有価証券報告書-第16期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)
対処すべき課題
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営方針・経営戦略等
① 経営の基本方針
当社グループは、経営理念に「世界に貢献する企業に向かって『尊重 信頼 挑戦』そこから生まれる夢の実現」を掲げ“多様な文化や価値観を持つ国際社会と協調・協力しながら社会ニーズに応えられる企業として発展していくこと”“先進的な加工技術への挑戦と技術の蓄積によって、期待を超える魅力あふれる自動車フレームを素早く提供し、世界中から信頼される企業となること”を目指しております。
このような、経営の基本方針のもと、株主、顧客、従業員、社会など全てのステークホルダーから信頼される企業であり続けられるよう企業活動に取り組んでまいります。
② 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
現在の当社グループを取り巻く経営環境は、世界経済に関しては、ワクチンの普及と治療薬の開発により、新型コロナウイルス感染は徐々に収束に向かい、景気も緩やかに回復傾向を辿ると予想されるものの、先進国と新興国ではワクチンの普及に格差がみられ、景気回復度合いは跛行性が出てくる可能性があります。また、ウクライナ情勢などの地政学的リスクの顕在化や資源価格の高騰、米国での物価上昇を背景にした金融引締めによる日米の金利差拡大等を背景にした円安が進行するなど、先行きの不透明感が増しております。
自動車業界においては、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響はあるものの、社会経済活動の回復に伴って需要は回復基調に向かうと見込んでおります。一方、半導体の調達問題が長期化していることに加え、中国からの部品供給の停滞等が懸念されます。
他方、自動車業界は世界的な環境規制の強化を受けた電動化の進展、CASE(Connectivity:つながること、Autonomous driving:自動運転、Sharing:共有・シェアリング、Electric drive systems:電動化)やMaaS(Mobility as a Service:サービスとしてのモビリティ)の拡大とそれに伴う異業種の参入といった変革期にもあります。
当社グループの主要製品である自動車フレームに対しては、燃費性能向上のための軽量化と衝突安全性能の向上といった従来からのニーズに加えて、車体設計や解析・シミュレーションなど新車開発の上流段階への参画といった新しい顧客ニーズが生まれています。また、中国を中心にいくつも誕生している新興EVメーカーは有望な新たな販路でもあります。これらは当社グループにとりまして、強みとする研究から量産までの一貫開発体制による開発力及び生産力(自動車フレームの性能解析や金型技術、超ハイテン材のプレス・溶接加工技術)やグローバル展開による効率的な供給ネットワークをもって国内外の新規顧客への参入機会の拡大が見込める一方で、自動車メーカーの部品調達戦略に変化が生じるなかで受注競争が更に厳しさを増していくという環境であります。
以上のような経営環境にあって、当社グループでは、急速な変化にも即応しながらゆるぎない成長を遂げていくために、2030年を最終年とする長期ビジョン「2030年VISION」を策定し、その最初の中期計画である第6次中期事業計画(2020年4月~2023年3月)とともに当社グループの中長期的な経営戦略に位置付けております。
◇2030年VISION
2030年VISION:「Be a Value Creator(価値創造者になる)」
コーポレートスローガン:「Exceed expectations(期待を超える)」
※ 2030年VISIONに関して、当社グループのコア・コンピタンス(強み・魅力)を、「テクノロジー(お客様のニーズを具現化するものづくり技術)」と「ホスピタリティ(お客様のニーズをお客様と一緒になって実現する)」と定義しております。
2030年VISIONに向けて当社グループは、ESGの取組みと価値創造文化の醸成を基盤に、既存事業の強化と新商品の開発を進めてまいります。そして、当社グループのコア・コンピタンスとESGを礎としつつこれに全員の「Think Value」を加え、新たな価値を生み出してまいります。そのプロセスでは、自動車業界で存在感を示すとともに、社会に必要とされそして社会に役立つ価値を創出し、これらを通じて期待を超える「Value Creator」を目指しております。
◇第6次中期事業計画(2020年4月~2023年3月)
経営方針:H-oneグループ全員のホスピタリティと「Think Value」で価値ある商品・サービスを追求し、すべてのステークホルダーの期待と喜びにつなげる
