有価証券報告書-第12期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
(1)財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの連結業績は、第2四半期までは低調に推移していたものの、第3四半期以降、CAD/CAMシステム等事業、金型製造事業のいずれにおいても業績が回復し、売上高は前年の実績とほぼ同水準の40億66百万円(前期比0.4%減)まで回復いたしました。利益面では上期の減益およびCAD/CAMシステム等事業での先行投資としての開発外注費増加が影響し、営業利益2億30百万円(前期比30.0%減)、経常利益2億52百万円(前期比32.3%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は1億21百万円(前期比76.0%減)となりました。営業利益の減少に加え、前年度に繰延税金資産の回収可能性を見直した結果、法人税等調整額を2億77百万円計上したことなどから、それとの比較では減益となりました。
当社グループの各事業の取り組みは、以下のとおりです。
(CAD/CAMシステム等事業)
CAD/CAMシステム等事業については、「既存の基幹収益源(国内CAD/CAMシステム事業)の維持・拡張」「成長する海外CAD/CAM市場の取り込み」「次世代収益源としての新規事業の育成」の3つの基本戦略を柱とした中長期事業方針を推進するため、以下のような取り組みを行ってきた結果、当連結会計年度のセグメント売上は35億22百万円(前期比0.2%減)となりました。上期の業績は工作機械の納期長期化および製造業向け政府補助金の採択時期の影響等を受け、第2四半期までは厳しい状況で推移したものの、第3四半期以降の工作機械の納品時期到来に連動した製品販売、政府補助金案件への確実な販売により業績が回復いたしました。セグメント利益は上期での減益および先行投資としての開発外注費増加が影響し、1億96百万円(前期比31.9%減)となりました。
・既存の基幹収益源(国内CAD/CAMシステム事業)の維持・拡張
当社では、国内CAD/CAMシステム事業を基幹収益源と位置づけています。国内製造業では、企業収益が改善し良好な水準を維持する中、輸出が増加、設備投資も堅調に推移しておりましたが、米中貿易摩擦の強まりに伴い景気先行き警戒感が強まり、2018年後半にかけては設備投資意欲にも慎重な姿勢が見られるようになりました。そのような中、製品販売については、年間を通してパブリックショーへの出展、販売パートナー企業・生産財メーカーとのイベント共催等において協力体制の強化を図り、新規開拓を進めるとともに他社製品からの置き換えを狙った営業展開を進めてきました。11月には東京にて開催された工作機械見本市「JIMTOF2018」に出展、10月にリリースした金型5軸制御マシニングセンター対応CAD/CAMシステム「CAM-TOOL」の最新バージョンをはじめとする主力CAD/CAM製品の紹介を行ったほか、「現場主導のIT活用」を新コンセプトとした金型・部品製造向け工程管理システム「AIQ」の展示およびワークショップを開講するなど、当社製品で実現する付加価値の高い加工技術や金型設計作業の効率化を提案しました。
また保守サービス売上については、製品バージョンアップ、ユーザーへの技術サポート提供を定期的に行うことで顧客満足度向上に努め、2018年度も保守更新率90%以上を維持することができました。CAD/CAMシステム等事業における保守サービスによる売上の割合は60.4%と高い割合を占め、今後も当社グループにとって重要な経営基盤として位置づけていく考えです。
・成長する海外CAD/CAM市場の取り込み
海外CAD/CAM市場に対しては、①日系企業への直接販売②ローカル企業への間接販売という2つの側面から事業展開してきました。日系企業に対しては国内外の事情に合わせ、現地技術員によるサポートを実現できる日本でも有数のCAD/CAMメーカーとして国内CAD/CAM営業部門との協力を図りながら製品販売を展開しました。ローカル企業に対しては、当社が販売を展開している地域において現地販売代理店の発掘、協力関係の構築を進めてきました。
そのような中、海外における製品販売は、ASEAN地域では販売体制の強化および販売網の拡大等、海外事業基盤の強化によりタイ、ベトナム等で堅調に推移しました。東アジア地域においては、NCデータ出力の自動化を推進するオプション製品「CAM-TOOL Easy&Smart(ES)」の提案等、積極的な営業を展開した韓国で売上を伸ばしたほか、台湾では自動車向けの需要が増加し売上が回復しました。一方、貿易摩擦の影響で経済が減速傾向にある中国では、自動車関連の需要減少に伴い製品販売は低調に推移しました。また保守売上については、現地技術員によるサポート体制の強化によりインドネシア・ベトナム等の地域で伸長しました。
・次世代収益源としての新規事業の育成
当社では、既存のCAD/CAMパッケージの開発・販売以外の次世代収益源として当社が培ってきたCAD/CAM開発技術を生かした新規事業の開発に本年度も取り組みました。
そのひとつはOEM事業であり当社が保有する技術リソースを国内外の工作機械メーカー、工具メーカー、CAD/CAMシステムメーカー等へOEM提供するものです。当連結会計年度においては、既存OEM製品では需要の一巡が見受けられ、想定よりも低調に推移しました。OEM事業については新機能追加等によるさらなる需要掘り起こしを進めるとともに、新たなOEM先の新規開拓の必要があるものと認識しています。
