有価証券報告書-第16期(2022/01/01-2022/12/31)
当連結会計年度における当社グループ(当社および連結子会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。
(1)財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高44億21百万円(前期比18.1%増)、営業利益4億55百万円(前期比64.7%増)、経常利益5億12百万円(前期比35.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2億93百万円(前期比34.2増)となりました。北米で展開している金型製造事業の売上が伸長した影響が大きく前期との比較では大幅な増収増益となりました。また「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、従来の会計処理方法に比べて、売上高は24百万円減少し、営業利益、経常利益はそれぞれ19百万円減少しております。
当社グループの各事業の取り組みは、以下のとおりです。
(CAD/CAMシステム等事業)
当連結会計年度における金型関連業界は、設備投資の先行指標となる工作機械受注統計によれば、第4四半期連結会計期間には外需の減速が見られたものの、半導体投資および自動車の電動化により部品を加工する工作機械の需要が増加するなど、年間では内需・外需ともに前年同期実績を上回る状況で推移しました。しかしながら長期化する新型コロナウイルス感染症(以下、「コロナ」という。)の影響に加え、半導体不足および原材料高騰等の影響が懸念され、先行き不透明な状況が継続しました。
このような状況下、CAD/CAMシステム等事業においては、「基幹収益源(金型向けCAD/CAMシステム事業)の拡張」「OEM事業の推進」「CAD/CAMシステムの適応領域の拡大および新規事業開拓」「新たな製品付加価値の創出」の4つの方向性に基づいた中長期事業方針を推進しました。
① 基幹収益源(金型向けCAD/CAMシステム事業)の拡張
イ.国内市場のシェア確保および海外展開
当社では、主力製品である金型向けCAD/CAMシステムを国内および海外日系企業を中心に販売展開しております。当連結会計年度もコロナの状況に応じた対策を柔軟に講じながら営業活動を行いました。
国内市場においては、2022年11月に開催された国内最大の工作機械見本市「JIMTOF2022(第31回日本国際工作機械見本市)」に出展し、CAD/CAMシステム、工程管理システムの導入効果とメリットを最新技術および事例を交えて提案するなど販売シェアの拡大に努めました。製品販売では、第4四半期連結会計期間に一服感が見られましたが、設備投資意欲の改善等により第1四半期連結会計期間に売上が伸長したほか、製造業向け政府補助金関連の案件を含め総じて堅調に推移しました。
また海外市場に対しては、すでに展開を進めている日系企業に加え、金型生産拠点として今後伸長していくと見込まれるローカル企業に対しての拡販を目指しました。2022年度は、地域差はあるもののコロナの規制が緩和され、また徐々に海外との往来が可能となったことから対面での営業機会が増加し、下期には製品販売において回復傾向が見られました。
ロ.保守収益の維持・拡張
安定した収益の確保として、保守収益の維持・拡張に取り組みました。製品バージョンアップ、ユーザーへの技術サポート提供を定期的に行うことで顧客満足度向上に努め、2022年度も保守更新率90%以上を維持することができました。CAD/CAMシステム等事業における保守サービスによる売上の割合は64.6%と高い割合を占めており、今後も当社グループにとって重要な経営基盤として位置づけていく考えです。
ハ.マルチプラットフォーム戦略
大手から中堅部品サプライヤー向け展開としては、金型内製化および製品設計から金型設計製造までのプラットフォーム統一化に向けたマルチプラットフォーム戦略を推進しています。当社では2011年に販売を開始した3次元CAD「SOLIDWORKS」に金型設計・加工機能をアドインしたCAD/CAMシステム「CGシリーズ」に加え、2020年にはシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア社製3次元CAD/CAM/CAEシステム「NX」に対応した「CAM-TOOL for NX」を市場投入、2022年もさらなる機能強化に取り組みました。
② OEM事業の推進
当社では工作機械メーカー、工具メーカー等の生産財メーカーおよび同業他社に向け、金型向けCAD/CAMシステム開発で培ってきたCAD/CAMエンジンをOEM製品として提供しており、主力製品販売と同様、CAD/CAMシステム市場での当社のシェア拡大に向けて取り組みました。2022年度は株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズに当社製のCAMエンジンのOEM供給を開始するなど、新たなOEM先開拓の他、既存OEM先でのライセンス販売強化に向けた生産財メーカーとの協力を継続しました。
