有価証券報告書-第155期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/28 10:06
【資料】
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【項目】
115項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、創業以来「科学技術で社会に貢献する」を社是としてまいりました。1992年には、「『人と地球の健康』への願いを実現する」を経営理念として制定し、以後、これを当社の基本方針としています。
また、2012年4月から島津グループのブランドステートメント「Excellence in Science」を展開しています。本ブランドステートメントは、科学における卓越した存在を目指し、さらなる挑戦を続けていく強い意志、そして姿勢を表しています。
当社グループは、前述の社会的使命の達成に向け、研究開発を支援する最先端機器、安心・安全を確保するための検査機器、臨床診断を支援する画像診断機器、広い産業分野で不可欠な品質管理機器、精密機械部品や高機能デバイスなどの高機能部品とシステムなど幅広い分野でクロマトグラフィー、質量分析、分光、X線、画像処理、高速回転、油圧、精密加工、ナノテクノロジーなど各種基盤技術を駆使して顧客のニーズに応える製品・サービスを提供するよう不断の努力を続けます。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
2018年度の見通しにつきましては、海外では、金融政策の動向や米中の貿易摩擦など一部で先行き不透明な部分があるものの、企業の設備投資や個人消費の増加等により着実な景気回復が見込まれる米国、緩やかな景気回復が続いている欧州、各種政策の効果により安定した経済成長が見込まれる中国や景気が総じて堅調に推移している東南アジアなど、世界経済全体として緩やかな拡大基調が継続することが予想されます。日本では雇用・所得環境の改善が続く中で、引き続き緩やかな景気回復が持続するものと予測されます。
このような状況の中で、2017年度にスタートした中期経営計画では、「世界のパートナーと社会課題の解決に取り組む企業」というスローガンのもと、新たな一歩を踏み出しました。2018年度は、中期経営計画の2年目であり、成長戦略をさらに強化し、企業価値の向上と将来の持続的な成長に向けた強固な事業基盤の構築に努めていきます。
1) 「成長分野への積極的な投資」による事業基盤の強化と新たな事業成長基盤の獲得
①新製品の開発力強化に向けて、市場や技術の動向に対する感度をさらに高め、新たな価値を提供する製品開発への積極的な投資および事業提携やM&Aなどによる戦略的な外部資源の活用を進めます。
②「ヘルスケア」、「インフラ」、「マテリアル」、「環境・エネルギー」の4つの重点分野で、社内外のパートナーとの協同・連携を強化し、事業化を目指します。
③AI・IoT・ロボット等の新技術を活用し、グローバルな事業体制の強化を図り、新たな事業展開へと繋げていきます。
2) 「収益力の強化」による持続的成長力の向上
①収益改善事業については、全社のリソース活用も踏まえ、採算性の改善や事業成長の課題を明確にし、各業種や製品単位で収益体質の改革を徹底的に進めます。
②アフターマーケット事業の拡大に向けて、試薬・消耗品事業のさらなる拡大を図るとともに、AI・IoTなどを活用して新たなサービス事業の立ち上げを目指します。
③製造現場における生産性の向上を図るため、AI・IoT・RPA(ロボットによる業務自動化)などを活用し、現場の各種検査やデータ解析の自動化などを進めます。
3) 「組織基盤変革」による強固な事業基盤確立
①国連の掲げる「持続可能な開発目標(SDGs)」のうち、当社の事業に関係の深い目標での貢献を目指し、当社の技術力で社会課題の解決に取り組みます。また、「環境経営」や「ガバナンス機能の強化」など環境・社会・ガバナンス(ESG)の視点に基づいた経営で事業基盤の強化を行っていきます。
②「健康経営」では、自社で開発する装置や最先端の技術を活用することで、社員やその家族を含めた健康増進への寄与を図り、将来は、事業を通じて、広く社会に向けた健康増進の取り組みを提供することを目指します。また、事業環境の変化に対応し持続的に成長するため、個人の能力向上への支援を通じた組織の生産性向上を目指す「働き方改革」への取り組みについても積極的に推進していきます。
事業別の対処すべき課題として、中長期で目指すことおよび中期経営計画の中で実施する主な取り組みテーマは、以下のとおりです。
・計測機器事業
『世界No.1の総合分析機器メーカー』となることを目指し、社会課題の解決に向けた社外連携による技術獲得やM&Aなどの活用、また、分析と医用の技術融合による新たな価値の創出・提供に取り組み、更なる事業拡大と収益構造の強化を図ります。
<主な取り組みテーマ>①顧客の課題解決に向けたオンリーワン・ナンバーワンとなる製品や事業の創出
