有価証券報告書-第70期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
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注記事項-金融商品、連結財務諸表(IFRS)
25.金融商品
(1)資本管理
当社グループは、健全な財務体質を確保しながら、持続的成長のために必要な設備投資、研究開発等に資金を活用するとともに、長期安定的に株主還元を継続することにより、持続的な企業価値向上を目指しております。そのために必要な事業資金は、当社グループの収益力・キャッシュ創出力を維持強化することにより、営業キャッシュ・フローで賄うことを基本とし、必要に応じて有利子負債(社債・借入等)で補充しております。また、財務健全性を長期安定的に維持するための資金も確保しております。なお、当社グループは2020年3月31日現在、外部から資本規制を受けておりません。
(2)金融商品の分類
① 金融資産の分類
金融資産の分類ごとの帳簿価額は、以下のとおりであります。
(注) ヘッジ会計を適用していないデリバティブについては、連結財政状態計算書上、「その他の金融資産」に含めて表示しております。
② 金融負債の分類
金融負債の分類ごとの帳簿価額は以下のとおりであります。
(注) ヘッジ会計を適用していないデリバティブについては、連結財政状態計算書上、「その他の金融負債」に含めて表示しております。
③ その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
当社グループは、投資先との取引関係の維持、強化による収益基盤の拡大を目的とする長期保有の株式について、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。
資本性金融資産は、保有資産の効率化及び有効活用を図るため、定期的に公正価値や発行体の財務状況を把握し、保有の是非について見直しております。主な資本性金融資産の保有状況は下記記載のとおりであります。
期中に処分したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産については、重要なものはありません。なお、当期中の重要な変動については、(4)公正価値測定④ レベル3に区分される金融商品の公正価値測定に関する情報をご覧ください。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、その他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えた累積利得(税引後)については、重要な残高はありません。
前連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円)
当連結会計年度(2020年3月31日)
(単位:百万円)
(3)金融商品から生じるリスクの内容及び程度
① リスク管理方針
当社グループは、事業活動に係わる様々な財務リスク(信用リスク・市場リスク(為替変動リスク、金利変動リスク、価格変動リスク)・流動性リスク)に晒されており、当該リスクの影響を回避又は低減するために、一定の方針に基づくリスク管理を行っております。デリバティブ取引の方針については、主として取引実施部門及び取引対象額等を定めたグループ各社の社内ルールに従い、資金担当部門が資金担当部門長の承認を得て実施しております。
また、デリバティブの利用にあたっては、信用リスクを軽減するために大手金融機関とのみ取引を行っております。
デリバティブは、後述するリスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針であります。また、すべての保有するデリバティブ取引に対しヘッジ会計を適用しておりません。
ⅰ)信用リスク
a.リスク管理活動
当社グループの営業債権である売掛金、受取手形及び電子記録債権等は、顧客の信用リスクに晒されております。
営業債権については、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行っており、特に信用リスクの懸念される取引先については、その状況を定期的にモニタリングする事で財務状況の悪化等による回収懸念を早期に把握し、個別に保全策を検討・実施しております。営業債権は、広範囲の地域に広がる多数の顧客に対するものでありますが、単独の相手先又は類似の顧客グループについて、重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、総金融資産の10%を超える信用リスクの集中も、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在において、ありませんでした。