③ CAD/CAMシステムの適応領域の拡大および新規事業開拓
イ.部品加工向けCAD/CAMシステム
当社ではさらなる市場拡大を目的に、当社が得意とする金型分野に加え、長年にわたり金型設計・製造分野で培ったCAD/CAM資産を活用した部品加工市場向け製品「Parts CAM」を開発し、2020年より販売を開始しました。2022年度は操作性向上のため機能強化に取り組んだほか市場認知度の強化を図りました。
ロ.金型・部品製造向け工程管理システム
IoT分野等への市場拡大として、「現場主導のIT活用」をコンセプトとした金型・部品製造向け工程管理システム「AIQ」の販売強化を図りました。新たな収益の柱とすべく販売体制の確立を図るとともに、金型以外の製造分野への市場拡大を視野に、工程管理から生産管理システムへと発展させるべく機能を強化しました。
ハ.積層造形対応複合CAMシステム
当社は、3D積層造形関連事業の育成として以前より積層造形技術に当社の5軸切削加工技術を組み合わせた「AM-CAM(AM=Additive Manufacturing:付加製造)」の研究開発を行っており、その成果を「CAM-TOOL AM」としてパッケージ化し2019年に販売開始しました。積層造形市場はハードウェア・ソフトウェアともに研究段階ではありますが、2022年度は工作機械見本市「Additive Manufacturing エリア in JIMTOF2022」に参加し急速に広まるAMの需要に対する提案を行いました。今後も市場拡大に向けAM複合加工機メーカーとの協力体制の構築を図るとともに引き続きAM啓蒙活動を推進していきます。
④ 新たな製品付加価値の創出
当社では研究開発強化を目的に、2021年1月1日より研究開発部門を開設し、当社の事業領域に関連する先端技術の研究を推進しています。昨今、製造現場では少子高齢化による労働者人口の減少への対策、労働生産性の向上等のための省力化対応が強く求められていますが、当社ではAI、自動化および形状処理等の技術を用いCAD/CAMシステムに搭載可能な高付加価値機能を開発することで、これらの課題に対応していきます。
上記のような取り組みの結果、当連結会計年度におけるCAD/CAMシステム等事業のセグメント売上は34億17百万円(前期比6.1%増)、セグメント利益は3億円(前期比23.3%増)となりました。海外ではコロナの影響を受け需要が回復しない地域もありましたが、下期には多くの地域で回復傾向が見られ、また国内では第1四半期連結会計期間に設備投資が持ち直したことなどから製品販売が堅調に推移、通期で前期実績と比較し増収増益となりました。また収益認識会計基準等の適用により、従来の会計処理方法に比べて、売上高は24百万円減少し、セグメント利益は19百万円減少しております。
(金型製造事業)
当社の金型製造子会社が拠点を置く北米の自動車業界は、コロナ禍以降の半導体不足の影響により自動車の減産を余儀なくされるなど不安定要素が見られたものの、半導体に関連しない部品の金型需要は減少せず堅調に推移しました。
そのような状況下、金型製造事業では、オンラインツールを活用し来期以降の売上につなげるための受注活動に注力しました。当連結会計年度は、2021年下期から2022年上期にかけて受注が好調に推移したことに加え、円安の影響により円換算では収益がさらに拡大しました。
これらの結果、当連結会計年度はセグメント売上10億4百万円(前期比91.1%増)、セグメント利益1億55百万円(前期比370.0%増)と前期との比較では大幅な増収増益となりました。また収益認識会計基準等の適用による影響はありません。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物は、前年同期と比べ2億44百万円(9.0%)増加し、29億64百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益等により4億11百万円の収入となり、前年同期と比べ72百万円(21.2%)の収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により80百万円の支出となり、前年同期と比べ28百万円(54.0%)の支出の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により1億39百万円の支出となり、前年同期と比べ76百万円(120.8%)の支出の増加となりました。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
② 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は販売価格によっております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
