有価証券報告書-第21期(平成27年1月1日-平成27年12月31日)

【提出】
2016/03/28 13:11
【資料】
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【項目】
107項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の経済政策や金融緩和により、企業業績や雇用情勢に改善の動きが見られ緩やかな景気回復基調を維持しているものの、中国経済の減速などの景気下振れリスクの懸念などもあり、先行きが不透明な状況で推移いたしました。
当社の主たる事業領域である情報セキュリティ業界においては、相次ぐ情報漏えい、サイバーアタック、なりすましなどの事件の発生、マイナンバー制度の運用開始や、総務省の自治体情報セキュリティ対策検討チームによる「自治体情報システム強靭性向上モデル」で必須化されている二要素認証への対応などもあり、継続して拡大基調にあります。また、当社が日本で初めて加盟したパスワードを用いないオンライン認証規格の標準化団体であるFIDOアライアンスが、国内外の企業や、政府機関などの加盟により急速に拡大しております。特に海外においてFIDO規格の適用事例が増加してきていることもあり、日本においても適用を検討している企業・団体が増加しております。2015年後半には、日本においてもFIDO普及の推進力となる携帯キャリアやソリューションサービス会社などの本格的な活動が行われております。
このような経済環境のなか、バイオセキュリティ事業におきましては、セキュリティ関連製品や情報通信機器を紹介する大規模展示会への出展、SI企業主催の各種セミナーへの参加などによる販売促進活動、記者発表会やセミナーの開催をはじめとしたFIDOの普及活動、新製品UBF-Helloや"magatama"などを積極的に展開いたしました。
また、昨年に引き続きまして、不動産事業においては名古屋市に所有するテナントビルの賃貸を行いました。
しかしながら予定していた新製品UBF-Helloの販売の多くが次期にずれ込み、また当社主力製品「EVEシリーズ」の一部の大型案件の延期があったため、売上高は605百万円(前期比1.0%減)となりました。費用面については、概ね予算通りに推移したものの、新製品の開発などの先行投資が続いており、支払報酬、人件費、地代家賃などの費用が昨年と比して増加しております。さらに、子会社の貸付金について為替相場の変動により第4四半期において為替差益9百万円を計上した結果、通期合計での為替差損が20百万円となり営業外費用に計上しております。これらの結果、営業損失は560百万円、経常損失は513百万円となりました。
また、保有株式の清算により15百万円、保有株式の売却により9百万円計上した結果、特別利益を24百万円計上したものの、保有不動産の評価減による減損損失などの特別損失を58百万円計上した結果、当期純損失は550百万円となりました。
報告セグメントごとの業績は次のとおりであります。
・バイオメトリクス事業
多要素認証統合プラットフォームである「EVE MA」及び指紋認証ソリューション「EVE FA」をはじめとする指紋認証機器の売上を計上いたしました。
この結果、売上高は561百万円(前期比1.2%減)、営業損失は162百万円(前期は89百万円の営業利益)となりました。
・不動産関連事業
愛知県名古屋市に所有する不動産についてテナントより賃料売上を計上いたしました。
この結果、売上高は43百万円(前期比1.5%増)、営業利益は8百万円(前期比35.0%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動による資金の支出806百万円、投資活動による資金の収入75百万円により、フリーキャッシュ・フローは731百万円の減少となりました。財務活動による資金の収入382百万円があったものの、資金は期首に比べ347百万円減少し、107百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ485百万円多い806百万円の資金を支出しております。主として、減価償却費87百万円、減損損失58百万円などにより資金が増加したものの、立替金の増加199百万円、売上債権の増加79百万円などにより資金が減少したため、806百万円の支出となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ220百万円多い75百万円の資金が増加しております。主として、有形固定資産の取得により72百万円、無形固定資産の取得により53百万円などにより資金が減少したものの、契約に基づく売上連動収入により82百万円、投資有価証券の売却により55百万円資金が増加したため、75百万円の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期に比べ113百万円少ない382百万円の資金が増加しております。主として、短期借入金の増加250百万円、株式の発行により133百万円の資金が増加したため、382百万円の増加となりました。