有価証券報告書-第124期(2024/04/01-2025/03/31)
③ 目標と戦略
当社グループは、グローバルにビジネスを展開する総合物流機器メーカーとして、「パイオニア精神とテクノロジーの力で物流の安全性、自動化、脱炭素化を実現し、世界の人々を笑顔にする」という理念を掲げ、これをパーパスとして制定しています。このパーパスに基づき、SDGsに対する基本方針を、①地球環境の保全、②お客様の安心・安全、さらには自動化・自律化の推進、③ダイバーシティとエンゲージメント、④コーポレート・ガバナンスの強化の4つと定め、12のマテリアリティを特定しています。
また、未来の物流業界の市場環境を考慮し、2035年に向けた「長期経営ビジョン2035」を設定しました。これを実現するための中期経営計画として「Logisnext Transform 2026』を策定し、想定されるリスクと機会を見極めながら、社会課題の解決と事業の持続的な成長に取り組んでいきます。
(1)気候変動に関する取組み
a)想定する気候シナリオ
当社グループは、2つの気候変動シナリオを設定し、2035年における各事業への影響を分析しました。
1つは、環境への影響を最小限とするため、2100年時点における世界の平均気温の上昇を、産業革命以前と比較して1.5℃以下に抑制しながら経済成長を目指す「気候変動政策厳格化により脱炭素を推進するシナリオ(脱炭素シナリオ)」です。
もう1つは、現状ベースで化石燃料をエネルギー主体として経済成長を目指す「気候変動政策が厳格化されず引き続き化石燃料に依存するシナリオ(化石燃料依存シナリオ)」で、2100年時点における世界の平均気温が、産業革命以前と比較して4.0℃上昇することが想定されるものです。
b)想定した気候シナリオにおける当社グループのリスクと機会
「脱炭素シナリオ」では、例えば炭素税などの規制が強化され、炭素排出に対するコストが大きく上昇することを想定しています。しかしながら、脱炭素化に対応した当社製品・技術の強みを生かすことで事業機会は十分に存在するものと考えています。
一方、「化石燃料依存シナリオ」では、気候変動による物理的リスクが中心となります。
機会については、当シナリオにおいても現在すでに各種環境規制を推進している先進諸国において今後規制が緩和されることは想定しがたいことから、当社の脱炭素技術の優位性を提供することで事業機会が生じると考えています。従って、リスクと機会に対する戦略としては両シナリオに共通のものとして、2035年時点に対し以下のとおり分析しました。
[リスク]
世界的な電化への移行に従い、内燃機関に関連する製品・サービスであるエンジンフォークリフトの需要減少が想定されます。
[機会]
電化の進展に伴い、競争力のあるバッテリーフォークリフトの需要増が想定されます。
また電化・知能化により自動化・自律化を目的とした物流ソリューションの拡大が想定されます。
c)目標と戦略
① 目標:2040年カーボンニュートラル宣言
当社グループは、2021年11月にカーボンニュートラル社会の実現に向けて、目標を策定し発表しています。
当社グループのCO₂排出量(Scope1,2(注1))を、2040年までにNet Zeroにすることです。また、その中間目標として、2030年までに40%削減(2017年比)します。 これは、生産活動に伴う当社グループの工場等からのCO₂排出量の削減です。
また、当社グループは製品・サービスを通じてお客様のCO2排出量削減(Scope3(注2))に貢献します。三菱重工グループはグループ全体で2040年までにバリューチェーン全体からのCO₂排出量をNet Zeroにすることを宣言しております。当社も物流シーンにおける脱炭素製品や自動化・自律化システムの提供を通じてその目標達成に取り組んでいきます。
(注1)温室効果ガス(GHG)排出量の算定と報告の国際基準であるGHGプロトコルにおけるScope1,2
(注2)温室効果ガス(GHG)排出量の算定と報告の国際基準であるGHGプロトコルにおけるScope3
② 目標達成に向けた戦略ロードマップ
当社グループカーボンニュートラル目標の中間地点である2030年目標の達成に向けた取り組みとして「生産性の向上」、「省エネ活動の推進」、「三菱重工グループの革新的脱炭素技術の導入」を推進していきます。 お客様のCO₂排出量削減に向けた製品・サービスの取り組みとしては、「エネルギー効率の良いバッテリーフォークリフト」、「自動化・自律化を実現する物流ソリューション」の開発・提供を通じて推進していきます。
また、これらの目標に対する進捗をモニタリングすることにより、リスクと機会への対応状況を確認しています。
