四半期報告書-第38期第3四半期(平成30年7月1日-平成30年9月30日)
有報資料
(1)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間(平成30年1月1日~平成30年9月30日)における世界経済は、米国の保護主義的な政策動向による貿易摩擦や金融資本市場の変動の影響に留意する必要があるものの、米国では設備投資や個人消費が増加し、日本でも経済政策により雇用情勢の改善や設備投資が増加する等、緩やかな景気拡大が続きました。
当社グループでは、平成28年度を初年度とする5ヶ年の中期経営計画を策定し取り組んでおりますが、業績が当初の計画から大きくかい離する見通しとなったため、最終年度の業績計画や取り組み内容を見直し、平成30年8月8日に「中期経営計画(2016年度~2020年度)の見直しに関するお知らせ」を公表いたしました。具体的には、最終年度(2020年12月期)までを新たな成長ステージに向けた転換期と位置づけ、事業ポートフォリオの転換と事業運営力の強化に注力し、「成長分野の拡大」、「サイン市場向けプリンターの下げ止め」、「収益性の改善」を重点課題として取り組んでまいります。なかでも「成長分野の拡大」においては、注力分野を見直し、サイン(広告・看板製作)・リテイル(小売業)・多用途印刷・テキスタイルの4つの市場が対象の「デジタルプリンティング事業」、リテイルから発展させ、パーソナライズグッズ製作のニーズを捉えたソリューションを小売業やサービス業へ提供する「COTO(コト)事業」、3Dものづくりとデンタル(歯科医療)市場を対象とする「DGSHAPE(ディージーシェイプ)事業」の3事業へと再設定し、平成30年9月1日より新体制での事業運営を開始しております。注力分野と経営資源の配分をより一層明確にし、市場の変化を的確に捉えた迅速な意思決定によりスピード感あふれる事業運営で、成長分野の拡大と新たな市場の創造に取り組みます。
当第3四半期は、成長分野と位置付けているデンタル市場とリテイル市場の拡大に注力しました。デンタル市場においては、販売代理店の拡充や、CAD/CAMソフトウェアベンダーとのコラボレーションによるソリューション提案等、地域展開とシェア拡大に向けた活動に取り組みました。また、販売代理店へ修理・メンテナンスサービスのトレーニングを積極的に実施する等、お客様が安心して製品を購入していただけるサービスサポートの充実にも取り組んでおります。リテイル市場においては、ノベルティやオリジナルグッズ製作をおこなう小規模工場に加え、店頭でスマートフォンケースや家電製品等へ加飾サービスをおこなう小売店へもUVプリンターの導入を進めてまいりました。リテイル市場への取り組みは、欧州から世界各地域へと横展開しておりますが、北米では、専任チームを立ち上げたことで営業力や提案力が向上し、成果が表れてまいりました。また、小売業やサービス業等の幅広い業種には、パーソナライズグッズ製作のニーズがあり、プリンター製品、3D製品、ソフトウェア等の製品を活用した新たなビジネスを提案することで顧客のニーズに応えてまいります。一方、これまでの主力市場であるサイン市場では、引き続き競争環境は厳しいものの、顧客基盤を維持すべく各地域で販売促進キャンペーンを継続してプリンターの販売回復に取り組みました。
これらの取り組みの結果、当第3四半期の売上高は、デンタル市場の拡大により工作機器の売上が増加したものの、サイン市場向けを中心としたプリンターの売上が減少し、前年同期比1.9%減の312億6百万円とわずかに前年同期を下回りました。売上原価率は前年同期に比べ0.2ポイント改善し、販売費及び一般管理費は、主に人件費や広告宣伝費が減少したことで前年同期を下回りました。これにより、営業利益は前年同期比10.7%増の28億46百万円となり、経常利益は前年同期比6.5%増の27億7百万円となりました。また、親会社株主に帰属する四半期純利益は、当期はソフトウェア資産の除却等の固定資産除売却損による特別損失を計上しましたが、前年同期は米国特許権侵害訴訟の和解金を特別損失に計上したことにより、前年同期比115.8%増の18億32百万円となりました。
なお、当第3四半期における主要通貨の為替レート(平成30年1月~平成30年9月の平均レート)は、109.62円/米ドル(前年同期111.93円)、131.00円/ユーロ(前年同期124.59円)でした。
当社及び連結子会社の事業は、コンピュータ周辺機器の製造販売であり、区別すべき事業セグメントが存在しないため、単一セグメントとなっております。なお、品目別の売上高は、以下の通りであります。
品目別売上高
| 品目 | 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (%) | 前年同期比 (%) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
| プリンター | 11,549 | 36.3 | 10,339 | 33.1 | △1,210 | △3.2 | 89.5 |
| プロッタ | 1,059 | 3.3 | 998 | 3.2 | △61 | △0.1 | 94.2 |
| 工作機器 | 3,518 | 11.1 | 3,952 | 12.7 | 433 | 1.6 | 112.3 |
| サプライ | 10,241 | 32.2 | 10,183 | 32.6 | △58 | 0.4 | 99.4 |
| その他 | 5,430 | 17.1 | 5,734 | 18.4 | 303 | 1.3 | 105.6 |