当社グループを取り巻く事業環境は、コロナの長期化、ウクライナ情勢に伴う原油をはじめとした資源価格の高騰および世界的な金融引き締め等の影響により依然として先行き不透明な状況で推移するものと予測されるものの、製造業においては自動車の電動化、電子部品等の旺盛な需要を背景に設備投資が堅調に推移するものと見込んでいます。
このような環境の下、当社グループのCAD/CAMシステム等事業においては、中長期事業方針に沿って収益拡大に取り組み、持続的な成長を目指します。既存顧客に対するサポート体制を強化することにより高い保守更新率を維持・向上しつつ安定した収益を確保しながら、金型隣接市場への販売領域拡大および新たに拠点を開設したベトナムを含むアセアンを中心とした海外展開、ならびに新規事業創出および付加価値創出のための研究開発を推進していきます。さらに国内CAD/CAM市場におけるOEM提供を加速させ販売シェア拡大を目指します。
また金型製造事業においては、引き続き顧客および外注先とのオンラインコミュニケーションを充実させ、協力体制強化による生産性の向上に努めますが、2023年は自動車のモデルチェンジサイクルの谷間となる見込み、かつ2022年が好調に推移した反動もあり、受注の谷間になることが見込まれます。
以上のような状況から、CAD/CAMシステム等事業については増収増益予想としていますが、金型製造事業は減収減益予想としており、金型製造事業の減少分をCAD/CAMシステム等事業の増加分で吸収しきれない見込みから、次期の連結業績は売上高41億31百万円(前期比6.6%減)、営業利益3億11百万円(前期比31.6%減)、経常利益3億49百万円(前期比31.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2億8百万円(前期比28.9%減)を見込んでおります。
なお、上記の試算および一定の仮定に大幅な変更が生じた場合には、翌連結会計年度の財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度と比較して3億69百万円(6.9%)増加し、57億34百万円となりました。主な増加要因は現金及び預金2億44百万円、受取手形、売掛金及び契約資産50百万円および有形固定資産69百万円、主な減少要因は棚卸資産55百万円であります。
(負債)
当連結会計年度における負債は、前連結会計年度と比較して90百万円(3.6%)増加し、25億93百万円となりました。主な増加要因は契約負債14百万円および退職給付に係る負債31百万円、主な減少要因は未払法人税等25百万円であります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は、前連結会計年度と比較して2億79百万円(9.8%)増加し、31億40百万円となりました。主な増加要因は親会社株主に帰属する当期純利益2億93百万円および為替換算調整勘定41百万円、主な減少要因は配当による利益剰余金の減少96百万円であります。
③ 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、44億21百万円となり、前連結会計年度に比べ6億76百万円の増加(前期比18.1%)となりました。報告セグメントごとの売上高については、CAD/CAMシステム等事業は34億17百万円(前期比6.1%)、金型製造事業は10億4百万円(前期比91.1%)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、4億55百万円となり、前連結会計年度に比べ1億78百万円の増加(前期比64.7%)となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度より2.9ポイント上昇し10.3%となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、5億12百万円となり、前連結会計年度に比べ1億34百万円の増加(前期比35.6%)となりました。また、売上高経常利益率は前連結会計年度より1.5ポイント上昇し11.6%となりました。
主な営業外収益としましては不動産賃借料94百万円(前連結会計年度94百万円)、主な営業外費用としましては不動産賃貸費用67百万円(前連結会計年度68百万円)が挙げられます。
(親会社株主に帰属する利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、5億12百万円となり、前連結会計年度に比べ1億34百万円の増加(前期比35.6%)となりました。
また、当連結会計年度の法人税等は1億51百万円となり、前連結会計年度に比べ24百万円の増加(前期比19.4%)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は2億93百万円となり、前連結会計年度に比べ74百万円の増加(前期比34.2%)となりました。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源および資金の流動性
当社グループの資本の財源は、自己資金とすることを基本としておりますが、必要に応じて多様な調達手段を検討し財源の確保を図っております。
