有価証券報告書-第44期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/26 12:08
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1.経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
①当連結会計年度の概況
当連結会計年度の経済環境は、欧米やわが国を中心にゆるやかな回復基調で推移していたものの、期末にかけて、新型コロナウイルスの感染拡大により世界経済は急速に落ち込み、厳しい状況となってまいりました。
当社グループの主要なお客さまであるエレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業におきましては、期末近くになり、感染症拡大の影響から企業活動を控える動きはあったものの、当連結会計年度におけるIT投資としては概ね堅調に推移いたしました。
このような中にあって、当社グループは、世界のモノづくり企業に向けて最適なソリューションを提供していく「真のグローバルカンパニー」を目指し、主力製品の拡販や新製品の開発、新たな技術領域への進出などに注力してまいりました。当連結会計年度の主な取り組みは、次のとおりであります。
(ⅰ) 主力製品の拡販と新製品開発
エレクトロニクス製造業の分野では、主力の電気設計システム「CR-8000 Design Force」を世界に向けて拡販し、特に日本と欧州において売上を拡大させてまいりました。また、比較的小規模な設計環境に適した新たな電気設計システム「eCADSTAR」の販売を本格的に開始し、中小規模の設計を行う市場に対しても販売を強化してまいりました。
自動車関連・産業機器製造業の分野においては、ワイヤハーネスの設計システム「E3.series」の販売に引き続き注力いたしました。さらに、この製品に対応する設計データ管理システム「DS-E3」の機能拡充を図り、設計からデータ管理まで一貫したソリューションとして販売を推進してまいりました。また、多様化する設計環境に対応し、ドイツと日本の製品を統合・進化させた新たなワイヤハーネスの設計システムの開発を加速させてまいりました。
(ⅱ) 中長期的な成長を見据えた取り組み
世界のモノづくりが高度化・複雑化し、設計・製造プロセスを根本から見直す動きが広がる中で、モノづくり企業の設計・製造の効率化を実現する新たな仕組みや技術が求められています。
これに対して当社は、MBSE分野において最先端の技術を持つ米国企業をグループ内に取り込むとともに、MBSEという新しい設計手法の導入や運用をサポートする体制を大幅に強化してまいりました。さらに、先進技術の研究開発を推進する様々な企業との協力・連携体制を構築するなど、新たな技術領域へ進出してまいりました。これらの取り組みにより、当社グループのソリューション領域を広げ、モノづくり企業の設計・製造プロセス改革に対応できる体制を整えてまいりました。
※MBSEは、モデルベースシステムズエンジニアリングの略で、航空・宇宙、自動車関連等の複雑で高い品質が求められる製品に使われ始めた次世代の設計手法です。この手法には、電気・機械・ソフトウェアなど複数の分野の技術者が共通認識できるモデルを使うことにより、様々な技術が複雑に関連し合う製品開発を構想企画段階で最適化するねらいがあります。
②当連結会計年度の業績
(連結業績)
売上高:292億9千6百万円(前期比 9.4%増)
経常利益:34億8千6百万円(前期比 9.2%増)
親会社株主に帰属する
当期純利益
:25億9千5百万円(前期比 22.8%増)

以上の取り組みにより、当連結会計年度の売上高は、前期を大きく上回り、4期連続で過去最高となりました。これは、主力の電気設計システム「CR-8000 Design Force」及びワイヤハーネスの設計システム「E3.series」の売上が伸長したことや、国内子会社の建築業向け3Dソリューションの販売が好調に推移したことによるものです。
また、利益面につきましても、売上高が大きく伸びたことから大幅な増益となり、営業利益、経常利益ともに過去最高となりました。
基板設計ソリューションの主な製品CR-8000 Design Force
CR-8000 DFM Center
CADSTAR
eCADSTAR
CR-5000 Board Designer
回路設計ソリューションの主な製品CR-8000 Design Gateway
CR-8000 System Planner
E3.series
Cabling Designer
Harness Designer
CR-5000 System Designer
ITソリューションの主な製品プリサイト ビジュアル ボム
PreSight visual BOM
DS-CR
エクスプレッソ
DS-2 Expresso
DS-E3
GENESYS

