有価証券報告書-第30期(2024/01/01-2024/12/31)
有報資料
当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、産学連携により培われた生体認証技術をもとに、"バイバイパスワードカンパニー"として、世の中に氾濫するパスワードに関するトラブルやシステム課題を解決してまいります。また継続的・発展的な研究開発を推進し、広く生体認証技術の普及を目指した国際標準であるFIDO規格に準拠した製品の開発・販売を通じて、パスワードを使わない「いつでもどこでもカンタン」な本人確認による、便利かつ効率的で安全・安心な社会実現に貢献してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は、情報セキュリティ事業の更なる拡大を目標とし、かかるコア事業を中心に経常利益率といった事業の収益性を重視した事業運営に注力してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社が属する情報セキュリティ市場は外部環境要因の変遷が早く、特に当社のメイン市場である生体認証市場については、指紋認証及び顔認証機能搭載スマートフォンの発売およびウェブサービス上での本人確認手段としての利用を契機に急速に変化しております。
当社は10数年来指紋認証事業を行ってきた蓄積を活かし、市場ニーズにあった要素技術の発掘と実用化のため国内外機関とのアライアンスを通じた新製品の投入、販売からサービス課金への収益モデルの変更などの新事業の推進、他社製品との連携により付加価値を高めた製品販売、マイナンバー制度に対応する新規製品の開発・販売、さらにこれらの活動を支える管理体制の強化、適時開示体制の構築や日本版SOX法に対応する内部統制組織の構築とコーポレート・ガバナンスの強化を中長期的な経営戦略として捉え、それらを総合的に達成する新しい組織体制の構築を行ってまいります。
当社の事業は、これまでバイオ事業をメイン事業としてEVEシリーズのブランドで製品及びサービスを提供して参りました。バイオ事業はオンプレミス環境を主としてご利用頂く市場でしたが、近年市場のクラウド化への移行も進み、クラウド環境に向けた商品としてThemisやEVECLOUDと言った製品またはサービスも提供しております。事業としては、EVEシリーズブランドの従来商品を「バイオ事業」、今後拡大するクラウド市場に向けた商品を「クラウドサービス事業」としております。業績報告のセグメントは、当面バイオ事業の単一セグメントとしてご報告致します。今後クラウド事業が一定規模になりましたら、セグメント別の報告とする予定です。
(4)会社の対処すべき課題
①コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化
当社は、パーパス「DDSはすべての方から信頼されるバイバイパスワードカンパニーとして、IDやパスワードの問題解決に挑戦し、だれも取り残されない持続可能なデジタル社会に貢献します。」を掲げ、より一層差別化された製品の開発、提案力及びサービス体制の強化に今後とも傾注してまいります。同時に、コンプライアンス教育の強化、取締役会による監督機能強化、社内規程の整備・改訂及び業務フローの見直し、内部通報制度の周知徹底、管理部門のスタッフの増強、内部監査体制の見直し等を実施し、コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の一層の強化を図っております。
②収益の安定化
当社の主力事業であるバイオ事業については、引き続き自治体をはじめとした官公庁において「自治体強靭性向上モデル」の買換え需要が今後も数年に亘って継続すること、ならびに医療を始めとする民間企業での採用の増加が見込まれること、および、文教市場において GIGAスクール構想において導入されたデバイスに対してだけでなく、職員向けの認証強化が求められていることから、市場環境は、拡大基調にあるものと認識しております。
それらに対し数年来構築してきた代理店網を活用しさらに売上増加を推進してまいります。さらに、認証基盤ソリューション関連の従来当社が提供していなかった製品も取り揃え、認証プロダクト提供から認証ソリューション提供に拡大して参ります。具体的にはゼロトラストセキュリティ提案が出来る品揃えを考慮し、当社で提供していく製品と、製品連携により協業していく製品により、あらゆるお客様の要望に応えられるようにして参ります。