| 合計 | 31,799 | 100.0 | 31,206 | 100.0 | △593 | - | 98.1 |
[プリンター]
サイン市場では、市場の成熟化に加えて大手メーカーの参入により競争が激化しており、高価格帯製品から低価格帯製品へと顧客ニーズが変化しております。同市場での顧客を維持するため、各地域での販売促進キャンペーンを継続してプリンターの販売回復に取り組んでおります。また、リテイル市場では、ノベルティ等のオリジナルグッズ製作をおこなう小規模工場とスマートフォンケースや家電製品等の販売をおこなう小売店舗へ小型UVプリンターを提案し、ビジネス拡大に取り組んでおります。
当第3四半期は、サイン市場においてパネルボードや展示什器等の大判板材への印刷に対応する大型UVプリンターの販売が欧米で増加しましたが、主力機種のTrueVIS(トゥルービズ)「VG-640/540」及び「SG-540/300」の販売は減少しました。リテイル市場では、小型UVプリンターの「LEF-12i」と、高い生産性が特長の「LEF-300」の販売が前年同期を上回ったものの、「LEF-200」の販売が減少し、リテイル向け小型UVプリンターの販売は前年同期を下回りました。
これらの結果、主にサイン市場向けプリンターの減少により売上高は103億39百万円(前年同期比89.5%)となりました。
[プロッタ]
サイン市場向けの大型カッティングマシンの販売が伸び悩み、プロッタの売上高は9億98百万円(前年同期比94.2%)となりました。
[工作機器]
3D事業を担うDGSHAPE株式会社は、製造業や彫刻業、教育機関等の3Dものづくり市場を基盤に、成長分野のデンタル市場の拡大を加速させると共に、より広い領域で新たな価値を創出し提案することで事業の拡大を図っております。デンタル市場では、今年2月、歯科技工所の経営管理をサポートする専用ソフトウェア「DWINDEX(ディー・ダブリュー・インデックス)」を付したオートディスクチェンジャー機能搭載の「DWX-52DCi」と、ガラス繊維強化樹脂等の新たな材料に対応した「DWX-52D」のデンタル加工機2機種を発売し、各地で開催されているデンタル業界の展示会で高い評価をいただいております。また、販売代理店向けの勉強会や修理・メンテナンスサービスのトレーニングを積極的に実施する等、お客様が安心して製品を購入していただけるサービスサポートの充実にも取り組んでおります。
3Dものづくり市場では、彫刻機と3次元加工機の主力機種の販売が伸び悩みました。今年3月に発表しました世界初の半導体レーザー箔転写機「LD-80」は、熱源に半導体レーザーを採用することにより、従来では困難であったプラスチック製品への箔による加飾を実現しました。化粧品や文房具に箔転写することで、高級感のあるギフトやノベルティが製作できます。今年5月には米国で、研究者やエンジニア向けのレーザー技術誌が主催する「Laser Focus World 2018 Innovators Awards」において革新的な製品と評価され、金賞を受賞しました。「LD-80」は、店舗で使いやすいようにコンパクトサイズ、安全性、簡単な操作性を兼ね備えており、UVプリンターで開拓を進めているリテイル市場の小売店舗にも積極的に提案しております。
これらの結果、デンタル加工機の販売が好調に推移したことにより、工作機器の売上高は39億52百万円(前年同期比112.3%)となりました。
[サプライ]
UVプリンターやテキスタイル用プリンターのインクの販売が増加しましたが、サイン市場向けプリンターのインクの販売が前年同期を下回り、サプライの売上高は前年同期並みの101億83百万円(前年同期比99.4%)となりました。
[その他]
保守やサービスパーツ等のその他売上が堅調に推移し、売上高は57億34百万円(前年同期比105.6%)となりました。
地域別の売上高は、以下の通りであります。
地域別売上高
| 地域 | 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減額 (百万円) | 構成比増減 (%) | 前年同期比 (%) | ||
| 金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | ||||
| 日本 | 3,706 | 11.7 | 3,339 | 10.7 | △366 | △1.0 | 90.1 |
| 北米 | 9,089 | 28.6 | 8,937 | 28.7 | △152 | 0.1 | 98.3 |
| 欧州 | 11,293 | 35.5 | 11,798 | 37.8 | 504 | 2.3 | 104.5 |
| アジア | 2,519 | 7.9 | 2,470 | 7.9 | △49 | 0 | 98.1 |
| その他 | 5,191 | 16.3 | 4,661 | 14.9 | △530 | △1.4 | 89.8 |
| 合計 | 31,799 | 100.0 | 31,206 | 100.0 | △593 | - | 98.1 |
[日 本]
工作機器では、デンタル加工機の新製品「DWX-52D」の販売が好調に推移するとともに、昨年12月のCAD/CAM冠(デジタルデータを用いて製作した歯の詰め物や被せ物)の保険適用範囲の拡大により、「DWX-4」の販売が前年同期を大きく上回りました。プリンターでは、競合他社との競争は厳しさを増しており、サイン市場向けプリンターとインク、リテイル市場向け及びパッケージ試作用途のUVプリンターの販売が低迷しました。
