有価証券報告書-第124期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/30 9:38
【資料】
PDFをみる
【項目】
174項目
b. 戦略
中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム(NGP)」
日産は、環境理念である「人とクルマと自然の共生」を実現するため、中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム(NGP)」を2002年に発表し、環境への依存と影響を自然が吸収できる範囲に抑えるという究極のゴール達成に向けて取り組みを続けてきた。
2017年度には第四世代に当たる2022年を見据えた「NGP2022」をスタートした。現在は、さらなる挑戦に向けて第五世代「ニッサン・グリーンプログラム」を検討中。将来に向けた技術の進化と社会連携の方向性を明確にし、サプライチェーン、パートナーと目標を共有し、ともに環境対応と社会的価値の創出を目指していく。
NGP2022の取り組むべき重要課題とチャレンジ
日産は環境マテリアリティ評価に基づき、「気候変動」「大気品質」「資源依存」「水資源」を重要課題に設定した。また、ステークホルダーエンゲージメントを通じてそのニーズを把握し、環境課題にかかわる「事業基盤の強化」と新たな価値創出に努めている。
取り組みの指標や進捗は、クルマづくりに携わる開発・生産部門のほか、セールス・サービス部門を含む企業全体での、ビジネス基盤強化と社会価値の創出に取り組んだ成果としてサステナビリティレポートを通じて毎年開示している。また、後述のd.指標と目標においても気候変動に関連する主要項目について開示している。

CO2排出量の削減に向けた日産の取り組み
日産は、CO2排出量の削減や電動化技術の実用化の実績に加え、2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクル全体(*)におけるカーボンニュートラルを実現する新たな目標を2021年1月に発表した。企業活動では、自社及びクルマの原材料の調達、輸送にかかわるサプライヤーとともに省エネ活動やクリーンなエネルギーへの転換を進め、CO2削減に取り組む。
走行段階CO2削減に向けては、2030年代の早期には、主要市場に投入する新型車をすべて電動車とすることを目指し、電動化と生産技術のイノベーションを推進する。長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」では電動化を戦略の中核に据え、2030年までに投入する電動車のモデル数を19車種のEVを含む27車種に増加、グローバルでの電動車モデルミックスは55%以上見込む。特に欧州では、2026年度時点での電動車の販売比率を98%と予定している。
* クルマのライフサイクルには、原材料の採掘から、生産、クルマの使用、使用済み自動車のリサイクルや再利用までを含む