有価証券報告書-第156期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念の核である「新しい発想でお客様の価値創造に貢献します。」というミッションのもと、「Innovation for Customers」をブランドスローガンとして掲げ、グループ一丸となり、グローバルに成長し続ける企業を目指します。
経営の基本戦略としては「グローバルニッチトップ™」※戦略(成長するマーケットを選択し、ニッチな分野を対象に当社固有の差別化技術を活かして、世界№1シェアを狙う)と「エリアニッチトップ™」※戦略(エリア固有のニーズにマッチした製品で、世界各地でのトップシェアを狙う)を掲げ、この両輪で事業の拡大を図ります。
このような方針のもと、当社グループは新しい発想でお客様の価値創造に貢献し、さらなる成長に向け多くのイノベーションを創出してまいります。
※グローバルニッチトップおよびエリアニッチトップは、Nittoグループの日本国およびその他の国における登録商標または商標です。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、「新しい発想でお客様の価値創造に貢献します。」という経営理念に基づき、中期経営計画を策定しております。また、売上収益、営業利益およびROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)を客観的な指標として採用しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
製造業を取り巻く経営環境は昨今激変しており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の再拡大や米中貿易摩擦など、引き続き不確実性の高い事業環境が続くことが想定される一方、半導体や5Gスマートフォンなどのハイテク分野や、医療用部材や医薬品などのライフサイエンス分野は堅調に推移することが期待できます。このような環境の下、当社グループは、強みの源泉である「三新活動」や「ニッチトップ戦略」を戦略の柱として、好機を逃すことなく、成長軌道に乗せるために積極的な取り組みを実行し、外部環境の影響を受けにくい強靭な企業体質の構築を目指します。なお、COVID-19が今後の経営環境や経営戦略に与える影響については、(4)会社の対処すべき課題に記載しております。
また、多様なステークホルダーの期待と信頼に応えるために、事業活動を通じて社会課題の解決と経済価値の創造を両立し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現していきます。
① 成長戦略の推進
Nittoグループの強みを発揮すべく「情報インターフェイス」「次世代モビリティ」「ライフサイエンス」を重点領域とし、これまで培ってきた粘接着技術、高分子制御技術、薄膜形成技術と、ビジネスモデルとを融合させながら、戦略的に経営資源を投入して事業の成長ドライバーとして推進していきます。その一例として、ライフサイエンス領域においては、今後市場が拡大していくとみられる核酸医薬品の受託製造能力増強のため、積極的な投資を行っていきます。また、情報インターフェイス領域では、前期から量産を始めたスマートフォン向け高精度基板や、テレワークを背景に需要が拡大しているデータセンター向けの電子材料、半導体プロセス材料を積極的に展開していきます。次世代モビリティ領域においては、自動運転技術に欠かせないセンシングユニットに使用される電波吸収体など、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)分野に向けて、エレクトロニクス関連部材や機能性部材を積極的に展開していきます。
② 現行事業の構造改革
2022年3月期よりトランスポーテーションを基盤機能材料へ統合いたします。また、引き続きインダストリアルテープ部門やオプトロニクス部門を中心に、グローバルで生産拠点の見直しなどを行い、徹底した合理化を図っていくとともに、国内及び海外での事業構造改革を推進してまいります。
③ 経営基盤の強化
売上や利益の拡大にとどまらず、「安心で安全な職場環境づくり」、「事業活動に伴う環境負荷の低減」、「お客様に信頼される品質の追求」、「社会貢献活動への取組み」などの施策に引き続き取り組むことで、ステークホルダーの皆様へ高い価値を提供してまいります。さらには、より良い未来のため、事業の成長のみならずサステナビリティ社会の実現に向けた取組みを一層推進します。