公社債等の債券を保有する場合には、資金運用管理規程に従い、格付けの高い債権のみに限定する方針である為、信用リスクは僅少であります。
また、デリバティブの利用にあたっては、信用リスクを軽減するために大手金融機関とのみ取引を行っており、信用リスクは僅少であります。
以上より、当社グループが保有する金融商品の信用リスクに重要な問題はないものと判断しております。なお、金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財務諸表に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額になります。
b.信用リスク管理実務
債権及びその他の債権については、回収可能性や信用リスクの著しい増大等を考慮して、将来の予想信用損失を測定し、貸倒引当金を計上しております。信用リスクが著しく増大しているか否かについては、債務不履行発生リスクの変動により評価しております。当社グループでは、債務不履行発生リスクについて、原則として、外部格付機関から入手した格付情報及び内部での格付情報を採用しております。内部での格付けにあたっては、取引相手先の財務状況、過去の貸倒損失計上実績、過去の期日経過情報など考慮して判断しております。
営業債権に係る貸倒引当金は、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しており、取引内容や取引規模に応じ、全期間の予想信用損失を個別に測定する場合と集合的に測定する場合があります。集合的に測定する場合であっても、営業債権の見積将来キャッシュ・フローに不利な影響を与える場合、すなわち、債権及びその他の債権同様、格付情報等に基づき信用リスクが著しく増大している場合には、個別債権ごとに予想信用損失を測定しております。
なお、各期末現在において、信用リスクが当初認識以降に著しく増大した金融資産に該当するものは識別されておりません。
債権及びその他の債権、営業債権について、見積将来キャッシュ・フローに不利な影響を与える、以下のような事象が一つ又は複数発生している場合には、信用減損した金融資産として個別債権ごとに予想信用損失を測定しております。
・債務不履行
・債務者の重大な財政的困難
・債務者が破産又は財務上の再編を行う可能性が高くなったこと
なお、各期末現在において、信用減損した金融資産に該当するものは識別されておりません。
・営業債権及びその他の債権の年齢分析及び貸倒引当金は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
(単位:百万円)
・営業債権及びその他の債権の減損に対する貸倒引当金の増減は、以下のとおりであります。
ⅱ)市場リスク
・為替変動リスク
当社グループは、グローバルに事業を展開していることから外貨建の取引を行っており、損益及びキャッシュ・フロー等が為替変動の影響を受けるリスクに晒されております。当社グループの為替リスクは、主に、米ドルの為替相場の変動によるものであります。
当社グループは、為替の変動リスクを回避するために、外貨建の営業債権債務については主として先物為替予約を、外貨建借入金については通貨スワップを利用しております。これらのデリバティブについての管理方針は①リスク管理方針に記載のとおりであります。
デリバティブ
デリバティブの概要は、以下のとおりであります。
為替感応度分析
当社グループが、各連結会計年度末において保有する外貨建て金融商品について、他のすべての変動要因が一定であると仮定したうえで、日本円が1%円高となった場合に、連結損益計算書の税引前利益に与える負の影響は、以下のとおりであります。
なお、この分析は、機能通貨建ての金融商品、及び在外営業活動体の収益及び費用を円貨に換算する際の影響を含めずに、報告日現在において保有する金融商品について、日本円が1%円高となった場合に、連結損益計算書の税引前利益に与える負の影響を示すものであります。
従って、上記感応度分析金額は、日本円が1%円高になった場合に、当社グループの連結上の経営成績へ与える影響を示すものではありません。
・金利変動リスク
金利変動リスクは、市場金利の変動により、金融商品の公正価値もしくは金融商品から生じる将来キャッシュ・フローが変動するリスクとして定義されております。当社グループの金利変動リスクのエクスポージャーは、主に借入金や社債などの債務及び定期預金や貸付金などの債権に関連しております。利息の金額は市場金利の変動に影響を受けるため、利息の将来キャッシュ・フローが変動する金利変動リスクに晒されております。
当社グループでは、主に金利の上昇による将来の利息の支払額の増加を抑えるために、社債を固定金利で発行することにより資金調達を行っております。また、一部の借入金については金利の変動リスクを回避するために、金利スワップを利用しております。デリバティブについての管理方針は①リスク管理方針に記載のとおりであります。
