有価証券報告書-第88期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/28 10:46
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の経済環境は、新型コロナウイルス感染症が5類に移行したことで社会・経済活動の正常化が進んだものの、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化など地政学的リスクが継続し、エネルギー価格高騰、中国経済の減速懸念、各国の金融引き締めに伴う景気の減速懸念など、不透明な状況が続きました。
当社グループ事業全般に関係する製造業の設備投資につきましては、経済活動の正常化に伴い総じて堅調に推移しております。加えて脱炭素化に向けた世界的な流れは継続しており、各国政府の後押しも受けて企業の研究開発や設備投資に拡大の動きが続いております。
このような状況のなか、当社グループは、生産・開発の現場で不可欠な高精度温度計測・制御・監視用の製品、システムはもとより、電子部品や新素材等の成長分野における課題を解決する「ループソリューション」の提供に注力しました。
また、日本政府は2023年6月6日に改訂された「水素基本戦略」において、水素供給量を2040年に年間約1,200万トンに拡大する数値目標を新たに設定し今後15年間で官民合わせて15兆円の投資を行うとする政策を公表しましたが、当社グループにおいても、需要が急拡大している水素サプライチェーン構築関連分野における温度管理等に関係する受注活動を積極的に展開いたしました。
売上高については、半導体をはじめとする部材の供給不足が一部を除いて解消され、国内及びアジア地域を中心に増加しました。一方、受注高は第3四半期以降、前年同期比で増加いたしましたが、第1四半期の減少の影響を受け年間では前期比で減少となりました。減少の主な要因については、前期は計装システムセグメントにおいて大型の受注があったこと、及び計測制御機器セグメントを中心に前期はお客様から部材の供給不足に対応した前倒し発注があったことが影響したと判断しております。
この結果、当連結会計年度の受注高は27,458百万円(前期比1.3%減)、売上高は27,425百万円(前期比15.3%増)となりました。
利益面では、原価低減の取組みを継続的に推進するとともに、前年度に取り組んだ販売価格の見直しが期初から寄与しましたが、部材価格の高騰やエネルギー価格の上昇に加え、年度後半に売上計上した新規開発案件の利益率が当初想定と比べ下振れしたことが全体の利益率に影響しました。
この結果、営業利益は2,173百万円(前期比7.7%増)、経常利益は2,413百万円(前期比5.2%増)、政策保有株式の一部を売却したことに伴い特別利益として投資有価証券売却益323百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は1,756百万円(前期比14.3%増)となりました。2023年11月10日に上方修正した業績予想に対して、売上高及び親会社株主に帰属する当期純利益は過達となった一方、上述の要因により営業利益及び経常利益が未達となりましたが、売上高、各利益ともそれぞれ過去最高となりました。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税金等調整前当期純利益2,733百万円、減価償却費828百万円等の資金増加が、棚卸資産の増加1,059百万円、法人税等の支払額775百万円、仕入債務の減少745百万円、前受金の減少547百万円、売上債権の増加401百万円等の資金減少を上回ったことにより、当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、101百万円の資金増加(前期は1,619百万円の資金増加)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
定期預金の払戻による収入1,532百万円、投資有価証券の売却による収入635百万円等の資金増加が、有形・無形固定資産の取得による支出1,447百万円、定期預金の預入による支出502百万円等の資金減少を上回ったことにより、当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、81百万円の資金増加(前期は564百万円の資金減少)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
配当金の支払609百万円、長期借入金の返済による支出459百万円等の資金減少が、長期借入れによる収入200百万円の資金増加を上回ったことにより、当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,104百万円の資金減少(前期は655百万円の資金増加)となりました。
これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は前連結会計年度末に比べ860百万円減少し、6,742百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
計測制御機器6,7596.6
計装システム9,34537.4
センサ6,9706.2
その他1,00797.4
合計24,08119.1