重点施策:
経営指標:売上収益税引前利益率を経営指標とし、以下のとおり連結会計年度毎に売上収益税引前利益率の目標値を定めております。
2021年3月期 売上収益税引前利益率 ― % ※ (実績値は、売上収益税引前利益率2.1%)
2022年3月期 売上収益税引前利益率 4.0% (実績値は、売上収益税引前利益率△2.2%)
2023年3月期 売上収益税引前利益率 5.0%
※ 新型コロナウイルスの影響を合理的に見積もることが困難であったため、2021年3月期の利益率目標は示しておりません。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(新型コロナウイルスへの対応)
従業員や関係者の安全確保及び感染拡大防止を図りながら顧客への部品供給を確実に進めるとともに、地域社会への感染予防品支援などを通じて企業の社会的責任を果たします。また、不測の事態に備えて十分な手元流動性を確保してまいります。
(収益力の強化)
当社グループ最大のセグメントである北米セグメントにおける収益性の改善に注力することに加え、日本では生産変動の影響を最小化するよう諸施策を推進いたします。アジア・大洋州セグメントでは引き続き売上収益拡大と原価低減の両面から収益基盤を強化してまいります。
(主力得意先向け売上の確保と拡販に向けた取り組み)
主力得意先の新車種開発の早期から技術提案営業を進め新規部品の受注獲得を目指すほか、既生産部品の継続受注を図ります。拡販においても技術提案営業のほか当社グループの供給体制を活かし国内外で受注活動を積極的に進めます。また、金型や鋳物の受注拡大とその実績を活かした自動車フレーム部品の受注活動を行ってまいります。
(新技術及び新商品の開発推進)
顧客の多彩なニーズにお応えするため新たな技術開発や商品開発を通じて新価値創造と売上収益の拡大を図ります。
(人材開発)
グローバルに活躍できる人材の育成に向けた諸施策を国内外で進めるほか、日本では多様化する社会に対応するため働き方改革やダイバーシティ&インクルージョンの取組みを進めてまいります。
(品質高位安定化)
顧客にQCDで常にご満足をいただくため工程能力の強化に引き続き取り組んでまいります。
(1) 経営方針・経営戦略等
① 経営の基本方針
当社グループは、経営理念に「世界に貢献する企業に向かって『尊重 信頼 挑戦』そこから生まれる夢の実現」を掲げ“多様な文化や価値観を持つ国際社会と協調・協力しながら社会ニーズに応えられる企業として発展していくこと”“先進的な加工技術への挑戦と技術の蓄積によって、期待を超える魅力あふれる自動車フレームを素早く提供し、世界中から信頼される企業となること”を目指しております。
このような、経営の基本方針のもと、株主、顧客、従業員、社会など全てのステークホルダーから信頼される企業であり続けられるよう企業活動に取り組んでまいります。
② 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
現在の当社グループを取り巻く経営環境は、世界経済に関しては、ワクチンの普及と治療薬の開発により、新型コロナウイルス感染は徐々に収束に向かい、景気も緩やかに回復傾向を辿ると予想されるものの、先進国と新興国ではワクチンの普及に格差がみられ、景気回復度合いは跛行性が出てくる可能性があります。また、ウクライナ情勢などの地政学的リスクの顕在化や資源価格の高騰、米国での物価上昇を背景にした金融引締めによる日米の金利差拡大等を背景にした円安が進行するなど、先行きの不透明感が増しております。
自動車業界においては、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響はあるものの、社会経済活動の回復に伴って需要は回復基調に向かうと見込んでおります。一方、半導体の調達問題が長期化していることに加え、中国からの部品供給の停滞等が懸念されます。
他方、自動車業界は世界的な環境規制の強化を受けた電動化の進展、CASE(Connectivity:つながること、Autonomous driving:自動運転、Sharing:共有・シェアリング、Electric drive systems:電動化)やMaaS(Mobility as a Service:サービスとしてのモビリティ)の拡大とそれに伴う異業種の参入といった変革期にもあります。
当社グループの主要製品である自動車フレームに対しては、燃費性能向上のための軽量化と衝突安全性能の向上といった従来からのニーズに加えて、車体設計や解析・シミュレーションなど新車開発の上流段階への参画といった新しい顧客ニーズが生まれています。また、中国を中心にいくつも誕生している新興EVメーカーは有望な新たな販路でもあります。これらは当社グループにとりまして、強みとする研究から量産までの一貫開発体制による開発力及び生産力(自動車フレームの性能解析や金型技術、超ハイテン材のプレス・溶接加工技術)やグローバル展開による効率的な供給ネットワークをもって国内外の新規顧客への参入機会の拡大が見込める一方で、自動車メーカーの部品調達戦略に変化が生じるなかで受注競争が更に厳しさを増していくという環境であります。