当社グループは、2017年から2020年までの4年間、ATP(男子プロテニス協会)ツアーのシーズン最終戦Nitto ATPファイナルズのタイトルスポンサーを務めてきましたが、ATPとのパートナーシップ契約を2025年まで延長し、タイトルスポンサーを継続します。さらに、当社グループは、ATPツアーのゴールドパートナーおよびオフィシャルアスレチックパートナーに就任し、ATPメディカルチームにアスレチックテーピング製品を提供します。今後さらなるブランド価値向上に向けて取り組んで参ります。
(4)会社の対処すべき課題
2022年3月期(2021年4月1日~2022年3月31日)の世界経済の予測は、COVID-19のワクチンが先進国や新興国の一部に普及するとの期待や各国における景気支援策などにより成長が見込まれます。一方で、毒性や感染力の強い変異ウイルスの流行やワクチン普及の遅れ、防疫のための経済活動抑制施策の再発出といったリスクも想定され、経済の先行きは高い不確実性を抱えています。
このような環境の下、当社グループは、外部環境の影響を受けにくい強靭な企業体質の構築を目指します。当社グループ独自の戦略の柱である「三新活動」と「ニッチトップ戦略」に磨きをかけ、需要の拡大や成長が期待される領域で「伸ばすもの」に注力し、事業の成長を推進します。一方、「戻るもの」に対しては、さらなる生産性の向上による収益の最大化を目指します。「戻らないもの」に対しては、構造改革により不採算な事業や製品の整理・統廃合を進め収益の改善を図ります。
また、当社グループは「安全をすべてに優先」を方針に掲げ、あらゆる事故・災害をゼロとすることを目指します。さらには、より良い未来のため、事業の成長のみならずサステナビリティ社会の実現に向けた取組みを一層推進します。
・インダストリアルテープ
2022年3月期よりトランスポーテーションを基盤機能材料へ統合いたします。今後、加速すると想定される次世代モビリティ市場の拡大とそれに伴うサプライチェーンの変化を見据え、基盤機能材料との統合によりシナジーを最大化し、CASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)といった領域でのイノベーション創出に向けて対応を強化します。需要の見通しとしましては、半導体の供給懸念といった不確実性を抱えているものの自動車生産台数の回復を見込んでいます。
また、5Gの普及や新たな生活様式の広がりを背景に、電子材料、半導体プロセス材料などにおいて堅調な需要が見込まれます。このような変化に柔軟に対応し、技術の深化でさらなる差別化を図ります。
さらには、生産体制の最適化などの構造改革を実行し、インダストリアルテープ全体として高い利益率を安定的に生み出せる事業基盤を構築します。
・オプトロニクス
情報機能材料では、TV市場において、中国の協業先との連携を継続します。また、スマートフォンはディスプレイにおける様々な技術の進化が進む中、OLEDディスプレイ用の光学フィルムの採用拡大に向けて取り組みます。ノートパソコン、タブレット端末用光学フィルムは、テレワークの拡大などを背景に、継続して高い需要が見込まれ、確実な取込みを図るとともに、さらなる生産性の向上に取り組んでまいります。ITOフィルムは、ノートパソコン、タブレット端末用の需要が継続する一方、スマートフォン用の需要が減少することが見込まれ、ITOフィルムの生産技術を活用した新たな製品の創出に取り組みます。
プリント回路においては、パーソナルコンピューター用のハードディスクドライブなどの用途は減少が見込まれます。一方、高容量化が続くデータセンター用途は引き続き堅調に推移すると見込まれ、安定的な供給体制の構築を進めます。また、高精度基板においては、生産能力の増強を一層進め、スマートフォン用部材への供給を拡大します。
・ライフサイエンス
核酸医薬市場では、希少疾患中心の臨床開発から大衆疾患や癌などのより多くの患者を対象とした治療薬の開発が進んでいます。また、市場は商業化の段階に移行しつつあり、今後、急激な拡大が見込まれます。このような状況の中、当社では受託製造事業の生産能力を増強するとともに、これまで培ったノウハウを活かした核酸製造プロセスにおける設計サービス機能を拡張し、さらなる収益の拡大を目指します。創薬においては、肺線維症および難治性の癌治療薬領域で研究開発と治験を進め、新たな事業の柱として育てていきます。なお、2022年3月期においてロイヤリティ収益の計上を見込んでおります。一方、経皮吸収型テープ製剤や医療衛生材料は緩やかに需要が回復すると想定しています。
・その他
