四半期報告書-第86期第2四半期(平成28年7月1日-平成28年9月30日)

【提出】
2016/11/11 13:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
29項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第2四半期連結累計期間における我が国経済は、為替の円高ドル安基調が影響したことなどから輸出・生産が横ばいとなったものの、雇用・所得環境の改善等が続いたことや、個人消費の回復の兆しがみられたことから、緩やかな回復基調が続きました。しかし、中国を始めとする新興国や資源国等の海外経済の弱さに加え、英国のEU離脱問題等による海外経済の不確実性の高まりなどから、景気の先行きは不透明な状況となりました。
このような状況の下、当社グループの当第2四半期連結累計期間の業績につきましては、船舶港湾機器事業は、国内外の商船市場で造船所の新規建造需要が減少したことなどから、受注は前年同期を大きく下回り、売上も前年同期を下回りました。油空圧機器事業は、工作機械市場で国内及び北米需要が低調であったものの、建設機械市場で国内需要が堅調であったことなどから、受注、売上ともに前年同期並みでした。流体機器事業は、官需市場で大型案件を落札したことなどから、受注は前年同期を上回りましたが、売上は前年同期並みでした。防衛・通信機器事業は、官需市場で海上交通関連機器の大型案件を落札したことなどから、受注は前年同期を上回りましたが、通信機器市場で移動体衛星通信用アンテナスタビライザーの数量が減少したことなどから、売上は前年同期を大きく下回りました。
以上の結果、当第2四半期連結累計期間における売上高は、前年同期比3,315百万円(16.1%)減の17,306百万円、営業損失は992百万円(前年同期583百万円の営業利益)、経常損失は933百万円(前年同期677百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する四半期純損失は679百万円(前年同期403百万円の親会社株主に帰属する四半期純利益)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります
[船舶港湾機器事業]
当事業の商船市場では、新規建造需要が減少したことなどから、受注は前年同期を大きく下回り、売上も前年同期を下回りました。
内航船市場では、老齢船の代替建造は依然として低迷していることから、受注、売上ともに前年同期を下回りました。
海外市場では、韓国及び中国の造船所の新規建造船受注が大きく減少したことや、欧米向けOEMジャイロコンパスの販売が低調であったことに加え、円高ドル安が進行したことなどから、受注は前年同期を大きく下回り、売上も前年同期を下回りました。
船舶関連機器の保守サービスは、保守用の部品販売が堅調に推移したものの、サービス工事が伸び悩んだことから、受注、売上ともに前年同期を下回りました。
この結果、当事業全体として売上高は4,325百万円と前年同期比597百万円(12.1%)の減少、営業利益は40百万円と前年同期比400百万円(91.0%)の減少となりました。
[油空圧機器事業]
当事業のプラスチック加工機市場では、自動車関連設備の需要が堅調であったことなどから、受注は前年同期を上回り、売上は前年同期並みとなりました。
工作機械市場では、国内及び北米向け需要が一般機械を中心に減少したことから、受注、売上ともに前年同期を下回りました。
建設機械市場では、国内向け復興需要及びインフラ需要が堅調であったことから、受注、売上ともに前年同期を上回りました。
海外市場では、中国向け成形機需要が増加したことから、受注は前年同期を上回りましたが、韓国の成形機需要の回復が遅れていることから、売上は前年同期並みとなりました。
油圧応用装置は、移動式水素ステーション用水素圧縮装置、一般産業機械向け機器が堅調であったものの、バルクキャリア船用ハッチカバー開閉装置の需要が減少したことなどから、受注、売上ともに前年同期を下回りました。
この結果、事業全体として売上高は5,996百万円と前年同期比32百万円(0.5%)の減少、営業損失は25百万円(前年同期113百万円の営業損失)となりました。
[流体機器事業]
当事業の官需市場では、水資源機構及び東京都水道局の大型案件の落札等により、受注、売上ともに前年同期を上回りました。
民需市場では、船舶接岸速度計の発注の繰り上げなどにより、受注は前年同期を上回りましたが、売上は前年同期並みとなりました。
海外市場では、受注、売上ともに前年同期を下回りました。
この結果、当事業全体として売上高は503百万円と前年同期比1百万円(0.1%)の増加、営業損失は342百万円(前年同期316百万円の営業損失)となりました。
[防衛・通信機器事業]
当事業の官需市場では、前年同期にあったT-4練習機(ブルーインパルス仕様機)用対気諸元計算機及び前期型
F-15主力戦闘機用レーダー警戒装置の開発がなく、航空自衛隊関連の修理工事及び部品販売が減少したものの、次世代VTSシステムとして期待されている東京湾における一元的な海上交通管制の構築関連機器や半導体レーダーの海上交通機器が増加したことなどから、受注は前年同期を上回りました。また、過年度に受注した護衛艦向け統合化航海支援装置を納入したものの、前年同期にあったF-15主力戦闘機用自己防御能力向上機器や海上交通機器の納入がなく、航空自衛隊及び海上自衛隊関連の修理工事及び部品販売が減少したことなどから、売上は前年同期を下回りました。
センサー機器市場では、公共工事で使用されるトンネル掘削マシン用姿勢方位検出装置等のトンネル関連機器及び平坦性計測装置等の道路関連機器の需要が低調であったことから、受注、売上ともに前年同期を下回りました。
