有価証券報告書-第22期(2023/01/01-2023/12/31)
22.従業員給付
当社グループでは、一部の在外連結子会社を除き、確定給付型および確定拠出型の退職後給付制度を採用しております。
(1) 確定給付制度
① 確定給付制度の特徴および関連するリスク
確定給付制度の特徴および関連するリスクは、次のとおりであります。
(a) 確定給付制度の特徴
当社および当社グループの子会社の主要な確定給付制度には、(ⅰ)退職一時金制度および(ⅱ)確定給付企業年金制度があります。また、従業員の退職などに際して割増退職金を支払う場合があります。
(ⅰ)退職一時金制度は、確定給付制度債務に対して外部積立を行わず、内部積立のみをもって一時金を支払う非積立型の制度であります。退職一時金は各社の就業規則等の退職金規程に基づき給与と勤務期間に基づいた金額が支払われます。
(ⅱ)確定給付企業年金制度は、確定給付企業年金法(2002年4月施行)に基づいて定められた確定給付型の年金で積立型の制度であります。確定給付企業年金制度は、基金型企業年金であり、基金から給与と勤務期間に基づいた一時金または年金が支給されます。当該確定給付企業年金制度において、事業主・基金の理事等企業年金の管理運営に携わる者は、法令・規約・資産管理運用契約等を遵守し加入者に対する利益相反行為の禁止など行為基準が明確化されております。
また、確定給付企業年金制度は、従業員の職階に応じて付与されるポイントの累積数に基づいて給付額が計算されます。当社および国内連結子会社は、確定給付企業年金制度にキャッシュ・バランス・プランを導入しております。一部の海外連結子会社は、信託基金などの外部積立型の年金制度を採用しております。これらの制度では、制度加入者の個人別勘定に、給与水準、職階および市場金利をもとに計算される再評価率に基づいて計算された金額が積み立てられます。
(b) 企業が制度によって晒されているリスク
確定給付制度により、当社グループは制度資産について価格変動リスク、確定給付制度債務の現在価値について金利リスクなどの数理計算上のリスクに晒されております。
② 連結財政状態計算書において認識した金額
連結財政状態計算書で認識した金額は、次のとおりであります。
前連結会計年度における確定給付制度債務(積立型および非積立型)の現在価値のうち、国内制度は105,643百万円、海外制度は20,808百万円であります。また、制度資産の公正価値のうち、国内制度は△120,553百万円、海外制度は△14,174百万円であります。
当連結会計年度における確定給付制度債務(積立型および非積立型)の現在価値のうち、国内制度は99,837百万円、海外制度は24,433百万円であります。また、制度資産の公正価値のうち、国内制度は△125,882百万円、海外制度は△16,113百万円であります。
③ 確定給付制度債務の現在価値の増減
確定給付制度債務の現在価値の増減内容は、次のとおりであります。
各年度の確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、次のとおりであります。
④ 制度資産の公正価値の増減
制度資産の公正価値の増減内容は、次のとおりであります。
(注) 1 当社グループにおける確定給付制度への拠出は、法令に基づき、会社の財政状況、制度資産の積立状態、数理計算上などの様々な要因を考慮しております。
また、2024年12月期に確定給付年金に1,980百万円の拠出を行う予定であります。
2 当社グループの制度資産の運用にあたっては、受給者に対する給付を将来にわたり確実に行うために、許容されるリスクの範囲内で、必要とされる収益を長期的に確保することを目的としております。
目標とする収益率は、必要な年金財政上の予定利率を安定かつ長期的に上回ることを目標としております。
その運用目標を達成するため「政策アセットミックス」を定め、これに基づく資産構成割合を維持するように行うものとしております。また、資産構成割合は、必要に応じて見直しを行うものとしており、当社グループの状況、当社グループを取り巻く制度や環境の変化に応じて変更することができるものとしております。
3 一部の連結子会社では、複数事業主確定給付年金制度に加入しております。
⑤ 資産上限額の影響の増減
資産上限額の影響の増減内容は、次のとおりであります。
(注) 将来掛金が減額されないまたは返還されないために経済的便益が利用できないことから、当社グループの確定給付制度の一部にて資産上限額の設定および負債の算定を行っております。
