有価証券報告書-第73期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 13:27
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178項目

有報資料

当社グループ(当社及び連結子会社)の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
当社は、企業理念「THE ESPEC MIND」の実践と長期ビジョンの実現に向けた事業活動により「経済的価値」「社会的価値」の創出と向上を図り、持続的成長を目指すサステナビリティ経営を推進しております。2021年度には、サステナビリティ方針を策定し、ステークホルダーのみなさまとのより良い価値交換を実現していくためのマテリアリティ(重要課題)を特定しております。2025年度の重要課題は、グローバルな事業を通じた社会課題解決、責任ある製品サービスの提供、環境への配慮、多様な人材の確保・育成、人権の尊重、デジタル技術の活用、グループガバナンスの強化の7つです。これらの課題を中期経営計画の各戦略に反映し、取り組んでまいります。なお、重要課題は、社会の変化に合わせて柔軟に見直しを行ってまいります。
(1)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、営業利益率、当期純利益、ROEです。
当社は中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」を推進してまいりましたが、初年度である2025年度は、受注高・売上高はターゲット市場を中心に堅調に推移したものの、装置事業における中国市場の競争激化や、EV減速に伴う受託試験事業の収益悪化等により、利益面につきましては期初計画を下回る結果となりました。このような事業環境の変化をふまえ、誠に遺憾ながら2027年度の目標を見直しました。ROE目標につきましては、財務資本戦略をさらに強化することとし、当初目標を据え置いております。なお、基本方針及び成長戦略の基本的な方向性に変更はございません。
中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」の基本方針、2027年度目標、中期経営戦略につきましては、(2)②に記載しております。収益改善策を強化するとともに成長戦略を着実に実行し、「筋肉質で持続可能な高利益体質の確立」を目指してまいります。
(2)長期ビジョン及び中期経営計画
①長期ビジョン「ESPEC Vision 2035」
当社は、長期ビジョン「ESPEC Vision 2035」として、10年後も環境試験業界において世界的トップランナーであり、当社の創業の精神であるプログレッシブを継承するとともにイノベーティブな発想・活動ができるエスペックグループを目指してまいります。
<エスペックの姿>グローバルに最も頼られる存在へ
・環境試験の世界的トップランナー
・プログレッシブでイノベーティブなグループ
②中期経営計画「PROGRESSIVE PLUS 2027」(2025~2027年度)
<基本方針>『筋肉質で持続可能な高利益体質の確立』
質の向上と利益成長により「筋肉質な企業」となることで持続的な企業価値向上を目指す
<ターゲット市場>AI半導体、自動運転、衛星通信
<2027年度目標>修正前 売上高700億円、営業利益105億円、営業利益率15.0%、当期純利益76億円、ROE12.0%以上
修正後 売上高760億円、営業利益91億円、営業利益率12.0%、当期純利益67億円、ROE12.0%以上
※想定為替レート(米ドル)は145円としておりましたが、155円に変更しております。
<中期経営戦略>a.事業戦略(装置事業戦略、グローバル戦略、モノづくり戦略、サービス事業戦略、新規事業戦略)
装置事業ではターゲット市場であるAI半導体、自動運転、衛星通信分野の試験ニーズに、多彩な製品群やカスタム対応力、新製品開発によりお応えしてまいります。また、日本、米国、中国を重視するエリアとし、グループの総合力を活かしてグローバル市場での競争優位性を確立してまいります。さらに、京都府の福知山工場のリノベーションにより、省力化・自動化を推進し、モノづくりの高効率化に取り組んでまいります。サービス事業では、受託試験事業において「あいち次世代モビリティ・テストラボ」を中心に収益改善を図ってまいります。アフターサービス事業では、IT・デジタル技術の活用により、装置の遠隔監視等、顧客の課題を解決するサービスを提供してまいります。あわせて、将来の収益の柱となる新たな事業創出を目指し、CAE(Computer Aided Engineering)に関連したサーマルソリューションサービスや食品機械事業の拡大に取り組んでまいります。
b.財務資本戦略(財務資本戦略、IR戦略)