また当社では、3D積層造形関連事業の育成として以前より積層造形技術に当社の5軸切削加工技術を組み合わせた「AM-CAM」という新技術による積層造形の研究開発を行ってきました。これまで金型設計・製造に特化して培ってきたCAD/CAM 開発技術を生かし、FDM方式(熱溶解積層法)でCAM開発のノウハウを蓄積してきましたが、粉末金属積層方式のCAM開発にも参入し、研究を継続してきました。
そのほかではCADの設計情報と工程計画を連携させることにより計画立案、実績収集、原価計算までをフォローし、進捗と実績の「見える化」を推進するCAD/CAM連携モデルである金型・部品製造向け工程管理システム「AIQ」の機能拡充などIoT関連の新規事業育成にも取り組んできました。
(金型製造事業)
金型製造事業における当連結会計年度のセグメント売上は5億44百万円(前期比1.8%減)とほぼ横ばいとなりましたが、利益面では上期の減益および原価率の上昇の影響により、セグメント利益は33百万円(前期比17.0%減)に留まりました。
当社の金型製造子会社が拠点を置く米国の自動車業界は、良好な事業環境を維持する一方、輸入関税等の経済政策による影響が懸念されるなど、一部不透明な状況も継続いたしました。当社の金型製造子会社は年間を通して積極的な受注活動を行ってきましたが、一昨年の第4四半期以降、主要顧客の新車開発が一時的に大きく減少したことが影響し、CAD/CAMシステム等事業と同様、第2四半期までは厳しい状況が継続しました。その後の金型需要回復に伴い売上高が回復しましたが、米中貿易摩擦に伴うコスト増が利益面に影響しました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前年同期と比べ39百万円(1.9%)増加し、21億76百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益等により1億63百万円の収入となり、前年同期と比べ3億70百万円(69.4%)の収入の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により70百万円の支出となり、前年同期と比べ15百万円(18.3%)の支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により44百万円の支出となり、前年同期と比べ86百万円(65.9%)の支出の減少となりました。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前年同期と比較して1億25百万円(2.6%)増加し、49億39百万円となりました。主な増加要因は現金及び預金45百万円およびたな卸資産69百万円であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債については、前年同期と比較して1億60百万円(7.7%)増加し、22億39百万円となりました。主な増加要因は前受金66百万円および社債1億円であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産については、前年同期と比較して34百万円(1.3%)減少し、27億0百万円となりました。主な増加要因は親会社株主に帰属する当期純利益1億21百万円、主な減少要因は配当による利益剰余金の減少1億27百万円であります。
③ 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、40億66百万円となり、前連結会計年度に比べ16百万円の減少(前期比0.4%減)となりました。報告セグメントごとの売上高については、CAD/CAMシステム等事業は35億22百万円(前期比0.2%減)、金型製造事業は5億44百万円(前期比1.8%減)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、2億30百万円となり、前連結会計年度に比べ98百万円の減少(前期比30.0%減)となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度より2.4ポイント低下し5.7%となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、2億52百万円となり、前連結会計年度に比べ1億20百万円の減少(前期比32.3%減)となりました。また、売上高経常利益率は前連結会計年度より2.9ポイント低下し6.2%となりました。
主な営業外収益としましては不動産賃借料88百万円(前連結会計年度87百万円)、主な営業外費用としましては不動産賃貸費用66百万円(前連結会計年度67百万円)が挙げられます。
(親会社株主に帰属する利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、2億37百万円となり、前連結会計年度に比べ1億98百万円の減少(前期比45.6%減)となりました。
また、当連結会計年度の法人税等は1億0百万円となり、前連結会計年度に比べ1億87百万円の増加となりました。主に前連結会計年度において税効果会計に係る会計基準における会社区分の変更を行ったことが要因です。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1億21百万円となり、前連結会計年度に比べ3億82百万円の減少(前期比76.0%減)となりました。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源および資金の流動性
