有価証券報告書-第100期(2022/04/01-2023/03/31)
② 戦略
気候変動が事業に及ぼす影響の把握と気候関連の機会とリスクを具体化するために、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の外部シナリオをベンチマークとして参照しました。また、自動車産業のシナリオ分析を確認しつつ、自社の中長期戦略における事業環境認識と照合しながら総合的にシナリオを想定の上、シナリオと自社中長期戦略との差異分析を行い、事業に与える影響が100億円以上に相当する項目を重要項目として抽出しました。
なお、上記シナリオの想定について、移行リスクはIEA「World Energy Outlook」の中で想定される「B2DS」、「SDS」シナリオをそれぞれ推進的・野心的シナリオと定義し、範囲としては2040年までのCO2排出量、炭素税、原油価格、再生可能エネルギー率、新車電動車率を定量化し、自社戦略との差よりリスクと機会を分析しました。また物理的リスクでは、IPCC第5次評価報告書より、「RCP8.5」「RCP6.0」をそれぞれ鈍化、推進シナリオと定義し、気象災害、海面上昇、生態システム悪化、水食糧不足等を定性化し、自社戦略との差よりリスクと機会を分析しました。
主なリスクと機会、重要項目への対応策は以下のとおりです。
主なリスク
主な機会
(注)「財務影響(2025年度)」及び「対応費用(2022年度)」は2023年6月20日時点における暫定値です。
確定値は2023年9月末発行予定の「統合報告書2023」において記載予定です。
気候変動が事業に及ぼす影響の把握と気候関連の機会とリスクを具体化するために、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の外部シナリオをベンチマークとして参照しました。また、自動車産業のシナリオ分析を確認しつつ、自社の中長期戦略における事業環境認識と照合しながら総合的にシナリオを想定の上、シナリオと自社中長期戦略との差異分析を行い、事業に与える影響が100億円以上に相当する項目を重要項目として抽出しました。
なお、上記シナリオの想定について、移行リスクはIEA「World Energy Outlook」の中で想定される「B2DS」、「SDS」シナリオをそれぞれ推進的・野心的シナリオと定義し、範囲としては2040年までのCO2排出量、炭素税、原油価格、再生可能エネルギー率、新車電動車率を定量化し、自社戦略との差よりリスクと機会を分析しました。また物理的リスクでは、IPCC第5次評価報告書より、「RCP8.5」「RCP6.0」をそれぞれ鈍化、推進シナリオと定義し、気象災害、海面上昇、生態システム悪化、水食糧不足等を定性化し、自社戦略との差よりリスクと機会を分析しました。
主なリスクと機会、重要項目への対応策は以下のとおりです。
主なリスク
| 重要事項 | 時間軸/影響 | 主要な財務上の潜在的影響 | 財務影響 (2025年度) | 対応策 | 対応費用 (2022年度) |
| 既存の製品及びサービスに対する新たな命令・規制 | 長期/ やや高い | 燃費・排ガス規制厳格化加速を背景とした売上減少 ・燃費規制の厳格化(2018年から2030年にかけてCO2排出量(上限)は約3分の1)や自動車の電動化(ハイブリッド自動車を含む)の加速(2018年:2%→2030年:47%)を想定。当該変化に対応できず、規制不適合による販売停止等により売上減少 | 3,000億円 | ・航続距離の延伸に向けた電動化製品の省エネルギー技術開発加速 ・新たな燃費規制に向けたハイブリッド自動車等の内燃機関の燃費向上に向けた開発加速 | 880億円 |
| サイクロンや洪水等の異常気象の深刻化と頻度の上昇 | 長期/ やや高い | 工場操業停止・サプライチェーン分断による売上減少 ・洪水発生の可能性が高い日本・アジア(全生産の66%)で操業が停止することにより売上が減少 | 1,000億円 | ・建物・構造物への気象災害対策の実施 ・部材等の購入先の複数社化等によるサプライチェーンに対するリスクマネジメント強化 ・世界工場をIT・IoT技術でつなぐプラットフォームを開発。自然災害による生産変更等に即時に対応できるグローバル生産体制を構築 | 90億円 |
| カーボンプライシングメカニズム | 中期/ 高い | カーボンプライシング導入加速に伴うコスト競争力低下 ・世界における炭素税や排出量取引制度、炭素国境調整措置等の新たな規制の拡大・厳格化により、内燃機関向け製品をはじめとしたすべての車載用製品に炭素コストが付加 | 120億円 | ・国内外の製造に関わるエネルギー由来のCO2低減に向け、炭素税の影響を受けない再生可能エネルギー由来の電力への戦略的かつ段階的な切り替え ・省エネルギーや生産プロセスの効率化の活動継続 | 30億円 |
主な機会
| 重要事項 | 時間軸/影響 | 主要な財務上の潜在的影響 | 財務影響 (2025年度) | 対応策 | 対応費用 (2022年度) |
| 研究開発及び技術革新を通じた新製品やサービスの開発 | 中期/ 高い | 電動車の需要増加に起因する売上増加 ・カーボンニュートラルを背景に各国で電動車が増加。ヒートポンプシステム等電動車の熱効率改善技術の需要も高まる ・インバータやサーマルの電動関連製品を含め、電動化対応により売上が増加 | 5,000億円 | ・省動力技術(エジェクタ、ヒートポンプ、蓄冷エパポレーター)、省能力技術(内外気2層ユニット)、小型化高出力技術(インバータ)等の電動化関連技術や、熱マネジメント技術(蓄熱、廃熱利用、吸着ヒートポンプ)の開発を加速 ・新燃料(e-fuel、水素等)に対応するエンジン制御システム等の技術開発も推進 | 900億円 |
| 事業活動の多様化 | 長期/ 中程度 | 脱炭素に資する技術需要増加に伴う売上増加 ・農業、物流、FA等、今まで培ってきた車載領域の脱炭素に寄与する技術開発で非自動車領域における事業機会を創出 ・CO2を吸収・再利用・貯蔵する技術を開発し2035年事業化を目指す | 農業・ FA等 3,000億円 CO2吸収 ・再利用 ・貯蔵 3,000億円(2035年) | ・センサ・制御・ロボットやバイオ関連技術を最大限活用した農業生産技術や自動車の排ガスを浄化する技術を活かしたCO2吸収・再利用・貯蔵する技術等を創出 ・積極的なアライアンスによる新事業とその販路開拓 | 170億円 |
| より効率的な生産及び物流プロセスの活用 | 中期/ やや高い | 工場の省エネルギー推進によるエネルギーコスト低減 ・全世界の工場における生産プロセスの効率化を進め、エコビジョン2025の「エネルギー使用量を原単位で2012年度比半減」が達成した場合、年間173万tCO2分の削減とともにエネルギーコストも削減 | 600億円 | 省エネルギー活動の継続と、さらなる生産プロセスの効率化に向けた省エネルギー生産技術開発の促進 | 90億円 |
(注)「財務影響(2025年度)」及び「対応費用(2022年度)」は2023年6月20日時点における暫定値です。
確定値は2023年9月末発行予定の「統合報告書2023」において記載予定です。