(2)人的資本についての取組み
少子高齢化と労働人口の減少が進む中、社内に異なる経験・技能・属性のある多様な視点や価値観を持った人材がいることは、会社が持続的成長をしていく上で強みとなります。特に経営の中核を担う管理職層が多様性を理解し、各個人のスキルを見出し、引き上げていくことが重要であるため、当社では人材の多様性の確保に向けた取り組みを進めています。また、働きやすさの追求に加え、社員のやりがいにもアプローチした「働きがい改革」を推進しています。「エンゲージメント向上」「多様性の確保」「快適な職場環境の構築」を実行の3本柱として掲げ、一人ひとりが自律的に考え、日々成長していけるような働きがいを感じる会社を目指していきます。

a)エンゲージメント向上
〇 人材育成プログラム(キャリア形成サポート)強化
社員が働きがいを感じるには、一人ひとりが自律的に自分のキャリアを構築できる仕組みが必要です。自分の価値を高める社員を増やすことで、生産性の高い強靭な組織を創るとともに、当社の人的資本を高めることに貢献すると考えています。そのため、研修費用などの人的投資を拡充し人材プログラムを強化しています。また、当社への入社を検討している学生の方々を惹きつけられる魅力的な取り組みを引き続き進めてまいります。また、新入教育教育においてもOJT指導員制度を設け、早期の戦力化、定着化を促進しています。
自律的なキャリア形成を支援する仕組み
目標値: 2024年度から2026年度までに、社内サーベイの「仕事のモチベーション」項目を8.3%アップ、
「活性職場数」項目を113%アップ。
b)多様性の確保
〇 女性活躍推進
当社は人材の多様性確保の重要な項目に女性活躍推進を位置付け、次の行動計画を定めて取り組んでいます。
女性活躍推進法行動計画(2030年3月31日までの目標)
〇キャリア採用推進
新しい価値観や経験を持つ人材を採用することで組織の活性化を図るため、入社者におけるキャリア採用者の比率の目標を40%と設定し採用活動を行っています。
[上記目標における進捗状況]
〇 障がい者雇用
当社は障がいの有無にかかわらず、個々人がそれぞれの希望や能力に沿った活躍ができる環境づくりに取り組み、障がい者雇用を推進しています。(目標値:法定雇用率2.5%超)
※人的資本の取り組みについては連結子会社各社で行われておりますが、制度等の違いがあり、一律の設定や集計が困難であることから、当社単体にて記載しております。
c)快適な職場環境の構築
〇 選択型在宅勤務制度の導入
個人の意思で最大で週4日の在宅勤務の選択を可能とする選択型在宅勤務制度を導入しています。これにより育児や介護など家庭と仕事を両立させることはもちろん、グローバル化など仕事を取り巻く環境の変化に対応することが可能となりました。在宅勤務比率は30%程度で推移しており積極的な活用を推進しています。
〇 メンタルヘルスケア推進
高ストレス職場に対する職場活性化面談の実施、ラインケア・セルフケア研修の実施、産業医面談等を継続的に実施し、社員が健康で活力ある働き方ができるようメンタルヘルスケアの諸施策を推進しています。
〇 フリーアドレスの導入
働き方改革による新しいオフィスの在り方として本社の一部にフリーアドレスを導入しています。部門を超えた社内コミュニケーションの活性化や電子化・省スペース化による業務の効率化を図っています。
目標値: 2024年度から2026年度までに、社内サーベイの「仕事のモチベーション」項目を8.3%アップ、
「活性職場数」項目を113%アップ
中期経営計画における重視する価値観として、「“働きがい:一人ひとりが自律的に考え、失敗を恐れずトライ&エラーができて、日々成長”」を掲げています。そのために、職場内や部門間を超えたコミュニケーションの活性化を促進する施策を実施するとともに、社員意識調査の調査結果により浮き彫りとなった課題と対策をアクションプランとして職場に落とし込み、それを実行することでスピーディーに人的資本の拡充と社員満足度の向上に努めていきます。
当社グループは、グローバルにビジネスを展開する総合物流機器メーカーとして、「パイオニア精神とテクノロジーの力で物流の安全性、自動化、脱炭素化を実現し、世界の人々を笑顔にする」という理念を掲げ、これをパーパスとして制定しています。このパーパスに基づき、SDGsに対する基本方針を、①地球環境の保全、②お客様の安心・安全、さらには自動化・自律化の推進、③ダイバーシティとエンゲージメント、④コーポレート・ガバナンスの強化の4つと定め、12のマテリアリティを特定しています。
