有価証券報告書-第68期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/24 9:27
【資料】
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【項目】
146項目

研究開発活動

当社では研究開発活動としてコア技術である環境創造技術の深耕とネットワークシステム技術や電子デバイス計測制御技術との組み合わせにより、自動車や5G・IoTに関連する市場に向けた各種試験装置の製品開発を行いました。また、新たな事業領域である食品機械市場、医療、マテリアル市場に向けた製品開発や、省エネルギー・地球温暖化対策といった環境負荷低減技術の研究開発を行ってまいりました。
当連結会計年度における研究開発費は1,302百万円であり、事業セグメント別の研究開発費は装置事業1,237百万円、サービス事業64百万円、その他事業0百万円であります。
装置事業およびサービス事業の研究開発活動の成果は次のとおりであります。
(1)装置事業
①地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)の低い冷媒R449Aに対応したハイパワー恒温(恒湿)器ARシリーズ急速温度変化タイプ計4器種を発売いたしました。2020年から始まった欧州での規制に適応した低GWP冷媒への置換に対応しております。
②ハイパワー恒温(恒湿)器ARシリーズと冷熱衝撃装置TSAシリーズの一部器種について、低GWP冷媒R449Aの標準オプション化を行いました。低GWP冷媒対応を積極的に進めてまいります。
③地球上のさまざまな気象環境を再現する世界初の「全天候型試験ラボ」を開発し、神戸R&Dセンターにオープンしました。本ラボは、温湿度、雪、雨、太陽光、霧、風を組み合わせた気象環境を再現でき、みぞれから雪への変化、雨から霧への変化など実際の気象環境を創り出すことができます。本ラボを活用することでオープンイノベーションを推進し環境創造技術の高度化を図ってまいります。
④高温逆バイアス試験装置HTRBのベースモデルを開発いたしました。高電圧領域の逆バイアス試験を可能にし、サンプル数や試験スペックに合わせてモジュールを組み合わせることにより、ラインアップを拡充いたしました。
⑤エレクトロケミカルマイグレーション評価装置AMIシリーズのマイナーチェンジを完了いたしました。1システム最大150chから300chまで増設可能とし、イーサネット対応のチャンバー通信、中国語対応ソフトウェアなどのラインアップを追加いたしました。
⑥新型充放電専用チャンバーBTCシリーズを開発いたしました。電池の大型化に合わせた安全装備や3方向ケーブル挿入孔などを有し、充放電試験専用に設計されています。
⑦医薬品輸送に適したポータブル型の「定温輸送保冷庫」を開発いたしました。本製品はGDP(医薬品の適正流通ガイドライン)に対応しており、バイオ医薬品やワクチン、再生医療細胞等を安定輸送することができます。医薬品の安定輸送を実現することで安心・安全な医薬品の流通を支援してまいります。
⑧減圧低温加熱調理器VideProをモデルチェンジいたしました。本製品では、温度と圧力を自由自在に設定し、含浸・抽出・低温調理を組み合わせた科学的な調理を手軽に行うことができ、新しい料理の創作につなげることが可能です。
(2)サービス事業
①エスペックオンラインコア保全管理パッケージを発売いたしました。修理点検などの保全情報や装置情報を一元管理することが可能となります。
②エスペックオンラインシリーズに槽内監視カメラを組み合わせ、遠隔で試料の状態を画像でモニター・保存・ダウンロードできる機能を開発いたしました。環境試験業務もテレワークで実施いただけます。