財務資本戦略では、総資産の効率化に取り組むとともに、資本効率を意識したバランスシート・マネジメントとして、事業リスクや成長投資に必要な自己資本水準を見極めたうえで自己資本比率が70%以内になるようコントロールしてまいります。また、成長投資や企業価値向上に向けて、必要に応じて負債を活用する等、財務の健全性と資本効率の両立を図ってまいります。あわせて、中期経営計画3年間のキャッシュアロケーション方針に基づき、株主還元を積極的に行ってまいります。IR戦略では、株式市場での評価向上及び経営強化に向けて、株主・投資家との対話の充実に取り組んでまいります。
c.ESG(非財務戦略)
人的資本の最大化の取り組みとして、経営の基盤となる人・組織の力を高めてまいります。人材の獲得と育成の両面での取り組みを強化するとともに、オープンなコミュニケーションを促進し、従業員の働きがいの創出とエンゲージメントの向上を図ってまいります。環境への取り組みとしては、第8次環境中期計画PlusⅡ(2026~2027年度)のもと、地球温暖化対策と生物多様性保全活動を引き続き推進してまいります。また、グループガバナンスやリスクマネジメントの強化に取り組んでまいります。
③2025年度の主な取り組み
a.事業戦略(装置事業戦略、グローバル戦略、モノづくり戦略、サービス事業戦略、新規事業戦略)
装置事業では、日本や東南アジア、台湾ではAI半導体分野、北米では衛星通信分野の開拓が進むとともに、ターゲット市場向け新製品としてAIサーバー向け恒温恒湿室や、大型基板の試験に対応した高度加速寿命試験装置等を発売いたしました。また、経営課題であったカスタム製品の収益性は改善したものの、競争激化により中国市場の収益が悪化いたしました。サービス事業では、EV減速に伴う顧客の開発計画中止・遅れにより受託試験事業の収益が悪化いたしました。アフターサービス事業につきましては、技術料の見直しを行い、収益性の改善に努めました。新規事業では、サーマルソリューション事業として新製品・サービスを拡充いたしました。
b.財務資本戦略(財務資本戦略、IR戦略)
原材料在庫の圧縮や生産リードタイムの改善による仕掛品の圧縮により総資産の効率化を進めるとともに、成長投資と株主還元の両立を図ってまいりました。また、株主還元方針に基づき、2025年11月に自己株式の取得を決定するとともに、自己株式の消却に関する基本方針を制定いたしました。IR活動としましては、延べ199社(2024年度比1.3倍)のアナリスト・機関投資家と面談を実施いたしました。また、オンラインでの決算説明会や個人投資家向け会社説明会の実施、スポンサードリサーチレポートの発行等に取り組みました。
c.ESG(非財務戦略)
人的資本の取り組みとして、新しいビジョン実現型人事評価制度の運用を開始するとともに、「信託型従業員持株インセンティブ・プラン(E-Ship®)」及び当社従業員のうち経営補佐職層に対して自社の株式を給付するインセンティブプラン「株式給付信託(J-ESOP)」を導入いたしました。また、長期ビジョン「ESPEC Vision 2035」の発表会の開催や、役員と社員が対話するダイレクトコミュニケーションの実施等インターナルコミュニケーションを推進してまいりました。環境への取り組みとしては、第8次環境中期計画(2022~2025年度)を進めるとともに、第8次環境中期計画PlusⅡ(2026~2027年度)を策定いたしました。ガバナンスでは、BCPの再構築に着手するとともに人権方針を策定いたしました。
④2026年度の経営方針・目標・重点戦略
<経営方針>『筋肉質経営を軸に、収益構造を転換する突破フェーズ
―基盤強化に向けて構造的課題を解決し、成果につなげる―』
<目標>売上高730億円、営業利益80億円、営業利益率11.0%、当期純利益58.8億円、ROE10.0%
<重点戦略>a.事業戦略(装置事業戦略、グローバル戦略、モノづくり戦略、サービス事業戦略、新規事業戦略)
ターゲット市場であるAI半導体分野では新製品の投入を進め、衛星通信分野では北米での生産能力を増強いたします。また、モノづくりの高効率化に向けて京都府の福知山工場のリノベーションを進めてまいります。受託試験事業では、電動化・自動運転モジュール、航空機器関連の受注拡大に取り組んでまいります。

b.財務資本戦略(財務資本戦略、IR戦略)
中期経営計画3年間のキャッシュアロケーション方針に基づき、株主還元を実施してまいります。IR活動としましては、株主・投資家との接点強化と対話の充実に努めてまいります。
c.ESG(非財務戦略)
人的資本の取り組みとして、2025年度に開始したビジョン実現型人事評価制度の運用定着や、インターナルコミュニケーションの強化に取り組んでまいります。また、第8次環境中期計画PlusⅡ(2026~2027年度)を推進してまいります。ガバナンスでは、サプライチェーンリスクを注視し、適切な対応を行ってまいります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

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