訂正有価証券報告書-第28期(2022/01/01-2022/12/31)

【提出】
2023/05/15 15:51
【資料】
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【項目】
142項目

有報資料

(1)会社の経営の基本方針
当社は、産学連携により培われた生体認証技術をもとに、"バイバイパスワードカンパニー"として、世の中に氾濫するパスワードに関するトラブルやシステム課題を解決してまいります。また継続的・発展的な研究開発を推進し、広く生体認証技術の普及を目指した国際標準であるFIDO規格に準拠した製品の開発・販売を通じて、パスワードを使わない「いつでもどこでもカンタン」な本人確認による、便利かつ効率的で安全・安心な社会実現に貢献してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は、情報セキュリティ事業の更なる拡大を目標とし、かかるコア事業を中心に経常利益率といった事業の収益性を重視した事業運営に注力してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社が属する情報セキュリティ市場は外部環境要因の変遷が早く、特に当社のメイン市場である生体認証市場については、指紋認証機能搭載スマートフォンの発売およびウェブサービス上での本人確認手段としての利用を契機に急速に変化しております。
当社は10数年来指紋認証事業を行ってきた蓄積を活かし、市場ニーズにあった要素技術の発掘と実用化のため国内外機関とのアライアンスを通じた新製品の投入、販売からサービス課金への収益モデルの変更などの新事業の推進、他社製品との連携により付加価値を高めた製品販売、マイナンバー制度に対応する新規製品の開発・販売、さらにこれらの活動を支える管理体制の強化、適時開示体制の構築や日本版SOX法に対応する内部統制組織の構築とコーポレート・ガバナンスの強化を中長期的な経営戦略として捉え、それらを総合的に達成する新しい組織体制の構築を行ってまいります。
(4)会社の対処すべき課題
①コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化
当社は、2022年8月8日付「第三者委員会の調査報告書公表に関するお知らせ」にて公表しております報告の通り、元代表取締役会長の主導及び複数の取締役の関与により、業績予想等の達成等を目的として、ソフトウェアライセンス販売取引等において収益実現の要件を満たさないにもかかわらず売上を計上したこと、元代表取締役会長に対する貸付金に回収可能性を踏まえた貸倒引当金が計上されていなかったこと、元代表取締役会長が実質的な支配者である海外法人に対する不適切な売上計上や、同法人を適切に連結範囲に含めていなかったこと等の不適切な会計処理を行っていたことなどから当社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められたため、当社株式は2022年9月29日に株式会社東京証券取引所から特設注意市場銘柄に指定されました。特設注意市場銘柄指定期間は2022年9月29日から原則1年間とし、1年後に当社から内部管理体制確認書を提出、株式会社東京証券取引所が内部管理体制の審査を行い、内部管理体制等に問題があると認められない場合は、指定解除となります。一方で、内部管理体制等に問題があると認められる場合には、原則として上場廃止となります。ただし、その後の改善が見込まれる場合には、特設注意市場銘柄の指定を継続し、改善期間が延長されます。なお、特設注意市場銘柄指定中であっても内部管理体制等の改善見込みがなくなったと認められる場合には、上場廃止となります。当社は、財務報告に係る内部統制の重要性を認識しており、これらの開示すべき重要な不備を是正するために、第三者委員会からの指摘・提言も踏まえ、株式会社東京証券取引所に「改善計画・状況報告書」を提出しております。具体的には、以下の再発防止策を立案し、適正な内部統制の整備及び運用を図ってまいります。
1.予算策定の精緻化
2.企業風土の改革
3.コーポレート・ガバナンス及び内部統制の強化
4.与信管理の厳格化
5.適切な売上計上のための運用強化
6.事業の選択と集中の検討/海外子会社の解散及び清算
②収益の安定化
バイオ事業については、自治体をはじめとした官公庁において「自治体強靭性向上モデル」の買換え需要が今後数年にわたって継続すること、ならびに医療を初めとする民間企業での採用の増加が見込まれること、および、文教市場においてGIGAスクールにおいて導入されたデバイスに対してだけでなく、職員向けの認証強化が求められていることから、市場環境は、拡大基調にあるものと認識しております。それらに対し数年来構築してきた代理店網を活用しさらに売上増加を推進してまいります。さらに、従来当社が提供していなかった認証基盤ソリューション関連の製品も取り揃え、認証プロダクト提供から認証ソリューション提供に拡大してまいります。具体的にはゼロトラストセキュリティ提案が出来る品揃えを考慮し、当社で提供していく製品と、製品連携により協業していく製品により、あらゆるお客様の要望に応えられるようにしてまいります。
マガタマ・FIDO事業については、FIDOの低価格競争で優位に展開をはかる為、FIDO単体での提案ではなく、当社の従来技術でお客様にとって同様の効果が得られる認証サービスとの統合を視野に入れ検討してまいります。また、認証に留まらず、クラウドの普及によって要望の高い統合的なID管理も含めたサービス化などにも取り組んでまいります。
上記のとおり売上を拡大させ、ここ数年進めてきた費用の見直しを持続していくことにより、収益安定化を目指します。
③研究開発の推進
当社は産学連携ベンチャーの草分け的存在として、創業以来大学との共同研究により技術的競争力のある製品を生み出してまいりました。生体認証市場において、当社は長年の蓄積があり、現状技術的に優位な立場にあると認識しておりますが、本格的な普及期に入り、他社参入により競争が激化する可能性も十分に想定されます。これまで継続的に中部大学、名古屋工業大学、東京大学の各校との共同研究を進めてまいりました。引き続き他の追随を許さないレベルの技術を確立すべく、中部大学を中心に積極的な研究開発を行ってまいります。
④継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、営業損失を継続して計上しており、当連結会計年度においては営業損失204,406千円、経常損失160,654千円、親会社株主に帰属する当期純損失817,685千円を計上しております。財務基盤も盤石とはいえず、不測の事態が発生すれば継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在します。
このため、当社グループは安定的な黒字基盤を確立し健全な財務体質を確保することを最優先課題として、以下に示す3つの施策を積極的に推進し、当社グループにおける経営基盤の強化を進めてまいります。
・コーポレート・ガバナンスの充実
社外取締役の比率向上や、指名・報酬委員会の設置などを行い、一部の者への権限集中を避け正しい判断を行う環境を整備することにより、投資効果を引き上げます。
また、役員や社員へのコンプライアンス、ガバナンス教育を徹底し、規律ある業務遂行を徹底し業務効率の向上を目指します。
・投資に対する費用対効果の検証徹底
新たな投資や費用が大きい投資について、定期的に得られる売上や利益が十分なものであるかを検証します。
それにより、無駄な投資を素早く止めることができるだけでなく、収益の可能性についても検証し収益の向上に向け効果を出してまいります。
・既存事業の再構築と関連商材強化
既存事業は安定した収益を得ておりますが、コンプライアンス、ガバナンスについて再検討いたします。
また、多数の優良顧客に恵まれている環境にありますので、従来通り顧客満足度を維持するとともに、お客様のニーズに合った関連製品の販売も検討してまいります。
既に、ID管理ソリューションやログ統合ソリューションなど、実績も出てきており、アライアンスメーカー様とともに進めてまいります。
上記の施策により、収益基盤を確保し経営の安定化を図り、当該状況が解消されると判断しております。また、2022年12月期連結会計年度末において現金及び預金185,153千円及び現金同等物としての預け金1,000,000千円を保有しており、財務面における安定性については確保されていると考えております。そのため、業績の安定化は経済環境等の影響を受け、計画通りに進捗しない可能性があるものの、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

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