メンブレンでは、COVID-19による需要低下からの回復を見込んでいます。しかしながら、米州において回復の遅れが見込まれるなど、そのスピードは緩やかになると想定しています。このような中、生産プロセスの自動化によるコスト低減、エネルギーや環境分野での新たな製品の創出と育成に取り組みます。新規事業では、プラスチック光ケーブルをはじめ、開発中案件の早期量産化を目指します。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、経営理念の核である「新しい発想でお客様の価値創造に貢献します。」というミッションのもと、「Innovation for Customers」をブランドスローガンとして掲げ、グループ一丸となり、グローバルに成長し続ける企業を目指します。
経営の基本戦略としては「グローバルニッチトップ™」※戦略(成長するマーケットを選択し、ニッチな分野を対象に当社固有の差別化技術を活かして、世界№1シェアを狙う)と「エリアニッチトップ™」※戦略(エリア固有のニーズにマッチした製品で、世界各地でのトップシェアを狙う)を掲げ、この両輪で事業の拡大を図ります。
このような方針のもと、当社グループは新しい発想でお客様の価値創造に貢献し、さらなる成長に向け多くのイノベーションを創出してまいります。
※グローバルニッチトップおよびエリアニッチトップは、Nittoグループの日本国およびその他の国における登録商標または商標です。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、「新しい発想でお客様の価値創造に貢献します。」という経営理念に基づき、中期経営計画を策定しております。また、売上収益、営業利益およびROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)を客観的な指標として採用しております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
製造業を取り巻く経営環境は昨今激変しており、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の再拡大や米中貿易摩擦など、引き続き不確実性の高い事業環境が続くことが想定される一方、半導体や5Gスマートフォンなどのハイテク分野や、医療用部材や医薬品などのライフサイエンス分野は堅調に推移することが期待できます。このような環境の下、当社グループは、強みの源泉である「三新活動」や「ニッチトップ戦略」を戦略の柱として、好機を逃すことなく、成長軌道に乗せるために積極的な取り組みを実行し、外部環境の影響を受けにくい強靭な企業体質の構築を目指します。なお、COVID-19が今後の経営環境や経営戦略に与える影響については、(4)会社の対処すべき課題に記載しております。
また、多様なステークホルダーの期待と信頼に応えるために、事業活動を通じて社会課題の解決と経済価値の創造を両立し、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を実現していきます。
① 成長戦略の推進
Nittoグループの強みを発揮すべく「情報インターフェイス」「次世代モビリティ」「ライフサイエンス」を重点領域とし、これまで培ってきた粘接着技術、高分子制御技術、薄膜形成技術と、ビジネスモデルとを融合させながら、戦略的に経営資源を投入して事業の成長ドライバーとして推進していきます。その一例として、ライフサイエンス領域においては、今後市場が拡大していくとみられる核酸医薬品の受託製造能力増強のため、積極的な投資を行っていきます。また、情報インターフェイス領域では、前期から量産を始めたスマートフォン向け高精度基板や、テレワークを背景に需要が拡大しているデータセンター向けの電子材料、半導体プロセス材料を積極的に展開していきます。次世代モビリティ領域においては、自動運転技術に欠かせないセンシングユニットに使用される電波吸収体など、CASE(コネクティッド、自動運転、シェアリング、電動化)分野に向けて、エレクトロニクス関連部材や機能性部材を積極的に展開していきます。
② 現行事業の構造改革
2022年3月期よりトランスポーテーションを基盤機能材料へ統合いたします。また、引き続きインダストリアルテープ部門やオプトロニクス部門を中心に、グローバルで生産拠点の見直しなどを行い、徹底した合理化を図っていくとともに、国内及び海外での事業構造改革を推進してまいります。
③ 経営基盤の強化
売上や利益の拡大にとどまらず、「安心で安全な職場環境づくり」、「事業活動に伴う環境負荷の低減」、「お客様に信頼される品質の追求」、「社会貢献活動への取組み」などの施策に引き続き取り組むことで、ステークホルダーの皆様へ高い価値を提供してまいります。さらには、より良い未来のため、事業の成長のみならずサステナビリティ社会の実現に向けた取組みを一層推進します。