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 金額は、見込販売価額で示してあります。
b.受注状況
当連結会計年度における受注状況は、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(百万円)前期比(%)
計測制御機器8,307△2.2
計装システム10,656△4.2
センサ7,6722.6
その他82113.4
合計27,458△1.3

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
計測制御機器9,1696.4
計装システム9,69936.0
センサ7,5496.0
その他1,0069.4
合計27,42515.3

(注) セグメント間取引については、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
尚、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。
<セグメント別の業績>① 計測制御機器
売上高は9,169百万円(前期比6.4%増)、セグメント利益は1,173百万円(前期比4.3%減)となりました。半導体・電子部品の製造設備や熱処理装置向けを中心に、グラフィックレコーダ、サイリスタレギュレータ等の需要は継続しましたが、年度後半にかけて海外市場向けを中心に新規受注の停滞がみられました。
利益については、原価低減の取組みや前年度に取り組んだ販売価格の見直しの効果はあったものの、部材価格の高騰等により前期比で減益となりました。
② 計装システム
売上高は9,699百万円(前期比36.0%増)、セグメント利益は1,268百万円(前期比24.9%増)となりました。脱炭素化関連分野として、自動車向けなどの燃料電池評価試験装置や、水素のエネルギー利用の研究・開発用途の水電解評価装置の受注が拡大しております。
空調用コンプレッサ評価試験装置についても、温室効果の低い自然冷媒対応の需要が活性化しており、受注が増加しております。
利益については、新規開発案件の原価率下振れの影響はあったものの、主に増収効果により前期比で増益となりました。
③ センサ
売上高は7,549百万円(前期比6.0%増)、セグメント利益は1,398百万円(前期比7.2%増)となりました。半導体関連の製造装置向けを中心に放射温度計の需要が好調です。また、AMS規格(航空宇宙産業における特殊工程の規格)対応等の温度センサの需要も堅調に推移しました。
利益については、増収効果等により前期比で増益となりました。
④ その他
売上高は1,006百万円(前期比9.4%増)で、セグメント利益は302百万円(前期比30.0%増)となりました。
利益については、増収効果等により前期比で増益となりました。
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1)経営方針」に記載しました(創立90周年=2026年に向けた経営ビジョン)の実現を目指し、中期経営計画の3年目となる当連結会計年度をグループ一丸となって持続的成長軌道の構築と中長期的な企業価値の向上に取り組んでまいりました。
<経営成績の分析>(売上高)
当連結会計年度における売上高につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(営業利益)
部材価格高騰・新規開発案件の原価率への影響はあったものの、増収効果に加え、販売価格の見直し等により、営業利益は2,173百万円(前連結会計年度に比べ155百万円の増益)となりました。
セグメント別の営業利益実績は、以下のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
計測制御機器1,173△4.3
計装システム1,26824.9
センサ1,3987.2
その他30230.0
全社費用(注)△1,968-
合計2,1737.7

