有価証券報告書-第71期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

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2016/06/20 15:31
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有報資料

(1)対処すべき課題
世界の自動車産業では、地球温暖化の問題から低燃費のハイブリッド車(HV・PHV)や電気自動車(EV)などの普及が進んできており、更に燃料電池車(FCV)なども市場投入が始まっております。また、自動車メーカー各社は車の安全性向上のための自動運転技術(衝突回避技術や情報処理技術)にも取り組んでおります。そして、これらによるコスト及び重量の増加を抑えるために低価格化・軽量化のニーズがますます高まってきております。
一方、引き続き需要が旺盛な北米市場はもとより、中国やインド、アセアン地域などではモータリゼーションにより小型車や超低価格車の需要が確実に増えていくことが見込まれております。
このような状況下で、自動車部品産業では、メガサプライヤーが進めているモジュール納入や低価格な部品を提供する新興国ローカルサプライヤーの台頭、更には日系サプライヤー同士の競争が一層激化してくることは避けられない情勢であります。
当社グループは、この変化にいち早く対応し、競争を勝ち抜くための強靭な企業体質の構築が必要であるとの認識から長期ビジョン『サスペンションシステムメーカーを目指す』を掲げ、その達成に向けて第1期目(2015年度~2017年度)となる中期経営計画『Yorozu Spiral-up Plan 2017』(YSP2017)を2015年3月に策定・公表いたしました。
重点取り組みとして、米国アラバマ州に設立したヨロズオートモーティブアラバマ社(YAA)は、『部品メーカーとして、世界No.1のサスペンション部品生産工場の実現』を目指しております。その達成に向け、日本に「ものづくり技術」を集結し、金型や生産設備・システムを自社で開発し、グローバルに展開いたします。
そのために、ヨロズエンジニアリング(YE)の拡張・能力増強を図り、産学協同による人財育成の取り組みを積極的に進め、世界で活躍できるグローバルエンジニアの育成、更に雇用機会の提供を通して社会貢献してまいります。
当社グループは、YSP2017の必達に向けて引き続き、次の事業の3本柱に取り組んでおり、諸施策については計画通りに進捗しております。
(1)製品力・開発力の更なる強化
2015年度の重点取り組みとして、設計開発領域においては、高張力鋼板適用による軽量サスペンションメンバーの開発を進める一方、軽量かつ高剛性のパイプビームの量産を実現するなど、将来に向けた新素材・新構造・新工法開発への取り組みを加速するとともに、それらをささえる、解析シミュレーション技術の精度向上及び効率化を進め、製品開発期間の更なる短縮にも力を入れております。
また、生産工程については、革新的な生産効率の向上を狙った工場無人化の取り組みとして、ヨロズ大分に当社グループ初となる組立無人化ラインを導入し、2016年7月稼働に向けて準備中であります。この組立無人化ライン(製品搬送装置、簡易ロボット含む)及び周辺設備であるAGV(無人搬送車)などは全て自社で開発・製作したものであります。
今後の取り組み課題として、設計開発領域においては、当社のコア技術の一つであるサスペンション開発力を革新的に強化してまいります。更に、付加価値を向上させるためにサスペンション周辺部品を取り込んだシステム開発・評価技術を社内に蓄積するとともに、「軽く・強く・安く・早く」といったお客さまのニーズに確実に応えてまいります。
また、生産工程については、前述の組立無人化ラインで得られたノウハウを今後の新規ラインに随時適用してまいります。更に、今後軽量化の要となる高張力鋼板の採用拡大を見越し、成型能力を大幅に向上させた大型3,500トン サーボトランスファープレスをグローバル拠点に順次導入してまいります。
これにより、性能及びコスト面で競争力の高い製品を世界中のお客さまに提供すべく、設備増強計画を進めております。
これらの実現に向けて、「ものづくり技術」を日本に集結し、金型や生産設備・システムを自社で開発し、グローバル展開していくために、YEの拡張・能力増強を2016年初めより開始しております。また、ヨロズエンジニアリングシステムズタイランド社(YEST)につきましても能力増強を進めております。
品質保証については、お客さまからの信頼を一層高めていくためにダントツ品質の実現に向けて更なる品質トレーサビリティーの向上を図ってまいります。
(2) 世界の主要自動車メーカーへの販路拡大
2015年度は、ダイムラーからシャシー部品を初めて受注いたしました。本プロジェクトの成功に向けて全社総力をあげて取り組んでまいります。お客さまとの連携を密にするために、パリに設立しました欧州事務所を2016年3月より本格稼働しております。
需要が旺盛な市場での受注拡大に備えて、米国ではアラバマ州に第2生産拠点、YAAを2015年10月に設立いたしました。YAAは当社グループ初となる無人化を全面的に採用する戦略的拠点であり、『部品メーカーとして、世界No.1のサスペンション部品生産工場の実現』を基本コンセプトとしております。稼働予定については、当初予定の2018年初めに対して、前倒しを検討しております。