当社グループは、2017年から2020年までの4年間、ATP(男子プロテニス協会)ツアーのシーズン最終戦Nitto ATPファイナルズのタイトルスポンサーを務めてきましたが、ATPとのパートナーシップ契約を2025年まで延長し、タイトルスポンサーを継続します。さらに、当社グループは、ATPツアーのゴールドパートナーおよびオフィシャルアスレチックパートナーに就任し、ATPメディカルチームにアスレチックテーピング製品を提供します。今後さらなるブランド価値向上に向けて取り組んで参ります。
(4)会社の対処すべき課題
2022年3月期(2021年4月1日~2022年3月31日)の世界経済の予測は、COVID-19のワクチンが先進国や新興国の一部に普及するとの期待や各国における景気支援策などにより成長が見込まれます。一方で、毒性や感染力の強い変異ウイルスの流行やワクチン普及の遅れ、防疫のための経済活動抑制施策の再発出といったリスクも想定され、経済の先行きは高い不確実性を抱えています。
このような環境の下、当社グループは、外部環境の影響を受けにくい強靭な企業体質の構築を目指します。当社グループ独自の戦略の柱である「三新活動」と「ニッチトップ戦略」に磨きをかけ、需要の拡大や成長が期待される領域で「伸ばすもの」に注力し、事業の成長を推進します。一方、「戻るもの」に対しては、さらなる生産性の向上による収益の最大化を目指します。「戻らないもの」に対しては、構造改革により不採算な事業や製品の整理・統廃合を進め収益の改善を図ります。
また、当社グループは「安全をすべてに優先」を方針に掲げ、あらゆる事故・災害をゼロとすることを目指します。さらには、より良い未来のため、事業の成長のみならずサステナビリティ社会の実現に向けた取組みを一層推進します。
・インダストリアルテープ
2022年3月期よりトランスポーテーションを基盤機能材料へ統合いたします。今後、加速すると想定される次世代モビリティ市場の拡大とそれに伴うサプライチェーンの変化を見据え、基盤機能材料との統合によりシナジーを最大化し、CASE(コネクティッド、自動化、シェアリング、電動化)といった領域でのイノベーション創出に向けて対応を強化します。需要の見通しとしましては、半導体の供給懸念といった不確実性を抱えているものの自動車生産台数の回復を見込んでいます。
また、5Gの普及や新たな生活様式の広がりを背景に、電子材料、半導体プロセス材料などにおいて堅調な需要が見込まれます。このような変化に柔軟に対応し、技術の深化でさらなる差別化を図ります。
さらには、生産体制の最適化などの構造改革を実行し、インダストリアルテープ全体として高い利益率を安定的に生み出せる事業基盤を構築します。
・オプトロニクス
情報機能材料では、TV市場において、中国の協業先との連携を継続します。また、スマートフォンはディスプレイにおける様々な技術の進化が進む中、OLEDディスプレイ用の光学フィルムの採用拡大に向けて取り組みます。ノートパソコン、タブレット端末用光学フィルムは、テレワークの拡大などを背景に、継続して高い需要が見込まれ、確実な取込みを図るとともに、さらなる生産性の向上に取り組んでまいります。ITOフィルムは、ノートパソコン、タブレット端末用の需要が継続する一方、スマートフォン用の需要が減少することが見込まれ、ITOフィルムの生産技術を活用した新たな製品の創出に取り組みます。
プリント回路においては、パーソナルコンピューター用のハードディスクドライブなどの用途は減少が見込まれます。一方、高容量化が続くデータセンター用途は引き続き堅調に推移すると見込まれ、安定的な供給体制の構築を進めます。また、高精度基板においては、生産能力の増強を一層進め、スマートフォン用部材への供給を拡大します。
・ライフサイエンス
核酸医薬市場では、希少疾患中心の臨床開発から大衆疾患や癌などのより多くの患者を対象とした治療薬の開発が進んでいます。また、市場は商業化の段階に移行しつつあり、今後、急激な拡大が見込まれます。このような状況の中、当社では受託製造事業の生産能力を増強するとともに、これまで培ったノウハウを活かした核酸製造プロセスにおける設計サービス機能を拡張し、さらなる収益の拡大を目指します。創薬においては、肺線維症および難治性の癌治療薬領域で研究開発と治験を進め、新たな事業の柱として育てていきます。なお、2022年3月期においてロイヤリティ収益の計上を見込んでおります。一方、経皮吸収型テープ製剤や医療衛生材料は緩やかに需要が回復すると想定しています。
・その他
メンブレンでは、COVID-19による需要低下からの回復を見込んでいます。しかしながら、米州において回復の遅れが見込まれるなど、そのスピードは緩やかになると想定しています。このような中、生産プロセスの自動化によるコスト低減、エネルギーや環境分野での新たな製品の創出と育成に取り組みます。新規事業では、プラスチック光ケーブルをはじめ、開発中案件の早期量産化を目指します。