(セグメントの業績)
報告セグメントの業績につきましては、次のとおりであります。
・日本
電気設計システム「CR-8000」シリーズを中心に基板設計ソリューション及び回路設計ソリューションの売上が順調に伸びたことなどから、売上高は222億9千8百万円(前期比 11.0%増)となりました。営業利益につきましては、売上高の増加などから26億5千6百万円(前期比 13.7%増)となりました。
・欧州
回路設計ソリューション及びクライアントサービスの売上が堅調に推移したことなどから、売上高は56億6百万円(前期比 0.1%増)となり、営業利益は2億4千万円(前期比 3.4%増)となりました。
・米国
ワイヤハーネスの設計システム「E3.series」を中心に回路設計ソリューションの売上が増加したことなどから、売上高は21億1千9百万円(前期比 19.5%増)となりました。営業利益につきましては、売上高の増加などから1億1千5百万円(前期比 36.6%増)となり、前年同期に比べて大幅に伸長いたしました。
・アジア
韓国で基板設計ソリューションの売上が減少したことなどから、売上高は14億4千7百万円(前期比 3.7%減)となりました。営業利益につきましては、売上高の減少などから3億7千2百万円(前期比 3.9%減)となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動で42億7百万円の収入、投資活動で10億3千4百万円、財務活動で8億7百万円の支出となったことから、前連結会計年度末に比べ21億6千9百万円増加し、当連結会計年度末は203億6百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、42億7百万円(前期比 7億8千1百万円増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益36億1千9百万円(前期比 5億1千9百万円増)の計上、前受金の増加額13億2千1百万円(前期比 11億2百万円増)、減価償却費6億9千4百万円(前期比 2千5百万円増)などの増加要因と、法人税等の支払額10億5千9百万円(前期比 1億2千9百万円増)などの減少要因との差引合計によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、10億3千4百万円(前期比 1億4千1百万円減)となりました。これは主に固定資産の取得による支出7億2千1百万円(前期比 2億2千6百万円増)と、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出4億3千2百万円などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、8億7百万円(前期比 2億1千8百万円増)となりました。これは主に配当金の支払額6億5千万円(前期比 9千2百万円増)によるものであります。
(3) 生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当社グループの売上高は、受注に基づくソフトウェア及びそれに付随するコンサルティングが主体であり、生産高と極めて近似しております。従って、セグメント別生産実績については、有用性が乏しいとの判断から記載を省略しております。
②受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)
日 本22,100,211113.07,662,755112.8
欧 州4,759,748100.81,685,342101.9
米 国2,146,215107.61,424,182104.2
ア ジ ア1,451,654123.7439,523120.0
合 計30,457,830111.011,211,804110.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.金額は販売価格によっており、消費税等を含んでおりません。
③販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
日 本21,228,330111.9
欧 州4,654,40899.6
米 国2,063,016119.3
ア ジ ア1,350,59895.6
合 計29,296,353109.4

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等を含んでおりません。
(参考)製品区分別実績は次のとおりであります。
①受注実績
当連結会計年度における受注実績を製品区分ごとに示すと、次のとおりであります。
製品区分受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)
基板設計ソリューション4,913,702115.8812,423116.7
回路設計ソリューション7,268,256112.51,084,43890.8
ITソリューション6,128,067100.1983,46793.3
クライアントサービス12,137,899114.48,331,135115.2
その他9,904109.833932.6
合計30,457,830111.011,211,804110.1

(注)金額は販売価格によっており、消費税等を含んでおりません。
②販売実績
当連結会計年度における販売実績を製品区分ごとに示すと、次のとおりであります。
製品区分金額(千円)前期比(%)
基板設計ソリューション4,782,582113.3
回路設計ソリューション7,361,105120.2
ITソリューション6,193,266104.6
クライアントサービス10,948,790104.1
その他10,607130.3
合計29,296,353109.4