以上のような経営環境にあって、当社グループでは、急速な変化にも即応しながらゆるぎない成長を遂げていくために、2030年を最終年とする長期ビジョン「2030年VISION」を策定し、その最初の中期計画である第6次中期事業計画(2020年4月~2023年3月)とともに当社グループの中長期的な経営戦略に位置付けております。
◇2030年VISION
2030年VISION:「Be a Value Creator(価値創造者になる)」
コーポレートスローガン:「Exceed expectations(期待を超える)」
※ 2030年VISIONに関して、当社グループのコア・コンピタンス(強み・魅力)を、「テクノロジー(お客様のニーズを具現化するものづくり技術)」と「ホスピタリティ(お客様のニーズをお客様と一緒になって実現する)」と定義しております。
2030年VISIONに向けて当社グループは、ESGの取組みと価値創造文化の醸成を基盤に、既存事業の強化と新商品の開発を進めてまいります。そして、当社グループのコア・コンピタンスとESGを礎としつつこれに全員の「Think Value」を加え、新たな価値を生み出してまいります。そのプロセスでは、自動車業界で存在感を示すとともに、社会に必要とされそして社会に役立つ価値を創出し、これらを通じて期待を超える「Value Creator」を目指しております。
◇第6次中期事業計画(2020年4月~2023年3月)
経営方針:H-oneグループ全員のホスピタリティと「Think Value」で価値ある商品・サービスを追求し、すべてのステークホルダーの期待と喜びにつなげる
重点施策:
サステナビリティ強化 | 持続的成長のために企業の社会的責任を果たし、そして、企業価値を高めていく。 |
品質高位安定化 | お客様の期待を超える品質水準の達成とその持続。 |
収益基盤の強化 | 当社グループの各社が、各々の持続的成長を叶える収益性を備える。 |
開発/生産技術の競争力強化 | 優れた技術とアイデアで夢のある商品開発・技術開発を進める。そして開発・生産両部門が一体で業界トップの競争力を実現する。 |
事業領域の拡大 | 自動車フレームの技術を基盤に、夢のある商品の企画・開発と技術進化でより多くのお客様に新たな価値を提供し貢献する。 |
人材開発の強化 | 新しい価値の創造に向けた志を共有し、経営理念を実践する。 |
経営指標:売上収益税引前利益率を経営指標とし、以下のとおり連結会計年度毎に売上収益税引前利益率の目標値を定めております。
2021年3月期 売上収益税引前利益率 ― % ※ (実績値は、売上収益税引前利益率2.1%)
2022年3月期 売上収益税引前利益率 4.0% (実績値は、売上収益税引前利益率△2.2%)
2023年3月期 売上収益税引前利益率 5.0%
※ 新型コロナウイルスの影響を合理的に見積もることが困難であったため、2021年3月期の利益率目標は示しておりません。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
(新型コロナウイルスへの対応)
従業員や関係者の安全確保及び感染拡大防止を図りながら顧客への部品供給を確実に進めるとともに、地域社会への感染予防品支援などを通じて企業の社会的責任を果たします。また、不測の事態に備えて十分な手元流動性を確保してまいります。
(収益力の強化)
当社グループ最大のセグメントである北米セグメントにおける収益性の改善に注力することに加え、日本では生産変動の影響を最小化するよう諸施策を推進いたします。アジア・大洋州セグメントでは引き続き売上収益拡大と原価低減の両面から収益基盤を強化してまいります。
(主力得意先向け売上の確保と拡販に向けた取り組み)
主力得意先の新車種開発の早期から技術提案営業を進め新規部品の受注獲得を目指すほか、既生産部品の継続受注を図ります。拡販においても技術提案営業のほか当社グループの供給体制を活かし国内外で受注活動を積極的に進めます。また、金型や鋳物の受注拡大とその実績を活かした自動車フレーム部品の受注活動を行ってまいります。
(新技術及び新商品の開発推進)
顧客の多彩なニーズにお応えするため新たな技術開発や商品開発を通じて新価値創造と売上収益の拡大を図ります。
(人材開発)
グローバルに活躍できる人材の育成に向けた諸施策を国内外で進めるほか、日本では多様化する社会に対応するため働き方改革やダイバーシティ&インクルージョンの取組みを進めてまいります。
(品質高位安定化)
顧客にQCDで常にご満足をいただくため工程能力の強化に引き続き取り組んでまいります。