通信機器市場では、新たに半導体製造装置向けプラズマ生成用マイクロ波増幅器を受注したことなどから、受注は前年同期を上回りましたが、地上デジタル放送関連機器が増加したものの、移動体衛星通信用アンテナスタビライザーの数量が減少したことなどから、売上は前年同期を大きく下回りました。
この結果、当事業全体として売上高は5,196百万円と前年同期比2,137百万円(29.1%)の減少、営業損失は560百万円(前年同期361百万円の営業利益)となりました。
[その他の事業]
検査機器事業は、国内グラビア印刷市場で原材料コストが改善し設備投資需要が増加したことなどから、受注は前年同期を上回りましたが、売上は前年同期並みとなりました。
防災機器事業は、立体駐車場の需要が順調に推移したことに加え、危険物施設向け案件及び大型改修工事の注文があったことから、受注は前年同期を上回りましたが、「ガス系消火設備の容器弁の安全性に係る点検」が消防庁告示で期限が延びたため対象物件の点検は停滞したことから、売上は前年同期を下回りました。
鉄道機器事業は、除雪用データ・デポシステムなどの機器販売が好調であったことに加え、海外市場向けレール探傷車を初めて受注したことから、受注は前年同期を上回りましたが、前年同期にあったレール探傷車等の大型物件の納入がなかったことから、売上は前年同期を大きく下回りました。
この結果、当事業全体として売上高は1,286百万円と前年同期比549百万円(29.9%)の減少、営業損失は80百万円(前年同期240百万円の営業利益)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は8,630百万円と前期比1,495百万円(14.8%)減少しました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は1,788百万円(前期は1,466百万円の獲得)となりました。その主な収入要因は、売上債権の減少1,790百万円及び減価償却費435百万円、支出要因は、税金等調整前四半期純損失942百万円及びたな卸資産の増加2,348百万円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は622百万円(前期は1,002百万円の使用)となりました。その主な要因は、固定資産の取得による支出626百万円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は846百万円(前期は925百万円の使用)となりました。その主な要因は、配当金の支払415百万円及び長期借入金の返済による支出413百万円によるものです。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。
株式会社の支配に関する基本方針については、次のとおりであります。
当社グループは、計測・認識・制御という働きを最先端技術で商品化し、これをお客様に提供することを通じて社会に貢献していくことを経営理念として掲げ、顧客満足のための指針はもとより環境保護や法令遵守といった7つの行動指針 ― ①創意工夫と弛まぬ努力で最高の技術と商品の開発を目指します。②市場のニーズを先取りした新商品・新事業の創出に努めます。③安全で安心できる商品・サービスを提供し、お客様の信頼に応えます。④自己を研鑚し、それぞれの分野での第一人者を目指します。⑤法令等を遵守し、社会人として誠実で良識ある行動に努めます。⑥美しい自然を守り、貴重な資源を大切にします。⑦会社の方針を共有し、情熱と使命感を持って目標達成に注力します。― のもと従業員が日々研鑚しています。当社グループは、企業価値向上のための諸施策の実施及び企業価値向上の実現は、これらを実践する従業員の高いモラルと実行力が最も重要な要因と認識しています。すなわち、経営者と従業員が目標を共有化し、ともに経営理念や行動指針を具体的な形として事業に反映させていくことが当社グループの企業価値を向上させ、ひいては株主共同の利益の維持・向上に繋がるものと認識しています。
しかしながら、当社に対してこのような認識とは異なる者から買収提案が行われた場合には、これを受け入れるか否かは株主の皆様が判断すべきですから、このような判断の機会を確保し、更には当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案するために必要な情報と相当な検討期間を確保し、買収提案者との交渉を可能とすることにより、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を低下させる買収を抑止することを目的として、当社は平成19年5月10日に開催された取締役会において、買収提案者が具体的買付行為を行う前に取るべき手続を明確かつ具体的に示した「大規模買付ルール」(買収防衛策)(以下、「本ルール」といいます。)を決議し、平成19年6月28日に開催の第76回定時株主総会に提出、承認されました。また、その後の買収防衛策を巡る種々の動向や企業買収に係る裁判例及び法令改正を踏まえ、平成28年4月28日の当社取締役会において、本ルールの継続を決議し、平成28年6月29日に開催の第85回定時株主総会に本ルールの継続を提案し、承認されました。
① 本ルールの概要
ア.本ルールの発動にかかる手続の設定
本ルールは、当社の発行する株券等に対する20%以上の買付けもしくは20%以上となる買付けを行おうとする行為又はその提案(以下、「大規模買付行為」といいます。)に対し、事前に当該大規模買付行為等に関する情報の提供を求め、当該大規模買付行為等についての分析・検討を行う時間を確保したうえで、株主の皆様に当社グループの中期経営計画や代替案等を提示したり、大規模買付者等との交渉等を行っていくための手続、更には大規模買付者に対する対抗措置発動の可否を株主総会に諮る、あるいは取締役会が対抗措置の発動を決議するなどにいたる手続を定めています。