⑥ 制度資産の公正価値の種類別内訳
制度資産の公正価値の種類別内訳は、次のとおりであります。
(注) 制度資産の大部分は合同運用ファンドを通じて運用されており、活発な市場における公表市場価格がないものに分類しております。合同運用ファンドについては、企業年金基金規約に従い主に活発な市場に上場している株式および債券等に適切に分散投資しております。生命保険一般勘定は生命保険会社が複数の契約の資金を合同運用する勘定であり、一定の予定利率と元本が保証されております。その他の主な内容は、ロング・ショートや証券化商品等で運用しているオルタナティブであります。
⑦ 主要な数理計算上の仮定
主要な数理計算上の仮定(加重平均)は、次のとおりであります。
⑧ 感応度分析
感応度分析における確定給付制度債務の算定にあたっては、連結財政状態計算書で認識している確定給付制度債務の算定方法と同一の方法を適用しております。
感応度分析は連結会計年度の末日において合理的に推測しうる仮定の変動に基づき行っております。また、感応度分析は分析の対象となる数理計算上の仮定以外のすべての数理計算上の仮定が一定であることを前提としておりますが、実際には他の数理計算上の仮定の変化が影響する可能性があります。
数理計算上の仮定が0.5%変動した場合における確定給付制度債務への影響は、次のとおりであります。
(2) 確定拠出制度
当社グループは確定拠出制度として確定拠出年金制度を設けております。厚生年金法に基づく厚生年金保険料の事業主負担分を含め、確定拠出制度に関して費用として認識した金額は、次のとおりであります。
(注) 当該金額は、連結損益計算書の「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に含めております。
(3) 従業員給付費用
従業員給付費用の内訳は、次のとおりであります。
(注) 当該金額は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」および「その他の費用」に含めております。
当社グループでは、一部の在外連結子会社を除き、確定給付型および確定拠出型の退職後給付制度を採用しております。
(1) 確定給付制度
① 確定給付制度の特徴および関連するリスク
確定給付制度の特徴および関連するリスクは、次のとおりであります。
(a) 確定給付制度の特徴
当社および当社グループの子会社の主要な確定給付制度には、(ⅰ)退職一時金制度および(ⅱ)確定給付企業年金制度があります。また、従業員の退職などに際して割増退職金を支払う場合があります。
(ⅰ)退職一時金制度は、確定給付制度債務に対して外部積立を行わず、内部積立のみをもって一時金を支払う非積立型の制度であります。退職一時金は各社の就業規則等の退職金規程に基づき給与と勤務期間に基づいた金額が支払われます。
(ⅱ)確定給付企業年金制度は、確定給付企業年金法(2002年4月施行)に基づいて定められた確定給付型の年金で積立型の制度であります。確定給付企業年金制度は、基金型企業年金であり、基金から給与と勤務期間に基づいた一時金または年金が支給されます。当該確定給付企業年金制度において、事業主・基金の理事等企業年金の管理運営に携わる者は、法令・規約・資産管理運用契約等を遵守し加入者に対する利益相反行為の禁止など行為基準が明確化されております。
また、確定給付企業年金制度は、従業員の職階に応じて付与されるポイントの累積数に基づいて給付額が計算されます。当社および国内連結子会社は、確定給付企業年金制度にキャッシュ・バランス・プランを導入しております。一部の海外連結子会社は、信託基金などの外部積立型の年金制度を採用しております。これらの制度では、制度加入者の個人別勘定に、給与水準、職階および市場金利をもとに計算される再評価率に基づいて計算された金額が積み立てられます。
(b) 企業が制度によって晒されているリスク
確定給付制度により、当社グループは制度資産について価格変動リスク、確定給付制度債務の現在価値について金利リスクなどの数理計算上のリスクに晒されております。
② 連結財政状態計算書において認識した金額
連結財政状態計算書で認識した金額は、次のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (2022年12月31日) | 当連結会計年度 (2023年12月31日) | ||
積立型の確定給付制度債務の現在価値 (制度資産あり) | 102,909 | 100,517 | |
