有価証券報告書-第68期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/24 9:27
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有報資料

当社はこれからも成長し続ける企業であるために長期ビジョン「ESPEC Vision 2025」を策定し、現在、StageⅡである中期経営計画「プログレッシブ プラン2021」を推進しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大による世界経済の減速により当初の業績目標を達成することが困難な状況となったため、最終年度である2021年度業績目標を見直しました。新型コロナウイルス感染症収束の目処は立っておらず、先行き不透明な状況が継続しておりますが、急速に進む5G・IoTなどのデジタル化や自動車の自動運転・電動化に関する市場を成長分野と位置付け、取り組みを強化してまいります。引き続き企業力の向上に努め、長期ビジョンで掲げた「エスペックの姿」を目指してまいります。
(1)新型コロナウイルス感染症に対する取り組み
当社は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を受け、従業員に対し感染防止のための遵守事項を定め徹底するとともに、在宅勤務などを活用し事業継続に努めてまいりました。
事業活動への影響といたしましては、中国工場は2020年3月末に稼働を再開し、米国工場についても2020年5月中旬より通常通り稼働しており、当期の生産に大きな影響を及ぼすことはありませんでした。一方で、販売・サービス活動につきましては、感染拡大地域ではオンラインでの活動が中心となりましたが、商談への技術者の参加やオンライン展示会の開催など顧客接点の強化に努めました。また、お客さまのテレワークが増加する中、自宅にいながらでも当社製品の遠隔監視・操作が可能なオンラインサービスを新たに開始し、お客さまの事業継続を支援いたしました。
なお、当社は、新型コロナワクチンの接種に貢献するため、ワクチンの輸送や保管に適した製品の開発や自社製品の地方自治体等への無償貸し出しを実施いたしました。今後も適切な感染防止策を徹底し事業継続に努めるとともに、お客さまや社会課題の解決に貢献してまいります。
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営上の連結業績目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、売上高、営業利益、営業利益率であります。
中期経営計画(2018~2021年度)の3年目である2020年度の目標値につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による業績への影響を算定することが困難であったため、第1四半期の業績をふまえ2020年8月7日に発表いたしました。世界的な感染拡大による経済活動の停滞や顧客の投資抑制傾向の継続を想定し、2020年度は売上高・営業利益ともに前期を大きく下回ると見ておりましたが、固定費の削減や受注環境の改善により2020年11月13日および2021年2月10日に上方修正を行いました。
2020年度の実績といたしましては、2019年度実績に対して売上高は3,775百万円減少(8.9%減少)、営業利益は1,170百万円減少(31.3%減少)、営業利益率は2.2ポイント下回りました。2020年8月7日発表の予想比では売上高は1,668百万円増加(4.5%増加)、営業利益は1,172百万円増加(83.8%増加)、営業利益率は2.9ポイント上回りました。
指標2019年度実績2020年度予想
(20年8月発表)
2020年度実績2019年度比2020年度予想比
(20年8月発表)
売上高
(百万円)
42,44337,00038,668△3,775
(8.9%減)
+1,668
(4.5%増)
営業利益
(百万円)
3,7421,4002,572△1,170
(31.3%減)
+1,172
(83.8%増)
営業利益率
(%)
8.83.86.72.2pt減2.9pt増