メキシコの既存2拠点拡張についても、YMEXでは2017年1月に、YAGMでは2016年11月に完了予定であります。また、中国の既存2拠点拡張については、G-YBMでは2015年4月に、W-YBMでは2015年6月に完了しております。
今後の取り組み課題として、日系自動車メーカーに対しては、主要得意先である日産、ホンダに加え、トヨタグループを中心に他の自動車メーカーへの販路拡大も進めてまいります。欧米自動車メーカーに対しては、特にルノー、フォルクスワーゲン、ダイムラー等への販路を拡大してまいります。
(3) 多様性を尊重したグローバルマネジメントの強化
2015年度の重点取り組みについては、『部品メーカーとして、世界No.1のサスペンション部品生産工場の実現』に向けて、世界で活躍できるグローバルエンジニアの育成を目指し、産学協同による人財育成の取り組みを積極的に進めております。
今後の取り組み課題として、将来の業容を見据え、多様性を尊重した採用と管理職等への登用を更に進めていくことにより、意欲ある優秀な人財がグローバルに活躍できる環境を整えております。
また、ヨロズ標準を伝授・浸透させ、コアになる人財の育成を目的としたタレントマネジメントの構築を図ってまいります。
(2)株式会社の支配に関する基本方針
(1) 基本方針
当社は、当社の企業価値が、当社及びその子会社・関連会社が永年にわたり蓄積してきた営業・技術・生産のノウハウ及びブランドイメージ等を駆使した機動性のある企業活動に邁進し、国内外の社会の発展に貢献することにより、株主の皆さま共同の利益を向上させていくことにその淵源を有していると考えております。そのため、当社は、特定の者またはグループによる当社の総議決権の20%以上に相当する議決権を有する株式の取得により、このような当社の企業価値または株主の皆さま共同の利益が毀損されるおそれが存する場合には、かかる特定の者またはグループは当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であるとして、法令及び定款によって許容される限度において、当社の企業価値または株主の皆さま共同の利益の確保・向上のための相当な措置を講じることを、その基本方針としております。
(2) 基本方針の実現に資する取組み
当社の企業価値または株主の皆さま共同の利益を確保・向上させるための取組みとして、下記の企業価値の向上に向けた取組み、コーポレートガバナンスの強化に向けた取組み、積極的な株主還元及び当社の考える企業の社会的責任に向けた取組みを、それぞれ実施しております。
① 企業価値の向上に向けた取組み
当社は、昨年、長期ビジョンとその第1期となる2017年までの業績目標を示した中期経営計画YSP2017を公表し、「サスペンションシステムを通じて新たな価値を生み出し、“ヨロズブランドを世界に”」という新しい企業ビジョンのもと、「製品力・開発力の更なる強化」、「世界の主要自動車メーカーへの販路拡大」及び「多様性を尊重したグローバルマネジメントの強化」を実践しサスペンション部品と周辺部品とを一体システムとして性能開発から量産までを行う『サスペンションシステムメーカー』となることによって、企業価値を更に向上させる取り組みを進めております。
② コーポレートガバナンスの強化に向けた取組み
当社は、取締役会を経営の基本方針、法令で定められた事項やその他経営に関する重要な決定を行うとともに、取締役及び執行役員の業務執行状況を監督する機関として位置付けておりますが、株主の皆さまに対する経営陣の責任をより一層明確にするため、平成13年6月27日開催の第56回定時株主総会において、取締役の任期を2年から1年に短縮しております。
更に、当社は、コーポレートガバナンスの一層の強化の観点から、平成27年6月10日開催の第70回定時株主総会において、過半数を社外取締役で構成する監査等委員会を置く「監査等委員会設置会社」に移行し、監査・監督機能の強化を図り、それに伴い独立性の高い社外取締役を新たに2名選任いたしました。
③ 積極的な株主還元
当社は、YSP2017において、配当方針につき、これまでの「安定配当」から「目標配当性向の設定」へと変更することとし、2015年度から2017年度の連結配当性向35%を目標としております。他方、内部留保は、将来の企業価値増大に必要な資金として、研究開発費や設備投資、戦略投資等に充当する方針です。
④ 当社の考える企業の社会的責任に向けた取組み
当社は、創立以来、「高い倫理観と遵法精神により、公正で透明な企業活動を推進すること」を経営姿勢とし、関連法令の遵守はもちろんのこと、良き企業市民として社会的責任を果たすことが必要と認識し、事業活動を行ってまいりました。今後とも、お客さまの満足と技術革新、法令等の遵守、環境問題への取組み、グローバル企業としての発展、企業情報の開示、人権の尊重、公正な取引、経営幹部の責任の明確化を図ることによって、企業の社会的責任を遂行してまいります。
(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みについて
