有価証券報告書-第125期(2025/01/01-2025/12/31)

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2026/03/25 15:30
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139項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営理念
当社グループは、企業理念として、世界中のステークホルダーの皆さまとともに歩む「共生」を掲げています。「共生」とは、文化、習慣、言語、民族などの違いを問わず、すべての人類が末永く共に生き、共に働き、幸せに暮らしていける社会をめざすものです。この「共生」の理念のもと、当社グループは、世界の繁栄と人類の幸福のため、企業の成長と発展を目指し企業活動を進めています。
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(2)中長期経営計画:グローバル優良企業グループ構想フェーズⅦ
当社グループでは、「共生」の理念のもと、永遠に技術で貢献し続け、世界各地で親しまれ、尊敬される企業を目指し、1996年に5か年計画『グローバル優良企業グループ構想』をスタートしました。
2025年を最終年度とする5か年計画「グローバル優良企業グループ構想フェーズⅥ」(以下、フェーズⅥ)においては、「生産性向上と新事業創出によるポートフォリオの転換を促進する」を基本方針に、プリンティング、メディカル、イメージング、インダストリアルの4つの産業別グループの強化を進めてきました。各事業領域における着実なマーケットシェア拡大も奏功し、売上高は2025年の目標であった4兆5,000億円を1年前倒しで達成することができました。ただし、当社グループの収益基盤は引き続きプリンティングおよびカメラを主とするイメージングが大きな比重を占めており、これらは概ね成熟した市場環境にあるため、事業ポートフォリオ転換のさらなる促進が必要だと認識しています。また、人件費の上昇、物価高、関税等の外部環境の影響もあり、フェーズⅥで掲げた営業利益率12%の目標は未達となりました。このため、成長領域における事業拡大を通じたさらなるポートフォリオの転換と、構造改革による収益性の改善は、当社グループにとって重要な経営課題となっています。
こうした課題認識のもと、2026年を初年度とする新5か年計画「グローバル優良企業グループ構想フェーズⅦ」(以下、フェーズⅦ)では、「生産性革新を断行し、新たなる成長を実現する」を基本方針として掲げ、2024年から開始した販売改革・生産改革・メディカル事業革新の3つの構造改革を着実に推進します。そのうえで、市場成長性の高いメディカルとインダストリアルの強化を進めるとともに、それぞれの産業別グループにおいても成長領域への軸足のシフトを図ります。さらには、宇宙関連ビジネスへの本格参入やAIプラットフォームを活用した新たなビジネスソリューションの創出を進めていきます。これらの取り組みにより、新たなる成長の実現と企業価値のさらなる向上を目指します。
3つの構造改革(販売、生産、メディカル事業)
販売の構造改革は、2024年から米国でスタートし、組織構造の最適化により既に一定の成果が出ております。フェーズⅦでは、2025年から取り組んでいる欧州での組織および直販と間販両方の販売体制の見直しを進め、2028年までの完了を目指します。一方で、経済成長が見込まれる地域におけるビジネスを拡大すべく、アフリカ、中東、インド、インドネシア、中南米などの新興国市場でのシェア拡大にも取り組みます。
生産の構造改革においては、自社生産を付加価値の高い製品に絞り、稼働率の低い海外拠点の集約や外部生産委託の活用を進め、資産の圧縮とコストの低減を目指します。ロボットを活用した生産や工場内物流の自動化も進め、競争力のある強靭な生産体制の構築を目指します。