(注)上記金額には、消費税等を含んでおりません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析等
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析等の内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末より42億5千4百万円増加して514億4千5百万円(前期比 9.0%増)となりました。流動資産は32億9百万円増加して370億7千2百万円(前期比 9.5%増)、固定資産は10億4千5百万円増加して143億7千3百万円(前期比 7.8%増)となりました。流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金が20億5千1百万円増加したことなどであります。固定資産の増加の主な要因は、投資有価証券が4億6千5百万円、のれんが4億2千1百万円増加したことなどであります。
当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末より22億9千1百万円増加して164億3千2百万円(前期比 16.2%増)となりました。流動負債は19億2百万円増加して120億1千9百万円(前期比 18.8%増)、固定負債は3億8千8百万円増加して44億1千2百万円(前期比 9.7%増)となりました。流動負債の増加の主な要因は、前受金が13億2千8百万円、買掛金が3億5千万円増加したことなどであります。固定負債の増加の主な要因は、退職給付に係る負債が3億4千9百万円増加したことなどであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末より19億6千3百万円増加して350億1千3百万円(前期比 5.9%増)となりました。株主資本は19億4千4百万円増加して329億3千4百万円となりましたが、この増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益を25億9千5百万円計上したことと、配当金6億5千万円支払いの差し引き合計で、利益剰余金が19億4千4百万円増加したことであります。その他の包括利益累計額は、その他有価証券評価差額金が2億4千4百万円増加し、退職給付に係る調整累計額が1億3百万円減少したことなどから、3千1百万円の増加となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の69.1%から1.9ポイント減少し、67.2%となりました。
(2) 経営成績の分析
当連結会計年度の業績につきましては、主力の電気設計システム「CR-8000 Design Force」を中心に基板設計ソリューションが堅調に推移したことや、ワイヤハーネスの設計システム「E3.series」及び国内子会社の建築業向け3Dソリューションの販売が好調に推移し、回路設計ソリューションの売上が大きく伸びたことなどから、売上高は292億9千6百万円(前期比 9.4%増)となり、前連結会計年度を大きく上回る結果となりました。利益面につきましては、ネットワークセキュリティ製品等の外部仕入品の売上増加により売上高総利益率は若干低下したものの、売上高の増加により売上総利益は207億7千1百万円(前期比 8.0%増)となりました。販売費及び一般管理費は173億8千万円(前期比 7.4%増)となり、営業利益は33億9千1百万円(前期比 11.2%増)と、前連結会計年度を大幅に上回りました。
営業外収益から営業外費用を差し引いた純額は、9千5百万円の収益の計上となりました。これは主に、営業外収益として受取配当金が6千6百万円、助成金収入が3千6百万円計上されたことなどによります。
以上の結果、経常利益は34億8千6百万円(前期比 9.2%増)となりました。
特別利益から特別損失を差し引いた純額は、1億3千2百万円の利益の計上となりました。これは主に、特別利益として権利譲渡収入が1億3千7百万円計上されたことなどによります。
以上の結果、税金等調整前当期純利益は36億1千9百万円となり、法人税等と非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は25億9千5百万円(前期比 22.8%増)となりました。また、1株当たり当期純利益は111円65銭(前期は90円88銭)となりました。
なお、セグメントごとの分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況(セグメントの業績)」を参照願います。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当連結会計年度末における当社グループの資金(連結キャッシュ・フロー計算書の「現金及び現金同等物」)残高は、前連結会計年度末より21億6千9百万円増加して203億6百万円となり、当社グループの流動性は、十分な水準にあると考えられます。また、財務状態につきましては、流動比率は308.4%、自己資本比率は67.2%であり、健全な財務状態であると認識しております。
将来の事業活動に必要な運転資金及び設備投資資金並びに株主還元等につきましては、営業活動により得られた資金及び内部資金より調達しております。また、資金の運用につきましては、信用リスク、金利等を考慮し、安全性を第一と考え、元本割れの可能性が極めて低いと思われる金融商品で行っております。
なお、キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (2) キャッシュ・フロー」を参照願います。
(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りや評価が含まれております。
詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に影響を及ぼすと考えております。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、収束時期の見通しは立っていないものの、現時点において連結財務諸表作成における重要な見積りの判断等に与える重要な影響は認識しておりません。
・貸倒引当金
売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。
なお、取引先の財政状態が予測を大幅に超えて悪化し、その支払い能力が著しく低下した場合、追加引当処理が必要となる可能性があります。
・繰延税金資産
繰延税金資産は毎期、過去の課税所得の推移や将来の見込額を勘案し、回収可能性を慎重に検討した上で法定実効税率を用いて計上しております。
繰延税金資産の回収可能性の前提となる見積課税所得が、将来の不確実な経済状況の変動による影響を受け、翌連結会計年度以降に繰延税金資産を認識する金額が影響を受ける可能性があります。
・固定資産の減損
固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の減損の兆候の判定及び回収可能価額の算定の前提となる将来キャッシュ・フローが、将来の不確実な経済状況の変動による影響を受け、翌連結会計年度以降の固定資産の減損損失の金額が影響を受ける可能性があります。
(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループは、設計・製造の効率化という課題の解決に向けたソリューションビジネスを展開しております。エレクトロニクス製造業、自動車関連・産業機器製造業を主要な市場とするほか、ソリューションを拡充し、設計・製造プロセス全体の最適化を提供していくこと等により、新たな市場、技術領域への取り組みを積極的に展開し、事業基盤のさらなる拡大を図っております。そのため、各種ソリューションの開発・強化の進捗やその品質・信用性の向上、エレクトロニクス、自動車関連・産業機器を中心に製造業における設備投資の動向、さらには有力企業や関連会社との良好な協業・連携の維持といった要因が経営成績に重要な影響を与えるものと思われます。詳細につきましては、「2.事業等のリスク」を参照願います。
(6) 今後の見通し
今後の経済環境につきましては、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が見通せない中、厳しい状況が続いていくものと思われます。
このような中にあって、当社グループは、お客さまの次世代のモノづくりに貢献する最適なソリューションを提供し、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。詳細につきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」を参照願います。

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