(3)長期ビジョンおよび中期経営計画
①長期ビジョン「ESPEC Vision 2025」
<エスペックの姿>・グローバルに<環境>をインテグレートするエスペック
・先端技術の安全・安心に貢献する企業
・クリエイティビティとバイタリティにあふれる成長企業
<連結業績目標>2025年度 売上高:600億円以上 営業利益:60億円以上 営業利益率:10%以上
②中期経営計画「プログレッシブ プラン2021」(計画実施期間2018~2021年度)
長期ビジョンに向けたStageⅡ「プログレッシブ プラン2021」では、継続的な成長を目指してさまざまな取り組みを推進しております。
<基本方針>戦略投資と着実な「質の向上」による安定継続成長
・成長分野をターゲットとしたグローバル化とカスタム対応力の向上
・業績変動の緩和と次代の成長のための新分野事業の開発
<中期経営戦略>a.装置事業セグメント 事業戦略
(ⅰ)自動車、IoT分野をターゲットに、カスタマイズ対応力の強化による収益拡大
(ⅱ)環境因子技術の拡充により多様化・高度化する試験ニーズへの対応
(ⅲ)新規分野事業の開拓
b.サービス事業セグメント 事業戦略
お客さまの潜在ニーズを先取りしたサービスメニューの開発とテストコンサルティング事業の拡大
c.グローバル戦略
(ⅰ)中国、韓国を継続拡充地域とし、欧州、ASEAN(インド含む)を重点拡大地域としたグローバルマーケティングの展開
(ⅱ)グローバル全体最適のモノづくり体制構築
<主な取り組み>主な取り組みといたしましては、装置事業セグメントでは、2020年5月に神戸R&Dセンターの新技術開発棟が稼働し、新たな環境因子技術や環境配慮製品などの開発を進めております。2021年3月には同事業所において、地球上のさまざまな気象環境を再現する「全天候型試験ラボ」が稼働いたしました。オープンイノベーションを推進し、環境創造技術の高度化を図ってまいります。また、自動車市場におきましては、国際規格に適合した器種を新たに発売するなど恒温(恒湿)室のラインアップを拡充いたしました。
サービス事業セグメントでは、お客さまのテレワークが増加する中、装置の遠隔監視・操作が可能なオンラインサービスをさらに拡充するとともに、受託試験サービスにおいても試験の立ち上げから終了までを代行するサービスを新たに開始いたしました。また、2021年4月にすべての国内受託試験所の使用電力を100%再生可能エネルギーに切り替え、お客さまのCO2排出量削減に貢献する受託試験サービスの提供を進めております。
新規事業といたしましては、医療分野において新型コロナワクチンやバイオ医薬品等の小口輸送に適した定温輸送保冷庫を新たに開発し、2021年4月より発売を開始するなど事業拡大を図っております。
③2021年度の連結業績目標と主な重点戦略
<連結業績目標>2021年度の連結業績目標につきましては、中期経営計画の当初目標では2021年度売上高520億円、営業利益52億円、営業利益率10%としておりましたが、売上高410億円、営業利益33億円、営業利益率8%に見直しました。以下の重点戦略を推進し、成長を目指してまいります。
<主な重点戦略>a.5G関連市場に関するグローバルな取り組みの強化
成長が見込める基地局、IoT端末、データセンターなどに関連する分野においてグローバルマーケティングを展開し、販売拡大に取り組んでまいります。
b.環境因子技術の拡充による顧客ニーズへの対応強化
カスタム対応の強化やオープンイノベーションの推進などにより環境因子技術を拡充し顧客ニーズへの対応を強化してまいります。
c.ITを活用したサービス事業の拡充
アフターサービス事業およびテストコンサルティング事業においてITを活用した新メニューを投入し顧客ニーズに対応してまいります。
d.医療分野を中心とする新規事業の拡大
新型コロナワクチンやバイオ医薬品の輸送・保管分野において販売拡大と製品開発に取り組むとともに、マテリアル分野や食品機械分野の開拓に努めてまいります。
e.多様な中核的人材の獲得と育成、教育制度の拡充
女性や外国人など多様な人材の獲得・育成や中核的人材の教育制度の拡充に取り組んでまいります。
f.ESGの推進とSDGsへの貢献
社会課題の解決に貢献する事業活動を推進するとともに、ガバナンス体制の強化に取り組んでまいります。
(4)気候変動に対する取り組み
当社は第7次環境中期計画(計画実施期間2018~2021年度)に基づき気候変動対策に取り組んでおります。2019年度からは温室効果ガス排出量の集計範囲の拡大や集計精度の向上に向けた取り組みを強化し、2020年8月にはCDP※の気候変動質問書への自主回答を行いBスコアに認定されました。なお、2020年5月に国際的な団体であるSBT(Science Based Targets)イニシアチブに対し、気温上昇を2℃未満に抑える科学的根拠に基づいた温室効果ガス削減目標を2年以内に設定することをコミットいたしました。
また、再生可能エネルギーの事業所への導入を進めており、2020年1月に刈谷試験所、2021年1月に関西主要5拠点(本社・福知山工場・神戸R&Dセンター他)、2021年4月に宇都宮テクノコンプレックス・豊田試験所にて実施いたしました。これにより当社グループ全体における電力使用量の約70%が再生可能エネルギーとなり、年間CO2排出量(SCOPE1+2)は連結で約48%、国内で約75%削減が見込まれます。
※企業などの環境への取り組みを調査・評価・開示を行っている国際非営利団体
(5)SDGsの推進に向けた取り組み
2020年4月に「サステナビリティ推進室」を設置し、SDGsの達成に貢献する取り組みを始めました。当社の事業活動とSDGsの17の目標との関係を明確にし、部門長を対象にSDGsに関する教育を実施いたしました。2020年12月には、従業員参加型の寄付制度「エスペックスマイルクラブ」を新たに設置いたしました。本クラブの趣旨に賛同する従業員が会員となって毎月100円を積み立て、これに会社が寄付金を上乗せし、子供の貧困や開発途上国の医療体制などの社会課題の解決に取り組む団体に寄付いたします。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

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