メディカル事業の構造改革では、2024年に立ち上げたメディカル事業革新委員会主導のもと、当社が持つノウハウを投入しながら開発、生産、調達、物流などをはじめとしたあらゆるプロセスで改革を進めてきました。その結果、2025年にはその成果もあり、収益性の改善に大きく寄与しています。2026年には関係会社のキヤノンメディカルシステムズを当社に統合し、外部支出費用の削減や赤字事業・子会社の整理、オペレーションの見直しを加速させることで、更なるコスト削減を目指します。
各グループにおける、フェーズⅦの主な戦略は以下の通りです。
プリンティンググループ
プリンティング市場を概観すると、近年の社会情勢の変化によりペーパーレス化は今後も進行すると考えられる一方で、特定のバーティカル市場や商業・産業印刷市場においては、今後も堅調なプリント需要が見込まれるなど、有望な市場も存在します。
プリンティンググループでは、電子写真技術とインクジェット技術の両方を有するメリットを生かして製品プラットフォームを強化することで市場シェアを向上させ、収益基盤の拡大を図ります。また、機器稼働データや自社に蓄積したナレッジをベースとしたスマートサービスシステムを、AIを活用して強化することで、安全・安心・簡単・快適なプリント環境の構築、さらには新たなサービスの創出に取り組みます。
アナログからデジタルへのシフトにより今後も成長が見込まれるカタログ印刷等の商業印刷分野と、ラベル印刷やパッケージ印刷等の産業印刷分野では、商品ラインアップの拡充にグループを挙げて取り組み、新たな収益源となる市場の開拓を進めます。また、グループ会社のキヤノンプロダクションプリンティングでは、2024年からオフセット印刷機のリーディングカンパニーであるハイデルベルグ社と業務提携を開始しております。アナログ印刷分野で強固な顧客基盤をもつ同社へのOEM供給を通じて、大きな印刷需要が見込まれる市場での販路拡大を図ります。
メディカルグループ
高齢化の進展に伴い医療ニーズの一層の拡大が見込まれる一方で、医療費抑制の必要性も高まっており、医療機関にはコスト削減や経営効率化が求められています。
メディカルグループでは、こうした社会変化に対応し、臨床価値および経済的価値の高い機器・サービスの提供を目指しています。今後は画像診断機器を中心に、マルチポジションCTやフォトンカウンティングCT等の投入により、製品性能の飛躍的な向上や新たな臨床価値の創出を通じて、事業競争力を高めていきます。加えて、AI技術を活用した画像診断支援やワークフロー効率化などに繋がるソリューションの拡充を図ります。体外診断事業の領域では、自動分析装置と体外診断薬の一体化開発によるシナジーを活かし事業強化を進めます。さらには将来の事業機会を見据え、iPS細胞の製造装置など再生医療に関する技術の研究開発に取り組みます。これらを通じて、医療の高度化や効率化を支える技術基盤を強化し、新たな臨床価値の創出を図るとともに、さまざまな治療・診断情報を融合して患者個々人に最適な医療ソリューションを提供するプレシジョン・メディシンの実現に貢献していきます。
また、米国でのアップストリームマーケティングの強化を担うCanon Healthcare USAの設立、および日米欧におけるトレーニングセンターCanon Medical Academyの開設を通じて、海外を含む販売力を強化していきます。
イメージンググループ
近年、カメラ・レンズ市場においては、静止画だけでなく動画も一台の機器で撮影するスタイルが普及しています。また、プロフェッショナル市場では撮影効率向上や機材のダウンサイジングが加速する一方、アマチュア市場ではスマートフォンからカメラへの移行やエントリー機からハイエンド機へのステップアップが進行しています。こうした動きにより広がる多様な撮影ニーズに応えるため、イメージンググループでは、これまで築いてきたカメラと交換レンズの豊富な商品ラインアップをさらに強化していきます。ラインアップ強化と同時に、当社グループがもつ最新の光学技術や画像処理技術に加え、AI技術も積極的に活用して製品性能の向上を進め、提供価値の最大化を図ります。
ネットワークカメラ市場は、セキュリティに対する需要の増加を背景に拡大を続けています。当社グループのネットワークカメラ事業では、世界有数のメーカーであるアクシス社や映像管理ソフトウェアを手掛けるマイルストーンシステムズ社といった優れた技術を持つグループ会社を擁しており、今後も両社がもつ多様な製品とソリューションのポートフォリオを充実させることで、高度化が進む安心・安全へのニーズに応えます。さらに、映像DXや業務効率化といったセキュリティの枠を超えたニーズにも対応し、事業領域の拡大を図ります。