イ.取締役会の恣意的判断を排除するための特別委員会の利用
本ルールにおいては、原則として具体的な対抗措置の実施、不実施の判断について当社取締役会の恣意的判断を排除するため、特別委員会規程に従い、当社と全く関係のない大学教授、弁護士、公認会計士等の有識者から構成される特別委員会の判断を経るとともに、株主の皆様に適時に情報開示を行うことにより透明性・公正性を確保することとしています。なお、特別委員会は以下の委員により構成されています。
<特別委員会委員>中東 正文(名古屋大学大学院法学研究科教授)
髙山 崇彦(TMI総合法律事務所パートナー弁護士)
松﨑 信 (公認会計士、荏原実業株式会社監査等委員である取締役)
② 本ルールの合理性
ア.買収防衛策に関する指針及び東京証券取引所の規則の要件を充足していること
本ルールは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則、経済産業省に設置された企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」並びに株式会社東京証券取引所の「有価証券上場規程」における買収防衛策の導入に係る遵守事項を完全に充足しています。なお、「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえて本ルールに基づく対応措置の内容として当社が大規模買付者が保有する新株予約権等を取得する場合でも、その対価として金員等の交付を行わない旨を明記いたしました。
イ.株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること
本ルールは、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かについて、当社取締役会の代替案を含め買収提案者の提案を十分に検討するために必要な情報と相当の期間を確保することによって株主の皆様が適切なご判断を行うことができるようにすること及び株主の皆様のために買収提案者と交渉を行うこと等を可能とし、もって当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的として導入したものです。
ウ.株主意思を重視するものであること
本ルールは、第76回定時株主総会(平成19年6月28日)において、その導入のご承認をいただいた後、第85回定時株主総会(平成28年6月29日)において、その継続のご承認をいただいております。
そして、本ルールの有効期限の満了に伴い、本定時株主総会における株主の皆様のご承認をもってその継続の可否が決定することから、株主の皆様のご意向が反映されることとなっております。また、本ルールの継続の決定後、本ルールの有効期間中であっても、当社株主総会において本ルールを廃止する旨の決議が行われた場合には、本ルールはその時点で廃止されますので、いつでも株主総会にご提案いただいて本ルールを廃止することができます。
エ.独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示
本ルールにおける対抗措置の発動等に際しては、当社から独立した社外者のみで構成される特別委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされています。また、特別委員会によって、当社取締役会の恣意的行動を厳しく監視するとともに、特別委員会の判断(勧告)の概要については、株主の皆様へ情報開示されることとされており、本ルールの透明な運用を担保するための手続きも確保されております。
オ.合理的な客観的発動要件の設定
本ルールは、あらかじめ定められた合理的な客観的要件、すなわち、当該大規模買付行為が当社の企業価値又は株主共同の利益を著しく低下させると合理的に判断される場合に該当しなければ対抗措置が発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みが確保されています。
カ.デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと
本ルールは、上記(ウ)のとおり、株主総会決議によりいつでも廃止することができ、また、取締役会が大規模買付者による大規模買付行為が当社の企業価値又は株主共同の利益を低下させる買収には該当しないと判断した場合には本ルールを適用しないこととできるため、当社の株式を大量に買い付けた者が、当社株主総会で、本ルールを廃止したり、取締役を指名し、かかる取締役で構成される当社取締役会の決議をすること等により、本ルールの発動を阻止することが可能です。従って、本ルールは、デッドハンド型買収防衛策ではありません。また、当社の監査等委員でない取締役任期は1年、監査等委員である取締役任期は2年としており、期差任期制度を採用していないため、本ルールは、スローハンド型買収防衛策でもありません。
<大規模買付ルールについてのフローチャート>本チャートは、あくまで大規模買付ルールに対する理解に資することのみを目的として参考として作成されています。
0102010_001.png
※1 分析検討期間は原則として、60営業日以内としますが、当社取締役会は必要がある場合には、30営業日を上限として延長します。
※2 特別委員会は、当社取締役会に対して対抗措置の発動が適当か否か、あるいは発動の適否の判断が困難なので最終的に株主意思を確認するのが適当である旨を勧告し、当社取締役会は、この勧告を最大限尊重して、対抗措置の発動に関して決議を行います。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、1,362百万円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。