有価証券報告書-第99期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/27 13:53
【資料】
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【項目】
119項目

研究開発活動

当社グループ(当社及び連結子会社)は、光テクノロジーを通して豊かな社会と環境を創造するために、「環境への配慮」「明るさの質」などの社会的要請にお応えする新光源や新材料の基礎研究を進めるとともに、「光」の機能と特性を活かした各種商品の開発、さらにはそのアプリケーションの研究開発を行っております。光の持つ潜在力を究め、HIDやLEDを始めとする最先端の光技術を駆使した「光・環境カンパニー」としての事業展開を図るため積極的な研究開発に取り組んでおります。
研究開発体制は、まず研究開発部において材料研究課、光源研究課、及び光応用研究課でおのおの基礎・応用研究に取り組んでおります。また、商品開発・設計を担当する製造部門では、照明事業と光応用事業合わせて5部門に開発(設計)課を置いて新商品開発に注力しております。さらに、新しい照明設計手法によるエネルギー節減を推進する照明研究課では、光環境評価の研究開発を行っております。これら社内各部署の調査・研究や商品開発を取りまとめる商品戦略部では、グループ各社との密接な連携と協力により効率的な研究開発を進めて参りました。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、照明事業219百万円、光応用事業169百万円の合計389百万円です。
なお、各セグメントにおける研究開発活動は以下のとおりであります。
<照明>LED照明が本格普及期を迎える中で、主力LED製品の性能アップの開発を行うとともに、新たな分野へのLED製品の開発を積極的に行いました。
LEDランプでは、主に高天井用照明器具に使用可能で大幅な省エネを実現するLEDアイランプSPシリーズに、水銀ランプ400Wと置き換え可能な140Wタイプとメタルハライドランプ400Wと置き換え可能な170Wタイプを新たに開発しました。これにより、従来の75W、100Wタイプに加え、既存の高出力ランプからの交換を可能としました。
また、主に屋外街路灯器具に使用可能で大幅な省エネを実現するLEDライトバルブシリーズに、水銀ランプ300Wと置き換え可能な124Wタイプを開発しました。こちらも、より高出力なランプからの交換が可能となりました。一方、従来の30W、72W、87Wタイプについては小型・軽量化などの性能向上を図りました。
LED照明器具では、大型スタジアム照明にも対応可能な高出力形LED投光器LEDioc FLOOD DUELL 1000W/650W(レディオックフラッドデュエル)2機種の開発を行いました。これらは、屋外スポーツ施設などで多く使用されているメタルハライドランプ1500W/1000W用投光器と同等の明るさと配光を有しており、1000Wタイプは高い照度が必要なプロ競技・公式競技が行われる野球場・サッカー場のような大型スポーツ施設に対応、650Wタイプは一般競技・レクリエーションレベルのスポーツ施設や学校のグラウンドに使用できるものです。
また、投光器関連では、新たに小型の普及形投光器LEDioc FLOOD LA(レディオックフラッドエルエー)を開発するとともに、従来の中形投光器LEDioc FLOOD BLITZ(レディオックフラッドブリッツ)及び小形投光器LEDioc FLOOD NEO(レディオックフラッドネオ)の高効率化や配光性能バリエーションの拡大を行いました。
道路灯関連では、地方自治体向けの生活道路灯LEDioc ROAD J(レディオックロードジェイ)の開発を行いました。これは、主に地方自治体の幹線・補助幹線道路や住宅街に多数設置されている生活道路灯や歩道灯、及び民間の工場構内・駐車場などで水銀灯200W/250WからのLED化に対応し、大幅な省エネ・長寿命・省施工を実現しました。
その他、道路灯のLEDioc ROAD(レディオックロード)、防犯灯のLEDioc STREET(レディオックストリート)の性能向上を図りました。
街路灯関連では、「ここちよい“まち”の景観を創造する」をコンセプトとした周囲環境に適した“光のあり方”を研究し、新形LED街路灯LEDioc AREA QUALLIS(レディオック エリア クオリス)を開発しました。これは、従来の水銀灯同等の明るさを少ない電力で達成するだけでなく、「光の質」を追求した照明器具です。
その他の照明関連製品や制御システム及び照明設計・評価ソフトについても、長年培ってきた光技術を基礎として研究開発を継続しております。
<光応用>無水銀・高照度・マイクロ秒単位の短い発光時間などの特徴を有するため焼成・硬化・殺菌に適したパルスドキセノンランプ、及びその電源装置や照射装置の研究開発を行いました。このシステムは、従来のUVランプやUV-LEDでは実現できない用途に適用できるものです。
紫外線硬化関係では、高品質な画質を得ることができる液晶パネル(LCD)製造用の光配向照射装置について、より高い偏光特性及び消光比が得られる大型UV偏光子の開発を行いました。これにより、高品質なLCDの生産性(タクトスピード)向上に寄与することを可能にしました。
一方、紫外線や赤外線LED光源を搭載した産業用照射装置においては、硬化や画像撮影用の遠距離赤外照明など用途に応じた研究・開発を進めました。
光応用事業の主力製品の一つである耐候性・環境試験装置では、光学系と冷却系の最適化を図り、現行機種の約2倍の照射面積を有するアイ・スーパーUVテスターの開発を行いました。
長期の取組みとしては、(独)科学技術振興機構の委託を受け、東海大学及び(独)産業技術総合研究所と共同で、光と酸素で発生する活性酸素による滅菌技術の研究開発を行っています。また、殺菌関係の研究では、光の透過性が低い果汁ジュース・アルコール(ビール)・牛乳などを対象に、熱や薬剤を使用せずUVで殺菌する技術開発を進めました。
その他の光応用製品や関連する技術についても、長年培ってきたノウハウと最新の光学制御・設計・デバイス製造技術を駆使して、広範な対象分野からの要求仕様と技術動向を踏まえた研究開発活動を継続しております。