当社グループの資本の財源は、自己資金とすることを基本としておりますが、必要に応じて多様な調達手段を検討し財源の確保を図っております。
資金の流動性は、営業活動によるキャッシュ・フローを確実に獲得することを基本に、適正な投資活動と財務活動を組み合わせることで十分な流動性の確保と財務体質の健全性を維持するよう努めております。
資金需要の主な要因は、研究開発資金、当社並び当社ブランドの認知度および価値向上のための資金、国内外の事業加速のための運転資金、人材投資資金であります。これらに対応する目的も含め、取引金融機関との連携を強化するとともに、一定の流動性預金の確保を図っております。
⑥ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、長期的・継続的な企業価値の向上および株主資本の効率的活用が重要であると認識しており、売上高年平均成長率、売上高経常利益率並びにROEを主要な経営指標として位置づけております。現在当社グループでは、2020年までを目途に、「2015年から2020年売上高年平均成長率5%」、「2020年経常利益率20%以上」、「2020年ROE15%以上」という中期の事業方針を掲げております。
当社グループは、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の施策を継続的に進めていくことが経営指標の持続的向上に寄与すると判断しており、今後も引き続きこれらの指標を向上させるべく努めてまいります。
(1)財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの連結業績は、第2四半期までは低調に推移していたものの、第3四半期以降、CAD/CAMシステム等事業、金型製造事業のいずれにおいても業績が回復し、売上高は前年の実績とほぼ同水準の40億66百万円(前期比0.4%減)まで回復いたしました。利益面では上期の減益およびCAD/CAMシステム等事業での先行投資としての開発外注費増加が影響し、営業利益2億30百万円(前期比30.0%減)、経常利益2億52百万円(前期比32.3%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は1億21百万円(前期比76.0%減)となりました。営業利益の減少に加え、前年度に繰延税金資産の回収可能性を見直した結果、法人税等調整額を2億77百万円計上したことなどから、それとの比較では減益となりました。
当社グループの各事業の取り組みは、以下のとおりです。
(CAD/CAMシステム等事業)
CAD/CAMシステム等事業については、「既存の基幹収益源(国内CAD/CAMシステム事業)の維持・拡張」「成長する海外CAD/CAM市場の取り込み」「次世代収益源としての新規事業の育成」の3つの基本戦略を柱とした中長期事業方針を推進するため、以下のような取り組みを行ってきた結果、当連結会計年度のセグメント売上は35億22百万円(前期比0.2%減)となりました。上期の業績は工作機械の納期長期化および製造業向け政府補助金の採択時期の影響等を受け、第2四半期までは厳しい状況で推移したものの、第3四半期以降の工作機械の納品時期到来に連動した製品販売、政府補助金案件への確実な販売により業績が回復いたしました。セグメント利益は上期での減益および先行投資としての開発外注費増加が影響し、1億96百万円(前期比31.9%減)となりました。
・既存の基幹収益源(国内CAD/CAMシステム事業)の維持・拡張
当社では、国内CAD/CAMシステム事業を基幹収益源と位置づけています。国内製造業では、企業収益が改善し良好な水準を維持する中、輸出が増加、設備投資も堅調に推移しておりましたが、米中貿易摩擦の強まりに伴い景気先行き警戒感が強まり、2018年後半にかけては設備投資意欲にも慎重な姿勢が見られるようになりました。そのような中、製品販売については、年間を通してパブリックショーへの出展、販売パートナー企業・生産財メーカーとのイベント共催等において協力体制の強化を図り、新規開拓を進めるとともに他社製品からの置き換えを狙った営業展開を進めてきました。11月には東京にて開催された工作機械見本市「JIMTOF2018」に出展、10月にリリースした金型5軸制御マシニングセンター対応CAD/CAMシステム「CAM-TOOL」の最新バージョンをはじめとする主力CAD/CAM製品の紹介を行ったほか、「現場主導のIT活用」を新コンセプトとした金型・部品製造向け工程管理システム「AIQ」の展示およびワークショップを開講するなど、当社製品で実現する付加価値の高い加工技術や金型設計作業の効率化を提案しました。
また保守サービス売上については、製品バージョンアップ、ユーザーへの技術サポート提供を定期的に行うことで顧客満足度向上に努め、2018年度も保守更新率90%以上を維持することができました。CAD/CAMシステム等事業における保守サービスによる売上の割合は60.4%と高い割合を占め、今後も当社グループにとって重要な経営基盤として位置づけていく考えです。
・成長する海外CAD/CAM市場の取り込み
海外CAD/CAM市場に対しては、①日系企業への直接販売②ローカル企業への間接販売という2つの側面から事業展開してきました。日系企業に対しては国内外の事情に合わせ、現地技術員によるサポートを実現できる日本でも有数のCAD/CAMメーカーとして国内CAD/CAM営業部門との協力を図りながら製品販売を展開しました。ローカル企業に対しては、当社が販売を展開している地域において現地販売代理店の発掘、協力関係の構築を進めてきました。