制度資産の公正価値 | △134,727 | △141,995 | |
積立状況 | △31,818 | △41,478 | |
資産上限額の影響 | 32,378 | 42,323 | |
非積立型の確定給付制度債務の現在価値 (制度資産なし) | 23,542 | 23,753 | |
連結財政状態計算書に認識した確定給付に係る 負債(資産)の純額 | 24,102 | 24,598 | |
退職給付に係る負債 | 24,102 | 24,598 | |
退職給付に係る資産 | ― | ― |
前連結会計年度における確定給付制度債務(積立型および非積立型)の現在価値のうち、国内制度は105,643百万円、海外制度は20,808百万円であります。また、制度資産の公正価値のうち、国内制度は△120,553百万円、海外制度は△14,174百万円であります。
当連結会計年度における確定給付制度債務(積立型および非積立型)の現在価値のうち、国内制度は99,837百万円、海外制度は24,433百万円であります。また、制度資産の公正価値のうち、国内制度は△125,882百万円、海外制度は△16,113百万円であります。
③ 確定給付制度債務の現在価値の増減
確定給付制度債務の現在価値の増減内容は、次のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | ||
確定給付制度債務の現在価値(期首) | 147,379 | 126,451 | |
勤務費用 | 2,370 | 2,276 | |
利息費用 | 1,082 | 2,121 | |
給付支払額 | △8,689 | △8,131 | |
確定給付制度の再測定 | |||
(ⅰ)人口統計上の仮定の変更により生じた 数理計算上の差異 | △691 | △409 | |
(ⅱ)財務上の仮定の変更により生じた 数理計算上の差異 | △16,806 | △3 | |
(ⅲ)その他実績の修正 | 286 | △614 | |
企業結合及び処分の影響額 | 5 | ― | |
為替換算差額 | 1,435 | 2,275 | |
その他 | 80 | 304 | |
確定給付制度債務の現在価値(期末) | 126,451 | 124,270 |
各年度の確定給付制度債務の加重平均デュレーションは、次のとおりであります。
前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | ||
加重平均デュレーション | 10.7年 | 10.5年 |
④ 制度資産の公正価値の増減
制度資産の公正価値の増減内容は、次のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | ||
制度資産の公正価値(期首) | 152,382 | 134,727 | |
利息収益 | 1,061 | 2,124 | |
再測定-制度資産に係る収益 | △15,199 | 7,444 | |
事業主による拠出(注)1 | 2,234 | 2,324 | |
給付支払額 | △6,515 | △6,267 | |
企業結合及び処分の影響額 | ― | ― | |
為替換算差額 | 723 | 1,677 | |
その他 | 41 | △34 | |
制度資産の公正価値(期末) | 134,727 | 141,995 |
(注) 1 当社グループにおける確定給付制度への拠出は、法令に基づき、会社の財政状況、制度資産の積立状態、数理計算上などの様々な要因を考慮しております。
また、2024年12月期に確定給付年金に1,980百万円の拠出を行う予定であります。
2 当社グループの制度資産の運用にあたっては、受給者に対する給付を将来にわたり確実に行うために、許容されるリスクの範囲内で、必要とされる収益を長期的に確保することを目的としております。
目標とする収益率は、必要な年金財政上の予定利率を安定かつ長期的に上回ることを目標としております。
その運用目標を達成するため「政策アセットミックス」を定め、これに基づく資産構成割合を維持するように行うものとしております。また、資産構成割合は、必要に応じて見直しを行うものとしており、当社グループの状況、当社グループを取り巻く制度や環境の変化に応じて変更することができるものとしております。
3 一部の連結子会社では、複数事業主確定給付年金制度に加入しております。
⑤ 資産上限額の影響の増減
資産上限額の影響の増減内容は、次のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | ||
