有価証券報告書-第14期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

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2021/03/25 16:00
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当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
(1)財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高36億84百万円(前期比12.2%減)、営業利益1億92百万円(前期比37.9%減)、経常利益1億55百万円(前期比52.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益60百万円(前期比66.7%減)と大幅な減収減益となりました。長期化する新型コロナウイルス感染拡大の影響による営業活動の制限等、厳しい事業環境が続いたことが国内外の製品販売等に大きく影響しました。
当社グループの各事業の取り組みは、以下のとおりです。
(CAD/CAMシステム等事業)
当連結会計年度における金型関連業界は、設備投資の先行指標となる工作機械受注統計によれば、新型コロナウイルス感染拡大の影響を含め内外需ともに2年連続して前年の年間実績を下回り、特に内需において回復の遅れが見られました。国内外では経済活動の再開が段階的に進められてはいるものの先行き不透明な状況が継続し、今後も世界各国で感染拡大の防止策を講じつつ社会経済活動のレベルを引き上げる方法を模索する状況が続くと見込まれます。
このような状況下、CAD/CAMシステム等事業においては、「既存の基幹収益源の維持・拡張」「事業領域の拡大」「技術の深耕によるIoT分野等への市場拡大」「新規事業の創出」の4つの方向性に基づいた中長期事業方針を推進しました。
当連結会計年度は国内外いずれの領域においても新型コロナウイルス感染拡大の影響により想定していた活動が大きく制限されましたが、オンラインツールの活用をはじめ年間を通して状況に応じた対策を柔軟に講じながら主力製品であるCAD/CAMシステムの販売を推進しました
① 既存の基幹収益源(国内のCAD/CAMシステム事業)の維持・拡張
当社では国内CAD/CAMシステム事業を基幹収益源と位置づけています。国内製造業では、新型コロナウイルス感染拡大防止のため展示会およびセミナーの中止が相次ぎ、緊急事態宣言時にはユーザー先への訪問制限による営業機会の減少等、厳しい状況が続きました。
一方研究開発においては主力製品の内部構造の刷新、操作性改良による製品競争力向上に向け、リニューアル開発を進めました。
保守サービス売上については、製品バージョンアップ、ユーザーへの技術サポート提供を定期的に行うことで顧客満足度向上に努め、2020年度も保守更新率90%以上を維持することができました。CAD/CAMシステム等事業における保守サービスによる売上の割合は70.2%と高い割合を占め、今後も当社グループにとって重要な経営基盤として位置づけていく考えです。
② 事業領域の拡大(金型隣接市場・海外ローカル市場・内製市場)
当社ではさらなる市場拡大を目的に、当社が得意とする金型分野に加え、長年にわたり金型設計・製造分野で培ったCAD/CAM資産を活用した部品加工市場向け製品「PartsCAM」を開発し、2020年2月に販売を開始いたしました。
また海外CAD/CAM市場に対しては、すでに展開を進めている日系企業だけでなく、金型生産拠点として今後伸長していくローカル企業に対しての拡販を目指しました。2020年度は海外との往来が難しい中、オンラインツールを活用し現地販売代理店との協力関係の構築に努めました。
さらに大手金型内製部門へのアプローチおよび海外展開を視野に入れ、米シーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア社製3次元CAD/CAM/CAEシステム「NX」への当社「CAM-TOOL」の搭載を実現し、「CAM-TOOL for NX」として2020年より販売を開始いたしました。自動車メーカー・サプライヤーの基幹CAD/CAMシステムとして広く採用されている「NX」のユーザーに対して「CAM-TOOL」の高精度かつ高効率な機能を提供することが可能となりました。
