有価証券報告書-第31期(2023/01/01-2023/12/31)

【提出】
2024/03/29 15:14
【資料】
PDFをみる
【項目】
132項目
(継続企業の前提に関する事項)
当社グループは、半導体市場の減速の影響により、前連結会計年度における売上高は210,315千円となり、営業損失693,502千円、親会社株主に帰属する当期純損失686,241千円を計上いたしました。なお、営業キャッシュ・フローは、613,481千円のマイナスとなりました。
当連結会計年度における半導体検査装置業界は、 2022年後半から続く民生半導体の過剰在庫によるダブつきによる下押し要因によって、メモリーをはじめとして大半の半導体部材、製品の出荷はマイナス成長となりました。WSTSなどのアナリストの予測によると、半導体の過剰在庫解消は、当初2023年度半ばには解消されるとのことでしたが、予測は大きくずれ込み、期待されたダブつき解消は、2023年末まで引きずる形となりました。その結果、半導体製造工場は生産調整を余儀なくされ工場製造装置稼働率は大きく低下、2023年度は、新規設備投資の見送りを決める半導体製造工場が多く、当社においても納期調整要求や新規受注見送り等の影響が出る状況となりました。以上の状況は、当社グループの事業活動に大きく影響し、予定していた追加受注及び売上は一部において2024年以降となりました。
以上より、当連結会計年度の売上高は、407,449千円と前期より増加し回復基調にあるものの、営業損失は558,459千円となり、親会社株主に帰属する当期純損失を554,572千円計上しております。また、営業キャッシュ・フローは、558,267千円のマイナスとなりました。
上記のとおり、継続的な営業損失及び営業キャッシュ・フローのマイナスが発生している状況にあり、当社グループには継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
当社グループはこうした状況を早期に解消又は改善すべく、以下の対応策を継続して実施しております。
事業施策
1.中国国内での受注販売活動の促進
上述のように、当連結会計年度の半導体業界は、過剰在庫を十分に解消できておりません。その結果、OSAT(「Outsourced Semiconductor Assembly and Test」の略で、半導体の組立やテストといったいわゆる半導体製造の後工程を専門とする企業のことを言います。)は、薄型パネルを含めたPC等の組立用半導体部材の在庫調整を急ぐデザインハウスの計画修正を受ける形で設備投資を抑制しており、市場は2023年度の新規設備投資を控え、2024年度予算に組入れる様相です。しかし、2024年以降の半導体市場は、中長期的に見ますと、各国政府の進めるDX(デジタルトランスフォーメーション)のさらなる進展や脱炭素化推進に向けた取り組み、自動運転や5G、6Gなどの高速通信環境がもたらす新しいイノベーション、特にChatGPTに代表されるA.I.技術の台頭が大きく取上げられ、対応する半導体を含め、新しい技術が急速に開発・開拓され、広範な需要に支えられ伸長するものと想定されております。
当社グループが「主力装置」と位置付けるLCDドライバIC検査装置は、液晶パネルに使われるLCDドライバICの検査に使用されており、また、それら情報端末ではLCDドライバICだけではなく、当社が得意とするCMOSイメージセンサーIC、ロジックICなど周辺半導体デバイスの需要も大きな伸びが期待される分野です。当社の主力検査装置WTS-577SRにつきましては、2021年から販売を開始し、装置の貸出しを伴うベンチマークに積極的に取組み、半導体製造工場から量産ラインへの投入評価をいただくことができました。新規の引合は前年度より伸びつつあるものの、上述の半導体業界の状況から、工場の稼働は未だ本格化しておらず、受注済みの装置を含む受注・出荷・売上並びに、国内顧客からの新規受注は、一部において設備投資が再開される2024年を予定しております。
今後、当社連結子会社の偉恩測試技術(武漢)有限公司(以下、「ウインテスト武漢」という。)との協力体制強化を土台にし、武漢精測グループ並びに台湾代理店との協力関係を推し進め、営業活動を見直してまいります。さらに、ウインテスト武漢においては、コストの削減と顧客対応力の両方を強化、更なる最終組立工程の製造品質の向上に取り組み、中国国内市場への深耕を図ってまいります。
2.技術開発の強化
先端ロジックIC検査装置(1024チャンネル、875Mbps)に関しては、国内、台湾、中国顧客向けを想定した開発を継続しており、多くの部分を現在開発中の次世代LCDドライバー検査装置と共用することで、より広範囲のロジックIC検査に対応できるように計画し、協力企業とともに2024年にベンチマークを終了する予定です。
また、新たな収益の柱を構築するための成長戦略として、2025年までに当社グループがこれまで培ってきた検査技術や画像処理技術、高精度センサー技術及びデータ解析技術を応用しつつ外部専門会社と協力し、今後の市場拡大が見込まれる5Gとその後の6G通信規格の台頭とともに注目を集めるパワーデバイス検査分野への進出を目指し、M&Aなども視野にシナジーの高い事業会社との資本・業務提携を積極的に進めることにより、当該分野への新規参入及び対応可能検査範囲の拡充と展開を図ることで、収益基盤の拡充に取り組んでまいります。
