有価証券報告書-第64期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 10:56
【資料】
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【項目】
155項目

対処すべき課題

(1)会社の経営の基本方針
当社は、自立した個人を重んじ、和を尊び、協力を旨とする“人間尊重”、失敗を恐れず困難な道を選択する“チャレンジ精神”、環境・地域社会、株主・従業員との共生を目指すことを基本理念として、地球規模で優れた技術力による優良な品質の製品を適正な価格で提供することに努めてまいります。
この企業活動の推進により世界中の得意先からの顧客満足度No.1の実現と、一般社会からのその存在を期待される企業作りに邁進します。
(2)中長期的な会社の経営戦略
2017年4月からはじまった第13次中期計画では、「Back to Basics,Challenge for New」という基本方針のもと、「Back to Basics」すなわち、基本に立ち返り、利益を徹底追求するという行動指針に立って「お客様への最高の価値の提供」、「生産拠点の利益最大化」、「機能組織のコスト最小化と生産拠点への価値提供」、「健全な財務体質の構築」を進めると共に、「Challenge for New」すなわち、新たな成長へ向けて飽くなき挑戦を続けるという行動指針に立って「新規重要顧客の獲得・拡大」、「画期的新製品の提案」、「新技術・新加工方案の確立」、「新規事業の企画・推進」を進めております。
(3)目標とする経営指標
2020年3月末までの第13次中期計画(2017年4月1日~2020年3月31日)では、最終年度の経営指標を各地域セグメントの状況を踏まえ連結売上高2,100億円、連結営業利益105億円(売上高営業利益率5%以上)、有利子負債依存度35%以下としております。
(4)経営環境
世界経済は総じて、米国、中国、欧州の超大国では成長が減速、メキシコや東南アジアといった新興国では堅調に推移しました。米国では、減税や財政支出拡大などの財政拡張策で収支が悪化しており、中国などに対する制裁関税も、貿易相手国の報復措置により成長率を下げる要因となることが懸念されます。中国では、鉄鋼をはじめとする旧来産業の成長鈍化に代表される長期的な構造調整圧力や生産年齢人口の減少、米中貿易摩擦によるリスクが引き続き懸念されるものの、イノベーション力の強化や高付加価値産業などへのシフトが生産性上昇率を支え、緩やかな成長が続くものと予測されます。日本経済は今後、消費増税やオリンピック後に一時的な成長率低下はあるものの、消費・投資の深刻な調整は回避し、緩やかな成長が続くと予測しています。
自動車業界は、底堅い先進国と拡大する新興国の需要により世界市場は漸増していくものと予測しています。
(5)対処すべき課題
世界の自動車市場は、新興国での中長期的な市場拡大、国内市場の縮小、環境対応としての車両軽量化やパ
ワートレーンの多様化、電気自動車・自動運転技術の進展等、劇的に変化しています。こうした環境下、当社グループではお客様に最高の価値を提供するため、「Back to Basics,Challenge for New」を基本方針とする第13次中期計画(2017年度~2019年度)を策定し、2017年4月よりスタートしております。
しかしながら、当連結会計年度では、特に北米地域の運営強化と体質改善を進めてきたものの、外部要因と改善の遅れと、特に、米国通商政策(カナダ、メキシコからの輸入材料の関税負荷影響、主要得意先の機種変動などの要因)により、結果的に、連結ベースで前期比増収減益となりました。
つきましては、引続き今年度も北米地域の運営強化と体質改善を進めQ(品質)・C(コスト)・D(納期)の強化を図って参ります。
また第13次中期計画として以下の主な取り組みを進めてまいります。
<開発領域>・シミュレーション技術と実機検証の組み合わせによるシャーシシステム進化への取り組み
・軽量化、ローコスト実現に向けたコア・新技術の融合
<エンジニアリング・生産領域>・検査工程の自動化による人に依存しない品質保証の実現
・新生産技術の確立及び新素材への対応
・IT・IoTの活用によるスマート工場への進化
<営業領域>・更なる販路拡大、技術提携先の多様化及び新たな事業地域の対応
<管理領域>・コーポレートガバナンスと財務体質の向上、人材育成におけるグローバルマネジメント強化
以上のとおり当社グループは課題に対処するとともに第13次中期計画を遂行し、お客様へ新たな価値を提供してまいります。