有価証券報告書-第79期(2025/04/01-2026/03/31)
戦略
気候変動に関連した当社事業へのリスク・機会は、2022年度には全執行役員により、リスク・機会の見直しを行ったうえで評価を行いました。2023年度以降は、リスクの影響度と期間について年に1度見直しを行っております。
影響度:売上の5%以上の影響額のあるリスク及び機会を影響度:大として評価しております。
期 間:従来の年度ベースの定義から、期間ベース(短期:5年以内、中期:5年超~10年以内、長期:10年超を想定)へと見直しています。
なお、当社では以下のシナリオについて分析を行い、それぞれのシナリオで必要となる対応策の検討を進めております。
1.5℃シナリオ(IPCC SSP 1-1.9及びIEA NZEに基づく)で想定する世界観:2050年又はそれ以降にカーボンニュートラルを達成する為、脱炭素/低炭素社会の実現に向けた社会経済が発展する世界。
4.0℃シナリオ(IPCC SSP 3-7.0及びNGFS(NDCs)に基づく)で想定する世界観:現在行われている気候変動に関する政策が強化されることなく継続されることにより、自然災害の激甚化による社会の適応の必要性が高まる世界。
一部SSP8.5のシナリオ数値を使用し国内事業所のリスク試算をしております。
IPCC SSP:気候変動に関する政府間パネル 共有社会経済経路シナリオ
IEA NZE:国際エネルギー機関におけるネットゼロシナリオ
NGFS(NDCs):気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク 各国が決定する貢献シナリオ
気候変動に関連した当社事業へのリスク・機会は、2022年度には全執行役員により、リスク・機会の見直しを行ったうえで評価を行いました。2023年度以降は、リスクの影響度と期間について年に1度見直しを行っております。
| リスク/機会 | 項目 | 影響度 | 期間 | 想定される事象と対策 | |
| 移行リスク | 市場 | 気候変動に関連する顧客要求を満たせない場合のリスク | 大 | 短期 ~ 中期 | (想定される事象) 1.5℃シナリオでは、気候変動に関連する技術への対応、その他要求事項の増加が想定され、顧客要求を満たせない場合、当社の売上が減少する可能性があります。 (対応策) ①現在当社の最重要戦略市場に含まれる車載市場、産業機器・エネルギー変換市場は、EV化をはじめとする気候変動の緩和へ大きく貢献する分野です。当社では、新製品の投入及び開発スピードの向上によりこれら要求への対応を図るとともに、生産事業所における歩留改善等を通じた製造段階でのCO2排出量削減、ならびにアルミ電解コンデンサの長寿命化による製品使用段階での排出抑制に取り組んでいます。 ②当社ではグリーン調達ガイドラインに基づき、気候関連リスクに関する取組みを行うようサプライヤーへ要求をしています。新規取引及び更新の際に、物理的リスクが高いサプライヤーに対し、気候関連のリスクを考慮した事業継続計画への見直しや適応策の実施を促すことで、サプライチェーンを通じた取組みを推進しています。 |
| 移行リスク | 政策/法規制 /市況 | カーボンプライシング導入/電力・燃料・材料費増加 | 大 | 短期 ~ 中期 | (想定される事象) 1.5℃シナリオでは、気候変動の対応策として、炭素税をはじめとするカーボンプライシングの導入が想定されています。例えば日本では、2028年度から化石燃料の輸入業者に炭素に対する賦課金が課される予定です。さらに他の国においても同様の制度の導入が想定されています。これらにより、間接的または直接的に電力費、燃料費や材料費及び租税課金の増加が想定されます。 (対応策) カーボンプライシングへの対応策として、当社では、環境委員会の傘下として、省エネルギー対策小委員会を設置しており、グループ全体での省エネ及び CO2排出量の削減に取組み将来の影響額の低減に努めています。 また、2050年度カーボンニュートラル実現に向け、再エネ電力の導入を開始しており、さらなる活用についても検討を進めています。具体的には、中国の貴弥功(無錫)有限公司において2023年より太陽光発電を開始しました。日本国内では2024年1月よりケミコン東日本㈱福島工場にてオンサイトPPAを導入、さらに2024年11月よりChemi-Con(Malaysia) Sdn.Bhd.においてもオンサイトPPAによる太陽光発電を開始しています。これらの取組みにより、電力コスト上昇リスクの低減とCO2排出量削減の両立を図っていきます。 |