以上のことから、公共・民間市場とも環境は拡大基調にあるものと認識しております。また、ゼロトラストセキュリティ関連のID管理を中心とした新しいソリューション販売も実績につながっており、既存ユーザーへの追加販売や、認証基盤ソリューションだけではアプローチできなかった顧客の新規開発につながっております。それらに対し数年来構築してきた代理店網を活用し売上増加を見込んでおります。
さらに製品面では、EVEシリーズ及びThemisに自社製顔認証「軽快顔認証プラグイン」の組み込み発売をいたしました。それにより、仕入コストの低減や、新規顧客開拓なども見込んでおります。クラウドサービス事業については、2023年の第2四半期にIDaaSのサービス発表をいたしました。FIDOで培った技術を活かし、2023年7月のサービスインより営業活動を開始しております。具体的には下記のとおりです。
a.IDaaS市場への参入
EVECLOUDでIDaaS市場への展開を開始しております。
従来のIDaaSと比較して、顔認証の利用に加えてFIDO2にも対応するなど生体認証の選択肢を増やし、Windows OSやChrome OSへのログオン認証機能の他、代行入力方式によるSSO機能も搭載しております。
クラウドを多用しながら、OSへのログオンも利用したい、レガシーシステムでも利用したいといった顧客にマッチするサービスです。
文教市場での引き合いも多く、経年変化が大きい子供顔への対応、なりすまし対策といった顔認証強化や、校務支援システム、学習支援システム等への連携を進めております。
これまで当社がアプローチ出来なかったIDaaS市場に対し、従来のサービスには無く、お客様のニーズが高い機能を搭載しての市場参入になります。
b.自社開発した顔認証
AI技術をフル活用した自社製顔認証エンジンで、パソコンやスマートフォンでの利用を想定し、軽快に動作するよう開発しております。
現在、クラウドサービスであるEVECLOUDの他、なりすまし対策を加えたエンジンを2024年1月からオンプレミスの認証基盤であるEVEMAへ搭載、あわせてThemisにも搭載しております。
これにより、仕入コストの削減のみならず、フレキシブルなライセンス体系での提供、顧客向けのカスタマイズも可能になり、費用削減と売上増大を両立させて行きます。
③研究開発の推進
当社は産学連携ベンチャーの草分け的存在として、創業以来大学との共同研究により技術的競争力のある製品を生み出してまいりました。生体認証市場において、当社は長年の蓄積があり、現状技術的に優位な立場にあると認識しておりますが、本格的な普及期に入り、他社参入により競争が激化する可能性も十分に想定されます。これまで継続的に中部大学、名古屋工業大学、東京大学の各校との共同研究を進めてまいりました。引き続き他の追随を許さないレベルの技術を確立すべく、中部大学を中心とした研究開発を引き続き行ってまいります。
④継続企業の前提に関する重要事象等
当社は、営業損失を継続して計上しておりましたが、当事業年度においては営業利益156,756千円、経常利益158,238千円、当期純利益166,265千円を計上しております。
当社はひきつづき安定的な黒字基盤を確立し健全な財務体質を確保することを最優先課題として、以下に示す3つの施策を積極的に推進し、当社における経営基盤の強化を進めてまいります。
・コーポレート・ガバナンスの充実
社外取締役比率の向上や、指名・報酬委員会の開催、一部の者への権限集中を避け正しい判断を行う環境を整備することにより、投資効果を引き上げます。また、役員や社員へのコンプライアンス、ガバナンス教育を徹底し、規律ある業務遂行を徹底し業務効率の向上を目指します。
・投資に対する費用対効果の検証徹底
新たな投資や支出規模が大きい投資について、定期的に得られる売上や利益が十分なものであるかを検証します。それにより、想定効果が見込めなくなった投資を素早く止めることができるだけでなく、収益の可能性についても検証し収益の向上に向け効果を出してまいります。
・既存事業の再構築と関連商材強化
既存事業は安定した収益を得ており、多数の優良顧客に恵まれている環境にありますので、従来通り顧客満足度を維持するとともに、お客様のニーズに合った関連製品の販売も検討してまいります。
既に、ID管理ソリューションや、ログ統合ソリューションなど実績も出てきております。アライアンスメーカー様とともにそれを進めてまいります。