当社が導入した買収防衛策(以下、「本プラン」といいます。)は、当社が発行者である株券等について、特定の株主、その特別関係者及び実質的に支配する者もしくは共同ないし協調して行動する者の株券等保有割合が20%以上となる買付を行うこと等を希望する買付者が出現した場合に、当該買付者に対し、事前に当該買付等に関する必要かつ十分な情報の提出を求めます。その後、買付者等から提供された情報が、当社社外取締役を含む当社の業務執行を行う経営陣から独立した者のみから構成される独立諮問委員会に提供され、その検討・評価を経るものとします。独立諮問委員会は、当該買付者が本プランに定める手続を遵守しなかった場合、その他買付者の買付等の内容の検討の結果、当該買付者による買付等が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に著しく反する重大なおそれをもたらす場合で、かつ、対抗措置を発動することが相当と認められる場合は、当社取締役会に対し、対抗措置の発動を勧告します。また、独立諮問委員会は、当社取締役会に対して、株主総会において大規模買付行為に対する対抗措置発動の要否や内容について賛否を求める形式により、株主の皆さまの意思を確認することを勧告できます。当社取締役会は、独立諮問委員会の上記勧告を最大限尊重した上で、対抗措置の発動、不発動または中止の決議を行います。具体的な対抗措置として新株予約権の無償割当てを行う場合には、対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件及び取得条項を定めることがあります。
本プランの有効期間は、平成30年6月開催予定の第73回定時株主総会の終結の時までとします。ただし、有効期間の満了前であっても、当社の株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合、または独立諮問委員会の勧告により取締役会で本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものとします。
(4) 本プランの合理性について
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)を以下のとおり充足しており、また、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」及びコーポレートガバナンス・コードの策定に関する有識者会議が平成27年3月5日に公表した「コーポレートガバナンス・コード原案~会社の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上のために~」の「原則1-5.いわゆる買収防衛策」その他の買収防衛策に関する実務・議論を踏まえた内容となっており、高度な合理性を有するものです。
① 企業価値または株主共同の利益の確保・向上
本プランは、大規模買付者に対して事前に大規模買付行為に関する必要な情報の提供及び考慮・交渉のための期間の確保を求めることによって、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆さまが適切に判断されること、当社取締役会が当該大規模買付行為に対する賛否の意見または代替案を株主の皆さまに対して提示すること、あるいは、株主の皆さまのために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とし、もって当社の企業価値または株主の皆さま共同の利益の確保・向上を目的としております。
② 事前の開示
当社は、株主及び投資家の皆さま及び大規模買付者の予見可能性を高め、株主の皆さまに適正な選択の機会を確保するために、本プランを予め開示するものです。また、当社は今後も、適用ある法令等及び金融商品取引所規則に従って必要に応じて適時適切な開示を行います。
③ 株主意思の重視
当社は、平成27年6月10日開催の第70回定時株主総会において本プランによる買収防衛策の継続を承認いただいております。また、前述したとおり、当社株主総会において本プランを廃止する旨の議案が承認された場合には本プランはその時点で廃止されるものとしており、その存続が株主の皆さまの意思に係らしめられています。
④ 外部専門家の意見の取得
当社取締役会は、大規模買付行為に関する評価、検討、意見形成、代替案立案及び大規模買付者との交渉を行うにあたり、必要に応じて、当社取締役会から独立した第三者的立場にある専門家(フィナンシャル・アドバイザー、弁護士、公認会計士、税理士等)の助言を得たうえで検討を行います。これにより当社取締役会の判断の客観性及び合理性が担保されることになります。
⑤ 独立諮問委員会への諮問
当社は、本プランの必要性及び相当性を確保し、経営者の保身のために本プランが濫用されることを防止するために、独立諮問委員会を活用するものとし、当社取締役会が対抗措置を発動する場合には、その判断の公正を担保し、かつ、当社取締役会の恣意的な判断を排除するために、独立諮問委員会の勧告を最大限尊重するものとしております。
⑥ デッドハンド型買収防衛策またはスローハンド型買収防衛策ではないこと
本プランは、当社の株主総会または株主総会において選任された取締役により構成される取締役会によっていつでも廃止することができるため、いわゆるデッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)またはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)ではありません。
以上から、当社役員の地位の維持を目的とするものでないことは明らかであると考えております。

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