有価証券報告書-第126期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/23 16:13
【資料】
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【項目】
195項目
b. 戦略
サステナビリティは事業運営の中核をなすものであり、ステークホルダーからの信頼を得るために必要不可欠である。日産は、ステークホルダーの皆さまの関心、環境と社会のグローバルアジェンダ並びに技術革新などの最新動向を踏まえながら、サステナビリティ戦略を策定し、活動を推進している。
サステナビリティ戦略強化に向けて、日産の優先課題をより明確にするため、リスクや機会分析を踏まえた会社全体として取り組むべきマテリアリティを2022年度に特定した。2024年度には、最新の社会動向や当社の状況を踏まえて、一部のマテリアリティ項目を見直した。
マトリックスという形で日産の取り組みの優先順位を定義し、2030年度に向けた会社の方向性をより詳細にステークホルダーにお伝えすることで、協働機会の拡大や信頼関係の向上を図り、さらなる取り組み推進につなげたいと考える。
マテリアリティ特定のプロセス
STEP1. 社会・環境課題の明確化
定期市場動向分析、ステークホルダー・投資家の皆さまとの対話より得られた社会からの期待値、グローバルスタンダード、国連気候変動枠組条約締約国会議(COP)、SDGs、世界経済フォーラム(WEF)発行のリスクレポートなどからグローバルなアジェンダを明確化。
STEP2. 自動車セクター及び日産の重要課題特定
コーポレート長期ビジョンにより実現する世界と、そこで果たすべき自動車セクターの役割という視点からリスクと機会を分析することで、日産にとっての課題を特定。
STEP3. マテリアリティの優先度整理
日産が社会・環境へ与える価値・インパクトと、社会・環境から日産へのインパクトの2側面からリスクと機会で優先度の整理を実施し、日産のつくりだす価値と今後さらに強化して取り組むべき課題をマトリックス型により整理。有識者レビューを行い、フィードバックを反映。
STEP4. 経営会議及び取締役会にて合意
特定したマテリアリティは、各項目の設定理由や背景を含め経営会議及び取締役会へ報告し、合意を得て決定。
日産のマテリアリティマトリックス

マテリアリティ重要と考える理由
ガバナンス、法規制、
コンプライアンス
コーポレートパーパスや行動規範に基づき、高い倫理観と透明性及び強固な基盤を備えたガバナンスを通じて、最大限の誠実性を持って事業運営を行う。また法規制を遵守し人々と社会に対し敬意と誠実さを持ち行動する。
人々の自由な移動を実現運転支援技術やコネクテッドカーシステムなどの新しいモビリティ技術やサービスをより多くの人に提供し、より安全で、よりパーソナライズされ、誰もが自由に移動できるインクルーシブな社会を実現する。
人権すべての従業員が個人の尊厳と人権を最大限に尊重する組織を醸成する。また国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」を参照した社内倫理基準に基づき行動する。特に、人権尊重の6つの重点分野(*)における行動を徹底する。
*6つの重点分野:1.従業員の労働環境、2.サプライヤーの労働環境、3.製品の安全性とAI、4.プライバシーと情報セキュリティ、5.ビジネスパートナーの労働環境、6.コミュニティと環境への影響(先住民への影響も含む)
電動車の拡充と
多様なニーズへの対応
電動車ラインナップの拡充、バッテリーと車両の技術革新、クルマの多様な使い方を可能にするエコシステム構築により、カーボンニュートラル実現を目指す。
再生可能エネルギー国や自治体との協働や、さまざまな業界団体との連携を通して、CO2削減に向けた再生可能エネルギーや代替燃料の使用を推進する。EVバッテリーの循環利用などの4R(*)の取り組みやV2Xの活用を通し、エネルギーマネジメントで社会課題の解決を継続する。
* 4R:バッテリーの再利用、再製品化、再販売、リサイクル
クルマの安全性先進の運転支援技術をより多くのお客さまに提供することで、日産車の関わる交通事故の死者数を実質ゼロにする「ゼロ・フェイタリティ」実現を目指す。
クリーンなエミッション「大気並みにクリーンな排出ガス」とその他のクルマから排出される様々なエミッション(粉塵、マイクロプラスチックなど含む)のクリーン化を目指す。
プライバシー&データ保護データ保護及びプライバシー権の保護に取り組み、適切なセキュリティ対策を講じてステークホルダーの個人情報を守り、新しい技術とセキュリティリスクを考慮したデータの安全な取り扱いに責任を持つ。
持続可能なコミュニティの共創災害時の復旧支援や人道支援に加え、商品や技術、サービス、ノウハウを通じた社会変革への取り組みによりコミュニティの発展に貢献する。
製品品質デザイン、性能、化学物質管理及び車室内空質向上などの製品品質向上により、より安心・快適で使いやすいモビリティを提供する。
サステナブルな
サプライチェーンの構築
取引先との協働により、「日産取引先サステナビリティガイドライン」に基づき、サプライチェーンにおける環境や人権問題への適切な対応と責任ある調達を実践する。これによりお客さまに安定的にクルマを提供するとともに、社会や法規が求める説明責任を果たす。
サステナブルマテリアルの拡大サーキュラーエコノミーを目指し、持続可能な資源利用のため、リペア/リユース/リビルト/リサイクルの推進、循環性や倫理性に配慮したマテリアルの使用など、サステナブルなクルマ作りを追求する。
人財育成人財育成プログラムを提供し、働きやすい職場環境を整備することで従業員が能力を最大限に発揮できることを目指す。

マテリアリティの詳細は2025年7月末に当社企業サイトに掲載するサステナビリティデータブック2025を参照いただきたい。
日産は2023年度に、マテリアリティで特定された重要課題をもとに、第5次中期環境行動計画「ニッサン・グリーンプログラム2030(NGP2030)」、及び2030年度までの社会性の取り組みを包括的に推進する「ニッサン・ソーシャルプログラム2030(NSP2030)」を策定した。「NGP2030」は、技術やビジネスの進化によって環境負荷を低減し、社会と自然にポジティブな影響を与え、人々の生活が、持続可能で自然と調和できる社会創りを目指している。「NSP2030」は社会性に特化した初のプログラムであり、日産が従業員、サプライヤー、パートナー、社会とともに成長し、「人」を中心とした企業になることを目指し、従業員をはじめとするさまざまな「人」へ価値を提供していく。「NSP2030」の重点領域は、安全、品質、責任ある調達、知的財産、地域社会、従業員と定めており、領域毎に2030年度に向けたゴールを定義している。「NGP2030」と「NSP2030」は、ともに「Nissan Ambition 2030」の実現に向けて重要な役割を果たす。

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