3.隣接領域の展開と製品化
検査装置向け工場FA化機器技術(「自重補償機構技術」)、当該技術については、学校法人慶應義塾大学慶應義塾先端科学技術研究センターと共同開発を進めており、特許等の申請については終了しております。当社は、当該技術により、当社の検査装置とウエーハ搬送装置との間のドッキングアダプター(以下「ポゴタワー」という。)の着脱(約25㎏~30㎏)をオペレータ一ひとりで簡単に安全に行うための補助アーム(以下「マニピュレータ」という。)を製品化しようと考えており、ロボットを得意とする専門工場に依頼し量産製造の準備を行っております。その後、「物流の2024年問題」として社会問題化されております物流搬送市場におけるトラック向け補助装置への応用製品化を目指しております。
奈良県立大学と進めております脈波(BCG,ECG)を利用したヘルスケア管理システムは、現在特定のお客様への試験販売を継続しつつ同大学並びに株式会社TAOS研究所とアライアンスを継続し機能の強化を進めており、当面は病院、介護施設への販売をいたします。
水素ナノバブルイオン洗浄水に関しましては、装置製造元と提供方法について協議を続けてまいりました結果、装置の大幅な小型化に成功したことにより、小規模BtoB又はBtoC向けとして、装置単体の販売を計画し、また大規模BtoB向けには装置のレンタルを含む販売を計画しております。詳細が決まり次第、お知らせいたします。
(注)インダストリー4.0 検査装置向け工場FA化機器技術に使われる「自重補償機構技術」とは
一般的な「重量物搬送装置」は、電気モーターやエンジン等の動力源を持ち、かつ、重いカウンターウエイトや油圧・圧縮空気の出力を借りることで、数十キロから数百キロの重量物の移動をアシストしますが、装置が大掛りで重量が重くなることや、重量物に見合う外部動力が必要となるといった課題を有しています。これらの課題克服のため、当社と学校法人慶應義塾先端科学技術研究センターは、いかなる動力や重いカウンターウエイト、そして油圧・空圧機器をも使用しない「自重補償機構」の開発を進め、バネの弾性力を応用した軽量かつシンプルな構造を内蔵したロボットアームの継続開発を行っております。今般開発した試作機は、被搬送物の重量が変化した場合でもその重さに見合った自重補償ができる構造となっており、回転軸を除く各軸にて搬送する重量物の自重補償を達成し、自身の腕部分の自重をも含め、より安全な自重補償を成立させています。
財務施策
財務面について、当連結会計年度においては、財務基盤の安定化を図るために、2023年1月13日開催の取締役会において、GFA株式会社を割当先とする第三者割当による新株予約権の発行を決議し、2023年6月21日までに新株予約権の発行及び行使により、433,338千円の資金調達を実施いたしました。また、同目的のために、2023年9月15日開催の取締役会において、楽言海外国際(香港)有限公司を割当先とする第三者割当による新株式の発行を決議し、2023年10月19日までに399,921千円の資金調達を実施いたしました。
これにより、今後の半導体検査装置事業に必要な中国における生産拠点整備資金及び次世代テストシステム等の開発資金、運転資金並びに新規事業の展開資金を確保いたしました。しかし、新株予約権行使による資金調達が、昨今の株価低迷により当初計画した調達予定額に達しなかったこと、上述のとおり新規設備投資の遅れが想定より長期にわたったことから、売上及び入金は一部翌期に持ち越しとなり、運転資金となる現預金が計画より減少することとなりました。
上記の状況から、財務基盤を強化するため、2024年2月19日の取締役会の決議において、GFA株式会社を借入先とする資金の借入を決議いたしました。また、同目的のため、2024年2月20日の取締役会の決議において、楽言海外国際(香港)有限公司を借入先とする資金の借入を決議いたしました。借入の詳細に関しましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」をご覧ください。また、GFA株式会社を割当先とする第三者割当による新株予約権の発行及びその行使による運転資金の調達を見込んでおります。 更に、筆頭株主である武漢精測と諮りながら、同社グループからの資金調達を実施してまいります。

以上の施策をもって抜本的な改善をしていく予定でおりますが、2023年中に起きた、半導体市場の生産調整などから、設備投資の大幅な抑制という事態になり、当社がメイン市場とする中国での受注並びに受注済み検査装置の出荷・売上の一部は、新規設備投資が再開される、2024年度以降となります。
事業施策及び財務施策の実現可能性は市場の状況、需要動向等の今後の外部環境の影響を受けること、上述の新株予約権の発行及び行使による資金調達及び武漢精測グループからの資金調達については確約されるものではないことから、現時点においては継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。
なお、連結財務諸表は、継続企業を前提として作成されており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を連結財務諸表に反映しておりません。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。