また、当事業年度末において現金及び預金1,002,257千円及び預け金577,412千円を保有しており、財務面における安定性については確保されていると考えております。そのため、業績の安定化は経済環境等の影響を受け、計画通りに進捗しない可能性があるものの、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は、産学連携により培われた生体認証技術をもとに、"バイバイパスワードカンパニー"として、世の中に氾濫するパスワードに関するトラブルやシステム課題を解決してまいります。また継続的・発展的な研究開発を推進し、広く生体認証技術の普及を目指した国際標準であるFIDO規格に準拠した製品の開発・販売を通じて、パスワードを使わない「いつでもどこでもカンタン」な本人確認による、便利かつ効率的で安全・安心な社会実現に貢献してまいります。
(2)目標とする経営指標
当社は、情報セキュリティ事業の更なる拡大を目標とし、かかるコア事業を中心に経常利益率といった事業の収益性を重視した事業運営に注力してまいります。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当社が属する情報セキュリティ市場は外部環境要因の変遷が早く、特に当社のメイン市場である生体認証市場については、指紋認証及び顔認証機能搭載スマートフォンの発売およびウェブサービス上での本人確認手段としての利用を契機に急速に変化しております。
当社は10数年来指紋認証事業を行ってきた蓄積を活かし、市場ニーズにあった要素技術の発掘と実用化のため国内外機関とのアライアンスを通じた新製品の投入、販売からサービス課金への収益モデルの変更などの新事業の推進、他社製品との連携により付加価値を高めた製品販売、マイナンバー制度に対応する新規製品の開発・販売、さらにこれらの活動を支える管理体制の強化、適時開示体制の構築や日本版SOX法に対応する内部統制組織の構築とコーポレート・ガバナンスの強化を中長期的な経営戦略として捉え、それらを総合的に達成する新しい組織体制の構築を行ってまいります。
当社の事業は、これまでバイオ事業をメイン事業としてEVEシリーズのブランドで製品及びサービスを提供して参りました。バイオ事業はオンプレミス環境を主としてご利用頂く市場でしたが、近年市場のクラウド化への移行も進み、クラウド環境に向けた商品としてThemisやEVECLOUDと言った製品またはサービスも提供しております。事業としては、EVEシリーズブランドの従来商品を「バイオ事業」、今後拡大するクラウド市場に向けた商品を「クラウドサービス事業」としております。業績報告のセグメントは、当面バイオ事業の単一セグメントとしてご報告致します。今後クラウド事業が一定規模になりましたら、セグメント別の報告とする予定です。
(4)会社の対処すべき課題
①コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化
当社は、パーパス「DDSはすべての方から信頼されるバイバイパスワードカンパニーとして、IDやパスワードの問題解決に挑戦し、だれも取り残されない持続可能なデジタル社会に貢献します。」を掲げ、より一層差別化された製品の開発、提案力及びサービス体制の強化に今後とも傾注してまいります。同時に、コンプライアンス教育の強化、取締役会による監督機能強化、社内規程の整備・改訂及び業務フローの見直し、内部通報制度の周知徹底、管理部門のスタッフの増強、内部監査体制の見直し等を実施し、コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の一層の強化を図っております。
②収益の安定化
当社の主力事業であるバイオ事業については、引き続き自治体をはじめとした官公庁において「自治体強靭性向上モデル」の買換え需要が今後も数年に亘って継続すること、ならびに医療を始めとする民間企業での採用の増加が見込まれること、および、文教市場において GIGAスクール構想において導入されたデバイスに対してだけでなく、職員向けの認証強化が求められていることから、市場環境は、拡大基調にあるものと認識しております。
それらに対し数年来構築してきた代理店網を活用しさらに売上増加を推進してまいります。さらに、認証基盤ソリューション関連の従来当社が提供していなかった製品も取り揃え、認証プロダクト提供から認証ソリューション提供に拡大して参ります。具体的にはゼロトラストセキュリティ提案が出来る品揃えを考慮し、当社で提供していく製品と、製品連携により協業していく製品により、あらゆるお客様の要望に応えられるようにして参ります。
以上のことから、公共・民間市場とも環境は拡大基調にあるものと認識しております。また、ゼロトラストセキュリティ関連のID管理を中心とした新しいソリューション販売も実績につながっており、既存ユーザーへの追加販売や、認証基盤ソリューションだけではアプローチできなかった顧客の新規開発につながっております。それらに対し数年来構築してきた代理店網を活用し売上増加を見込んでおります。