これらの結果、日本の売上高は33億39百万円(前年同期比90.1%)となりました。
[北 米]
工作機器では、デンタル市場において、今年2月に発売しましたオートディスクチェンジャー機能を搭載したデンタル加工機「DWX-52DCi」が、主に生産性を求める中規模クラスの歯科技工所に受け入れられ、販売が好調でした。プリンターでは、リテイル市場での販売力強化のため、専任チームを編成して販売代理店の拡充に注力しました。設置スペースに制約のあるお客様に対しては、シリーズで最もコンパクトなUVプリンター「LEF-12i」を、出力量の多いお客様へは高い生産性が特長の「LEF-300」を提案する等、お客様のニーズに適した提案活動が成果を上げております。一方で、売上構成比の大きいサイン市場向けのプリンターとインクの販売が減少しました。
これらの結果、為替の円高の影響もあり、北米の売上高は89億37百万円(前年同期比98.3%)となりました。
[欧 州]
プリンターでは、パネルボードや展示什器等の大判板材への印刷に対応するサイン市場向けのUVプリンターの販売が増加しましたが、サイン市場向けプリンターと小型UVプリンターの販売は伸び悩みました。工作機器では、3Dものづくり市場の販売が低調だったものの、デンタル市場では、ウェット加工機「DWX-4W」やオートディスクチェンジャー機能を搭載したデンタル加工機を中心にDWXシリーズの販売が好調に推移したことにより、工作機器の売上は前年同期より増加しました。
これらの結果、為替の円安効果もあり、欧州の売上高は117億98百万円(前年同期比104.5%)となりました。
[アジア]
ASEAN地域では、デンタル加工機やサービスパーツの販売が増加しました。中国では、デンタル加工機の販売が増加しましたが、サイン市場向けプリンターを中心としたプリンターの販売が低迷し、サービスパーツの販売が減少しました。
これらの結果、アジアの売上高は24億70百万円(前年同期比98.1%)となりました。
[その他]
ブラジルでは、サイン市場向けの低価格プリント専用機とサービスパーツの販売が増加しました。オーストラリアでは、リテイル市場向けのUVプリンターやデンタル加工機の販売が増加したものの、サイン市場向けプリンターの販売は低調に推移しました。中東地域においては、サイン市場向けプリンターを中心に販売が低迷しました。
これらの結果、その他地域の売上高は46億61百万円(前年同期比89.8%)となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期末の総資産は、前連結会計年度末と比べ1億97百万円減少し、363億73百万円(前連結会計年度末比99.5%)となりました。流動資産では、現金及び預金が12億37百万円増加した一方で、未収入金等のその他が8億87百万円減少いたしました。固定資産では、大きな投資はなかった一方で、減価償却費や除売却損が計上されたこと等により4億48百万円減少しました。
当第3四半期末の負債は、12億50百万円減少し、127億98百万円(前連結会計年度末比91.1%)となりました。賞与引当金が2億23百万円増加した一方で、長期借入金が返済により10億80百万円減少いたしました。
当第3四半期末の純資産は、10億53百万円増加し、235億75百万円(前連結会計年度末比104.7%)となりました。前連結会計年度末に対し当期の業績等に伴い利益剰余金が10億73百万円増加しました。
(3)経営方針・経営戦略等
当社は、平成30年8月8日に中期経営計画(2016年度~2020年度)の見直しを公表しました。本中期経営計画の残りの期間では、サイン市場に依存する事業ポートフォリオから多軸の事業構造への転換に向けて、「成長分野の拡大」、「サイン市場向けプリンターの下げ止め」、「収益性の改善」を重点課題として経営基盤の再構築に取り組んでまいります。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、連結会社の事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(5)研究開発活動
当社グループにおける研究開発活動は当社及び連結子会社のDGSHAPE株式会社で行っており、当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は23億28百万円であります。
(6)従業員数
当第3四半期連結累計期間において、連結会社及び当社の従業員数に著しい増減はありません。
(7)生産、受注及び販売の実績
当社はセル生産方式によるフレキシブルな生産体制をとっており、生産状況は比較的変動いたします。因みに当第3四半期連結累計期間における生産実績は以下の通りであります。なお、受注及び販売実績の著しい変動はありません。
生産実績
| 品目 | 当第3四半期連結累計期間(千円) | 前年同期比(%) |
| プリンター | 8,737,753 | 91.5 |
| プロッタ | 827,445 | 86.2 |
| 工作機器 | 2,097,837 | 86.4 |
| サプライ | 3,977,335 | 107.1 |
| 合計 | 15,640,372 | 93.9 |
(注)生産金額は当社の標準販売価格によっております。
(8)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、主要な設備に著しい変動はありません。