| 物理的リスク | 急性 | 異常気象による災害の激甚化 | 小 | 短期 ~ 長期 | (想定される事象) 4℃シナリオにおいては、異常気象の発生頻度の増加に伴い、豪雨災害等の規模及び影響の拡大が予測されます。これにより生産拠点の被災やサプライチェーンの寸断等のリスクが想定されます。 (対応策) 当社では、異常気象の激甚化に伴う災害リスクの低減に向け、2011年の東日本大震災を契機に構築してきた製品・材料の複数拠点での生産体制及び代替調達体制(複数購買・複数調達)を、物理的リスクへの対応に継続的に活用しています。さらに、これらの体制を基盤として、BCP(事業継続計画)の見直しを定期的に実施し、リスク対応の実効性向上に努めています。 また、国内事業所については、ハザードマップ等に基づき将来の浸水リスクを評価し、影響度に応じた対策を段階的に推進しています。例えば、当社グループでは洪水災害の影響を受ける可能性のある事業所を特定し、対策を実施しており、影響の大きい日本ケミコン㈱高萩工場及びケミコン東日本㈱宮城工場においては、以下のような具体的な対応を進めています。 ・日本ケミコン㈱高萩工場 花貫川に隣接し、計画規模(50年に1度)の浸水深は約0.6mと想定されています。これに対し、土嚢や止水板の設置により浸水対策を進めるとともに、重要設備の高所配置を進めています。 ・ケミコン東日本㈱宮城工場 想定最大規模(1000年に1度)の降雨により2mを超える浸水リスクがある地域に立地しており、土嚢の設置に加え、新製造棟においては防水構造及び設備の高所配置を採用しています。 これらの対策については、進捗状況を定期的にモニタリングし、必要に応じて追加対策を検討・実施しています。 |
| 機会 | 市場 | 顧客要求に対応した製品・サービスの提供 | 大 | 短期 ~ 中期 | (想定される事象) 1.5℃シナリオにおいて、温室効果ガスの排出抑制を図るため、設備の導入、機器仕様の変更が進められ、電化や省エネを推し進めていく世界の中で、当社製品の使用機会が拡大することが見込まれます。特に、電動化の進展やエネルギー効率改善の需要拡大により、高効率・低消費電力製品の需要の増加が想定され、当社の技術優位性を活かした競争力の強化が期待されます。 また、当社ではこれまでも電極箔生産における使用電力の積極的削減を進めており、CO2排出量の観点から優位性の高い製品を提供することが可能になると考えています。 (対応策) ①現在当社の最重要戦略市場に含まれる車載市場、産業機器・エネルギー変換市場は、EV化をはじめとする気候変動の緩和へ大きく貢献する分野です。今後もこれらの市場に対し、新製品を投入及び開発スピード向上を図ることで、顧客要求に対応し、事業機会の拡大を進めています。 ②製品の生産におけるCO2排出量の削減を念頭においた、製品の開発や生産設備の開発・導入を進めていきます。 |
| 技術 | 新技術の開発による競争優位性の向上 | ||||
| レジリエンス | 再エネプログラム・省エネ対策の推進 | 小 | 短期 ~ 中期 | (想定される事象) 1.5℃シナリオでは、再エネプログラムや省エネ対策を推進することが求められています。 (対応策) 一部の再エネプログラムや省エネ対策を推進しコスト等の低減を通じて競争力の向上を図っています。 | |
影響度:売上の5%以上の影響額のあるリスク及び機会を影響度:大として評価しております。
期 間:従来の年度ベースの定義から、期間ベース(短期:5年以内、中期:5年超~10年以内、長期:10年超を想定)へと見直しています。
なお、当社では以下のシナリオについて分析を行い、それぞれのシナリオで必要となる対応策の検討を進めております。
1.5℃シナリオ(IPCC SSP 1-1.9及びIEA NZEに基づく)で想定する世界観:2050年又はそれ以降にカーボンニュートラルを達成する為、脱炭素/低炭素社会の実現に向けた社会経済が発展する世界。
4.0℃シナリオ(IPCC SSP 3-7.0及びNGFS(NDCs)に基づく)で想定する世界観:現在行われている気候変動に関する政策が強化されることなく継続されることにより、自然災害の激甚化による社会の適応の必要性が高まる世界。
一部SSP8.5のシナリオ数値を使用し国内事業所のリスク試算をしております。
IPCC SSP:気候変動に関する政府間パネル 共有社会経済経路シナリオ
IEA NZE:国際エネルギー機関におけるネットゼロシナリオ
NGFS(NDCs):気候変動リスクに係る金融当局ネットワーク 各国が決定する貢献シナリオ