②世界四極体制のイノベーションセンターを核とし、製薬・医療・食品・材料・環境分野の先進的顧客との共同研究により最先端技術を取り込んだ、新たなソリューション提供と新規事業の育成
③成長分野の一つであるヘルスケア分野での試薬・消耗品ビジネスの拡大や、AIやIoTを活用したネットワーク基盤の整備などを通じたアフターマーケット市場における新しいサービス事業の創出
・医用機器事業
『世界の医療の質的向上をリードする企業』となることを目指し、収益改善を最大の課題として取り組みながら、競争力のある製品・サービスの開発と海外事業の拡大を図ります。
<主な取り組みテーマ>①分析と医用の技術融合も含め、戦略的な製品強化とラインアップ拡充の推進
②顧客ニーズの変化や技術の進歩に対応し、グローバルなアフターマーケット事業の拡大
③がん治療や軽度認知障害の診断など、社会課題として重要な分野での新たな製品・サービスの創出
・航空機器事業
『世界の航空機器メーカーにとって不可欠な提案型サプライヤー』となることを目指し、引き続き、民航ビジネスの収益改善と拡大を図ります。
<主な取り組みテーマ>①北米子会社や新たに設立した国内の民航製造子会社を活用した収益改善と事業拡大
②計測技術や検査技術など、他事業部門とのシナジーによる航空産業向けの製造・整備を支援する新事業の立上げ
・産業機器事業
『産業機械市場でソリューションを提供するスペシャリスト』および『油圧機器で世界ブランドのサプライヤー』となることを目指し、産業機械分野での事業拡大を図ります。
<主な取り組みテーマ>①半導体分野におけるターボ分子ポンプ製品群の更なる成長に向け、製品の高付加価値化、サービスや製造体制の高度化による事業基盤の一層の強化
②輸送車両や農業機械・建設機械における油圧機器の海外事業の拡大および製造基盤の強化による収益改善
③ターボ分子ポンプや油圧機器以外の製品の用途拡大による自動車市場など新規市場への参入を通じた事業拡大
(3) 目標とする経営指標
当社グループは、3ヵ年の中期経営計画において、2020年3月期の連結での売上高4,000億円以上、営業利益450億円以上、営業利益率11%以上、海外売上高比率50%以上、自己資本利益率10%以上を目標数値としています。
(4) 会社の支配に関する基本方針
[1]基本方針の内容の概要
当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の社是・経営理念や企業価値の源泉、顧客・株主・取引先・従業員・地域社会などのステークホルダーとの信頼関係などを理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保、向上していくことを可能とする者であることを基本原則といたします。
当社は、当社株式を上場し自由な取引を認める以上、支配権の移転を伴う当社株式の大量買付提案に応じるか否かの判断は、最終的には株主の皆様の意思に委ねられるべきものと考えております。また、当社は、大量買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを否定するものではありません。
[2]基本方針の実現に資する取り組みの具体的な内容の概要
1) 会社の財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取り組み
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指す経営方針のもと、2017年度より新たな3ヵ年中期経営計画に基づき、「世界のパートナーと社会課題の解決に取り組む企業」というスローガンのもと、①人の健康、②安心・安全な社会、③産業の発展の3つの事業領域をベースに、事業拡大に取り組んでおります。
これにより、事業業績を着実に伸ばすとともに、株主との積極的な対話を行うことにより、当社の経営姿勢を理解いただき、株主の一層の信頼と評価を得るよう努めております。
2) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、2017年6月29日開催の第154期定時株主総会終結の時をもって、買収防衛策を廃止しておりますが、当社の株式に対して大量取得行為が行われる場合には、金融商品取引法の定めを遵守しつつ、積極的な情報収集および情報提供に努め、株主の皆様の検討のための時間確保に努める等、適切な措置を講じてまいります。
[3]上記[2]の取り組みに対する当社取締役会の判断およびその理由
上記[2]に記載した各取り組みは、上記[1]の基本方針に従い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し向上させることを目的とするものであって、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと当社取締役会は判断しております。

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