有価証券報告書-第86期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社グループは、「価値ある製品を創造し、明るい未来社会づくりに貢献します。より良い地球環境の実現に努め、倫理的・社会的責任を果たすとともに、顧客・株主・従業員をはじめ全ての人々を大切に、企業価値の最大化を目指して、誠心誠意をもって「考働(※)」します。」を経営理念に掲げ、「モノづくりからコトづくり」「製造業から創造業への変革」の実践と、「品質、コスト、納期、サービス、技術」などあらゆる面で最上級を目指すトップノッチ経営を打ち出し、積極的な成長戦略を展開し、企業価値の向上を図ります。
当社グループでは、経営環境の変化に柔軟に対応するため、中長期的な持続的成長を見据えた単年度の事業計画に基づき事業運営を行っています。
※考働:考えて働くという当社の造語
(2)中期的な成長戦略
当社グループは、アルミ電解コンデンサ、導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、小形リチウムイオン二次電池等の電子デバイスと、各種電源、機能モジュール、応用関連機器等の回路製品を主力製品とし、コンデンサと回路製品設計のコア技術を用いて「エネルギー・環境・医療機器」、「自動車・車両関連機器」、「白物家電・産業用インバータ機器」、「情報通信機器」の4市場を重点分野と定め、高信頼性、高安全性、高機能性を追求し、競争力に優れる新製品開発により社会課題の解決に貢献し、既存事業の拡大と新規事業の創出に努めています。
(3)経営環境および優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
顧客ニーズがますます高度化、多様化するとともに、環境への配慮が企業活動にますます求められるなか、当社グループは、コア事業であるコンデンサ事業およびNECST(Nichicon Energy Control System Technology)事業について、社会が抱える課題を解決し、明るい未来社会づくりに貢献していくことを念頭に、成長製品に経営資源を集中し、さらなる企業価値の向上を図ってまいります。
一方で、新型コロナウイルスの感染拡大が続いております。当社グループは、お客さま、従業員とその家族の安全確保と感染拡大の防止を最優先としつつ、お客さまへの製品・サービス提供を続けてまいります。
①低炭素社会の実現とキーテクノロジーの進展に向けた事業機会の獲得
コンデンサ事業:
「車載/5G用アルミ電解コンデンサ」「車載用フィルムコンデンサ」については、自動車関連においてCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)や情報通信では5Gによる高速通信の開始、それに伴う基地局の整備、IoTの拡大など、成長が期待できる分野が数多くあります。また、「小形リチウムイオン二次電池」は、今後ますますIoT市場の拡大が加速するなか、ウェアラブル機器、情報通信端末に限らず、スマートホーム、スマートファクトリー、スマート農業、災害検知といったソリューションに期待が寄せられています。こうした機会を逃すことなく、需要に対する供給力を強化するとともに、競争力の高い新製品の開発を加速させてまいります。
NECST事業:
「家庭用蓄電システム」や「V2H(Vehicle to Home)システム」は、環境に配慮した電気の自家消費用途のみならず、度重なる自然災害を経て「もしもの時の備え」として注目されるようになってきました。こうした変化を受け「家庭用蓄電システム」では、気象警報情報に基づいて、自動で蓄電に切り替わる機能のほか、停電時に蓄電システムから給電する配線系統を選ばない「自動切替分電盤」で、家じゅうの部屋の電源をバックアップできる新製品も開発しました。また、来る分散型電源社会(電気の地産地消)に貢献するため、各種VPP(仮想発電所)実証実験に家庭用蓄電システムやV2Hシステムの提供と協力、そして公共・産業用蓄電システムを活用した実証への参画も継続していきます。今後、これらの機器を有機的に組み合わせた複合システムの製品化により、低炭素社会の実現やサステナビリティへの貢献を通じて事業拡大に努めてまいります。