また、未来の物流業界の市場環境を考慮し、2035年に向けた「長期経営ビジョン2035」を設定しました。これを実現するための中期経営計画として「Logisnext Transform 2026』を策定し、想定されるリスクと機会を見極めながら、社会課題の解決と事業の持続的な成長に取り組んでいきます。
(1)気候変動に関する取組みa)想定する気候シナリオ
当社グループは、2つの気候変動シナリオを設定し、2035年における各事業への影響を分析しました。
1つは、環境への影響を最小限とするため、2100年時点における世界の平均気温の上昇を、産業革命以前と比較して1.5℃以下に抑制しながら経済成長を目指す「気候変動政策厳格化により脱炭素を推進するシナリオ(脱炭素シナリオ)」です。
もう1つは、現状ベースで化石燃料をエネルギー主体として経済成長を目指す「気候変動政策が厳格化されず引き続き化石燃料に依存するシナリオ(化石燃料依存シナリオ)」で、2100年時点における世界の平均気温が、産業革命以前と比較して4.0℃上昇することが想定されるものです。
b)想定した気候シナリオにおける当社グループのリスクと機会
「脱炭素シナリオ」では、例えば炭素税などの規制が強化され、炭素排出に対するコストが大きく上昇することを想定しています。しかしながら、脱炭素化に対応した当社製品・技術の強みを生かすことで事業機会は十分に存在するものと考えています。
一方、「化石燃料依存シナリオ」では、気候変動による物理的リスクが中心となります。
機会については、当シナリオにおいても現在すでに各種環境規制を推進している先進諸国において今後規制が緩和されることは想定しがたいことから、当社の脱炭素技術の優位性を提供することで事業機会が生じると考えています。従って、リスクと機会に対する戦略としては両シナリオに共通のものとして、2035年時点に対し以下のとおり分析しました。
[リスク]
世界的な電化への移行に従い、内燃機関に関連する製品・サービスであるエンジンフォークリフトの需要減少が想定されます。
[機会]
電化の進展に伴い、競争力のあるバッテリーフォークリフトの需要増が想定されます。
また電化・知能化により自動化・自律化を目的とした物流ソリューションの拡大が想定されます。
c)目標と戦略
① 目標:2040年カーボンニュートラル宣言
当社グループは、2021年11月にカーボンニュートラル社会の実現に向けて、目標を策定し発表しています。
当社グループのCO₂排出量(Scope1,2(注1))を、2040年までにNet Zeroにすることです。また、その中間目標として、2030年までに40%削減(2017年比)します。 これは、生産活動に伴う当社グループの工場等からのCO₂排出量の削減です。
また、当社グループは製品・サービスを通じてお客様のCO2排出量削減(Scope3(注2))に貢献します。三菱重工グループはグループ全体で2040年までにバリューチェーン全体からのCO₂排出量をNet Zeroにすることを宣言しております。当社も物流シーンにおける脱炭素製品や自動化・自律化システムの提供を通じてその目標達成に取り組んでいきます。
(注1)温室効果ガス(GHG)排出量の算定と報告の国際基準であるGHGプロトコルにおけるScope1,2
(注2)温室効果ガス(GHG)排出量の算定と報告の国際基準であるGHGプロトコルにおけるScope3
② 目標達成に向けた戦略ロードマップ
当社グループカーボンニュートラル目標の中間地点である2030年目標の達成に向けた取り組みとして「生産性の向上」、「省エネ活動の推進」、「三菱重工グループの革新的脱炭素技術の導入」を推進していきます。 お客様のCO₂排出量削減に向けた製品・サービスの取り組みとしては、「エネルギー効率の良いバッテリーフォークリフト」、「自動化・自律化を実現する物流ソリューション」の開発・提供を通じて推進していきます。
また、これらの目標に対する進捗をモニタリングすることにより、リスクと機会への対応状況を確認しています。
(2)人的資本についての取組み
少子高齢化と労働人口の減少が進む中、社内に異なる経験・技能・属性のある多様な視点や価値観を持った人材がいることは、会社が持続的成長をしていく上で強みとなります。特に経営の中核を担う管理職層が多様性を理解し、各個人のスキルを見出し、引き上げていくことが重要であるため、当社では人材の多様性の確保に向けた取り組みを進めています。また、働きやすさの追求に加え、社員のやりがいにもアプローチした「働きがい改革」を推進しています。「エンゲージメント向上」「多様性の確保」「快適な職場環境の構築」を実行の3本柱として掲げ、一人ひとりが自律的に考え、日々成長していけるような働きがいを感じる会社を目指していきます。