資金の流動性は、営業活動によるキャッシュ・フローを確実に獲得することを基本に、適正な投資活動と財務活動を組み合わせることで十分な流動性の確保と財務体質の健全性を維持するよう努めております。
資金需要の主な要因は、研究開発資金、当社ブランドの認知度および価値向上のための資金、国内外の事業加速のための運転資金、人材投資資金であります。これらに対応する目的も含め、取引金融機関との連携を強化するとともに、一定の流動性預金の確保を図っております。
⑥ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、長期的・継続的な企業価値の向上および株主資本の効率的活用が重要であると認識しており、売上高年平均成長率、売上高経常利益率並びにROEを主要な経営指標として位置づけております。現在当社グループでは、2025年までを目途に、「2018年から2025年の売上高年平均成長率5%」、「2025年経常利益率20%」、「2025年ROE15%以上」という中期の事業方針を掲げております。
当社グループは、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の施策を継続的に進めていくことが経営指標の持続的向上に寄与すると判断しており、今後も引き続きこれらの指標を向上させるべく努めてまいります。
(1)財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高44億21百万円(前期比18.1%増)、営業利益4億55百万円(前期比64.7%増)、経常利益5億12百万円(前期比35.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2億93百万円(前期比34.2増)となりました。北米で展開している金型製造事業の売上が伸長した影響が大きく前期との比較では大幅な増収増益となりました。また「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等の適用により、従来の会計処理方法に比べて、売上高は24百万円減少し、営業利益、経常利益はそれぞれ19百万円減少しております。
当社グループの各事業の取り組みは、以下のとおりです。
(CAD/CAMシステム等事業)
当連結会計年度における金型関連業界は、設備投資の先行指標となる工作機械受注統計によれば、第4四半期連結会計期間には外需の減速が見られたものの、半導体投資および自動車の電動化により部品を加工する工作機械の需要が増加するなど、年間では内需・外需ともに前年同期実績を上回る状況で推移しました。しかしながら長期化する新型コロナウイルス感染症(以下、「コロナ」という。)の影響に加え、半導体不足および原材料高騰等の影響が懸念され、先行き不透明な状況が継続しました。
このような状況下、CAD/CAMシステム等事業においては、「基幹収益源(金型向けCAD/CAMシステム事業)の拡張」「OEM事業の推進」「CAD/CAMシステムの適応領域の拡大および新規事業開拓」「新たな製品付加価値の創出」の4つの方向性に基づいた中長期事業方針を推進しました。
① 基幹収益源(金型向けCAD/CAMシステム事業)の拡張
イ.国内市場のシェア確保および海外展開
当社では、主力製品である金型向けCAD/CAMシステムを国内および海外日系企業を中心に販売展開しております。当連結会計年度もコロナの状況に応じた対策を柔軟に講じながら営業活動を行いました。
国内市場においては、2022年11月に開催された国内最大の工作機械見本市「JIMTOF2022(第31回日本国際工作機械見本市)」に出展し、CAD/CAMシステム、工程管理システムの導入効果とメリットを最新技術および事例を交えて提案するなど販売シェアの拡大に努めました。製品販売では、第4四半期連結会計期間に一服感が見られましたが、設備投資意欲の改善等により第1四半期連結会計期間に売上が伸長したほか、製造業向け政府補助金関連の案件を含め総じて堅調に推移しました。
また海外市場に対しては、すでに展開を進めている日系企業に加え、金型生産拠点として今後伸長していくと見込まれるローカル企業に対しての拡販を目指しました。2022年度は、地域差はあるもののコロナの規制が緩和され、また徐々に海外との往来が可能となったことから対面での営業機会が増加し、下期には製品販売において回復傾向が見られました。
ロ.保守収益の維持・拡張
安定した収益の確保として、保守収益の維持・拡張に取り組みました。製品バージョンアップ、ユーザーへの技術サポート提供を定期的に行うことで顧客満足度向上に努め、2022年度も保守更新率90%以上を維持することができました。CAD/CAMシステム等事業における保守サービスによる売上の割合は64.6%と高い割合を占めており、今後も当社グループにとって重要な経営基盤として位置づけていく考えです。
ハ.マルチプラットフォーム戦略