「医療用加速器電源」は、がんの治療に貢献する製品で、粒子線治療装置の心臓部である粒子を加速させるために使用されています。2021年3月末現在、国内17施設、海外は北米を中心に9施設に採用されています。また、研究機関などで進められている最新の粒子線治療装置の開発にも参画し、安心な社会づくりにも役立っています。
②外部環境に左右されない強い経営体質への変革
アルミ電解コンデンサは、電極箔、電解液などの基本部材から自社で研究開発し、上記の各重点分野に向けてネジ端子の大形品から面実装に適したチップ品、また、導電性高分子材料を陰極に用いた導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ、さらにはこれら両製品の特長を併せ持つ導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサなど多彩なデバイスを取り揃え、使用環境がますます多様化する中でのさらなる高機能化のニーズに応える製品開発に取り組んでいます。
フィルムコンデンサは、基本材料である金属蒸着フィルムから開発し、自動車・車両関連機器分野、特に環境負荷が小さく、市場拡大の目覚しいEV、HV、PHVなどの動力モーター駆動用インバータ回路向け平滑用フィルムコンデンサの開発・製造に注力しています。これらの駆動用インバータユニットに用いられるフィルムコンデンサは、高周波特性、耐電流性能に優れ、長寿命で高信頼、高安全性に加え、顧客要求に応じたフレキシブルな対応が可能であることから、国内外の自動車メーカーへの採用が飛躍的に拡大しています。
NECST事業製品では、2050年にカーボンニュートラルを実現する政府方針が明確となり、その具現化に向けて再生可能エネルギーの活用を拡大する政策が打ち出されています。カーボンニュートラルを支える要素としてZEH(ネットゼロエネルギーハウス)が有望視されており、当社グループは住宅メーカーが販売しているZEHに家庭用蓄電システムや太陽光発電を含むハイブリッド型、さらにV2H機能も併せ持ったトライブリッド型などの複合システム製品を設置してZEHの拡大に貢献しています。また、電気自動車から家庭に電気を供給できるV2Hシステムを業界に先駆けて開発し、EVパワー・ステーション®として市場投入してきました。これらの製品は、公共・産業用蓄電システムや、電気自動車から独立電源を供給するパワー・ムーバー®(V2L)などとともに、最近増加している甚大な自然災害による長期停電時に避難所に電力供給できる製品として、非常時の安心、安全に大きく役立っています。
これらの強化に向けた全社の横断的な取組みとして、生産拠点においては自動化、省力化による生産性の向上と原価低減、絶対的な品質の確立に注力するとともに、販売、生産、研究開発、管理などのあらゆる業務のデジタル化を推進し、将来のイノベーションの創出に努めています。
③ESG経営の構築と推進
当社グループでは持続的な成長と企業価値の増大に向けて、当社製品による地球環境への貢献と自社での対応取り組み、多様な働き方など人材面の基盤強化、コーポレートガバナンスやコンプライアンス体制の強化に努めています。
環境課題については、自社拠点において太陽光で発電した電力を蓄電し、これを電気自動車への充電や生産設備への給電を無駄なく効率的に行う複合システムを設置し、生産工場などの大規模施設における再生可能エネルギーの新たな活用方法によるCO2削減に取り組んでいます。
また、当社グループでは「人」こそ最大の経営資源であり、会社のエネルギーであるとの観点に立ち、従業員一人ひとりが社会や時代のニーズを敏感に察知し、コンプライアンスへの意識を高く持ちながら考働していくこと、やりがいや成長を実感でき、能力を発揮できるよう、人材面での基盤強化を重視しています。社会との接点においては、産学連携にも注力しており、立命館大学との連携によるMOT(Management of Technology)教育や、エネルギーの地産地消とスマート社会の創造に寄与することを目的にスタートした東京大学生産技術研究所との包括的な産学連携研究協力協定など、大学機関との研究開発活動も積極的に推進しています。
これらに加え、コーポレートガバナンスについては、取締役会の経営の監督と執行の役割の一層の明確化を図るため、社外取締役比率を3分の1以上としており、さらに今般、取締役会の諮問機関として過半数を社外役員で構成する指名・報酬委員会を設置し、取締役の指名および報酬等に関する手続きの公正性、透明性、客観性を確保しています。コンプライアンス体制の強化では、業務の適正を確保するための体制ならびに財務報告の信頼性を確保するための体制を充実させ、一層の内部統制の整備・運用を推進しています。