当社グループは、短期有利子負債を超える額の余剰資金、有利子負債全額と概ね等しい額の余剰資金を短期的な預金等で保有しており、将来、金融市場環境の変化により金利が上昇した場合、当該余剰資金を返済原資として有利子負債を圧縮する等の方法により、資金調達コストを抑えることが可能であります。
したがって、当社グループにとって、現在の金利リスクは重要でないと考えております。
デリバティブ
デリバティブの概要は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
・価格変動リスク
当社グループは、資本性金融商品(株式)から生じる株価変動リスクに晒されております。短期トレーディング目的で保有する資本性金融商品はなく、取引先企業との事業提携・連携強化を目的に保有しており、これらの投資を活発に売却することはありません。資本性金融商品については、定期的に公正価値や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しております。
したがって、当社グループにとって、現在の価格リスクは重要でないと考えております。
ⅲ)流動性リスク
当社グループは、短期借入金を、主に運転資金の調達を目的として利用し、長期借入金や社債を、主に設備投資資金の調達を目的として利用しております。支払手形及び買掛金といった債務と合わせた場合、当社グループはこれらの債務の履行が困難になる流動性リスクに晒されております。その流動性リスクについて、決済に必要となるキャッシュ・フローの予測計画をもとに作成した適切な資金計画に沿って管理しております。
当社における重要な金融負債の満期別残高は、以下のとおりであります。
(4)公正価値測定
① 公正価値の算定方法
当社グループは、金融資産及び金融負債の公正価値について次のとおり決定しております。金融商品の公正価値の見積りにおいて、市場価格が入手できる場合は市場価格を利用しております。市場価格が入手できない金融商品の公正価値に関しては、適切な評価方法により見積りを行っております。
(現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務)
満期までの期間が短期であるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。
(社債及び借入金)
社債については、売買参考統計値を利用して公正価値の見積りを行っております。
借入金については、変動金利によるものは、短期間で市場金利が反映されるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。固定金利によるものは、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて算定する方法によっております。
(資本性金融商品に対する投資)
市場性のある資本性金融商品の公正価値は市場価格等に基づいて見積りを行っております。市場性のない資本性金融商品については、類似会社の市場価格に基づく評価技法等を利用した公正価値の見積りを行っております。
(その他の金融資産、その他の金融負債)
その他の金融資産、その他の金融負債のうち、デリバティブについては、取引先金融機関からの提示価額等に基づいて見積りを行っております。これら期末日の取引先金融機関からの提示価額等のうち、為替予約の公正価値は、先物為替相場に基づき算出された、通貨スワップの公正価値は、観察可能な市場データに基づいて将来キャッシュ・フローを割り引く方法等により見積られております。
② 金融商品の帳簿価額と公正価値
各決算日における金融商品の帳簿価額と公正価値は、以下のとおりであります。
なお、公正価値で測定する金融商品及び帳簿価額と公正価値が極めて近似している金融商品については、次表には含めておりません。
(注) 1年内返済及び償還予定の残高を含んでおります。
なお、社債及び借入金の公正価値ヒエラルキーはレベル2であります。
③ 公正価値ヒエラルキー
以下の表は、金融資産及び金融負債に関する経常的な公正価値測定を分析したものであります。これらの公正価値測定は、用いられる評価技法へのインプットに基づいて、3つの公正価値ヒエラルキーのレベルに区分されております。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識することとしております。なお、レベル間の振替はありません。
前連結会計年度(2019年3月31日)
当連結会計年度(2020年3月31日)
④ レベル3に区分される金融商品の公正価値測定に関する情報