大手から中堅部品サプライヤー向け展開としては、金型内製化および製品設計から金型設計製造までのプラットフォーム統一化に向けたマルチプラットフォーム戦略を推進しています。当社では2011年に販売を開始した3次元CAD「SOLIDWORKS」に金型設計・加工機能をアドインしたCAD/CAMシステム「CGシリーズ」に加え、2020年にはシーメンスデジタルインダストリーズソフトウェア社製3次元CAD/CAM/CAEシステム「NX」に対応した「CAM-TOOL for NX」を市場投入、2022年もさらなる機能強化に取り組みました。
② OEM事業の推進
当社では工作機械メーカー、工具メーカー等の生産財メーカーおよび同業他社に向け、金型向けCAD/CAMシステム開発で培ってきたCAD/CAMエンジンをOEM製品として提供しており、主力製品販売と同様、CAD/CAMシステム市場での当社のシェア拡大に向けて取り組みました。2022年度は株式会社NTTデータエンジニアリングシステムズに当社製のCAMエンジンのOEM供給を開始するなど、新たなOEM先開拓の他、既存OEM先でのライセンス販売強化に向けた生産財メーカーとの協力を継続しました。
③ CAD/CAMシステムの適応領域の拡大および新規事業開拓
イ.部品加工向けCAD/CAMシステム
当社ではさらなる市場拡大を目的に、当社が得意とする金型分野に加え、長年にわたり金型設計・製造分野で培ったCAD/CAM資産を活用した部品加工市場向け製品「Parts CAM」を開発し、2020年より販売を開始しました。2022年度は操作性向上のため機能強化に取り組んだほか市場認知度の強化を図りました。
ロ.金型・部品製造向け工程管理システム
IoT分野等への市場拡大として、「現場主導のIT活用」をコンセプトとした金型・部品製造向け工程管理システム「AIQ」の販売強化を図りました。新たな収益の柱とすべく販売体制の確立を図るとともに、金型以外の製造分野への市場拡大を視野に、工程管理から生産管理システムへと発展させるべく機能を強化しました。
ハ.積層造形対応複合CAMシステム
当社は、3D積層造形関連事業の育成として以前より積層造形技術に当社の5軸切削加工技術を組み合わせた「AM-CAM(AM=Additive Manufacturing:付加製造)」の研究開発を行っており、その成果を「CAM-TOOL AM」としてパッケージ化し2019年に販売開始しました。積層造形市場はハードウェア・ソフトウェアともに研究段階ではありますが、2022年度は工作機械見本市「Additive Manufacturing エリア in JIMTOF2022」に参加し急速に広まるAMの需要に対する提案を行いました。今後も市場拡大に向けAM複合加工機メーカーとの協力体制の構築を図るとともに引き続きAM啓蒙活動を推進していきます。
④ 新たな製品付加価値の創出
当社では研究開発強化を目的に、2021年1月1日より研究開発部門を開設し、当社の事業領域に関連する先端技術の研究を推進しています。昨今、製造現場では少子高齢化による労働者人口の減少への対策、労働生産性の向上等のための省力化対応が強く求められていますが、当社ではAI、自動化および形状処理等の技術を用いCAD/CAMシステムに搭載可能な高付加価値機能を開発することで、これらの課題に対応していきます。
上記のような取り組みの結果、当連結会計年度におけるCAD/CAMシステム等事業のセグメント売上は34億17百万円(前期比6.1%増)、セグメント利益は3億円(前期比23.3%増)となりました。海外ではコロナの影響を受け需要が回復しない地域もありましたが、下期には多くの地域で回復傾向が見られ、また国内では第1四半期連結会計期間に設備投資が持ち直したことなどから製品販売が堅調に推移、通期で前期実績と比較し増収増益となりました。また収益認識会計基準等の適用により、従来の会計処理方法に比べて、売上高は24百万円減少し、セグメント利益は19百万円減少しております。
(金型製造事業)
当社の金型製造子会社が拠点を置く北米の自動車業界は、コロナ禍以降の半導体不足の影響により自動車の減産を余儀なくされるなど不安定要素が見られたものの、半導体に関連しない部品の金型需要は減少せず堅調に推移しました。
そのような状況下、金型製造事業では、オンラインツールを活用し来期以降の売上につなげるための受注活動に注力しました。当連結会計年度は、2021年下期から2022年上期にかけて受注が好調に推移したことに加え、円安の影響により円換算では収益がさらに拡大しました。
これらの結果、当連結会計年度はセグメント売上10億4百万円(前期比91.1%増)、セグメント利益1億55百万円(前期比370.0%増)と前期との比較では大幅な増収増益となりました。また収益認識会計基準等の適用による影響はありません。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物は、前年同期と比べ2億44百万円(9.0%)増加し、29億64百万円となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益等により4億11百万円の収入となり、前年同期と比べ72百万円(21.2%)の収入の増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により80百万円の支出となり、前年同期と比べ28百万円(54.0%)の支出の増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払等により1億39百万円の支出となり、前年同期と比べ76百万円(120.8%)の支出の増加となりました。
