有価証券報告書-第60期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/22 14:44
【資料】
PDFをみる
【項目】
109項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度における世界経済は、6月の英国国民投票によるEU離脱決定、11月の米国大統領選挙と新政権発足が波乱要因となって大きく揺れましたが、どちらの危機も逆に経済を好転させるような展開となっていきました。米国では新政権と議会のねじれ解消による政策実行期待に伴うドル高株高が続き、雇用環境も改善して好況が続き、資源価格も乱高下しつつも低迷を脱して資源国経済が回復、中国は財政出動によるテコ入れで景況感が改善、東南アジア経済も回復の兆しが見えるなど、全体的に堅調に推移しました。
一方国内経済は、米国トランプ政権からの発信内容や主要国の国政選挙の行方、挑発を続ける北朝鮮など、様々なリスクに揺れ動く国際情勢の影響で為替が円高傾向で推移したものの、世界経済の回復を受けて生産と輸出が伸び、堅調に推移しました。
しかしながら、米国ではトランプ政権の政策実行能力が疑問視されはじめて今までの過剰な期待が逆回転しかねない状況であり、北朝鮮やシリアでは軍事衝突リスクが増し、米中ロのバランスやEUとの関係等も含めて予断を許さない環境となっております。経済もこれらの動向に大きく左右されることから、フランス大統領選では大きな波乱は無かったものの、相変らず先行き不透明な状況が続いていると感じております。
当社グループ(当社及び連結子会社)の主要取引先であります自動車業界の当連結会計年度の状況は、国内販売台数は5,077千台(前連結会計年度比2.8%増)と2期振りに5,000千台を突破、輸出台数は4,636千台(前連結会計年度比1.2%増)と前期に引き続き増加、国内生産台数は9,357千台(前連結会計年度比1.8%増)と3期振りに増加に転じました。他方、1~12月の海外での日系自動車メーカーの生産台数は18,979千台(前連結会計年度比4.9%増)となり、国内4~3月の生産台数と合わせた世界生産台数は28,336千台(前連結会計年度比3.9%増)と引き続きの増加となりました。
このような状況の中、当社グループの連結売上高は、19,235百万円(前連結会計年度比2.5%増)と増収となりました。損益につきましては、国内および海外の改善が進んだことに加えて原材料やエネルギーの価格が下落したこと等により、営業利益は2,312百万円(前連結会計年度比30.4%増)と増加、期末換算での前期発生為替差損が無くなったことにより経常利益は2,424百万円(前連結会計年度比50.3%増)と増加、本社売却益の計上等もあり親会社株主に帰属する当期純利益は1,863百万円(前連結会計年度比62.0%増)と増加しました。
当連結会計年度におけるセグメント別の業績は、次のとおりであります。
① 車輌関連部品事業
当連結会計年度の当事業の売上高は、18,366百万円(前連結会計年度比3.8%増)となりました。インドネシア子会社がほぼフル稼働状態になったこととユニットメーカー各社の旺盛な需要に支えられ、円高影響はあったものの、全体として売上が増加しました。
② その他
当連結会計年度の当事業の売上高は、869百万円(前連結会計年度比19.2%減)となりました。主力の連続ねじ関連の売上は国内および北米、豪州市場にて増加しましたが、前連結会計年度に業績を牽引した太陽光発電市場向け部材等の販売が激減したことにより、当事業の売上も大きく減少し、節目の10億円を再び割る結果となってしまいました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益、減価償却費や長期借入れによる収入などの資金の増加があったものの、有形固定資産の取得による支出や定期預金の預入による支出などがあり、当連結会計年度末には4,086百万円(前連結会計年度末比10.5%減)となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は3,162百万円(前年同期比40.1%増)となりました。これは法人税等の支払額534百万円、売上債権の増加額160百万円などの資金の流出があったものの、税金等調整前当期純利益2,500百万円、減価償却費864百万円、たな卸資産の減少額109百万円などの資金の流入があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は3,099百万円(前年同期比214.2%増)となりました。これは固定資産の売却による収入440百万円、定期預金の払戻による収入211百万円などがあったものの、有形固定資産の取得による支出1,868百万円、定期預金の預入による支出941百万円、投資有価証券の取得による支出740百万円などの資金の流出があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は508百万円(前年同期比171.7%増)となりました。これは長期借入れによる収入400百万円があったものの、長期借入金の返済による支出706百万円、配当金の支払による支出185百万円、リース債務の返済による支出15百万円などがあったことによります。