レベル3に区分される金融資産は、非上場株式であります。非上場株式の公正価値は、類似会社の市場価格に基づく評価技法等を用いて算定しております。重要な観察可能でないインプットは、株価倍率及び非流動性ディスカウント等の評価倍率等であります。公正価値は株価倍率の上昇(低下)により増加(減少)し、非流動性ディスカウントの上昇(低下)により減少(増加)します。
レベル3の金融商品に係る公正価値の測定は、関連する社内規程に従い実施しており、測定結果については上位役職者のレビューを受けております。
レベル3に区分される金融商品の連結会計期間中の増減のうち1,000百万円は、当連結会計年度において、非上場株式について評価損を認識したことによります。
(1)資本管理
当社グループは、健全な財務体質を確保しながら、持続的成長のために必要な設備投資、研究開発等に資金を活用するとともに、長期安定的に株主還元を継続することにより、持続的な企業価値向上を目指しております。そのために必要な事業資金は、当社グループの収益力・キャッシュ創出力を維持強化することにより、営業キャッシュ・フローで賄うことを基本とし、必要に応じて有利子負債(社債・借入等)で補充しております。また、財務健全性を長期安定的に維持するための資金も確保しております。なお、当社グループは2020年3月31日現在、外部から資本規制を受けておりません。
(2)金融商品の分類
① 金融資産の分類
金融資産の分類ごとの帳簿価額は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | |
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産 | ||
ヘッジ会計を適用していないデリバティブ(注) | 51 | 80 |
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産 | ||
資本性金融商品に対する投資 | 2,944 | 1,508 |
償却原価で測定される金融資産 | ||
営業債権及びその他の債権 | 49,246 | 43,025 |
その他の金融資産 | 1,552 | 1,893 |
現金及び現金同等物 | 45,413 | 45,416 |
合計 | 99,206 | 91,922 |
(注) ヘッジ会計を適用していないデリバティブについては、連結財政状態計算書上、「その他の金融資産」に含めて表示しております。
② 金融負債の分類
金融負債の分類ごとの帳簿価額は以下のとおりであります。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | |
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債 | ||
ヘッジ会計を適用していないデリバティブ(注) | 43 | 77 |
償却原価で測定する金融負債 | ||
営業債務及びその他の債務 | 37,722 | 31,936 |
社債及び借入金 | 45,869 | 44,046 |
その他の金融負債 | 264 | 1,141 |
合計 | 83,897 | 77,200 |
(注) ヘッジ会計を適用していないデリバティブについては、連結財政状態計算書上、「その他の金融負債」に含めて表示しております。
③ その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
当社グループは、投資先との取引関係の維持、強化による収益基盤の拡大を目的とする長期保有の株式について、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。
資本性金融資産は、保有資産の効率化及び有効活用を図るため、定期的に公正価値や発行体の財務状況を把握し、保有の是非について見直しております。主な資本性金融資産の保有状況は下記記載のとおりであります。
期中に処分したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産については、重要なものはありません。なお、当期中の重要な変動については、(4)公正価値測定④ レベル3に区分される金融商品の公正価値測定に関する情報をご覧ください。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、その他の資本の構成要素から利益剰余金へ振り替えた累積利得(税引後)については、重要な残高はありません。
前連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円)
銘柄 | 金額 |
㈱FOMM | 1,000 |
ヤマハ発動機㈱ | 434 |
日野自動車㈱ | 355 |
いすゞ自動車㈱ | 207 |
スズキ㈱ | 206 |
その他 | 742 |
合計 | 2,944 |
当連結会計年度(2020年3月31日)
(単位:百万円)
銘柄 | 金額 |
ヤマハ発動機㈱ | 261 |