(3)生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) | |
| 品目 | |||
| CAD/CAMシステム等 | |||
| CAD/CAM製品 | 1,159,727 | +28.1 | |
| 保守契約・技術サービス | 2,207,375 | +0.7 | |
| 開発サービス | 89,467 | △31.6 | |
| 計 | 3,456,571 | +7.1 | |
| 金型製造 | 1,006,500 | +103.9 | |
| 合計 | 4,463,071 | +20.0 | |
(注) 金額は販売価格によっております。
② 受注状況
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高 (千円) | 前期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前期比 (%) | |
| 品目 | |||||
| CAD/CAMシステム等 | |||||
| CAD/CAM製品 | 1,132,280 | +27.6 | 100,658 | +24.2 | |
| 保守契約・技術サービス | 2,268,613 | +3.2 | 863,043 | +7.6 | |
| 開発サービス | 64,557 | △54.1 | 4,200 | △88.6 | |
| 計 | 3,465,452 | +7.4 | 967,901 | +5.3 | |
| 金型製造 | 919,346 | +38.2 | 237,506 | △26.4 | |
| 合計 | 4,384,798 | +12.6 | 1,205,407 | △3.0 | |
(注) 金額は販売価格によっております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(千円) | 前期比(%) | |
| 品目 | |||
| CAD/CAMシステム等 | |||
| CAD/CAM製品 | 1,112,674 | +24.2 | |
| 保守契約・技術サービス | 2,207,375 | +0.7 | |
| 開発サービス | 97,112 | △26.7 | |
| 計 | 3,417,162 | +6.1 | |
| 金型製造 | 1,004,363 | +91.1 | |
| 合計 | 4,421,526 | +18.1 | |
(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りとは異なる場合があります。
当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、後記「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
当社グループを取り巻く事業環境は、コロナの長期化、ウクライナ情勢に伴う原油をはじめとした資源価格の高騰および世界的な金融引き締め等の影響により依然として先行き不透明な状況で推移するものと予測されるものの、製造業においては自動車の電動化、電子部品等の旺盛な需要を背景に設備投資が堅調に推移するものと見込んでいます。
このような環境の下、当社グループのCAD/CAMシステム等事業においては、中長期事業方針に沿って収益拡大に取り組み、持続的な成長を目指します。既存顧客に対するサポート体制を強化することにより高い保守更新率を維持・向上しつつ安定した収益を確保しながら、金型隣接市場への販売領域拡大および新たに拠点を開設したベトナムを含むアセアンを中心とした海外展開、ならびに新規事業創出および付加価値創出のための研究開発を推進していきます。さらに国内CAD/CAM市場におけるOEM提供を加速させ販売シェア拡大を目指します。
また金型製造事業においては、引き続き顧客および外注先とのオンラインコミュニケーションを充実させ、協力体制強化による生産性の向上に努めますが、2023年は自動車のモデルチェンジサイクルの谷間となる見込み、かつ2022年が好調に推移した反動もあり、受注の谷間になることが見込まれます。
以上のような状況から、CAD/CAMシステム等事業については増収増益予想としていますが、金型製造事業は減収減益予想としており、金型製造事業の減少分をCAD/CAMシステム等事業の増加分で吸収しきれない見込みから、次期の連結業績は売上高41億31百万円(前期比6.6%減)、営業利益3億11百万円(前期比31.6%減)、経常利益3億49百万円(前期比31.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2億8百万円(前期比28.9%減)を見込んでおります。