(注) 全社費用は、主に報告セグメントに帰属しない一般管理費であります。
(経常利益)
営業外収益につきましては、287百万円と前連結会計年度に比べ35百万円減少しました。
営業外費用につきましては、48百万円と前連結会計年度に比べ1百万円増加しました。
これらの結果、経常利益は2,413百万円(前連結会計年度に比べ118百万円の増益)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、政策保有株式の一部を売却したことに伴い特別利益として投資有価証券売却益323百万円を計上した結果、1,756百万円(前連結会計年度に比べ219百万円の増益)となりました。
<経営戦略の現状と見通し>中期経営計画3年目(2023年度)における、4つの基本戦略に基づく活動の概要は下記のとおりであります。
1.成長分野の更なる開拓・拡大
・成長分野に向けて、半導体・電子部品の製造設備向けは温度センサや放射温度計、自動車・航空機部品の熱処理装置向けはグラフィックレコーダやサイリスタレギュレータの需要が好調に推移しました。
・医薬品向け配送温度管理システムを市場投入し早々に採用をいただき、更なる需要拡大を目指して展開を進めております。
・脱炭素化関連では、燃料電池・水電解・空調用コンプレッサ評価試験装置の受注が増加しており、継続的に設計・生産性改革に取り組んでおります。
2.コア事業の高度化と価値創造
・校正事業の高度化と適用範囲の拡大を目的に「標準技術委員会」を設置し、藤岡事業所のJCSS校正認定取得、各種規制強化に伴う校正需要の増加、要求仕様の多様化への対応に取組みました。
・出張校正サービスについては、人財育成及び組織増強、DXによる顧客情報の共有化を推進してサービスの向上を図りました。
・「当社専用クラウド(チノークラウド)」を市場投入し、計測データの遠隔監視及びデータ管理を提供し新たなデータ利活用に挑戦しております。
3.海外事業の基盤強化と拡大
・国内外の営業とサービスエンジが一体となったグローバルサービスを提供する体制づくりを進め、国内数社の現地法人向け案件の成約に至りました。
・海外マーケティング戦略室を再編成し、国内外の営業情報を一元化して取り込みグローバルニッチ製品企画を進める体制に改め、数か国の同一市場で現場要求に資する製品開発にも着手しました。
・グループ収益拡大を図るため、海外グループ会社間の取引による「地産地消拡大」の体制整備を行いました。
4.経営基盤の強靭化
・人的資本の強化に向け、教育/学習プログラムの拡充や組織改善サーベイに基づく課題解決活動の全社展開に加えて、人事関連諸制度の見直しやタレントマネジメント・システムの検討・準備を本格的に進めました。
・ICTへの積極的な資源投下を通じたデータ駆動・情報共有基盤の整備や企業価値向上を目指す資本政策の推進、政策保有株式の売却、TCFDシナリオ分析など、中計後半戦の「成長の加速」に向けて土台づくりの対応を図りました。
当社グループを取り巻く経済環境については、半導体をはじめとする部材供給不足が一部を除いて解消されたものの、地政学的リスクの高まり、中国経済の減速懸念、不安定な為替相場等、先行きの不透明感は増しておりますが、2024年度は、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載しました(2024年度重点施策)を推進し、「成長の加速」を着実に推進いたします。
<財政状態の分析>(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ240百万円増加し、36,530百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ272百万円減少し、26,050百万円となりました。主な増減要因は、現金及び預金の減少1,871百万円、棚卸資産の増加1,130百万円、売上債権の増加457百万円であります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ513百万円増加し、10,480百万円となりました。主な増減要因は、有形固定資産の増加580百万円、退職給付に係る資産の増加181百万円、無形固定資産の減少139百万円、投資有価証券の減少100百万円であります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,376百万円減少し、13,338百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べ1,172百万円減少し、9,317百万円となりました。主な減少要因は、仕入債務の減少699百万円、前受金の減少542百万円であります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べ204百万円減少し、4,021百万円となりました。主な減少要因は、長期借入金の減少216百万円であります。
(非支配株主持分)
連結子会社のアーズ㈱、明陽電機㈱、上海大華-千野儀表有限公司、千野測控設備(昆山)有限公司、韓国チノー株式会社及びCHINO Coporation (Thailand)Limitedの非支配株主持分であります。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,617百万円増加し、23,191百万円となりました。
<キャッシュ・フローの分析>当連結会計年度のキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローは101百万円の資金増加、投資活動によるキャッシュ・フローは81百万円の資金増加となり、フリー・キャッシュ・フロー(営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計額)は、183百万円となりました。
(フリー・キャッシュ・フロー)
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当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資等によるものであります。
当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
運転資金は自己資金を基本としつつ、必要に応じて短期資金は、金融機関からの短期借入により調達し、設備投資や長期運転資金につきましては、金融機関からの長期借入により調達することとしております。
尚、当連結会計年度末における有利子負債の残高は3,048百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は6,742百万円となっております。

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