日野自動車㈱ | 221 |
第9回三菱UFJフィナンシャルグループ永久社債 | 205 |
トヨタ自動車㈱ | 173 |
㈱SUBARU | 140 |
その他 | 508 |
合計 | 1,508 |
(3)金融商品から生じるリスクの内容及び程度
① リスク管理方針
当社グループは、事業活動に係わる様々な財務リスク(信用リスク・市場リスク(為替変動リスク、金利変動リスク、価格変動リスク)・流動性リスク)に晒されており、当該リスクの影響を回避又は低減するために、一定の方針に基づくリスク管理を行っております。デリバティブ取引の方針については、主として取引実施部門及び取引対象額等を定めたグループ各社の社内ルールに従い、資金担当部門が資金担当部門長の承認を得て実施しております。
また、デリバティブの利用にあたっては、信用リスクを軽減するために大手金融機関とのみ取引を行っております。
デリバティブは、後述するリスクを回避するために利用しており、投機的な取引は行わない方針であります。また、すべての保有するデリバティブ取引に対しヘッジ会計を適用しておりません。
ⅰ)信用リスク
a.リスク管理活動
当社グループの営業債権である売掛金、受取手形及び電子記録債権等は、顧客の信用リスクに晒されております。
営業債権については、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行っており、特に信用リスクの懸念される取引先については、その状況を定期的にモニタリングする事で財務状況の悪化等による回収懸念を早期に把握し、個別に保全策を検討・実施しております。営業債権は、広範囲の地域に広がる多数の顧客に対するものでありますが、単独の相手先又は類似の顧客グループについて、重要な信用リスクのエクスポージャーはなく、総金融資産の10%を超える信用リスクの集中も、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在において、ありませんでした。
公社債等の債券を保有する場合には、資金運用管理規程に従い、格付けの高い債権のみに限定する方針である為、信用リスクは僅少であります。
また、デリバティブの利用にあたっては、信用リスクを軽減するために大手金融機関とのみ取引を行っており、信用リスクは僅少であります。
以上より、当社グループが保有する金融商品の信用リスクに重要な問題はないものと判断しております。なお、金融資産の信用リスクに係る最大エクスポージャーは、連結財務諸表に表示されている金融資産の減損後の帳簿価額になります。
b.信用リスク管理実務
債権及びその他の債権については、回収可能性や信用リスクの著しい増大等を考慮して、将来の予想信用損失を測定し、貸倒引当金を計上しております。信用リスクが著しく増大しているか否かについては、債務不履行発生リスクの変動により評価しております。当社グループでは、債務不履行発生リスクについて、原則として、外部格付機関から入手した格付情報及び内部での格付情報を採用しております。内部での格付けにあたっては、取引相手先の財務状況、過去の貸倒損失計上実績、過去の期日経過情報など考慮して判断しております。
営業債権に係る貸倒引当金は、常に全期間の予想信用損失に等しい金額で測定しており、取引内容や取引規模に応じ、全期間の予想信用損失を個別に測定する場合と集合的に測定する場合があります。集合的に測定する場合であっても、営業債権の見積将来キャッシュ・フローに不利な影響を与える場合、すなわち、債権及びその他の債権同様、格付情報等に基づき信用リスクが著しく増大している場合には、個別債権ごとに予想信用損失を測定しております。
なお、各期末現在において、信用リスクが当初認識以降に著しく増大した金融資産に該当するものは識別されておりません。
債権及びその他の債権、営業債権について、見積将来キャッシュ・フローに不利な影響を与える、以下のような事象が一つ又は複数発生している場合には、信用減損した金融資産として個別債権ごとに予想信用損失を測定しております。
・債務不履行
・債務者の重大な財政的困難
・債務者が破産又は財務上の再編を行う可能性が高くなったこと
なお、各期末現在において、信用減損した金融資産に該当するものは識別されておりません。
・営業債権及びその他の債権の年齢分析及び貸倒引当金は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (2019年3月31日) | 貸倒引当金を12ヶ月の 予想信用損失に等しい 金額で測定している 金融資産 | 貸倒引当金を全期間にわたる予想信用損失に 等しい金額で測定している金融資産 | 合計 | 貸倒 引当金 | |
信用リスクが当初認識 以降に著しく増大した 金融資産 | 常に貸倒引当金を 全期間の予想信用 損失に等しい金額で 測定している金融資産 | ||||