③ 技術の深耕によるIoT分野等への市場拡大
技術の深耕によるIoT分野等への市場拡大としては、「現場主導のIT活用」を新コンセプトとした金型・部品製造向け工程管理システム「AIQ」の販売強化を図りました。現行機能の拡充およびオプション機能追加に向けた開発を継続するとともに、国内外ともに技術代理店の強化を図りました。金型製造業以外への市場拡大を視野に、工程管理から生産管理システムへと発展させるべくさらに機能を強化していきます。
④ 新規事業の創出
2019年7月に市場投入した金属または樹脂AM(AM=Additive Manufacturing:付加製造)機能を搭載した「CAM-TOOL AM」は、積層造形および切削加工をひとつのシステムで実現する同時5軸制御対応ハイブリッドCAMシステムです。当連結会計年度においては研究機関等における導入が実現しましたが、積層造形市場はハードウェア、ソフトウェアともにまだ研究段階と言える状況であり、普及には時間を要するものと思われます。今後も新規事業拡大に向け引き続きAM複合加工機メーカーとの協力体制を構築していきます。
上記のような取り組みの結果、当連結会計年度におけるCAD/CAMシステム等事業のセグメント売上は31億27百万円(前期比11.3%減)、セグメント利益は1億36百万円(前期比43.1%減)となりました。長引く新型コロナウイルス感染拡大の影響により、国内では製造業の設備投資に対する姿勢に先送りの傾向が見られ、また海外では自動車関連業の稼働率低下等により需要が減少している状況が回復しない地域も多く、国内外ともに製品販売が低調に推移しました。
(金型製造事業)
当社の金型製造子会社が拠点を置く米国の自動車業界は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、先行き不透明な状況が継続いたしました。
そのような状況下、金型製造事業では、オンラインツールを活用し来期以降の売上につなげるための受注活動に注力しました。当連結会計年度においては、2019年下期に受注した新規プロジェクト等の売上が本年度の上期業績に寄与した一方、深刻化した新型コロナウイルス感染拡大により第2四半期においてロックダウンが実施されてからは主要顧客である自動車関連業も企業活動を停止するなど受注環境が悪化し、下期の売上に影響しました。
これらの結果、当連結会計年度における金型製造事業のセグメント売上5億57百万円(前期比16.9%減)、セグメント利益55百万円(前期比19.8%減)と、好調であった前期との比較では減収減益となりましたが、概ね想定通りに推移しました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前年同期と比べ2億58百万円(11.7%)増加し、24億68百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の減少および税金等調整前当期純利益等により4億92百万円の収入となり、前年同期と比べ1億28百万円(35.5%)の収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により11百万円の支出となり、前年同期と比べ77百万円(87.2%)の支出の減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還および配当金の支払等により2億9百万円の支出となり、前年同期と比べ31百万円(13.1%)の支出の減少となりました。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
品目
CAD/CAMシステム等
CAD/CAM製品813,756△32.1
保守契約・技術サービス2,195,347△0.7
開発サービス127,332+9.0
3,136,437△11.1
金型製造514,302△22.1
合計3,650,739△12.8