そのような中、海外における製品販売は、ASEAN地域では販売体制の強化および販売網の拡大等、海外事業基盤の強化によりタイ、ベトナム等で堅調に推移しました。東アジア地域においては、NCデータ出力の自動化を推進するオプション製品「CAM-TOOL Easy&Smart(ES)」の提案等、積極的な営業を展開した韓国で売上を伸ばしたほか、台湾では自動車向けの需要が増加し売上が回復しました。一方、貿易摩擦の影響で経済が減速傾向にある中国では、自動車関連の需要減少に伴い製品販売は低調に推移しました。また保守売上については、現地技術員によるサポート体制の強化によりインドネシア・ベトナム等の地域で伸長しました。
・次世代収益源としての新規事業の育成
当社では、既存のCAD/CAMパッケージの開発・販売以外の次世代収益源として当社が培ってきたCAD/CAM開発技術を生かした新規事業の開発に本年度も取り組みました。
そのひとつはOEM事業であり当社が保有する技術リソースを国内外の工作機械メーカー、工具メーカー、CAD/CAMシステムメーカー等へOEM提供するものです。当連結会計年度においては、既存OEM製品では需要の一巡が見受けられ、想定よりも低調に推移しました。OEM事業については新機能追加等によるさらなる需要掘り起こしを進めるとともに、新たなOEM先の新規開拓の必要があるものと認識しています。
また当社では、3D積層造形関連事業の育成として以前より積層造形技術に当社の5軸切削加工技術を組み合わせた「AM-CAM」という新技術による積層造形の研究開発を行ってきました。これまで金型設計・製造に特化して培ってきたCAD/CAM 開発技術を生かし、FDM方式(熱溶解積層法)でCAM開発のノウハウを蓄積してきましたが、粉末金属積層方式のCAM開発にも参入し、研究を継続してきました。
そのほかではCADの設計情報と工程計画を連携させることにより計画立案、実績収集、原価計算までをフォローし、進捗と実績の「見える化」を推進するCAD/CAM連携モデルである金型・部品製造向け工程管理システム「AIQ」の機能拡充などIoT関連の新規事業育成にも取り組んできました。
(金型製造事業)
金型製造事業における当連結会計年度のセグメント売上は5億44百万円(前期比1.8%減)とほぼ横ばいとなりましたが、利益面では上期の減益および原価率の上昇の影響により、セグメント利益は33百万円(前期比17.0%減)に留まりました。
当社の金型製造子会社が拠点を置く米国の自動車業界は、良好な事業環境を維持する一方、輸入関税等の経済政策による影響が懸念されるなど、一部不透明な状況も継続いたしました。当社の金型製造子会社は年間を通して積極的な受注活動を行ってきましたが、一昨年の第4四半期以降、主要顧客の新車開発が一時的に大きく減少したことが影響し、CAD/CAMシステム等事業と同様、第2四半期までは厳しい状況が継続しました。その後の金型需要回復に伴い売上高が回復しましたが、米中貿易摩擦に伴うコスト増が利益面に影響しました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前年同期と比べ39百万円(1.9%)増加し、21億76百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益等により1億63百万円の収入となり、前年同期と比べ3億70百万円(69.4%)の収入の減少となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により70百万円の支出となり、前年同期と比べ15百万円(18.3%)の支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により44百万円の支出となり、前年同期と比べ86百万円(65.9%)の支出の減少となりました。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) | |
| 品目 | |||
| CAD/CAMシステム等 | |||
| CAD/CAM製品 | 1,230,874 | △2.9 | |
| 保守契約・技術サービス | 2,126,799 | +2.7 | |
| 開発サービス | 158,531 | △18.7 | |
| 計 | 3,516,205 | △0.5 | |
| 金型製造 | 647,295 | +15.6 | |
| 合計 | 4,163,501 | +1.7 | |
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (千円) | 前期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前期比 (%) | |
| 品目 | |||||
| CAD/CAMシステム等 | |||||
| CAD/CAM製品 | 1,225,287 | △3.7 | 41,231 | △15.0 | |
| 保守契約・技術サービス | 2,136,084 | +3.1 | 756,465 | +1.2 | |
| 開発サービス | 170,693 | +0.8 | 21,140 | +61.3 | |
| 計 | 3,532,064 | +0.5 | 818,838 | +1.2 | |
| 金型製造 | 761,224 | +34.0 | 388,652 | +125.7 | |