期日経過前 | 1,638 | - | 43,924 | 45,562 | 185 |
30日以内 | - | - | 2,234 | 2,234 | 22 |
30日超~60日以内 | - | - | 564 | 564 | 10 |
60日超~90日以内 | - | - | 302 | 302 | 6 |
90日超 | - | - | 819 | 819 | 11 |
合計 | 1,638 | - | 47,843 | 49,481 | 235 |
(単位:百万円)
当連結会計年度 (2020年3月31日) | 貸倒引当金を12ヶ月の 予想信用損失に等しい 金額で測定している 金融資産 | 貸倒引当金を全期間にわたる予想信用損失に 等しい金額で測定している金融資産 | 合計 | 貸倒 引当金 | |
信用リスクが当初認識 以降に著しく増大した 金融資産 | 常に貸倒引当金を 全期間の予想信用 損失に等しい金額で 測定している金融資産 | ||||
期日経過前 | 1,416 | - | 39,696 | 41,112 | 123 |
30日以内 | - | - | 1,524 | 1,524 | 12 |
30日超~60日以内 | - | - | 223 | 223 | 4 |
60日超~90日以内 | - | - | 150 | 150 | 3 |
90日超 | - | - | 162 | 162 | 5 |
合計 | 1,416 | - | 41,756 | 43,172 | 147 |
・営業債権及びその他の債権の減損に対する貸倒引当金の増減は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 12ヶ月の予想信用損失 | 全期間にわたる予想信用損失 | 合計 | |
信用リスクが当初認識 以降に著しく増大した 金融資産 | 常に貸倒引当金を 全期間の予想信用 損失に等しい金額で 測定している金融資産 | |||
期首残高 | - | - | 149 | 149 |
期中増加額 | - | - | 113 | 113 |
期中減少額 (目的使用) | - | - | △2 | △2 |
期中減少額 (戻入) | - | - | △12 | △12 |
外貨換算差額 | - | - | △12 | △12 |
期末残高 | - | - | 235 | 235 |
(単位:百万円) |
当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 12ヶ月の予想信用損失 | 全期間にわたる予想信用損失 | 合計 | |
信用リスクが当初認識 以降に著しく増大した 金融資産 | 常に貸倒引当金を 全期間の予想信用 損失に等しい金額で 測定している金融資産 | |||
期首残高 | - | - | 235 | 235 |
期中増加額 | - | - | 19 | 19 |
期中減少額 (目的使用) | - | - | △27 | △27 |
期中減少額 (戻入) | - | - | △70 | △70 |
外貨換算差額 | - | - | △10 | △10 |
期末残高 | - | - | 147 | 147 |
ⅱ)市場リスク
・為替変動リスク
当社グループは、グローバルに事業を展開していることから外貨建の取引を行っており、損益及びキャッシュ・フロー等が為替変動の影響を受けるリスクに晒されております。当社グループの為替リスクは、主に、米ドルの為替相場の変動によるものであります。
当社グループは、為替の変動リスクを回避するために、外貨建の営業債権債務については主として先物為替予約を、外貨建借入金については通貨スワップを利用しております。これらのデリバティブについての管理方針は①リスク管理方針に記載のとおりであります。
デリバティブ
デリバティブの概要は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | |||||
契約額等 | うち 1年超 | 公正価値 | 契約額等 | うち 1年超 | 公正価値 | |
為替予約取引 | ||||||
売建 円 | 1 | - | △2 | - | - | - |
売建 米ドル | 6 | - | △3 | 197 | - | △1 |
売建 ユーロ | 1 | - | 1 | 130 | - | 0 |
買建 円 | - | - | - | 477 | - | △4 |
買建 米ドル | 16 | - | △7 | 431 | - | △11 |
通貨スワップ取引 | ||||||
受取ドル・支払ルピア | 705 | 423 | 55 | 418 | 195 | 77 |
合計 | 729 | 423 | 44 | 1,653 | 195 | 61 |
為替感応度分析