期首における資産上限の影響額 | 32,929 | 32,378 | |
利息収益 | 196 | 459 | |
再測定-資産上限額の影響の変動 | △814 | 9,275 | |
為替換算差額 | 57 | 211 | |
その他 | 10 | ― | |
期末における資産上限の影響額 | 32,378 | 42,323 |
(注) 将来掛金が減額されないまたは返還されないために経済的便益が利用できないことから、当社グループの確定給付制度の一部にて資産上限額の設定および負債の算定を行っております。
⑥ 制度資産の公正価値の種類別内訳
制度資産の公正価値の種類別内訳は、次のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (2022年12月31日) | 当連結会計年度 (2023年12月31日) | |
資本性金融資産 | ||
国内株式 | 10,201 | 11,522 |
海外株式 | 22,048 | 23,383 |
負債性金融資産 | ||
国内債券 | 9,312 | 9,303 |
海外債券 | 23,998 | 24,054 |
生保一般勘定 | 31,287 | 32,666 |
現金及び現金同等物 | 6,258 | 6,050 |
その他 | 31,623 | 35,017 |
合計 | 134,727 | 141,995 |
(注) 制度資産の大部分は合同運用ファンドを通じて運用されており、活発な市場における公表市場価格がないものに分類しております。合同運用ファンドについては、企業年金基金規約に従い主に活発な市場に上場している株式および債券等に適切に分散投資しております。生命保険一般勘定は生命保険会社が複数の契約の資金を合同運用する勘定であり、一定の予定利率と元本が保証されております。その他の主な内容は、ロング・ショートや証券化商品等で運用しているオルタナティブであります。
⑦ 主要な数理計算上の仮定
主要な数理計算上の仮定(加重平均)は、次のとおりであります。
前連結会計年度 (2022年12月31日) | 当連結会計年度 (2023年12月31日) | ||
割引率 | 1.7% | 1.9% |
⑧ 感応度分析
感応度分析における確定給付制度債務の算定にあたっては、連結財政状態計算書で認識している確定給付制度債務の算定方法と同一の方法を適用しております。
感応度分析は連結会計年度の末日において合理的に推測しうる仮定の変動に基づき行っております。また、感応度分析は分析の対象となる数理計算上の仮定以外のすべての数理計算上の仮定が一定であることを前提としておりますが、実際には他の数理計算上の仮定の変化が影響する可能性があります。
数理計算上の仮定が0.5%変動した場合における確定給付制度債務への影響は、次のとおりであります。
(単位:百万円) | ||||
前連結会計年度 (2022年12月31日) | 当連結会計年度 (2023年12月31日) | |||
割引率 | 0.5%上昇した場合 | △6,235 | △5,799 | |
0.5%低下した場合 | 6,559 | 6,051 |
(2) 確定拠出制度
当社グループは確定拠出制度として確定拠出年金制度を設けております。厚生年金法に基づく厚生年金保険料の事業主負担分を含め、確定拠出制度に関して費用として認識した金額は、次のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | ||
拠出額 | 8,542 | 8,527 |
(注) 当該金額は、連結損益計算書の「売上原価」および「販売費及び一般管理費」に含めております。
(3) 従業員給付費用
従業員給付費用の内訳は、次のとおりであります。
(単位:百万円) | |||
前連結会計年度 (自 2022年1月1日 至 2022年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2023年1月1日 至 2023年12月31日) | ||
従業員給料手当 | 225,952 | 268,591 | |
退職給付費用 | 11,129 | 11,259 | |
割増退職金等 | 1,189 | 6,168 | |
その他 | 2,649 | 6,245 | |
合計 | 240,919 | 292,263 |
(注) 当該金額は、連結損益計算書の「売上原価」、「販売費及び一般管理費」および「その他の費用」に含めております。