| 合計 | 4,293,289 | +5.2 | 1,207,490 | +23.1 | |
(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) | |
| 品目 | |||
| CAD/CAMシステム等 | |||
| CAD/CAM製品 | 1,232,570 | △2.7 | |
| 保守契約・技術サービス | 2,126,799 | +2.7 | |
| 開発サービス | 162,657 | △14.4 | |
| 計 | 3,522,027 | △0.2 | |
| 金型製造 | 544,750 | △1.8 | |
| 合計 | 4,066,778 | △0.4 | |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
② 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前年同期と比較して1億25百万円(2.6%)増加し、49億39百万円となりました。主な増加要因は現金及び預金45百万円およびたな卸資産69百万円であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債については、前年同期と比較して1億60百万円(7.7%)増加し、22億39百万円となりました。主な増加要因は前受金66百万円および社債1億円であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産については、前年同期と比較して34百万円(1.3%)減少し、27億0百万円となりました。主な増加要因は親会社株主に帰属する当期純利益1億21百万円、主な減少要因は配当による利益剰余金の減少1億27百万円であります。
③ 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、40億66百万円となり、前連結会計年度に比べ16百万円の減少(前期比0.4%減)となりました。報告セグメントごとの売上高については、CAD/CAMシステム等事業は35億22百万円(前期比0.2%減)、金型製造事業は5億44百万円(前期比1.8%減)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、2億30百万円となり、前連結会計年度に比べ98百万円の減少(前期比30.0%減)となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度より2.4ポイント低下し5.7%となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、2億52百万円となり、前連結会計年度に比べ1億20百万円の減少(前期比32.3%減)となりました。また、売上高経常利益率は前連結会計年度より2.9ポイント低下し6.2%となりました。
主な営業外収益としましては不動産賃借料88百万円(前連結会計年度87百万円)、主な営業外費用としましては不動産賃貸費用66百万円(前連結会計年度67百万円)が挙げられます。
(親会社株主に帰属する利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、2億37百万円となり、前連結会計年度に比べ1億98百万円の減少(前期比45.6%減)となりました。
また、当連結会計年度の法人税等は1億0百万円となり、前連結会計年度に比べ1億87百万円の増加となりました。主に前連結会計年度において税効果会計に係る会計基準における会社区分の変更を行ったことが要因です。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は1億21百万円となり、前連結会計年度に比べ3億82百万円の減少(前期比76.0%減)となりました。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源および資金の流動性
当社グループの資本の財源は、自己資金とすることを基本としておりますが、必要に応じて多様な調達手段を検討し財源の確保を図っております。
資金の流動性は、営業活動によるキャッシュ・フローを確実に獲得することを基本に、適正な投資活動と財務活動を組み合わせることで十分な流動性の確保と財務体質の健全性を維持するよう努めております。
資金需要の主な要因は、研究開発資金、当社並び当社ブランドの認知度および価値向上のための資金、国内外の事業加速のための運転資金、人材投資資金であります。これらに対応する目的も含め、取引金融機関との連携を強化するとともに、一定の流動性預金の確保を図っております。
⑥ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、長期的・継続的な企業価値の向上および株主資本の効率的活用が重要であると認識しており、売上高年平均成長率、売上高経常利益率並びにROEを主要な経営指標として位置づけております。現在当社グループでは、2020年までを目途に、「2015年から2020年売上高年平均成長率5%」、「2020年経常利益率20%以上」、「2020年ROE15%以上」という中期の事業方針を掲げております。
当社グループは、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の施策を継続的に進めていくことが経営指標の持続的向上に寄与すると判断しており、今後も引き続きこれらの指標を向上させるべく努めてまいります。