当社グループが、各連結会計年度末において保有する外貨建て金融商品について、他のすべての変動要因が一定であると仮定したうえで、日本円が1%円高となった場合に、連結損益計算書の税引前利益に与える負の影響は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | |
米ドル | 26 | 21 |
なお、この分析は、機能通貨建ての金融商品、及び在外営業活動体の収益及び費用を円貨に換算する際の影響を含めずに、報告日現在において保有する金融商品について、日本円が1%円高となった場合に、連結損益計算書の税引前利益に与える負の影響を示すものであります。
従って、上記感応度分析金額は、日本円が1%円高になった場合に、当社グループの連結上の経営成績へ与える影響を示すものではありません。
・金利変動リスク
金利変動リスクは、市場金利の変動により、金融商品の公正価値もしくは金融商品から生じる将来キャッシュ・フローが変動するリスクとして定義されております。当社グループの金利変動リスクのエクスポージャーは、主に借入金や社債などの債務及び定期預金や貸付金などの債権に関連しております。利息の金額は市場金利の変動に影響を受けるため、利息の将来キャッシュ・フローが変動する金利変動リスクに晒されております。
当社グループでは、主に金利の上昇による将来の利息の支払額の増加を抑えるために、社債を固定金利で発行することにより資金調達を行っております。また、一部の借入金については金利の変動リスクを回避するために、金利スワップを利用しております。デリバティブについての管理方針は①リスク管理方針に記載のとおりであります。
当社グループは、短期有利子負債を超える額の余剰資金、有利子負債全額と概ね等しい額の余剰資金を短期的な預金等で保有しており、将来、金融市場環境の変化により金利が上昇した場合、当該余剰資金を返済原資として有利子負債を圧縮する等の方法により、資金調達コストを抑えることが可能であります。
したがって、当社グループにとって、現在の金利リスクは重要でないと考えております。
デリバティブ
デリバティブの概要は、以下のとおりであります。
(単位:百万円)
前連結会計年度 (2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2020年3月31日) | |||||
契約額等 | うち1年超 | 公正価値 | 契約額等 | うち1年超 | 公正価値 | |
金利スワップ | ||||||
受取変動・支払固定 | 1,780 | 1,780 | △36 | 1,678 | 1,678 | △58 |
・価格変動リスク
当社グループは、資本性金融商品(株式)から生じる株価変動リスクに晒されております。短期トレーディング目的で保有する資本性金融商品はなく、取引先企業との事業提携・連携強化を目的に保有しており、これらの投資を活発に売却することはありません。資本性金融商品については、定期的に公正価値や発行体(取引先企業)の財務状況等を把握し、取引先企業との関係を勘案して保有状況を継続的に見直しております。
したがって、当社グループにとって、現在の価格リスクは重要でないと考えております。
ⅲ)流動性リスク
当社グループは、短期借入金を、主に運転資金の調達を目的として利用し、長期借入金や社債を、主に設備投資資金の調達を目的として利用しております。支払手形及び買掛金といった債務と合わせた場合、当社グループはこれらの債務の履行が困難になる流動性リスクに晒されております。その流動性リスクについて、決済に必要となるキャッシュ・フローの予測計画をもとに作成した適切な資金計画に沿って管理しております。
当社における重要な金融負債の満期別残高は、以下のとおりであります。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 (2019年3月31日) | 帳簿 残高 | 契約上の 金額 | 1年内 | 1-2年 | 2-3年 | 3-4年 | 4-5年 | 5年超 | 合計 |
非デリバティブ金融負債 | |||||||||
社債及び借入金 | 45,869 | 45,921 | 8,015 | 4,657 | 16,598 | 2,224 | 991 | 14,733 | 47,218 |
営業債務及びその他の債務 | 37,722 | 37,722 | 37,722 | - | - | - | - | - | 37,722 |
合計 | 83,591 | 83,643 | 45,737 | 4,657 | 16,598 | 2,224 | 991 | 14,733 | 84,940 |
(単位:百万円) |
当連結会計年度 (2020年3月31日) | 帳簿 残高 | 契約上の 金額 | 1年内 | 1-2年 | 2-3年 | 3-4年 | 4-5年 | 5年超 | 合計 |
非デリバティブ金融負債 | |||||||||