インダストリアルグループ
地政学リスクの増大による交易環境の悪化やインフレが継続していますが、半導体市場は浮き沈みを繰り返しつつもAI需要が成長を牽引し、各国で大規模投資計画が進行しています。また、ディスプレイ市場は需給バランスの調整局面から回復に向かっており、今後は車載、IT、大型TVを中心とした有機ELディスプレイへの投資が見込まれています。
半導体製造装置においては、i線、KrF露光装置の精度と生産性を高めてシェアを高めるとともにArF露光装置への参入で事業を拡大します。ナノインプリントリソグラフィは、戦略顧客やパートナーとの協業を通じてエコシステムを構築し、パターニング装置および同技術の応用で実用化したウェーハー平坦化装置の両輪で主力事業に育成します。成膜装置は、新プラットフォームAdastraの製品展開を軌道に乗せ、市場競争力と経営効率を高めつつ拡大する需要に応えていきます。
急拡大するパッケージ基板市場に対しては、i線露光装置の圧倒的な市場シェアを盤石にするとともに、基板加工装置の新製品投入によりニーズを着実に捉えていきます。
ディスプレイ製造装置においては、高機能化、高品位化、大画面化の顧客ニーズを捉えた新製品を提供するとともに、アップグレードビジネスにより収益力を高めていきます。
また、オーガニックな成長投資に加え、市場成長と新しいプロセス技術の進展を見据えて、M&Aも活用しながら現行の製造装置以外へ事業領域拡大を目指します。
今後注力していく取組み
当社グループでは、各事業領域において製品設計にAIを活用するとともに、AIにより機能や性能を高めた製品を多数発売しています。今後はAIにより価値創出を加速するプラットフォームを構築し、散在するデータや現場のノウハウを知的資産としてデジタル化して一元管理し、新たなソリューションの提供を目指します。当社グループの製品であるプリンティング機器や医療機器、ネットワークカメラ、産業機器などは、顧客の“現場”において相当数稼働しており、それぞれの領域から得られるデータは膨大なものになります。このデータをAIを使って分析し、顧客の課題解決につながるソリューションを提供します。ハードウェアに強みを持つ当社グループの特長を生かしつつ、ソフトウェア、サービスの売上を拡大することで収益性を高めていきます。
加えて、当社グループでは、中長期の新たな成長領域として宇宙ビジネスに注力します。宇宙ビジネス市場はワールドワイドで高い成長が見込まれ、日本においても国を挙げた産業振興が進められている分野です。当社グループにおいては、関係会社であるキヤノン電子が既に参入していますが、今後はグループを挙げて宇宙ビジネスの強化に取り組みます。具体的には、これまでキヤノン電子が積み上げてきた人工衛星の知見に加えて、当社グループが持つ光学、センシング、機器制御、画像処理等の技術と精密加工におけるものづくりのノウハウを統合することにより、高い品質とコスト競争力を両立したビジネスとして成長を加速させます。人工衛星やそのコンポーネント、さらには撮影データを活用したソリューションビジネスまで視野を広げることで、事業規模の拡大を図ります。
(3)中期経営計画連結業績目標
フェーズⅦにおいては、市場シェア拡大と新領域のビジネス拡大による売上高の成長と生産性の徹底的な改善による収益性の向上を効率的な資本配分により実現することを目指し、売上高、営業利益率、株主資本利益率(ROE)の3つの指標を業績目標としております。
2025年
実績
2028年
目標
2030年
目標
選定理由
売上高4兆6,247億円5兆円5兆6,000億円成長性を測る指標として選定
営業利益率9.8%12.0%15.0%収益性を測る指標として選定
株主資本利益率(ROE)9.7%12.0%15.0%資本効率性を測る指標として選定

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