訂正有価証券報告書-第106期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2016/12/26 13:20
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【項目】
123項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における世界経済は、米国では、個人消費や住宅投資の堅調な推移に加え雇用状況の改善など、緩やかな景気回復が続きました。一方、欧州経済は、長期低迷から脱しつつあるものの、依然景気回復への力強さに欠けており、中国経済は、一定の成長を維持しつつも、投融資の圧縮など構造改革に取り組む中で成長ペースは鈍化し、また新興国の経済成長に減速感が見られるなど、総じて不安定な状況の中で推移いたしました。
国内経済は、金融政策等による円安・株高を背景に、企業業績の改善や個人消費の復調もあり、景気回復への足取りは一層確かなものになってまいりました。
当社グループの主力事業である自動車産業分野につきましては、世界の新車販売台数(平成25年)は8,430万台と、4年連続で過去最高を記録いたしました。米国、中国の二大市場が販売台数の増加を牽引し、需要が低迷した欧州やインドそれにアジアなどにおける販売の不調を補う結果となりました。
また、国内の自動車生産台数は991万台と、前年度に比べて3.8%の増加となり、こちらも4年連続で前年度を上回りました。これは輸出の微減を内需の増加(前年度比9.2%増)によりカバーしたものであります。そのほか、海外生産台数も1,675万台(前年度比5.9%増)に達しました。
非自動車分野における造船業界は、世界主要造船国の竣工量は前年を下回ったものの、受注量は大幅な増加となり、手持ち工事量も増加に転じるなど、底打ち感が見られますが、本格的な回復にはもう暫くの時間を要するものと思われます。一方、日本では、円安による受注環境の好転に加え、LNG(液化天然ガス)運搬船や省エネ高性能船舶の需要の高まりにより、新造船の受注量が回復するなど明るい兆しも見られ、昨年までの先行き不透明感は徐々に薄まりつつあります。
建設機械業界につきましては、国内出荷金額は、震災復興工事・インフラ整備をはじめとした公共投資の効果等により前年度に比べて31.9%増加しましたが、輸出の減少(前年度比2.8%減)により、出荷金額は前年度に比べて9.7%増に留まりました。海外市場では、国内の輸出環境と同様に依然として、鉱山資源産出国での鉱山機械の需要低迷が続いておりますが、中国市場での一般建設機械の需要回復傾向や、北米、欧州市場等で好転し始めるなど、徐々に持ち直しの動きが見え始めました。
一般産業分野につきましては、電力・エネルギー分野や回転機械分野等は堅調に推移いたしました。
このような市場環境下、当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、国内は、年度後半より自動車関連売上が増加したこと、及び不振であった非自動車分野(特に舶用・建設機械)の対前年度比での売上減少幅が縮小に向かったことなどから、通期での売上高は前年度を上回ることができました。
海外では、自動車の世界市場の伸長を背景に、欧州を中心とした大同ブランドの浸透からの堅調な受注に加え、円安効果などにより、全ての地域で売上高が増加いたしました。
その結果、当社グループの当連結会計年度における売上高は前年同期に比べ9.1%増収の77,350百万円となりました。
利益面につきましては、自動車関連分野での増収効果や、非自動車関連の対前年度比での減収・減益幅の縮小、収益改善等利益創出に向けた活動への取り組み、それに円安効果も加わり、営業利益は前年同期に比べ17.2%増益の7,368百万円となりました。また、経常利益は前年同期に比べ16.3%増益の8,063百万円となりました。
当期純利益につきましては、法人税等の支払額や少数株主利益の増加もありましたが、旧東京工場の跡地売却益などもあり前年同期に比べ8.0%増益の4,735百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりです。
なお、セグメント間の内部売上高又は振替高は、連結売上高に含めております。
また、平成25年7月1日付の組織変更により、従来「非自動車用軸受」に含めておりました金属系無潤滑軸受事業を「その他」に変更しております。下記は、変更後の区分方法により比較したものであります。
自動車用エンジン軸受においては、欧米地域や中国をはじめとしたアジア地域での堅調な受注に加え、円安効果とも相俟って海外売上高は増加いたしました。国内においても、当連結会計年度の後半より自動車の需要が増加したことなどから前年度を上回り推移いたしました。その結果、売上高は前年同期に比べ12.4%増収の50,566百万円となり、営業利益は前年同期に比べ24.1%増益の6,632百万円となりました。
自動車用エンジン以外軸受においては、海外では、拡販の成果等により売上高は増加し、国内売上高も、当連結会計年度の後半より自動車の需要が増加したことなどから前年度を上回り推移いたしました。その結果、前年同期に比べ13.0%増収の16,506百万円となり、営業利益は前年同期に比べ16.4%増益の4,053百万円となりました。
非自動車用軸受の売上高は前年同期に比べ3.7%減収の11,788百万円となり、営業利益は前年同期に比べ24.1%減益の1,644百万円となりました。しかしながら、不振であった舶用(大型及び中小型船舶)や建設機械用軸受の前年度対比での売上減少幅が縮小傾向にあり、底打ち感が徐々に見られるようになりました。また、一般産業の回転機械用軸受は、タービン等の特殊軸受の売上が堅調に推移いたしました。
その他における金属系無潤滑軸受事業及び不動産賃貸事業等の売上高は前年同期に比べ7.2%増収の652百万円となり、営業利益は前年同期に比べ0.7%減益の296百万円となりました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物は11,427百万円となり、前年同期に比べ2,230百万円(24.3%)の増加となりました。
当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動において得られた資金は12,975百万円となり、前年同期に比べ2,046百万円(18.7%)の増加となりました。これは主に税金等調整前当期純利益8,942百万円などによる資金の増加があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動において使用した資金は9,861百万円となり、前年同期に比べ308百万円(3.0%)の減少となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入が前年同期に比べ1,051百万円増加した一方、有形固定資産の取得による支出が前年同期に比べ745百万円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動において使用した資金は1,016百万円となり、前年同期に比べ2,196百万円(68.4%)の減少となりました。これは主に長期借入れによる収入が増加したことによるものであります。