社債及び借入金 | 44,046 | 44,092 | 7,735 | 16,384 | 4,225 | 2,043 | 895 | 13,782 | 45,064 |
営業債務及びその他の債務 | 31,936 | 31,936 | 31,936 | - | - | - | - | - | 31,936 |
合計 | 75,982 | 76,028 | 39,670 | 16,384 | 4,225 | 2,043 | 895 | 13,782 | 77,000 |
(4)公正価値測定
① 公正価値の算定方法
当社グループは、金融資産及び金融負債の公正価値について次のとおり決定しております。金融商品の公正価値の見積りにおいて、市場価格が入手できる場合は市場価格を利用しております。市場価格が入手できない金融商品の公正価値に関しては、適切な評価方法により見積りを行っております。
(現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務)
満期までの期間が短期であるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。
(社債及び借入金)
社債については、売買参考統計値を利用して公正価値の見積りを行っております。
借入金については、変動金利によるものは、短期間で市場金利が反映されるため、帳簿価額が公正価値の合理的な近似値となっております。固定金利によるものは、元利金の合計額を同様の新規借入を行った場合に想定される利率で割り引いて算定する方法によっております。
(資本性金融商品に対する投資)
市場性のある資本性金融商品の公正価値は市場価格等に基づいて見積りを行っております。市場性のない資本性金融商品については、類似会社の市場価格に基づく評価技法等を利用した公正価値の見積りを行っております。
(その他の金融資産、その他の金融負債)
その他の金融資産、その他の金融負債のうち、デリバティブについては、取引先金融機関からの提示価額等に基づいて見積りを行っております。これら期末日の取引先金融機関からの提示価額等のうち、為替予約の公正価値は、先物為替相場に基づき算出された、通貨スワップの公正価値は、観察可能な市場データに基づいて将来キャッシュ・フローを割り引く方法等により見積られております。
② 金融商品の帳簿価額と公正価値
各決算日における金融商品の帳簿価額と公正価値は、以下のとおりであります。
なお、公正価値で測定する金融商品及び帳簿価額と公正価値が極めて近似している金融商品については、次表には含めておりません。
(単位:百万円) |
前連結会計年度 2019年3月31日 | 当連結会計年度 2020年3月31日 | |||
帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 | |
社債及び借入金(注) | 45,869 | 46,024 | 44,046 | 44,075 |
(注) 1年内返済及び償還予定の残高を含んでおります。
なお、社債及び借入金の公正価値ヒエラルキーはレベル2であります。
③ 公正価値ヒエラルキー
以下の表は、金融資産及び金融負債に関する経常的な公正価値測定を分析したものであります。これらの公正価値測定は、用いられる評価技法へのインプットに基づいて、3つの公正価値ヒエラルキーのレベルに区分されております。
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振替は、振替を生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識することとしております。なお、レベル間の振替はありません。
前連結会計年度(2019年3月31日)
(単位:百万円)
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当連結会計年度(2020年3月31日)
(単位:百万円)
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④ レベル3に区分される金融商品の公正価値測定に関する情報
レベル3に区分される金融資産は、非上場株式であります。非上場株式の公正価値は、類似会社の市場価格に基づく評価技法等を用いて算定しております。重要な観察可能でないインプットは、株価倍率及び非流動性ディスカウント等の評価倍率等であります。公正価値は株価倍率の上昇(低下)により増加(減少)し、非流動性ディスカウントの上昇(低下)により減少(増加)します。
レベル3の金融商品に係る公正価値の測定は、関連する社内規程に従い実施しており、測定結果については上位役職者のレビューを受けております。
レベル3に区分される金融商品の連結会計期間中の増減のうち1,000百万円は、当連結会計年度において、非上場株式について評価損を認識したことによります。