(1)経営方針
当社グループは、「価値ある製品を創造し、明るい未来社会づくりに貢献します。より良い地球環境の実現に努め、倫理的・社会的責任を果たすとともに、顧客・株主・従業員をはじめ全ての人々を大切に、企業価値の最大化を目指して、誠心誠意をもって「考働(※)」します。」を経営理念に掲げ、「モノづくりからコトづくり」「製造業から創造業への変革」の実践と、「品質、コスト、納期、サービス、技術」などあらゆる面で最上級を目指すトップノッチ経営を打ち出し、積極的な成長戦略を展開し、企業価値の向上を図ります。
当社グループでは、経営環境の変化に柔軟に対応するため、中長期的な持続的成長を見据えた単年度の事業計画に基づき事業運営を行っています。
※考働:考えて働くという当社の造語
(2)中期的な成長戦略
当社グループは、アルミ電解コンデンサ、導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ、フィルムコンデンサ、小形リチウムイオン二次電池等の電子デバイスと、各種電源、機能モジュール、応用関連機器等の回路製品を主力製品とし、コンデンサと回路製品設計のコア技術を用いて「エネルギー・環境・医療機器」、「自動車・車両関連機器」、「白物家電・産業用インバータ機器」、「情報通信機器」の4市場を重点分野と定め、高信頼性、高安全性、高機能性を追求し、競争力に優れる新製品開発により社会課題の解決に貢献し、既存事業の拡大と新規事業の創出に努めています。
(3)経営環境および優先的に対処すべき事業上および財務上の課題
顧客ニーズがますます高度化、多様化するとともに、環境への配慮が企業活動にますます求められるなか、当社グループは、コア事業であるコンデンサ事業およびNECST(Nichicon Energy Control System Technology)事業について、社会が抱える課題を解決し、明るい未来社会づくりに貢献していくことを念頭に、成長製品に経営資源を集中し、さらなる企業価値の向上を図ってまいります。
一方で、新型コロナウイルスの感染拡大が続いております。当社グループは、お客さま、従業員とその家族の安全確保と感染拡大の防止を最優先としつつ、お客さまへの製品・サービス提供を続けてまいります。
①低炭素社会の実現とキーテクノロジーの進展に向けた事業機会の獲得
コンデンサ事業:
「車載/5G用アルミ電解コンデンサ」「車載用フィルムコンデンサ」については、自動車関連においてCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)や情報通信では5Gによる高速通信の開始、それに伴う基地局の整備、IoTの拡大など、成長が期待できる分野が数多くあります。また、「小形リチウムイオン二次電池」は、今後ますますIoT市場の拡大が加速するなか、ウェアラブル機器、情報通信端末に限らず、スマートホーム、スマートファクトリー、スマート農業、災害検知といったソリューションに期待が寄せられています。こうした機会を逃すことなく、需要に対する供給力を強化するとともに、競争力の高い新製品の開発を加速させてまいります。
NECST事業:
「家庭用蓄電システム」や「V2H(Vehicle to Home)システム」は、環境に配慮した電気の自家消費用途のみならず、度重なる自然災害を経て「もしもの時の備え」として注目されるようになってきました。こうした変化を受け「家庭用蓄電システム」では、気象警報情報に基づいて、自動で蓄電に切り替わる機能のほか、停電時に蓄電システムから給電する配線系統を選ばない「自動切替分電盤」で、家じゅうの部屋の電源をバックアップできる新製品も開発しました。また、来る分散型電源社会(電気の地産地消)に貢献するため、各種VPP(仮想発電所)実証実験に家庭用蓄電システムやV2Hシステムの提供と協力、そして公共・産業用蓄電システムを活用した実証への参画も継続していきます。今後、これらの機器を有機的に組み合わせた複合システムの製品化により、低炭素社会の実現やサステナビリティへの貢献を通じて事業拡大に努めてまいります。