さらに製品面では、EVEシリーズ及びThemisに自社製顔認証「軽快顔認証プラグイン」の組み込み発売をいたしました。それにより、仕入コストの低減や、新規顧客開拓なども見込んでおります。クラウドサービス事業については、2023年の第2四半期にIDaaSのサービス発表をいたしました。FIDOで培った技術を活かし、2023年7月のサービスインより営業活動を開始しております。具体的には下記のとおりです。
a.IDaaS市場への参入
EVECLOUDでIDaaS市場への展開を開始しております。
従来のIDaaSと比較して、顔認証の利用に加えてFIDO2にも対応するなど生体認証の選択肢を増やし、Windows OSやChrome OSへのログオン認証機能の他、代行入力方式によるSSO機能も搭載しております。
クラウドを多用しながら、OSへのログオンも利用したい、レガシーシステムでも利用したいといった顧客にマッチするサービスです。
文教市場での引き合いも多く、経年変化が大きい子供顔への対応、なりすまし対策といった顔認証強化や、校務支援システム、学習支援システム等への連携を進めております。
これまで当社がアプローチ出来なかったIDaaS市場に対し、従来のサービスには無く、お客様のニーズが高い機能を搭載しての市場参入になります。
b.自社開発した顔認証
AI技術をフル活用した自社製顔認証エンジンで、パソコンやスマートフォンでの利用を想定し、軽快に動作するよう開発しております。
現在、クラウドサービスであるEVECLOUDの他、なりすまし対策を加えたエンジンを2024年1月からオンプレミスの認証基盤であるEVEMAへ搭載、あわせてThemisにも搭載しております。
これにより、仕入コストの削減のみならず、フレキシブルなライセンス体系での提供、顧客向けのカスタマイズも可能になり、費用削減と売上増大を両立させて行きます。
③研究開発の推進
当社は産学連携ベンチャーの草分け的存在として、創業以来大学との共同研究により技術的競争力のある製品を生み出してまいりました。生体認証市場において、当社は長年の蓄積があり、現状技術的に優位な立場にあると認識しておりますが、本格的な普及期に入り、他社参入により競争が激化する可能性も十分に想定されます。これまで継続的に中部大学、名古屋工業大学、東京大学の各校との共同研究を進めてまいりました。引き続き他の追随を許さないレベルの技術を確立すべく、中部大学を中心とした研究開発を引き続き行ってまいります。
④継続企業の前提に関する重要事象等
当社は、営業損失を継続して計上しておりましたが、当事業年度においては営業利益156,756千円、経常利益158,238千円、当期純利益166,265千円を計上しております。
当社はひきつづき安定的な黒字基盤を確立し健全な財務体質を確保することを最優先課題として、以下に示す3つの施策を積極的に推進し、当社における経営基盤の強化を進めてまいります。
・コーポレート・ガバナンスの充実
社外取締役比率の向上や、指名・報酬委員会の開催、一部の者への権限集中を避け正しい判断を行う環境を整備することにより、投資効果を引き上げます。また、役員や社員へのコンプライアンス、ガバナンス教育を徹底し、規律ある業務遂行を徹底し業務効率の向上を目指します。
・投資に対する費用対効果の検証徹底
新たな投資や支出規模が大きい投資について、定期的に得られる売上や利益が十分なものであるかを検証します。それにより、想定効果が見込めなくなった投資を素早く止めることができるだけでなく、収益の可能性についても検証し収益の向上に向け効果を出してまいります。
・既存事業の再構築と関連商材強化
既存事業は安定した収益を得ており、多数の優良顧客に恵まれている環境にありますので、従来通り顧客満足度を維持するとともに、お客様のニーズに合った関連製品の販売も検討してまいります。
既に、ID管理ソリューションや、ログ統合ソリューションなど実績も出てきております。アライアンスメーカー様とともにそれを進めてまいります。
また、当事業年度末において現金及び預金1,002,257千円及び預け金577,412千円を保有しており、財務面における安定性については確保されていると考えております。そのため、業績の安定化は経済環境等の影響を受け、計画通りに進捗しない可能性があるものの、現時点では継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。