及び石油価格の高騰によるコスト増加リスクや、価格改定に伴う需要環境の不透明感が残っております。世界経済の不確実性を踏まえ、顧客の投資動向については引き続き注視してまいります。
当社は、グローバルリテールプラットフォーム「ELERA」を活用したソリューション・サービスの展開を通じて、店舗運用、販売促進、データ利活用を包括したソリューションの提供を強化してまいります。これにより、顧客との継続的な関係性を深化させるとともに、収益性の向上を図ってまいります。
(ワークプレイスソリューション事業)
主力事業であるオフィス向けプリンティング市場は、ペーパーレス化の進展を背景に、世界市場全体では今後も緩やかな減少傾向が続くと見込まれます。一方で、リモートワークやハイブリッドワークの定着を背景に、オフィスや現場における業務プロセス全体のデジタル化、業務効率化、セキュリティ強化といった新たなニーズが顕在化しております。
このような事業環境の中、ワークプレイスソリューション事業においては、米国関税対策として実施した価格改定の効果が顕在化しつつあるものの、半導体及び石油価格の高騰によるコスト増加のリスクや、それに対する価格改定に伴う需要環境の不透明感を踏まえ、需要動向を慎重に見極めながら事業運営を進めてまいります。
当社は、㈱リコー及び沖電気工業㈱との合弁会社であるエトリア㈱との連携を通じて、製品競争力の強化と開発・供給体制の最適化を進めるとともに、ソリューション事業への構造転換を加速させてまいります。これにより、収益性の向上と事業基盤の強化を図ってまいります。