有価証券報告書-第74期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/29 13:13
【資料】
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【項目】
145項目

研究開発活動

当社グループの主力製品は、心臓や血管、肺などの呼吸・循環器系疾患の検査・診断及び治療等に使用される機器であります。
その中で研究開発活動の中心は、創業以来、研究開発を積み重ねてきた心電計を中核とする心電図関連機器をはじめ、各種生体情報モニタ、超音波診断装置、除細動器、さらに酸素濃縮装置などがあります。また、これらの機器とともに使用される生体電極、センサ類も重要な製品であります。
当社グループの研究開発活動は、従来より「社会的使命に徹し、ME機器の開発を通じて、医学の進歩に寄与する」との経営理念に沿って、また、「ユーザーニーズへの適合」を常に念頭において取り組んでまいりました。今後も一層その理念の追求に努めます。さらに、顧客満足度の限りない向上と“医療と健康をつなぐテクノロジー”を旗印に掲げ、研究開発体制の体質改善を図り、新技術の確立とタイムリーな新製品の市場投入に努め、経営基盤のさらなる強化につなげていく所存です。
なお、当連結会計年度の研究開発費は3,296百万円(売上高の2.2%)で、内訳は次のとおりです。
生体検査装置部門 1,441百万円
生体情報モニター部門 1,360百万円
治療装置部門 493百万円
消耗品等部門 1百万円
開発成果として、生体検査装置部門では、より高精度な不整脈診断をサポートするホルター記録器を発売しました。高サンプリング(1,000Hz)記録モードを搭載し、マイクロボルトレベルの心電図変化を逃さず記録することができます。より精度の高い診断に有用な12誘導心電図の24時間以上連続記録や、従来の24時間記録ではとらえにくい発作性心房細動などの不整脈検出を見込める最大7日間の心電図記録が可能で、検査の手間や装着負担を軽減するリード線一体型ディスポ電極により、きれいな心電図波形の記録をサポートします。リード線までディスポーザブルのため、感染症対策にも有用です。また、現場のニーズに合わせて検査をカスタマイズ可能な血圧脈波検査装置を発売しました。CAVI/ABIの標準検査に加えて、TBI検査や最新の解析機能を搭載した12誘導心電図検査などの検査項目が後からでも追加可能で、シーンに合わせてフレキシブルに対応でき、血管と心臓に関連する様々な検査が1台で完結します。安静時計測機能や加圧値最適化機能、CAVI上腕自動選択機能など、検査結果がばらつく原因を取り除き、より安定した結果に近づけるための様々な検査最適化機能を搭載し、検査をサポートします。
研究分野においては、生体検査装置部門、生体情報モニター部門、治療装置部門、消耗品等部門のいずれにおいても、担当分野の基礎研究、要素技術開発に取り組んでおり、今後のさらなる新製品開発の基盤作りに努めております。