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高
(千円)
前期比
(%)
受注残高
(千円)
前期比
(%)
品目
CAD/CAMシステム等
CAD/CAM製品882,188△25.188,958+327.4
保守契約・技術サービス2,199,467△2.0794,049+0.5
開発サービス130,249+15.128,602+71.0
3,211,904△9.2911,610+10.2
金型製造424,848△28.8182,621△42.0
合計3,636,753△12.01,094,232△4.2

(注) 金額は販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
品目
CAD/CAMシステム等
CAD/CAM製品814,041△32.1
保守契約・技術サービス2,195,347△0.7
開発サービス118,376+0.7
3,127,766△11.3
金型製造557,031△16.9
合計3,684,797△12.2

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
新型コロナウイルス感染症の拡大により、当連結会計年度においては各国における隔離措置ならびに移動制限、それらにともなう企業活動の制限ならびに設備投資マインドの低下などにより、業績への影響が生じました。
新型コロナウイルス感染症の終息時期は不確実であり予測が困難ですが、当社グループでは、2020年下期の売上高トレンド、設備投資を促す各種税制の動向、世界的なワクチン開発および接種の状況、各国のコロナウイルス感染症対策による感染拡大の抑制状況等を総合的に勘案し、2021年12月期上半期までは当該感染症の影響が続くと予測し、当第2四半期連結累計期間と比べ売上高1億58百万円減、営業利益50百万円減を見込んでおります。
また、翌連結会計年度の業績については、2021年12月期下半期は徐々に回復するとの一定の仮定に基づき、当連結会計年度と比べ売上高72百万円増、営業利益1百万円増と見込んでおります。
上記試算および一定の仮定に基づき、新型コロナウイルス感染症の拡大は、経済や企業活動に広範な影響を与える事象ではありますが、現時点において当社グループの会計上の見積りに及ぼす影響は重要でないと判断しております。
なお、上記の試算および一定の仮定に大幅な変更が生じた場合には、翌連結会計年度の財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の総資産は、前年同期と比較して61百万円(1.2%)減少し、49億71百万円となりました。主な増加要因は現金及び預金1億67百万円、主な減少要因は受取手形及び売掛金1億38百万円および電子記録債権94百万円であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債については、前年同期と比較して58百万円(2.4%)減少し、23億51百万円となりました。主な増加要因は退職給付に係る負債73百万円、主な減少要因は1年内償還予定の社債1億円および未払法人税等43百万円であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産については、前年同期と比較して3百万円(0.1%)減少し、26億19百万円となりました。主な増加要因は親会社株主に帰属する当期純利益60百万円およびその他有価証券評価差額金53百万円、主な減少要因は配当による利益剰余金の減少96百万円であります。
③ 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、36億84百万円となり、前連結会計年度に比べ5億12百万円の減少(前期比△12.2%)となりました。報告セグメントごとの売上高については、CAD/CAMシステム等事業は31億27百万円(前期比△11.3%)、金型製造事業は5億57百万円(前期比△16.9%)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、1億92百万円となり、前連結会計年度に比べ1億17百万円の減少(前期比△37.9%)となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度より2.2ポイント下落し5.2%となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、1億55百万円となり、前連結会計年度に比べ1億74百万円の減少(前期比△52.8%)となりました。また、売上高経常利益率は前連結会計年度より3.6ポイント下落し4.2%となりました。
主な営業外収益としましては不動産賃借料93百万円(前連結会計年度89百万円)、主な営業外費用としましては不動産賃貸費用69百万円(前連結会計年度67百万円)および投資有価証券評価損65百万円が挙げられます。
(親会社株主に帰属する利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、1億55百万円となり、前連結会計年度に比べ1億74百万円の減少(前期比△52.8%)となりました。
また、当連結会計年度の法人税等は72百万円となり、前連結会計年度に比べ46百万円の減少(前期比△39.1%)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は60百万円となり、前連結会計年度に比べ1億21百万円の減少(前期比△66.7%)となりました。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源および資金の流動性
当社グループの資本の財源は、自己資金とすることを基本としておりますが、必要に応じて多様な調達手段を検討し財源の確保を図っております。
資金の流動性は、営業活動によるキャッシュ・フローを確実に獲得することを基本に、適正な投資活動と財務活動を組み合わせることで十分な流動性の確保と財務体質の健全性を維持するよう努めております。
資金需要の主な要因は、研究開発資金、当社ブランドの認知度および価値向上のための資金、国内外の事業加速のための運転資金、人材投資資金であります。これらに対応する目的も含め、取引金融機関との連携を強化するとともに、一定の流動性預金の確保を図っております。
⑥ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、長期的・継続的な企業価値の向上および株主資本の効率的活用が重要であると認識しており、売上高年平均成長率、売上高経常利益率並びにROEを主要な経営指標として位置づけております。現在当社グループでは、2025年までを目途に、「2018年から2025年の売上高年平均成長率5%」、「2025年経常利益率20%」、「2025年ROE15%以上」という中期の事業方針を掲げております。
当社グループは、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の施策を継続的に進めていくことが経営指標の持続的向上に寄与すると判断しており、今後も引き続きこれらの指標を向上させるべく努めてまいります。

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