「医療用加速器電源」は、がんの治療に貢献する製品で、粒子線治療装置の心臓部である粒子を加速させるために使用されています。2021年3月末現在、国内17施設、海外は北米を中心に9施設に採用されています。また、研究機関などで進められている最新の粒子線治療装置の開発にも参画し、安心な社会づくりにも役立っています。
②外部環境に左右されない強い経営体質への変革
アルミ電解コンデンサは、電極箔、電解液などの基本部材から自社で研究開発し、上記の各重点分野に向けてネジ端子の大形品から面実装に適したチップ品、また、導電性高分子材料を陰極に用いた導電性高分子アルミ固体電解コンデンサ、さらにはこれら両製品の特長を併せ持つ導電性高分子ハイブリッドアルミ電解コンデンサなど多彩なデバイスを取り揃え、使用環境がますます多様化する中でのさらなる高機能化のニーズに応える製品開発に取り組んでいます。
フィルムコンデンサは、基本材料である金属蒸着フィルムから開発し、自動車・車両関連機器分野、特に環境負荷が小さく、市場拡大の目覚しいEV、HV、PHVなどの動力モーター駆動用インバータ回路向け平滑用フィルムコンデンサの開発・製造に注力しています。これらの駆動用インバータユニットに用いられるフィルムコンデンサは、高周波特性、耐電流性能に優れ、長寿命で高信頼、高安全性に加え、顧客要求に応じたフレキシブルな対応が可能であることから、国内外の自動車メーカーへの採用が飛躍的に拡大しています。
NECST事業製品では、2050年にカーボンニュートラルを実現する政府方針が明確となり、その具現化に向けて再生可能エネルギーの活用を拡大する政策が打ち出されています。カーボンニュートラルを支える要素としてZEH(ネットゼロエネルギーハウス)が有望視されており、当社グループは住宅メーカーが販売しているZEHに家庭用蓄電システムや太陽光発電を含むハイブリッド型、さらにV2H機能も併せ持ったトライブリッド型などの複合システム製品を設置してZEHの拡大に貢献しています。また、電気自動車から家庭に電気を供給できるV2Hシステムを業界に先駆けて開発し、EVパワー・ステーション®として市場投入してきました。これらの製品は、公共・産業用蓄電システムや、電気自動車から独立電源を供給するパワー・ムーバー®(V2L)などとともに、最近増加している甚大な自然災害による長期停電時に避難所に電力供給できる製品として、非常時の安心、安全に大きく役立っています。
これらの強化に向けた全社の横断的な取組みとして、生産拠点においては自動化、省力化による生産性の向上と原価低減、絶対的な品質の確立に注力するとともに、販売、生産、研究開発、管理などのあらゆる業務のデジタル化を推進し、将来のイノベーションの創出に努めています。
③ESG経営の構築と推進
当社グループでは持続的な成長と企業価値の増大に向けて、当社製品による地球環境への貢献と自社での対応取り組み、多様な働き方など人材面の基盤強化、コーポレートガバナンスやコンプライアンス体制の強化に努めています。
環境課題については、自社拠点において太陽光で発電した電力を蓄電し、これを電気自動車への充電や生産設備への給電を無駄なく効率的に行う複合システムを設置し、生産工場などの大規模施設における再生可能エネルギーの新たな活用方法によるCO2削減に取り組んでいます。
また、当社グループでは「人」こそ最大の経営資源であり、会社のエネルギーであるとの観点に立ち、従業員一人ひとりが社会や時代のニーズを敏感に察知し、コンプライアンスへの意識を高く持ちながら考働していくこと、やりがいや成長を実感でき、能力を発揮できるよう、人材面での基盤強化を重視しています。社会との接点においては、産学連携にも注力しており、立命館大学との連携によるMOT(Management of Technology)教育や、エネルギーの地産地消とスマート社会の創造に寄与することを目的にスタートした東京大学生産技術研究所との包括的な産学連携研究協力協定など、大学機関との研究開発活動も積極的に推進しています。
これらに加え、コーポレートガバナンスについては、取締役会の経営の監督と執行の役割の一層の明確化を図るため、社外取締役比率を3分の1以上としており、さらに今般、取締役会の諮問機関として過半数を社外役員で構成する指名・報酬委員会を設置し、取締役の指名および報酬等に関する手続きの公正性、透明性、客観性を確保しています。コンプライアンス体制の強化では、業務の適正を確保するための体制ならびに財務報告の信頼性を確保するための体制を充実させ、一層の内部統制の整備・運用を推進しています。