なお、上記の試算および一定の仮定に大幅な変更が生じた場合には、翌連結会計年度の財政状態および経営成績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
② 財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度と比較して3億69百万円(6.9%)増加し、57億34百万円となりました。主な増加要因は現金及び預金2億44百万円、受取手形、売掛金及び契約資産50百万円および有形固定資産69百万円、主な減少要因は棚卸資産55百万円であります。
(負債)
当連結会計年度における負債は、前連結会計年度と比較して90百万円(3.6%)増加し、25億93百万円となりました。主な増加要因は契約負債14百万円および退職給付に係る負債31百万円、主な減少要因は未払法人税等25百万円であります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は、前連結会計年度と比較して2億79百万円(9.8%)増加し、31億40百万円となりました。主な増加要因は親会社株主に帰属する当期純利益2億93百万円および為替換算調整勘定41百万円、主な減少要因は配当による利益剰余金の減少96百万円であります。
③ 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、44億21百万円となり、前連結会計年度に比べ6億76百万円の増加(前期比18.1%)となりました。報告セグメントごとの売上高については、CAD/CAMシステム等事業は34億17百万円(前期比6.1%)、金型製造事業は10億4百万円(前期比91.1%)となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、4億55百万円となり、前連結会計年度に比べ1億78百万円の増加(前期比64.7%)となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度より2.9ポイント上昇し10.3%となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、5億12百万円となり、前連結会計年度に比べ1億34百万円の増加(前期比35.6%)となりました。また、売上高経常利益率は前連結会計年度より1.5ポイント上昇し11.6%となりました。
主な営業外収益としましては不動産賃借料94百万円(前連結会計年度94百万円)、主な営業外費用としましては不動産賃貸費用67百万円(前連結会計年度68百万円)が挙げられます。
(親会社株主に帰属する利益)
当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、5億12百万円となり、前連結会計年度に比べ1億34百万円の増加(前期比35.6%)となりました。
また、当連結会計年度の法人税等は1億51百万円となり、前連結会計年度に比べ24百万円の増加(前期比19.4%)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は2億93百万円となり、前連結会計年度に比べ74百万円の増加(前期比34.2%)となりました。
④ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
⑤ 資本の財源および資金の流動性
当社グループの資本の財源は、自己資金とすることを基本としておりますが、必要に応じて多様な調達手段を検討し財源の確保を図っております。
資金の流動性は、営業活動によるキャッシュ・フローを確実に獲得することを基本に、適正な投資活動と財務活動を組み合わせることで十分な流動性の確保と財務体質の健全性を維持するよう努めております。
資金需要の主な要因は、研究開発資金、当社ブランドの認知度および価値向上のための資金、国内外の事業加速のための運転資金、人材投資資金であります。これらに対応する目的も含め、取引金融機関との連携を強化するとともに、一定の流動性預金の確保を図っております。
⑥ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループでは、長期的・継続的な企業価値の向上および株主資本の効率的活用が重要であると認識しており、売上高年平均成長率、売上高経常利益率並びにROEを主要な経営指標として位置づけております。現在当社グループでは、2025年までを目途に、「2018年から2025年の売上高年平均成長率5%」、「2025年経常利益率20%」、「2025年ROE15%以上」という中期の事業方針を掲げております。
当社グループは、「第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載の施策を継続的に進めていくことが経営指標の持続的向上に寄与すると判断しており、今後も引き続きこれらの指標を向上させるべく努めてまいります。