a)エンゲージメント向上
〇 人材育成プログラム(キャリア形成サポート)強化
社員が働きがいを感じるには、一人ひとりが自律的に自分のキャリアを構築できる仕組みが必要です。自分の価値を高める社員を増やすことで、生産性の高い強靭な組織を創るとともに、当社の人的資本を高めることに貢献すると考えています。そのため、研修費用などの人的投資を拡充し人材プログラムを強化しています。また、当社への入社を検討している学生の方々を惹きつけられる魅力的な取り組みを引き続き進めてまいります。また、新入教育教育においてもOJT指導員制度を設け、早期の戦力化、定着化を促進しています。
自律的なキャリア形成を支援する仕組み
| キャリア面談制度 | 上司と部下で中長期的なキャリアビジョンについて擦り合わせを行い、目指す姿に向けたアクションを明確にすることで、自律的な行動・成長を促進する制度 |
| キャリアチャレンジ制度 | キャリア面談等における部課の異動希望について、それを実現する仕組みを創ることで、視野や経験値の拡大、モチベーション、スキルアップを図る制度 |
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目標値: 2024年度から2026年度までに、社内サーベイの「仕事のモチベーション」項目を8.3%アップ、
「活性職場数」項目を113%アップ。
b)多様性の確保
〇 女性活躍推進
当社は人材の多様性確保の重要な項目に女性活躍推進を位置付け、次の行動計画を定めて取り組んでいます。
女性活躍推進法行動計画(2030年3月31日までの目標)
| 目標1 | 計画期間全体で新卒採用における女性比率20%以上を達成する。 |
| 目標2 | 男性育休の取得率60%以上を維持する。 |
| 目標3 | 管理職に占める女性労働者の割合を5%に増やす。 |
〇キャリア採用推進
新しい価値観や経験を持つ人材を採用することで組織の活性化を図るため、入社者におけるキャリア採用者の比率の目標を40%と設定し採用活動を行っています。
[上記目標における進捗状況]
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| ※数値は毎年4月1日現在 | ※社外への出向者を除く | |
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| ※数値は毎年4月1日現在 |
〇 障がい者雇用
当社は障がいの有無にかかわらず、個々人がそれぞれの希望や能力に沿った活躍ができる環境づくりに取り組み、障がい者雇用を推進しています。(目標値:法定雇用率2.5%超)
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※人的資本の取り組みについては連結子会社各社で行われておりますが、制度等の違いがあり、一律の設定や集計が困難であることから、当社単体にて記載しております。
c)快適な職場環境の構築
〇 選択型在宅勤務制度の導入
個人の意思で最大で週4日の在宅勤務の選択を可能とする選択型在宅勤務制度を導入しています。これにより育児や介護など家庭と仕事を両立させることはもちろん、グローバル化など仕事を取り巻く環境の変化に対応することが可能となりました。在宅勤務比率は30%程度で推移しており積極的な活用を推進しています。
〇 メンタルヘルスケア推進
高ストレス職場に対する職場活性化面談の実施、ラインケア・セルフケア研修の実施、産業医面談等を継続的に実施し、社員が健康で活力ある働き方ができるようメンタルヘルスケアの諸施策を推進しています。
〇 フリーアドレスの導入
働き方改革による新しいオフィスの在り方として本社の一部にフリーアドレスを導入しています。部門を超えた社内コミュニケーションの活性化や電子化・省スペース化による業務の効率化を図っています。
目標値: 2024年度から2026年度までに、社内サーベイの「仕事のモチベーション」項目を8.3%アップ、
「活性職場数」項目を113%アップ
中期経営計画における重視する価値観として、「“働きがい:一人ひとりが自律的に考え、失敗を恐れずトライ&エラーができて、日々成長”」を掲げています。そのために、職場内や部門間を超えたコミュニケーションの活性化を促進する施策を実施するとともに、社員意識調査の調査結果により浮き彫りとなった課題と対策をアクションプランとして職場に落とし込み、それを実行することでスピーディーに人的資本の拡充と社員満足度の向上に努めていきます。






