有価証券報告書-第62期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/25 15:20
【資料】
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【項目】
122項目

対処すべき課題

(1) 対処すべき課題
当社グループが関連する自動車業界におきましては、今後も日本国内の市場環境が停滞し伸びが期待できないことから、得意先各自動車メーカーでは国内生産の縮小と海外生産の拡大がグローバルで加速し推進されております。米国や中国はもとより、とりわけ、成長の期待が高いアセアンを含む新興国へ積極的に展開が図られております。
このような状況下、当社グループはグローバルで競争環境が変化する中、競争力のあるコストを達成するための体質強化を図り、海外拠点の拡充と強化に取り組むと共に得意先のニーズに対してシート全体の提案ができる、世界で存在感のある『グローバル・シート・システム・クリエーター』になることが当社の目指す方向であります。
コスト競争力の強化につきましては、あらゆるコストを下げる諸活動を推進し、収益の評価を軸としたマトリックス組織で目標達成に取り組んでまいります。また、海外拠点の拡充と強化につきましては、グローバル・ベスト・プラクティス活動を実践し効率的な運営に取り組んでまいります。
当社が掲げるビジョン『GC177』の達成に向けた活動をさらに加速し、これまでに取り組んできた諸施策の成果を確実に刈り取れるよう、効果的かつ効率的に事業を推進し、グローバル競争に勝ち抜いていけるよう、引き続き全社一丸となって取り組んでまいります。
(2) 当社の支配に関する基本方針
当社は、財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
①基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業理念及び企業価値の源泉を理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者であることが必要であると考えております。また、当社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には当社の株主全体の意思に基づいて行われるべきものと考えております。
もとより、当社は、当社株式等について大規模買付行為がなされる場合、当社の企業価値の向上や株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するべきでないと考えておりますが、大規模買付行為の中には、係る行為の目的が当社の企業価値・株主共同の利益を明白に侵害する恐れのあるもの、当社の株主に株式の売却を事実上強要する恐れのあるもの、当社の取締役会や株主に対して当該行為に係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えないものなど、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する恐れのあるものも想定されます。
当社は、このような企業価値・株主共同の利益に資さない大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大規模買付行為に対しては、必要かつ相当な措置をとることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
②当社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組みの具体的内容の概要
当社は、創業以来、自動車シートの専門メーカーとして、多くの自動車メーカーよりお取引きいただいております。このビジネスの特長を活かして、今日まで事業を維持発展させてまいりました。国内における自動車メーカーと自動車シートメーカーとの取引関係は特定されているのが一般的であり、当社は極めてユニークな存在であります。今後とも、このビジネスの強みを安定的に維持、発展していくためには当社の独自性に基づく自主自立の企業環境を継続していくことが前提となります。
当社が関連する自動車業界におきましては、一段と成熟化が進み、今後国内での生産量の増加は期待できない大変厳しい状況にあります。こうした環境の中、得意先自動車メーカー各社は生き残りを賭けた新たな中長期の成長戦略を掲げ、グローバルで活動を推進しており、当社もこの新戦略の流れ、とりわけ新興国を中心とした事業展開に挑戦することが、生き残りをかけた正念場であると認識しております。そこで当社は、平成28年度を到達年度とするビジョン『Global Challenge 177(以下『GC177』という。)』を新たに定め、「品質No.1」「営業利益率7%」「世界生産シェア7%」の3つの長期目標を掲げ、この目標を達成するための諸施策を着実に実行することにより、『グローバル シート システム クリエーター』としての基盤を強化し、世界で存在感ある企業を目指していきたいと考えております。
③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの具体的内容の概要
当社は、平成24年6月27日に開催された第60回定時株主総会において、「当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)継続の件」(以下「本プラン」といいます。)をご承認いただいております。本プランは、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にし、株主及び投資家の皆様において買収提案等に応じるか否かについての適切な判断を行うために必要かつ十分な情報及び時間を確保すること、当社取締役会等において大規模買付行為を行おうとする者との交渉の機会を確保すること、並びに、当社の企業価値・株主共同の利益を損なうと認められる大規模買付行為に対する対抗措置を予め明らかにすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者に対して警告を行うことを目的としております。
本プランの対象となる大規模買付行為は、以下の1)又は2)に該当する当社株式等の買付け又はこれに類似する行為となります。
1)当社が発行者である株式等について、保有者の株式等保有割合が20%以上となる買付け
2)当社が発行者である株式等について、公開買付けに係る株式等の株式等所有割合及びその特別関係者の株式等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
なお、本プランにおける対抗措置の具体的な内容としては、新株予約権の無償割当てを行うことを予定しております。
④取組みに対する当社取締役会の判断及び理由
当社取締役会は、以下の理由から本プランが基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではないこと、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと判断しております。
1)買収防衛策に関する指針の要件を全て充足していること
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」において示された三原則である「企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則」「事前開示・株主意思の原則」「必要性・相当性確保の原則」の全てを充足しています。また、企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容にも準じております。
2)当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること
本プランは、当社株式等に対する大規模買付行為がなされようとする際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様がご判断され、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報を提供すると共に、妥当な期間を確保し、株主の皆様のために当社取締役会が買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。
3)株主の皆様の意思を重視するものであること
本プランは、買付者等が大規模買付ルールに従うことなく大規模買付行為を行う場合に特別委員会が対抗措置の発動を勧告する場合及び特別委員会が対抗措置の不発動を勧告する場合を除き、買付者等による大規模買付行為に対する対抗措置発動の是非につき、株主総会において株主の皆様の意思を直接確認するものです。
また、当社株主総会において本プランの変更又は廃止の決議がなされた場合には、本プランも当該決議に従い変更又は廃止されることになります。このように、本プランの導入、変更及び廃止に関して、株主の皆様の意思が十分反映される仕組みを確保しています。
4)独立性の高い特別委員会の判断の重視と情報開示
当社は、大規模買付行為への対抗措置の発動等に関する当社取締役会の恣意的判断を排し、当社取締役会の判断及び対応の客観性及び合理性を確保することを目的として特別委員会を設置します。特別委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している当社社外取締役及び当社社外監査役を含む社外有識者の中から当社取締役会により選任された者により構成されます。また、当社は、必要に応じ特別委員会の判断の概要について株主及び投資家の皆様に情報開示を行うこととし、当社の企業価値・株主共同の利益に資するよう本プランの透明な運営が行われる仕組みを確保しています。
5)合理的かつ客観的発動要件の設定
本プランは、合理的かつ客観的な発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しています。
6)デッドハンド型もしくはスローハンド型買収防衛策ではないこと
本プランは、当社株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により、いつでも廃止することができるものとしています。従って、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。また、当社は取締役の任期が現在1年のため、本プランはスローハンド型(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
なお、詳細につきましては、インターネット上の当社ウェブサイトに掲載しておりますのでご参照ください。
(http://www.tachi-s.co.jp/uploads/pdfs/newsrelease_1/20120510_tachi-s.pdf)